音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

藝大ゲームサウンドオーケストラ -FINAL-

行ってきました、藝大ゲームサウンドオーケストラ(以下GSO)。

藝大、つまり東京藝術大学のことなんですけど、
その藝大で毎年秋行われている文化祭「藝祭」というのがあって、
2年前の9月にこの第一回の公演が行われました。
このことについては以前ブログでも書いてます。(詳細はこちら

そしてその翌年の藝祭でもゲーム音楽の演奏会がありました。
名前をゲームサウンドアンサンブルと変えて、
小編成による楽曲の演奏が行われたんですね。こちらもとても良かったです。
この公演についても以前のブログで書いてます。(詳細はこちら

この公演以前にも藝大でゲーム音楽の演奏されていたそうなのですが、
(どうやら公式ではないみたいですけど)
私が参加したのはこの藝祭での2公演が初めてでした。

そんな好評を博した藝祭GSO(GSE)の公演が今回で最後となるそうです。
ブログのタイトルにもある通り「FINAL」ということらしいです。
なんとも寂しい限りですね。
昨年秋のGSEのような小編成ではなく人数も大規模になり、
和楽器も加わって、非常に色彩感のある演奏を聞かせてくれた今回の最終公演。
とても楽しく、感動的なものとなりました。


藝大ゲームサウンドオーケストラ -FINAL-
2017年3月29日(水)
開場18:30 開演19:00
東京藝術大学奏楽堂

(演目)
第一部「大神」


タイトル
プロローグ
大神アマテラス復活
神州平原
ウシワカのテーマ
ウシワカ演舞~ウシワカと遊ぶ


骨鏃の破天矢
クシナダを乗せて
スサノオ登場
ヤマタノオロチ退治 其の二
神木祭り


両島原
シャチ丸のテーマ
龍宮
神木村の悲しい風習
双魔神モシレチク コタネチク退治


約束
常闇の皇
「Reset」~「ありがとう」バージョン~
太陽は昇る


休憩15分


第二部「風のクロノア

第一楽章
AND I BEGIN TO WONDER
DARKEN
THE WINDMILL SONG
MINE OF LIGHTS
GHADIOUS APPEARES
THE RONGO LANGO
GRANPA'S CHAIR

第二楽章
MELANCHOLY SOLDIER
JUGPOT FALLS
THE RUIN'S AIR
BALADIUM'S DRIVE
FOR THE TIME WE'VE SPENT
FRY OVER THE WIND

第三楽章
UNTAMED HEART
DIFFICULT TO SAY
THE CLOSING ENCOUNTER
THE RING
ADVENT

第四楽章
PEACEFUL MOMENT
I'M ON YOUR SIDE
FAREWELL
RESURRECTION
STAFFROLL


こうして演目を改めてみてみると、内容濃いですよね。
少なくとも私は思いました。

近年、ゲームサウンドを演奏する団体がプロ・アマ問わず増えていて、
タイトルに特化せずに様々なゲームのいいとこ取りみたいなプログラムで、
お客さんを楽しませるところも多くありますけど、
今回のGSOのように、タイトルをひとつ、もしくは少数に絞って演奏することで、
つまみ食いではなく、本格的なディナーのごとく、
そのゲームの音楽の良いところをたくさん聞くことが出来るって良いもんです。


実はこの公演、私の友人と一緒に見たんですよ。
その友人は冷静に見ていた印象だったんですが、
私といえばもう、大神のラスト10分くらいずっと泣いてたし、
風のクロノアに至っては四楽章始まってしばらく泣きっぱなしでした(笑)。

というわけで。

前半は大神でした。
ネット動画のゲーム音楽ランキングでも必ず上位に入っている、
ラスボス曲(後半)「太陽は昇る」があまりにも有名なんですよね。

かいつまんで大神のことを少し紹介すると、
主人公である大神アマテラスが、やや強引に相棒となった小人イッスンとともに、
ナカツクニと呼ばれる世界をくまなく探索しながら、
敵と闘ったり、村を救ったりしていくアクションRPGの傑作です。


