音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

今さら「いけにえと雪のセツナ」の感想を(ネタバレほぼ無し)

すでにクリアしてかなり時間が経っているんですが、

もうすぐサウンドトラックが出るというこのタイミングで、

PS4、PS Vitaで発売されたゲーム「いけにえと雪のセツナ」について書いてみようと思います。



とりもどそう、ボクたちのRPG



これがこのゲーム「いけにえと雪のセツナ」(以下、セツナ)のコピーです。

つまり、昔プレイしたロールプレイングゲームRPG)が、

今の技術によってブラッシュアップして再構築したもの、ということだと勝手に解釈しています(笑)


プレイのスタイルはスーパーファミコンで1995年に発売されたRPGクロノトリガー」のそれを彷彿とさせます。

エックス斬りなんて技が出るくらいですから、やはり意識はしているのでしょう。

戦闘形式やフィールドでの移動など、そこかしこにクロノトリガーの影を見ることが出来ます。


音楽は全編ピアノによるものです。

リズム体も若干使われてはいますが、おおよそピアノです。

街の中やフィールド、戦闘、ダンジョンにいたる全てがピアノで奏でられます。

システムはクロノを思わせるのですが、音楽はFFを想起させます。

ところどころにFFで使われたかのようなフレーズが顔をのぞかせるんです。

私が意識しすぎているせいかもしれないんですけど・・・

音楽を担当された三好さんがどういう意図で音楽を作られたのかは想像するしか無いんですが、

BGMについてはかなり冒険している印象でした。私は大好きです。

とあるテーマの断片をあちこちに配置したり、飽きさせない工夫が随所に使われていますが、

ピアノのみだと盛り上がりに欠けるとか、場面切り替えがわかりづらいといった否定的な意見も見られますが、

まあ、その気持も分からなくはないです(笑)


セツナの定価はかなり安めに設定されています。

確か4,800円(税抜) でした。PS4のゲームにしてはかなりお安めです。

敵のグラフィックを流用したり、操作性がやや難だったところが、

低価格をうかがわせるのですが、よくこの値段で出せたよな、と素直に思います。

スクウェア・エニックスって基本的に定価高めですし(笑)


物語はやや短めです。

個人的には最後の選択が本当に切なかったです。


キャラは全部で6人(プラスα)。それぞれ個性的です。

主人公のエンドの設定も面白くて好きなんですが、やっぱりクオンが好きかなぁ。

ラストまでプレイするとより一層クオンが好きになりますね。




OPも印象的でした。

主人公のエンドが雪の積もった森のなかを歩いているんですが、

ちょうどFF6の最初、魔導アーマーが雪の中を歩いてるところを思い出しました。

やっぱりFF、それもFCやSFCで発売されたものも意識しているのでしょうか。


戦闘は声が出ます。が、物語中はテキストのみの表示です。

(主人公の声は設定でONOFFが出来ます)

フルボイスのRPGもそこそこやってはいるんですが、

ファミコン時代のRPGで青春を過ごした私としては、

こういった細かい配慮も嬉しくなりました。



とまあ、ここまでセツナを褒めちぎってはいるんですが、

いろいろと不備というか不具合というか、不満点が無いこともないんです。


まず、このゲームの戦闘のキモである「刹那システム」がわかりにくい。

文字情報だけで説明されても、何を言ってるのかさっぱりです。

FF13で専門用語や知らない固有名詞がバンバン飛び交うセリフや設定を思い出しました(笑)

(誤解の無いように言っておくと、FF13は割と好きです)


あと、システム周りですね。

カーソル記憶のところとか、致命的ではないにしろバグがあったり、

文章で誤字があったり、いろいろと細かい不満はありました。

全部あげていくときりがないので説明は省きますけど。


こうした不満点の大元の原因が低価格にあるのかもしれないですね。

開発の費用などをいかに抑えるか。

決して手抜きでゲームを作っているわけではないんでしょうけれど、

いろいろとアラが残る作品であることは否めないと思います。



でも、久々にRPGらしいストーリーも堪能できたし、

なんだかんだで最後までプレイしたわけですから、楽しめたんでしょう、きっと。

とっても惜しい佳作に出会った感じです。


たぶん今度の冬、もう一度プレイしたくなる、そんなゲームだと思います。