音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

Winter's End~いけにえと雪のセツナ~ ピアノリサイタル

いやぁ、ピアノ堪能してきました。
楽しかったし嬉しかったし感動しました。

以上


という感想でブログを終わろうと思ったんですけど、
たぶんゲームのファンの方に殴られそうなのでちゃんと書きます。



いけにえと雪のセツナ、というRPGが今年発売されました。
昨年の東京ゲームショウで発表されて気になっていたタイトルだったんです。
「日本のRPGを取り戻す」だとかなんとか、かなりうろ覚えですけど、
かなり往年の日本の良きRPGを意識したコピーだったと思います。

PS4版とPS Vita版が発売されたんですが、私はPS4版を発売日に購入しました。
ゲームの感想は以前のブログでも書いているのでそちらを参照してください。

このゲームの特徴は音楽にもありました。
ゲーム内で使われているすべての音楽がピアノを主体として書かれているのです。
戦闘音楽など一部例外を除いてすべてピアノで表現されています。

作曲者は三好智己(みよしともき)さん。かなりお若い音楽家さんなのですが、
驚いたことに私と同じ学校に入学していることがわかりました。
私は成績優秀者ではなかったのでスカラシップで入学できませんでしたが(笑)

いけにえと雪のセツナの音楽は、スクウェア時代の古き良きRPGを彷彿とさせます。
FFやクロノトリガーなどの音楽を知っている人なら思わずニヤリとする音楽が出てきたり、
かと思えば、メインテーマの変奏がそこかしこに配置されており、
フレーズを巧みに操る姿は、浜渦正志さんが手がけられたサガフロ2を彷彿とさせます。

つまり、音楽がとてもいい、ということですね。

そんないけにえと雪のセツナの音楽のアレンジアルバムが発売されることとなり、
それを記念して今回のピアノリサイタルが催されました。






Winter's End~いけにえと雪のセツナ~ ピアノリサイタル
2016年10月4日(火) 18:30開場 19:00開演
トッパンホール(東京小石川)

MC:加隈亜衣(声優・セツナ役)

出演者
三好智己(作曲家)
由良浩明(サウンドディレクター)
Jem Harding(ピアニスト)
橋本厚志(ゲームディレクター)
熊谷宇祐(海外版・PC版ディレクター)
稲葉洋敬(シナリオライター

(以上、敬称略)


プログラム

Eternal winter
Town by the sea
Song in the wind
Old hearth
Redemption and forgiveness
Like a boss!
The forrest of light
Little dancing light
The Warmth of Hope


intermission


Whisper to the heart
Of noble blood
The ancient bloodline
Safe haven
Dark anomaly
Frozen highlights
Stories of old
The Journey's End


アンコールあり



今回の演奏会は先述の通り、アレンジアルバムからの演奏です。
そして、上記のプログラムの中にはバトル曲が入っていません。
それぞれのキャラクターのテーマ曲であったり、
セツナの根幹ともいえるメインテーマであったり、
村やフィールドの曲であったり、といった、
ピアノソロでも問題のない曲目でした。

個人的にはバトル曲も聞いてみたかったのですが、
それはまた別の機会があると信じたいです・・・いや、ほんとに。

サウンドトラックに収録されている「Winter's End」という曲があるのですが、
(今回の演奏会では最初に演奏された「Eternal winter」がそれにあたります)
この曲の根幹のフレーズ「レレミレドソラ~♪」が、
実はこのゲームの音楽のそこかしこに登場します。
もとを正せば、このメロディはゲームの途中で聞くことができる、とある唄の一節でもあります。


曲の解説は今回はしません。
今回の演奏会で先行販売されたアレンジアルバムを実は買ってないんです(笑)。
サイン会もあったみたいなのですが、諸般の事情で買いませんでした・・・
あ、でも、友人が買って見せてくれたので写真はありますよ。
ほら、これです。


三好さんのサイン入りです。いいですよね~。
私も後日このアルバムは買わせていただきます!!