今回の藝大GSOの公演ではフルオケに加え、さらに和楽器群を導入。
津軽三味線、箏、尺八、篠笛、能管、打ち物、小鼓が入り、
かなり和風な音色で仕上がっていました。
奏楽堂のステージの奥にオーケストラが、
そしてステージ前方のスペースに和楽器が配置されていました。
音量バランスの配慮もあったと思いますが、客席からも和楽器の様子がよく見えて、
私はすごく嬉しかったことも書いておきます。

大神の最初、といえばタイトル画面の「おおかみ~!(エコー)」という声とともに、
デデンという音色で始まるんですけど、
そのデデンではなく、尺八の音色から始まります。
そこからオケが加わり音色がだんだんと大きくはっきりとしてきます。
この最初のタイトル~プロローグ~アマテラス復活あたりの流れは、
それほどしつこくなく、あっさりと過ぎていった印象でした。
いや、悪いというわけではなくて、かなり私好みの始まり方です。

そして最初のフィールド曲でもある神州平原に入ると、
和楽器の打ち物がさらなる活躍をし始めます。
このあたりで指揮を担当されている八木さんがかなり慎重に振っていた印象です。
打ち物が少しテンポを上げそうになるところを、
少し抑えて、とでもいうかのような手振りの指揮を見ました。
得てしてリズム体というのは、早くなったり遅くなるとそのズレが顕著に演奏に出ます。
それを八木さんが丁寧な指揮でコントロールしているように見えました。

このあたりまでの印象は、かなり原曲を意識した編曲だなということですね。
私も大好きなゲームの一つでもあるので、サントラもかなり聴き込んでますが、
その音色をオケと和楽器で見事に表現している、という印象を受けました。

さらに楽曲は進み、ウシワカのテーマ、そしてウシワカ演舞へと移ります。
原曲でも三味線、尺八や笛の音色が登場しますが、
今回の公演では実際に津軽三味線、尺八や篠笛、能管が使われています。
原曲の音色にかなり近づいた印象を持ったんですが、
ウシワカのテーマはまさに原曲そのもの。
その後のウシワカ演舞も、あのシーンを彷彿とさせる再現度で、
私のココロはヒートアップしていきました(笑)。


大いに盛り上がった「一」が終了し、「二」が始まります。

実は今回の公演、舞台にスクリーンが使われています。
多くのゲーム演奏会だと、実際のゲームの動画であったりが映し出されるんですが、
今回の公演では実際のゲーム画面は一切登場しません。
いろいろと複雑な事情があるとは思うんですけど(笑)。
スクリーンには曲のタイトルが文字で映し出されていました。
しかし、その文字のフォントであったり装飾であったりといったものが、
ゲームをしている人なら「ああ、なるほど」と頷ける演出だったんですよね。
たとえば「ウシワカ演舞」のときには、
実際のゲームキャラ登場のときに使われていたあの迫力あるフォントを真似て使用してましたし、
後半の「約束」という曲では、
主役級のキャラ(ものすごく小さいキャラ)が飛び跳ねてる、
といった演出だったり。
実際のゲーム画面は見られなくとも、文字と装飾と光の動きでゲームを表現する、
とても斬新かつ良い演出だったな、と私は思います。


この調子で書いていると、ブログがかなり長くなりそうなので、
ここから先は少々かいつまんで書いてみます。


「二」で印象的だったのは、
クシナダを乗せて」、「神木祭り」あたりでしょうか。
クシナダの方はかなり切迫感のある楽曲なのですが、
オリジナルに近いアレンジもあり、ちょっと涙ぐみそうになりました。
あと、神木祭りはスクリーンに花火が上がってとても華やかでしたし、
笛の透き通った音色にオーケストラの響きが加わって、
本気で泣きそうになりました。いや、泣きました。
このクシナダの演奏のときに思ったんですけど、
八木さんの指揮ぶりがとっても熱かったんですよね。
身体全体を大きく使って、丁寧に指揮をされていました。
前々回で指揮棒を盛大に落とすというハプニングがありましたけど、
今回は指揮棒握ってなかったんでしたっけ?
(席が中央後方よりだったので見えなかった・・・w)

