音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

ブラスぷらす Op.38

最初に聞いた印象は「大河ドラマっぽい」でした。

なんて書くと、幼い感想だよなぁと今なら思ってしまうわけですが、

この曲を聞いた当時はまだ高校生で、

無理やり進学校に入らされてしまった後悔みたいなのが先行していて、

あまり情緒が安定してなかった時代だったと記憶しています。

その頃は吹奏楽なんてほとんど聞いてなかったんですけど、

なにかの折にテープか何かで聞いたのは覚えています。

 

小林徹さんの作曲による「交響的舞曲」は、

1988年の吹奏楽コンクールで課題曲となった作品ですが、

作品単体としても人気が高いことでも知られています。

交響的舞曲ときくとラフマニノフヒンデミットのそれを思い出す方も多いでしょう。

私もそうです(笑)

ただ、この吹奏楽の交響的舞曲も、ものすごくかっこいいんですよね。

 

4分程度と吹奏楽曲としては短めの曲ではありますが、インパクトは高いです。

 

久しぶりに聞くとやはり興奮しますね。

あの頃の淡く苦い思い出もよみがえってくるのはどうしようもないですけど。

 

https://www.youtube.com/watch?v=2nRdnk1nRSA

Incidental Music Vol.96

なかなかの忙しさで更新が遅れました。すみません。

去年の今頃もそんなこと言ってたような気もしますけど(笑)

 

前職の同僚でアニメやゲームにめっちゃ詳しいやつが、

当時すすめてくれた漫画があったんです。

和久井健さん原作の「東京卍リベンジャーズ」というやつでした。

たぶん去年の初め辺りにおすすめされた気がするんですけど、

その時はいろいろと多忙で、そうしたたぐいの話はほぼ聞き流していたわけですが、

今年に入ってまた連絡があって、

「テレビアニメ化するんで、原作送りますから読んでください」と、

LINEで興奮した様子で伝えてきて、半ば強引に送られてきた原作を読みました。

 

面白かったです。

 

同僚の選ぶものに駄作はない、というと言いすぎかもしれませんが、

彼のおかげでいろいろと新しいアニメの情報を仕入れることが出来ていて、

その点は少し感謝しているんです。いや、ほんとに。

 

それで今年の4月からアニメの放送が始まり、

現在も引き続き放送中ということで、お話のネタバレの関連から、

漫画のあらすじとか書くのはやめておきますが、

一応アニメはずっと追いかけてみています。

 

音楽を担当したのは堤博明さん。

アニメを中心に活動されている音楽家の方です。

私がお名前を知ったのは、これも同僚経由でみたアニメ「クロムクロ」からですね。

で、劇伴のお話をするつもりだったんですけど、

やはりこれに触れておかないわけには行かないでしょう。

そうです、主題歌です。

 

主題歌「Cry Baby」を歌うのはOfficial髭男dism(ヒゲダン)です。

ヒゲダンの曲というと「Pretender」や「I LOVE…」が有名ですけど、

この主題歌は、このアニメのために書き下ろされた楽曲だそうでして、

作詞作曲を担当された藤原さんいわく「問題作」なのだそうです。

何が問題作なんだろう、と考えたわけですが、恐ろしく難しい曲なんですよね。

なにせ転調が合計12回(非公式)されていることでも有名です。

そのあたりの分析などは動画がたくさんあがっているのでそちらに譲りますけど、

サビの途中でのあのいきなりの転調は私も驚きました。

 

もともと私自身は転調というものが大好きです。

作曲家の田中公平さんが提唱されている「美しい転調」というものに感銘を受け、

私もその信奉者の一人だと思っていたわけですけど、

よくよく考えてみると、「突然転調」も耳馴染みがあることに気付かされます。

 

クラシックでいうと、ベートーヴェン交響曲第8番の第4楽章。

長い長いCodaの終盤に登場するあの突然の転調、意外と私はすんなり受け入れられました。

あとはTM NETWORKの「BEYOND THE TIME」もそうですね。

Bメロで転調をするわけですけど、そのメロディをよく聞いてみると、

転調したあとのメロディがイントロのそれとほぼ同じであることがわかります。

こだわって作られてるわけですが、やはりあの転調はどきりとします。

 

それと同種の、というと語弊があるかもしれませんが、

この「Cry Baby」のサビ途中での転調はやはりドキリとします。

D majorからD Flat Majorへといきなり変わるんです。

歌詞の「不安定」の部分での転調ということで、文字通り不安定に聞こえますけど、

その違和感を逆に利用して丁寧に作られている印象すらあります。

(どうやら偶然の産物だったらしいですけど・・・)

 

Official髭男dism - Cry Baby[Official Video] - YouTube

 

