藝大ゲームサウンドアンサンブル2 TAPESTRY
藝祭のあの雰囲気が好きなんです。
東京藝術大学の文化祭である「藝祭」。
数年前から私も足しげく通うようになりました。
その理由の一つが「ゲームサウンド」です。
数年前から毎年恒例となっているゲームサウンドのコンサート。
小編成のアンサンブルであったりフルオーケストラでの演奏だったりと、
公演スタイルはさまざまではありますが、
そのクオリティの高さもあり、私もずっと通い続けています。
今年3月に行われた「藝大ゲームサウンドオーケストラ FINAL」公演で、
それまで企画などを担当されていた八木さんが卒業され、
藝大のゲームサウンド公演はどうなるんだろう、とヤキモキしていましたが、
どうやら後継者ともいえる方がいらっしゃったようで、
今年の藝祭でも無事に行われました。
※過去の藝祭やGSO関連の拙作ブログはこちらのリンクからどうぞ
藝祭2015 Game Sound Orchestraを鑑賞してきた
藝大ゲームサウンドアンサンブルによせて
藝大ゲームサウンドオーケストラ -FINAL-
Game Sound Ens.2 TAPESTRY (藝祭2日目公演)
2017年9月9日(土)
開場:9:00 開演:9:15
演目
・星のカービィ 夢の泉の物語 (木管五重奏)
タイトル画面~デモ / TITLE SCREEN~DEMO
平地の面 / VEGETABLE VALLEY
無敵状態 / INVINCIBILITY
海と船の面 / ICE CREAM ISLAND
城の面 / BUTTER BUILDING
雲の面 / GRAPE GARDEN
山地の面 / YOGURT YARD
海中の面 / ORANGE OCEAN
レベル8の最初 / AT THE BEGINNING OF LEVEL 8
・デュープリズム (弦楽五重奏+ピアノ)
デュープリズムのテーマ / Theme of Dewprism
クレアとの絆 / Bonded by Claire
ファンシーメル / Fancy Mel
最後の戦い2 / Final Battle 2
邂逅 / A Chance Meeting
フィナーレ~ルゥ~ / Finale ~Rue~
・ファンタジーライフ (金管六重奏+ピアノ)
はじまりのテーマ
王都クルブルク
港町ポルトポルト
魔王の塔
愛のテーマ
かみさまに会ったよ
帰還
ファンタジーライフメインテーマ
・雪・冬の街メドレー&戦闘曲メドレー (全体合奏)
ファンタジーライフより「雪山のテーマ」
デュープリズムより「クレアとの絆」
星のカービィ夢の泉の物語より「夢と寒冷地の面」
星のカービィ夢の泉の物語より「最終ボス/VS. NIGHTMARE WIZARD」
デュープリズムより「行く手をはばむものたち/Roadblock」「脱出!/Escape!」
ファンタジーライフより「ピンチのテーマ」
FFXIIIライトニングサーガより「魂の解放者」
・FINAL FANTASY XIII ライトニングサーガ (全体合奏+声楽)
FINAL FANTASY XIII ~誓い~
ブレイズエッジ
色のない世界
ユールのテーマ
女神の騎士
混沌
ライトニングのテーマ ~遠き光~
FINAL FANTASY XIII ~奇跡~
閃光
細かいことを書き始めるときりがないんですけど、
とりあえず今日起こったことを時系列に沿って書いてみようかなと。
まず朝起きたのが6時過ぎ。
そして朝ご飯食べて顔洗って歯を磨いて、
家を出たのが7時ちょい前。
藝祭が行われている東京藝術大学へ着いたのが開場30分前の8時でした。
その段階ですでに40人以上が並んでらっしゃいました。
そして、8時30分に一般来場者入場。
藝大GSE2公演がある第6ホールへと向かいます。
8時40分に整理券配布開始。
その後、9時にホールが開場となりました。
(ここまでのところでもいろいろと書きたいことがあるんですがそれは最後のほうで)
以前行われたGSE公演を彷彿とさせるホール内の様子でした。
私は運よく最前列の一席に座ることができました。
そしてチラリと右のほうを見てみると、カバンがおいてあり、
そのかばんにはカービィの・・・あれなんていうんでしょうね(笑)、
人形というかストラップのついている小さなアレというか・・・
とにかくカバンにカービィの小さな人形が付いていたんです。
おそらくはカービィ好きなのだろうな、と思ってたんですが、
どうやらそのかばん、今回の公演の裏方さんのものだったらしく、