「三」で印象的だったのは、
双魔神モシレチクコタネチク退治ですかね。
シャチ丸のテーマ~龍宮へと移っていくときの音色がとても儚げで、
そこもうっとりして素晴らしかった印象だったんですけどね。
両島原もかなり熱い演奏でしたし。
ただ、一風変わったアレンジという意味で双魔神退治の曲がかなり面白かったです。
たぶんラチェットという楽器だと思うんですけど、
釣りで使うようなリール状のものを回して、
「ガガガ」という大きな音がなる楽器が使われてたんですよね。
しかもかなりフレーズで。少し邪魔かなとも思いましたが(笑)。
でも、原曲でも時計の機械音が使われていましたし、
楽曲全体を通してみても迫力のあるいい演奏でした。

「四」はほぼずっと泣いてました。
約束~常闇の皇~RESET~太陽は昇るという流れを演奏会で聞いたのは、
たぶんこのGSOが初だと思います。
通常のゲーム演奏会では「太陽は昇る」を単独で演奏、
もしくはその前の「Reset」とセットで演奏されることはあったと思いますが、
この並びで演奏されたことはたぶん私が知っている中ではなかったと記憶してます。
(あったとしたらすいません・・)
この「四」は本当にすごかった。迫力も申し分なく、演奏も素晴らしかったです。
リズムがずれそうになりかけてましたけど。
RESETがかかるシーンはかなり名シーンですよね。
スクリーンでも幸玉を思わせる光のたまが多数登場してましたし、
その演出だけでもう号泣です(笑)。
太陽は昇るはいわずもがな。負ける気がしないとはまさにこのことですね。


ちょっと語らせてください。
この太陽は昇るという楽曲は、私も大好きな曲のひとつです。
相棒イッスンのあの名シーンのあとにこの楽曲が流れるわけですけど、
もうね、この曲泣けるんですよ。いろいろと思い出しちゃって。
それは楽曲自体のクオリティにも起因することなのですが、
実はこの曲、後半で使われている楽曲が「サクヤ姫のテーマ」なんですね。
少しテンポが変わってますがそのまんま使われてます。
序盤に登場するキーマンの一人、サクヤ姫。
アマテラスをナカツクニに蘇らせた神の一人であり、
超グラマラスバディの持ち主でもある姫のテーマが、
このラスボスの楽曲に使われている、というのはとても意義深いものを感じます。
だからこそこのカタルシスに人々は魅了されるのだろうなあと。
楽曲それ自体でも十分楽しめますが、
ゲーム「大神」を最後までプレイして、改めて楽曲を聞くと、
また一味違う面持ちで聴けること間違いなしです。
なので、皆さん「大神」プレイしましょう(笑)。
(現在Wii版、PS2版、PS3版(絶景版)が発売されてます)

長々と失礼しました。


そして太陽は昇るのあとに小メドレーが演奏されました。
楽曲全ては把握してないんですが、
ウシワカのテーマ等が入ってたのはわかりました(笑)。

今回の大神の編曲を担当されたのは、
前回の藝大GSEファイナルファンタジーの楽曲編曲を手掛けた方だと記憶しています。
今回の大神の編曲、かなり大変だったんだろうな、と思いました。
和楽器が入るというだけでも大変なのに、
ゲームの音楽ということなので、原曲にどこまで近づけるべきか、
という命題を同時に突きつけられるわけで、そのあたりの葛藤もあったと推察します。
(葛藤してなかったのだとしたらすいませんw)

和楽器雅楽、つまり日本の昔の音楽を演奏するために作られてます。
逆に考えるとクラシックやロックなどの西洋的音階を有した音楽を演奏するには、
和楽器というのは不向き、とまではいいませんが、
かなりの演奏技術が要求されるものである、と私は考えてます。
確か、討鬼伝という和風狩ゲーの音楽を担当された坂本さんも、
たしかそのような主旨のことを仰ってたと思います。
なので、和楽器の方々、特に三味線、尺八、笛などを担当された方は、
かなり大変だったんだろうな、と推察します。ご苦労様でした。
もちろんそれと同等に、オケのメンバーの皆さんも大変だったと思いますが。


前半の演奏についてはいろいろと思うところが多少あったことはあったんですが(笑)、
それでもこの大神の楽曲群の演奏から発せられる、
奏者、スタッフ一体となったエネルギーみたいなものは十二分に感じられました。
もう一度聴いてみたいと本気で思いましたが、
これでいいのかもしれませんね。
まさに一期一会の音楽、堪能いたしました。