まあ、でもあれですね。

なんだかんだ言いながら、結構アニメ見てますね、私(笑)

三原色

色の三原色は、マゼンダ・シアン・イエローだそうです。

カタカナで色を書かれてしまうとなかなか想像しづらいところもありますが、

こうした情報に詳しい方からすると、何を今更、と思われるのかもしれないですね。

そういえば会社のプリンターのトナーを交換するとき、

こうした名称を見たような気もしますが、うろ覚えです。

色の三原色の原則でいうと、上の3色を混ぜると黒になるのだそうです。

 

対して、光の三原色は、赤・緑・青とかなりわかりやすいです。

それぞれの英語の頭文字をとって「RGB」なんて洒落た言い方もするみたいです。

光の三原色の定義からすると、これら3色を同時に照らすと白になるのだそうです。

実際に見たことはないのでなんとも言えないですけど、

こうしてブログを書いている私が今まさに見ているパソコンのモニターも、

この定義に則った発色である、のかどうかは詳しくない私には全くわかりません。

 

 

以前書いたかどうか忘れましたが、私は共感覚というものを持っています。

具体的に言うと、音に色がついて見えるんですね。

ただ、それはずっと音を聞いている間に見えているわけではなくて、

音楽を聞いていて興奮したり、気持ちがたかぶったり、

何かしらメンタルに影響を及ぼしたときにふとあらわれるものなんです。

そういう意味では不完全な共感覚ですね。

その見え方も共感覚所持者それぞれ個性があるみたいなんですが、

私の場合は演奏者の周りにオーラのように見えることが多いかなと。

そのオーラがくっきり見えることもあれば、薄ぼんやりとみえることも。

 

 

というお話とは全く関係ないことを書きます(笑)

 

 

楽曲制作を手掛けるAyaseさんと、女性ボーカルikuraさんのユニット、と聞くと、

大半の方は「ああ、YOASOBIね」と答えるんだろうと思います。

私が彼らの楽曲を知ったのは、彼らの代表曲の一つ「夜に駆ける」なんですけど、

よく聞いているのは「ハルカ」や「群青」でしょうかね。

 

そうなんです、YOASOBI、好きなんです。

ファンと言うほど追いかけてはいないんですけど、楽曲はほぼ聞いております。

 

ボーカロイドのあの独特の発声は未だに慣れないんですけど、

それでも技術を駆使することで、音楽の知識をあまり知らなくても、

そして自分自身が歌わなくても、

インターネットを通じて自身が制作した歌曲を知る機会が増えました。

そこからアーティストになった方も数多くいらっしゃいます。

だから、ずっとその界隈も注視はしていたんですよね。

 

で、そうした中でYOASOBIの「夜に駆ける」を知ることになり、

そこから彼らの楽曲を追いかけるように聞き始めます。

NTTドコモの「ahamo」のCMソングに抜擢された、

彼らの新曲「三原色」は、今もヘビロテで聞くほど気に入っております。

 

https://youtu.be/nhOhFOoURnE

 

Ayaseさんのチャンネルで公開されている「三原色」のMVを見たんですが、

なんなんでしょ、あれ。あの映像のクオリティはなんなんでしょう。

あいもかわらず歌うのが圧倒的に難しい楽曲なわけですが、

そんな楽曲にあの最高のMVです。インパクトすごかったです。

もう何度見たかわかりませんけど、また今日も見てます。

 

ikuraこと、幾田りらさんの歌声がまた良いんですよね。

ものすんごい上手いのかどうかは私も判断に困るところなんですが、

聞いてて少しも不快に感じない声、それでいてしっかりした発声で、

あの難曲を歌いこなしているというのは、やはり上手いってことなんでしょうね。

 

というわけで、また聞いてきます。

はたらく

近況報告みたいなことをかきます。

 

ここでも一度報告しましたけれども、無事に正規雇用で働き始めました。

あまり詳しいことを書くと特定されてしまう可能性もありますので、

これ以上の報告はできませんけど、もう少し生き延びられそうです。

 

私自身、「はたらく」ということにそれほど積極的ではありません。

かといって、自宅で一日ずっといるということも出来ない人間でもあります。

仕事柄インドア派と思われがちな部分もありますが、実はアウトドア派です。

家にいるよりも外を出歩くことに安心感を抱く人間です。

こんなご時世ではありますが、

他人様にご迷惑をおかけしない程度に、散歩したりしてます。

 

働かないで生活できるなら、こんな楽なことはない、

なんていう人もよくいらっしゃいますけど、私はそうじゃないんですよ。

積極的に働きたくない、というだけで、

働かない、あるいは働けないことにある種の不安感を覚えてしまう人間です。

そういう意味でいうと「承認欲求の強い人間」なのかもしれません。

自分を必要としてくれてることに嬉しさを感じてしまうんですね。

エヴァンゲリオン碇シンジくんほどではないとは思いますけど、

「ぼくはここにいてもいいんだ」という安心感を働く立場でも得たいんでしょう。

 

