だいぶ前にこのブログで報告した、
南米のお仕事が今月に入ってようやく片付きました。
未だに頭の中ではラテンミュージックが鳴り響いてますけど、
今はアカペラ関係のことをやってるので頭の切り替えが忙しい毎日です。
コロナ禍で人の心がすさみきって、一部の人たちの言動が過激化して、
それに気づいている人も気づいていない人もごっちゃになって、
なんだか混沌とした世の中になってしまっている気もしますが、
そういうときには何も考えずに音の海に身を任せてみるのも良いかもしれません。
その昔、体験で瞑想をやったことがあるんです。
心も身体も空にしてただただそこにいるだけ、ということを、
経験できたのかどうかは未だに判然とはしないんですけど、
「考えない」ということを「考える」というある種矛盾めいた行動は、
今こそ必要なスキルの一つなのかもしれないな、と思うことがあります。
で、音楽でそういう気分になるものって考えたんですけど、
これがまあ、なんにも思いつかないんです(笑)
よくYoutubeなんかで「10分で寝られる音楽」だとか、
「○○波が出やすくなる音楽」なんてタイトルの動画がたまに出てきて、
ちょこっと聞いてみたりするんですけど、
どれもこれも「眠くなりそうな感じがする音楽」って感想しかなくて、
しかも実際に10分ではねむれませんでしたし、
心の緊張がほぐれたのかどうかすら定かではありません。
だから、ああいう音楽はきっと瞑想的なそれとは違うんだと思うんです。
何も考えずに聞ける音楽って、私の場合はほとんどありません。
聞いている間も曲の調性やリズム、あるいはテクニックなんかを探してしまい、
純粋に音楽を楽しめなくなってしまった感すらあります。
四半世紀ほど前に発売されたこのサントラ、
以前にもたぶん紹介したことがあるかと思うんですけど、
なかなかぶっ飛んだ音楽集になってます。
音楽を手がけられたのは、私の心の師匠のお一人である田中公平さん。
ちょうど公平さんの過渡期とも言える時期に作られた音楽集です。
古今東西の有名なものをパロディしまくっていた時代から、
オリジナリティというか氏独自の音楽へとシフトチェンジした頃の作品です。
だからなのかどうかはわかりませんけど、
いわゆる「お約束」と言われるような楽曲があまり含まれていないんですよね。
「ワンダバ」なんていわれることもありますけど、
正義の味方が出撃する時の音楽のことをそう呼ぶらしいんですけど、
そういう場合ってブラスなどの勇ましい音色、あるいはマーチ調、
などの勇壮な音楽というのが「お約束」だったりしますけど、
この「スターピンキーQ」ではかなりお約束からかけ離れた音作りをしています。
でも全体を聞いてみるとしっかりと「ワンダバ」になってます。
で、ようやく本題に戻るわけですけど、
このサントラの中に「最終間抜け」という楽曲が入ってます。
タイトルの通り、おマヌケな音楽なんですけど、
この音楽が相当ぶっ飛んでいたせいなのか何なのかはわかりませんが、
少なくともこの曲を聞いている間は瞑想的ななにかが出てたような気がするんです。
つまり「何も考えなかった」ってことですね。
たぶん後にも先にもこれだけぶっ飛んだオマヌケ楽曲は聞いたことがありません。
今でもたまにこの曲が聞きたくなるんです。
かなり人を選ぶ音楽なのでしょうけど、私には見事に刺さりました。
聞いてみたい人は是非サントラを。
新品はたぶん廃盤で見つからないかもしれませんけど・・・