と、ここで休憩を挟んで後半へ。
いよいよ風のクロノアです。

・・・なんですけども。

舞台上に登場したのは、
藝大GSOの企画、そして指揮、さらには編曲も担当された八木さんです。
登場したのは良いんですが、スポットライトが別のところに当たっていて、
慌ててそこに移動する八木さん、可愛らしかったです(笑)。

緊張した面持ちで登場した後、ゲストのご紹介がありました。
ゲーム「風のクロノア」で音楽を担当された井村絵里子さんです。
ナムコ在籍時に多くのゲームで音楽を担当された井村さん。
風のクロノアでも音楽制作の中心として活躍されたそうです。
井村さんを含めて8人?くらいの音楽スタッフが動員されたとのこと。
ものすごく緊張されている八木さんと対照的に、
井村さんは純粋に今回のGSOを楽しんでいらっしゃるようで、
前半の大神の演奏に大興奮だったご様子(笑)。
井村さんのこの時のリアクションも、八木さんと同様に可愛らしかったです。

唐突に始まったこのトークですが、最後も唐突に終わった印象です。
井村さん、もっと喋りたかったのかもしれませんね・・・
そして、気がつくとピアノがステージ中央に移動していました。
いわゆる「ピアノ協奏曲」が演奏されるときのスタイルですね。
オケの前にピアノが鎮座している、まさにあの状態です。


さて、ここでちょっとお話をしなければなりません。

約2年半ほど前に「室内楽による765の調べ」と題して、
室内楽ナムコ製作のゲーム音楽の演奏会が催されました。
主催はMelodies Of Crystalというゲーム音楽演奏団体、
そしてその代表が、今回の演奏会でチェロを担当されている大澤さんです。
大澤さんのことは以前のブログで何度か触れておりますが、
ゲーム音楽への愛が相当深いであろう、と推察できるくらいに、
愛情の深いアレンジをされることでも有名な御仁です。
そして、以前このブログでもこの演奏会のことについて記事を書きました。
(「室内楽による765の調べ」の感想ブログはこちら
そこで大澤さんが室内楽として編曲されたのが「風のクロノア」だったんですね。
今回のGSOで配られたパンフレットに、
大澤さんとGSOの八木さんの対談が載っているんですが、まだ読んでません(笑)。
たぶんこのことも書いてあると思います。
(先にパンフ読んでから記事書けよ、という声もあると思いますが黙殺しますw)


風のクロノアのゲームについて少し書いておきましょう。
今から20年ほど前にPlayStationで発売されたアクションゲームです。
井村さんが演奏前におっしゃってたことなのですが、
当時のナムコのゲームでちゃんとしたストーリーを持ったゲームを開発してなかった、
ということもあり、きちんとストーリーのあるゲームを作ろう、
ということで開発が始まったのだそうです。確かにストーリーは秀逸です。
アクションも徐々に難しく、またパズル要素も少しあるので、
なかなか先へ進めずイライラしたことも、昨日のことのように思い出します(笑)。

ええ、演奏会前日にサントラで予習しましたから(笑)。

獣人の少年クロノアがリングの妖精ヒューポーとともに冒険するアクションゲームです。
まあ、それだけじゃないんですけど。色々書くとネタバレ書きそうなので(笑)。
可愛らしい容姿のゲームですが、実は結構ダークなところもあったりします。
ラストは涙なしには見られない、かどうかは人によりますけど、
意外な展開でインパクトはかなりあると思います。

最初に演奏されたのはAND I BEGIN TO WONDERというピアノ曲
原曲でもかなり短めの楽曲ですが、
ここで登場したムービーは、ゲームを知る人が見たらニヤリとしたはずです。
映像では中央の白い丸が淡い光を放ち、そこに上から白い輪が緩やかに下りてきます。
そうです、あれです(笑)。
まあ、主人公の一人ヒューポーがリングの精であることを考えると、
あの白い輪が何を意味しているのかは想像がつくと思います。
そしてこの短いテーマが、実は重要な要素となってくるんですが、
この話はまた後ほど。
そしてDARKEN。不穏な響きの楽曲です。
この2つの曲の流れで、ピアノとオケのタイミングが少しずれてた気がしたんですが、
まあ、そんなことはともかく、この後に晴れやかな旋律が登場します。
THE WINDMILL SONGです。
これものちに語りますが、このメロディやリズムが形を変えて出てきます。
このゲームのメインテーマのひとつといってもいいと思います。
(もう一つは先に話したピアノ曲です)
後半の変拍子がとっても心地よいです。
この楽曲、中盤にギターが活躍するんですけど、
そこをピアノで置き換えて演奏していたので、ピアニストさん大変そうでしたね。
変拍子で早いパッセージですから。
もう、この曲大好きなんですよ。
2年半前にも聴いたはずなんですけど、そっちはあまり憶えてないという(笑)。