今回の演奏会でピアノを演奏されたジェム・ハーディングさんです。
このためにオーストラリアから来日されたのだとか。
実はゲームの音楽とも深い関わりがあって、
豪州のエミネンス交響楽団というところで指揮、ピアノをされているそうです。
このエミネンス交響楽団、アニメやゲームの音楽を演奏するんです。
私は名前しか存じ上げなかったのですが・・・

そんなハーディングさんの演奏はとても力強く、また優しい音色でした。
私が好きなとある街のメロディがあるのですが、
それを聞いたとき、思わず涙ぐんでしまいました。
生で聞くとやはり空気感というかなんというか、何かが違います。


MCをつとめられたのは、声優の加隈亜衣さん。
ゲーム内で主人公の一人セツナ役をされています。
演奏の合間に加隈さんが登場して、
スタッフ陣とトークをされていたのですが、その中で印象的だったのが、
加隈亜衣さんが主人公に自分の名前をつけたからややこしかった」というものでした(笑)

いけにえと雪のセツナは、
仲間になる全てのキャラに好きな名前をつけることができます。
私はデフォルトでやる人なのですが、加隈亜衣さんはそうではなかったようですね。
ゲームをプレイしてて自分が演じた声を聴くとどういう気持になるんだろう、
とふとそんな疑問がMC中に頭をよぎりました。

その他にも笑えたり感心したりするトークがたくさんあったのですが、
それを書くと長くなりすぎるのでこのくらいで。


後半ラストの曲「The Journey's End」は、ジェム・ハーディングさんの演奏ではなく、
音楽担当の三好さんとサウンドディレクターの由良さんによるデュオでした。
三好さんがピアノ、そして由良さんはヴァイオリン。
このデュオがとてつもない破壊力を有しておりまして、私の涙腺は決壊寸前でした(笑)
隣の人に気づかれないようにたまった涙を拭いてました。
曲自体はスタッフロールで流れる曲とほぼ同じ構成だったんですが、
楽器構成がゲームと違っているだけでこれだけ新鮮に聞こえるものなのか、と思いました。
ヴァイオリンとピアノという黄金デュオで聴くセツナの曲はとても胸に響きました。

そして拍手喝采がおこり、出演陣が全員並んで一礼。
そのあとで三好さんがお一人で登場し、サラッとピアノの前に座りました。
そうです、アンコールです。


アンコールは本日最初に演奏された「Eternal Winter」でした。
三好さん自身によるアンコールのピアノ演奏は、
ハーディングさんのものとまた違って、とても心に響いてきました。
つまり、半泣き状態になったということです(笑)。


アンコールが終わり、公演は無事に終了しました。


ホワイエで三好さんのサイン会もあり、大勢のお客さんが並ばれていました。
私は友人と二人で途中まで一緒に帰ったのですが、
「良い演奏会だった」という感想に落ち着きました。


ジェム・ハーディングさん、三好さん、由良さん、演奏ありがとうございました。
加隈さん、MCお疲れ様&ありがとうございました。
橋本さん、熊谷さん、稲葉さん、楽しいトークありがとうございました。

是非またやってください。
今度はバトル曲や「March of the brave」をぜひとも!!




追記
今日の演奏会で驚いたことがありました。
それはお客さんの様子です。
最初は戸惑っていたのか、複数曲演奏するのに拍手がまばらに鳴ってたのが、
途中からはマナーをキチンと守って拍手を我慢されていました。
そして、何より驚いたのが客席から物音がほとんどしなかったことです。
あまりに静寂すぎて耳がキーンとなってしまうくらいでした(笑)。
時折パンフレットをめくる音が聞こえましたが、本当にそのくらいです。
クラシック音楽の演奏会でもこれほどの静寂はあまりありません。
演奏と演奏の間に咳払いとかわざとらしくするおじさまやおばさまが多いんですけど、
今回は平均年齢がそれよりもだいぶ若かったことが功を奏した(?)かもしれません。

そういう点でも最高の演奏会でした。



追記2 (10/5追記)
ホワイエで友人とLINEをしていたら、
見覚えのある方が私の目の前を通り過ぎたんです。
そして、会場の真ん中に座られている姿を見て、
「あ、スクウェア・エニックスの松田社長じゃないか!」と気づいた次第でして(笑)
気づくのおそすぎ・・・

あと、外国の方が多く来られてましたね。ジェムさんつながりだったんでしょうか。
それとも三好さんつながりでしょうか。