ジャズピアニスト、アンドリュー・ヒルの中でも、
あまり知られていないアルバムに興味を持ったのは、
多分このジャケットによるところが大きいと思います。
たぶん、いつもの私ならこういうアルバムは手に取らないと思いますし、
今なら多分積極的に聞こうとは思わないたぐいの一枚だったでしょう。
彼はジャズの中でもかなりコンテンポラリー寄りな印象を与えます。
前衛的、という表現だとあまりしっくりとこない感じもしますけど、
一般的にはそういう風に呼ばれることが多いようですね。
メロディやハーモニーに引っかかりを覚えさせる感じとでもいいましょうか、
一筋縄では行かない感じ、とでもいいましょうか、
とにもかくにも、一癖も二癖もあるような音色を響かせてくれますが、
トータルで聞いてみると、ちゃんとジャズとして成立している。
そんな彼のアルバムでこれを推したくなったのは、たぶん気まぐれです。
たぶん、一般的な編成よりも少し大きめなセッションであること、
それもビッグバンドほどの大人数というわけではなく、
中人数で奏でられる絶妙なバランスによる曲群だということが、
たぶん、私をしてこのアルバムを推させた一因なのかもしれません。