そうなんですよ、このゲームの楽曲って、ギターが活躍する曲が多いんですよね。
だからピアノとオケで編曲するのは大変だったろうと思います。

MINE OF LIGHTSは先のTHE WINDMILL SONGSに続くステージの楽曲。
洞窟だか採掘場だか、どっちか忘れましたが、確か暗いステージだった記憶です。
こちらもさっきの楽曲と同様に変拍子が特徴的な楽曲ですね。
というよりもTHE WINDMILL SONGSのアレンジともとれます。
ま、どっちでもいいんですが、原曲の幻想的な雰囲気を、
オケとピアノで表現されてた気がします。難しい楽曲ですけど。

GHADIOUS APPEARESは、ガディウス登場の時に流れた楽曲。
不敵に笑うガディウスが目の前にあらわれます(笑)。
実はこの曲、地味に好きなんですよね。
そして続いて中ボス戦の楽曲、THE RONGO LANGOです。
クロノアのボス戦ってちょっと独特なんですよね。
回っているコマを想像していただけるとわかりやすいんですが、
そのコマがボス戦のステージになってまして、
クロノアの移動に合わせてそのステージがコマみたいに動くんですね。
で、それを文字だけで表現したのがスクリーンに映し出されたあれです(笑)。
「THE RONGO LANGO」という文字が3D表記の円状になっていて、
それが不規則に回っているというシュールな映像です。
ああ、よくこれ作ったなあ、と感心しきりでした。
その後に続くGRANPA'S CHAIR。
クロノアと一緒に住むじっちゃん(グランパ)の曲ですね。
まあ、この後あれなんですけど・・・
ピアノで奏でられる旋律が胸を打ちます。

とここで第一楽章終了。
ここからは大神と同じく印象に残った楽曲をかいつまんで。


MELANCHOLY SOLDIERは可愛らしい楽曲ですがこちらも変拍子
そうなんですよ、クロノアの楽曲って変拍子が多いんです。
あと、転調もかなり多い感じですね。
だからこれだけ楽曲が愛されているってことなのでしょうか。
実はこの曲の出だしが某RPGの街の曲を想起させるんですが、
ま、それはそれとして。

THE RUIN'S AIRは大好きな楽曲です。
というのもこの曲も先に言ったTHE WINDMILL SONGSのアレンジだからです。
いや、それだけじゃないんですけど(笑)。
不穏な響きの中から現れるWINDMILLのイントロがひときわ輝いて聞こえてきます。
そしてこの曲もご多分に漏れず変拍子が心地よい楽曲です。

BALADIUM'S DRIVE(ボス曲)に続いて、
FOR THE TIME WE'VE SPENTです。
とあるイベントの曲なんですが、
あれですよね、この曲、GRANPA'S CHAIRのアレンジなんですよ。
こちらのほうがテンポがゆっくりです。
このメロディの演奏でそのイベントのことを思い出して泣きそうになりました。
GRANPA'S CHAIRのところでゲームのことを思い出して、
ここでノックアウト、という感じですね。
この曲に続いてFRY OVER THE WINDです。
こちらも興奮させる演奏で涙腺を刺激してくれました。
何の曲だったか忘れましたけども(笑)。

第三楽章です。
UNTAMED HEARTです。こちらも幻想的な楽曲ですよね。
スクリーンに表示された文字ごとに色が変化していく演出がニクらしいですが、
それよりもこの楽曲に登場するピアノの旋律に注目です。
そう、この曲最初に登場したピアノ曲なんですよね。
ここの演奏、とても心地よかったのを覚えています。