とまあ、理屈をこねくりまわしてはいますが、

この年令で再就職できたことは素直に嬉しいです。

 

ということで、少し忙しい日々がしばらくは続きそうです。

Andrew Hill / Passing Ships 【ジャズのススメ 147】

 

Passing Ships

Passing Ships

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ジャズピアニスト、アンドリュー・ヒルの中でも、

あまり知られていないアルバムに興味を持ったのは、

多分このジャケットによるところが大きいと思います。

たぶん、いつもの私ならこういうアルバムは手に取らないと思いますし、

今なら多分積極的に聞こうとは思わないたぐいの一枚だったでしょう。

 

彼はジャズの中でもかなりコンテンポラリー寄りな印象を与えます。

前衛的、という表現だとあまりしっくりとこない感じもしますけど、

一般的にはそういう風に呼ばれることが多いようですね。

メロディやハーモニーに引っかかりを覚えさせる感じとでもいいましょうか、

一筋縄では行かない感じ、とでもいいましょうか、

とにもかくにも、一癖も二癖もあるような音色を響かせてくれますが、

トータルで聞いてみると、ちゃんとジャズとして成立している。

 

そんな彼のアルバムでこれを推したくなったのは、たぶん気まぐれです。

たぶん、一般的な編成よりも少し大きめなセッションであること、

それもビッグバンドほどの大人数というわけではなく、

中人数で奏でられる絶妙なバランスによる曲群だということが、

たぶん、私をしてこのアルバムを推させた一因なのかもしれません。

 


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北極を探しに

 

hw480401.hatenablog.com

 

昨年の今日、私はzabadakのeasy goingを聞いて泣いてました。

今日はまだ一度もzabadakの音楽を聞いてません。

 

でも、頭の中では彼の歌声が響いています。

 

今日はzabadakのメンバーのお一人、吉良知彦さんの命日です。

そしてなんとなく手にとったのがこのアルバムでした。

 

メンバーの一人だった上野洋子さんが脱退後に発売されたアルバムの一つです。

上野さん脱退後はゲストボーカルを招く形でzabadakは継続していきます。

このアルバムのゲストボーカルは高井萌さん。

残念ながら私は高井さんの声をこのアルバムでしか知りません。

そしてこの声、聞いていた当時はあまり好きではありませんでした。

今は特徴のある声で個性的だという風にとらえてますけど、

だから、最初このアルバムを買った当時はあまり聞かなかったんです。

どうやら私と同じような感想を持っている人も多いみたいで、

このアルバムは当時も今でも賛否がはっきりと分かれています。

 

じゃ、なぜ今私はこのアルバムを手にとってるんでしょう。

 

「かえりみち」もとても好きな楽曲ではあるんですが、

高井さんの声にぴったりな印象を受けたのは「北極を探しに」でした。

メロディメーカーとして、またプレイヤー、歌手としての吉良さんはやはり良いですね。

アルバム自体が「くまのプーさん」をテーマにしているんですけど、

その一貫したテーマに則した12篇の詩を見せられているような気分になります。

 

このアルバムは「くまのプーさん」の原作を読んでから聞くと、

また違った意味でいい味を出してくるんです。

サブスクで聴き放題ですので、原作読了後にぜひとも。

 

 

やっぱりこの日はzabadakを聴きたくなります。

きっと毎年そう思うんでしょうね、これからもずっと。

現代音楽を聞く その102

チェコの作曲家、エルヴィン・シュルホフ。

一時期私は彼の室内楽ばっかり聞いていた頃がありました。

 

もちろん中規模、大規模な楽曲も数多くあって、

その中にはジャズ風と銘打たれた野心的な作品もありました。

それらももちろん素晴らしいわけなんですけど、

私自身の嗜好が室内楽好きということもありまして(笑)

 

弦楽四重奏曲第2番」は1925年に作られた曲です。

同じ年に作られた木管のためのディヴェルティメントも良いんですが、

なんにせよ室内楽多めで申し訳ないです。

 

 


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彼もまた、時代とともに作風が大きく変わった作曲家の一人です。

作風が変わった、と聞くとまっさきにスクリャービンあたりを思い浮かべますが、

あそこまで劇的に変化したかどうかは判断の難しいところです。

曲を聞いているとリズムが一定で、ミニマル的な印象も感じますが、

楽曲自体は非常に堅牢な感じも抱かせてくれます。

また、管弦楽曲とか聞くとイメージが変わるかもしれませんけど、

そこまで現代音楽っぽくはない、と個人的には思います。