プロジェクターの調整などをされていたのが見えました。
そのカービィお姉さんが後ろの男性と親しげに会話されていました。
ちらっとだけその男性の顔を拝見したのですが、どこかで見たことが・・・
そうなんです。
前回までの藝大GSO公演で指揮をされていた八木さんその人だったんです。
藝大OBということもあって招待されていたのでしょうね。
八木さん、私のこのブログを何度かご覧になっているみたいですけど、
まさかご本人とこんなに近くでお会いできるとは。
周りに知り合いが多かったのか、いろいろと裏話的なことを聴けて耳が幸せでした。
そんな八木さんの印象的な一言が「誘ってよかった~!」でした(笑)。
(意味合いはご想像にお任せします)
本題に戻ります。
今回の藝大ゲームサウンドアンサンブル2(以下、藝大GSE2)、
とても意欲的だったという印象が強いんです。
選曲されたゲームもそうですし、アレンジもそうです。
大編成には大編成の、小編成には小編成の良いところがあります。
そうした良いところをうまく引き出していたように思いました。
そして、ベースの安定感が光っていました。
木管五重奏のファゴット、弦楽五重奏でのチェロとコントラバス、
そして、金管六重奏でのチューバ。
ベースが安定していると楽曲全体も安定します。
もちろんメロディパートやその他のパートのスキルも高かったんですけど、
低音のどっしりした音が、楽曲全体に与える影響を、
おそらくは編曲された皆さんも熟知されたいたのではないかなぁと。
この辺は完全に私見なんですけど・・・
全体合奏で演奏されたFFXIIIシリーズの楽曲がメインという位置づけでしたが、
私の目的の一曲は、実は「デュープリズム」でした。
PlayStationで発売されたアクションRPGの佳作で、
この音楽が本当に大好きなんですよ。
今回の演目で唯一プレイしていない「ファンタジーライフ」も、
ファミコンで狂ったようにプレイしていた「カービィ」も、
そして、FFXIIIシリーズも当然素晴らしい楽曲で感動したんですが、
「デュープリズム」への思い入れが強すぎて、本当に申し訳ないです。
思い入れが強すぎて、素直に聞けなかったところもあるにはあるんですが(笑)。
星のカービィの楽曲は本当に大好きなんですが、
シリーズ全部をプレイしていないこともあって、
ここ数年に発売されたタイトルについては思い入れがあまりないのが実状です。
なので、藝大GSE2でファミコン版の楽曲が演奏されると知ったときはうれしかったんです。
石川さん、安藤さんの紡ぎだす音色はシリーズ通して大好きですし。
木管五重奏という選択もこの楽曲にぴったりだったように思いました。
オーボエやっているのでどうしてもオーボエ中心に見てしまうんですけど、
ファゴットのリズミカルなベースと時折入るクラリネットの合いの手がとても心地よかったです。
デュープリズム。コナミ時代から大好きな作曲家である仲野さんの作品です。
スクウェアに移籍してFFXなども手掛けられていますが、
私の中ではこのデュープリズムの楽曲は忘れられないくらいに大好きなものになりました。
仲野さんの作る透明度の高い音楽の数々を、
いかにして弦楽五重奏とピアノに落とし込んでいるのか、私の興味はそこだけでした。
そこだけというのは言い過ぎでしたね、すいません・・・
コミカルな曲調が多いゲームであるが故なのか、弦主体で奏でられるとやや重い印象でした。
おそらくはそのあたりは計算されているのだろうとは思いますが、
だからといって原曲を損なったアレンジであったかというとそうではないんです。
幾度となく奏でられるメインのテーマがそこここに登場し、
それが形を変え音色を変え現れては消えていくその様が、
実によく構成されているな、という印象でした。
そして効果的に使われているピアノがとてもいい役割を担っています。
細かい話は省きますが、とにかく聞いてて気持ちよかったです。
特にファンシーメルのアレンジは秀逸でありました。
ファンタジーライフは全く楽曲を知らないんですが、
FFシリーズなどで知られる植松さんの楽曲ということもあり、
親しみのあるコードだったりメロディだったりを堪能することができました。
金管の音色とピアノの音色が合うかどうかと聞かれると多少疑問が残る気がしなくもないですが、
個人的には金管六重奏のみでの演奏でもよかったかなと。
前述のとおり、チューバの安定感もそうですが、
トランペットやホルン、トロンボーン、そしてユーフォニウムそれぞれのスキルが高く、