DIFFICULT TO SAYでも最初のピアノ曲が登場します。
ゲームではかなり重要なシーンで使われます。
「言いにくいこと」という題名からも分かる通り、秘密が明らかになり始めます。
このシーン、驚きと同時に変な気持ちになった記憶がありますね。
そして、THE CLOSING ENCOUNTER、最終ステージの楽曲です。
実はこの曲の後半で使われているメロディがTHE WINDMILL SONGSなんですよね。
しかし、このバリバリテクノっぽい楽曲をよくオケで編曲したなぁと感心しきりでした。
かっこよさは損なわれること無く、興奮しまくってました。

と、この辺で気づいたんですよ。
THE RINGあたりからそのままサントラの流れと一緒だってことに(笑)。
だから第三楽章から第四楽章に入る時に休憩を挟まずそのまま演奏したんですね。
(専門用語でこういう風に切れ目なく演奏することをアタッカ<Attacca>といいます)
THE RINGは戦闘曲らしくかなりアグレッシブな編曲が楽しめた楽曲です。
演奏してる側はかなり大変だったと推察しますが。

ここから一気にSTAFFROLLまで流れるように展開していきます。
この流れを表現したかったからこそ、この順番で演奏したのでしょうし、
アタッカで一気に演奏したのでしょうね。
PEACEFUL MOMENT、I'M ON YOUR SIDEともに登場する旋律は、
一番最初のピアノ曲です。朗々と歌い上げるようなピアノの旋律が印象的。
そしてFAREWELL。最後の最後で驚かされることになるシーン。
ここで奏でられる音楽はFAREWELLというタイトルとは裏腹に切ないです。
そしてその後につながるRESURRECTION。
ここでヴォーカルが入ります。
歌い手さんが原曲を意識してビブラート控えめだったのも嬉しかったですが、
もうね、この音楽のシーン思い出して号泣ですよ・・・ええ。
シンプルなメロディの歌声にピアノの伴奏がとても映えます。
STAFFROLLは、ヴァイオリンとピアノの二重奏。
いやぁ、これも素晴らしかったなぁ。
コンミスとピアニストのアイコンタクトがちょっと見てて微笑ましかったのと、
やはりここでもゲーム画面を思い出して泣いてました。



アンコールはクロノアと大神の小メドレー、だったと思います。
神州平原や太陽は昇る、そしてTHE WINDMILL SONGSなどが聞こえてきました。
泣いてて分析どころではなかったので、正解は主催の方に今度聞いておきます(笑)。


実はここからゲームサウンドのことを少し語ろうかな、と思ったんですが、
気がついたら結構な文量になってたのでやめときます(笑)。
私のゲームサウンド観については、昨年の藝大GSEのブログにも書いてますし、
そこからそれほど考えとしてはブレてはいないと思いますので。
ただ、だいぶひねくれ度合いが減ってきたかな、という印象です。
素直にゲームサウンドを聴くことが出来るようになったのは喜ばしい限りです。

企画の八木さん、本当にお疲れ様でした。
あなたのゲームサウンドに対する熱すぎるほどの愛情を感じることができました。
これからもその愛情を紡いでいかれることを切に期待しております。

そして和楽器を演奏された皆さん、ピアノのソリスト、ヴォーカルの方、
さらに、大神のアレンジを担当された方へ。
あえて名前を書かなかったのは私の良心によるものです(笑)。
おおっぴらに名前書いていいのであればバンバン書いたんですけど。
もしも書いてよいのであればTwitter経由でもいいので連絡ください。
都度修正します(笑)

そしてスクリーン演出をされた方々へ。
様々な制約のある中であれだけ想像力を掻き立ててくれる映像を作り上げたのは、
賞賛に値すると私は思っています。素晴らしい演出でした。

そして、裏方の皆様。席の誘導や列の形成など、
いろいろと細々と動かれていたのを私はちゃんと見てましたですよ。
入場無料とはいえ、これだけ立派なホールで演奏会を開くわけですから、
運営もきちんとやらないと、という気合を感じることができました。
お疲れ様でした。

演奏技術もあり、アレンジもとても素晴らしく、
まあちょっと失敗もありましたけど、それでも楽しく演奏を聴くことができました。
大神とクロノアという私の大好きなゲームたちの音楽を演奏していただき感謝です。

皆様、本当にありがとうございました、そしてお疲れ様でした!!