ほんわかした楽曲が多い印象の今作にとてもマッチしていたように思いました。
メドレー部なんですが、戦闘曲ってやっぱり熱くなりますよね。
街のメドレーもカービィの「夢と寒冷地の面」の楽曲のアレンジがとても素晴らしくて、
聴いてて泣きそうになったんですけど、
そのあとの戦闘曲メドレーでその涙が引っ込んでしまうという事態になりました。
どれも印象的でしたが、デュープリズムの「行く手をはばむものたち」、
そしてFFXIIIシリーズからの「魂の解放者」はかなり熱かったです。
FFXIIIシリーズの楽曲。
浜渦さんの楽曲は最近あまり聴いていないんですが・・・
FFXIIIシリーズはすべてプレイしており、とても楽しく演奏を聴くことができました。
パンフレットに「プログラムにない曲もいくつか隠されております」と書かれてましたが、
藝大で音楽を学ばれるとこういう仕掛けをされるのがお好きな人が多いんですかね(笑)。
某ゲーム音楽演奏団体の編曲を担当されている方も、
プログラムに入ってない曲などを織り込んだりしているので。
ま、それはともかく、
FFXIIIのメインテーマが大好きなのでそれを聴くことができてうれしかったです。
FFXIIIの代表曲ともいえる「閃光」は・・・まあ、ああいうアレンジもいいのかな、という感じでした。
約80分強のコンサートはアンコールもなく無事に終了しました。
個人的な印象をここから少し。いやなことも書いちゃいますけどね。
藝大GSE2の公式Twitterってのがあるんです。
私もフォローしてるんですが、
そこに「整理券配布場所まで案内します」ということが書いてありました。
が、結局一般入場が開始されてから第6ホールまで案内はありませんでした。
私の場合は事前にホール前で配布されることは知ってましたし、
何度も藝大には通っているので場所もわかっていました。
が、何も知らない人が案内もなくそこまで行くのは大変だったろうな、と思います。
そして、この整理券の配布です。
右上に整理券の番号が書かれているのですが、
どうやら61番からの配布だったようです。
つまりは、招待客の方、奏者やスタッフの身内の方々に配られていたということですね。
まあ、そういうもんだってことはわかるんですけど、
朝早くからきている人が並んで手に入れられるのが60番以降からっていうのは、
はたからみるとすこし不公平感があるように思いました。
私も早めに並んだこともあって60番台の整理券番号を手に入れられましたし、
最前列の良いところに座れたのもそれゆえではありますが、
少し釈然としないものを感じたことも事実です。
無料で行われるものですし、文化祭の一環ということもあるので仕方のないところかもしれませんが。
私がアマチュア、プロ問わずに公演を敬遠している理由の一つが、
「公演中になぜパンフレットを見るのか」というところにあります。
近年、こうしたコンサートのマナーがさらに悪くなっている印象があるんですよ。
特にこのパンフレットを公演中に音を立ててみるってのが本当に多いんです。
前述のスタッフさんであるカービィお姉さんもそれをやられてました。
後ろにいらした男性も同じ列にいた年配の女性も、
皆、演奏中にパンフレットを音を立ててみていました。
曲目を確認したい気持ちもわかります。
ただ、できればそうしたものを演奏中に見るのだけはやめていただきたかったです。
小編成の器楽曲はそれほど音量があるわけではないので、
そうした音が耳についてしまうのです。
事前にスタッフさんからもそうした注意がアナウンスされればまた違ったのかもしれませんね。
全体合奏演目から登場した指揮者の米田さん。
最初は安定していたように見えたんですが、
最後の演目であるFFXIIIシリーズの演奏ではちょっと走りぎみだった印象です。
そのため、すこし演奏にばらつきのある箇所も見られました。
残念ながらこれについては指揮者に責任があるように思います。
学生オケなんてこんなものでしょ、という意見もあるでしょうけど、私は厳しいので(笑)。
とまあ不満なところも多少あるにはあったんですが、
総じてとても楽しめる演奏会となりました。
奏者の皆さま、スタッフの皆さま、
そして何より今回の演奏会の企画をされた鈴木さんに感謝します。
ありがとうございました。
あ、そうそう、最後に忘れそうになりましたが、
パンフレットとても素晴らしい内容でした。
記載されている文章もそうですし、レイアウトやイラストなど、
細部まで凝ったものを作ろう、という意思を感じることのできるものでした。
また来年も楽しみにしております!!