音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

オニオン弦楽合奏団 第七回演奏会

1989年。

コピーライターの糸井重里さんが中心となって一つのRPGが作られました。

そのゲーム「MOTHER」はのちに3作目まで制作されることになります。

 

2015年。

一人のゲームクリエイターが日本のゲームなどに影響を受けて、

とある一つのインディーズゲームを作成します。

そのゲーム「Undertale」は、多くのファンを獲得し人気を集めています。

Undertaleの作者であるToby Foxは、ゲーム制作において影響を受けた作品の一つとして「MOTHER」シリーズをあげています。

 

この二つの作品、私はちょうど発売された年にプレイをしています。

ファミリーコンピュータで発売された「MOTHER」も7月の発売日に購入して、あれよあれよという間にクリアしてしまいましたし、

海外で発売されて火が付いた「Undertale」も、

ボストンに住む私の友人が強力に推してきて「何も考えずにまずはプレイしろ」と脅迫じみたメールを送ってくるくらいだったので、まずは英語版でプレイしました。

どちらもそれまで発売されたゲームに何らかの影響を受けながらも、オリジナリティあふれる意欲作として後世に残る作品となっています。

 

 

そんな二つの作品の音楽を融合し再構成するというコンサートが、

本日開催されることになったので、事前予約して行ってきました。

 

 

オニオン弦楽合奏団 第七回演奏会

2019年10月27日(日)

開場:13:30 開演:14:00

昭和大学 上條記念館 上條ホール

 

(演目)

01. 母

02. 友達

03. 好奇心

04. 雪

05. ヒーロー

06. スター

07. へんないきもの

08. 父

09. 夢と希望

 

アンコールあり

 

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Twitterで仲良くさせていただいている複数の人が奏者、

あるいは裏方として参加していることもあり、

また裏方のおひとりから「面白い演奏会」と聞かされて俄然興味がわいたので、

事前に予約をしていくことにしました。

 

hiro0401.hatenablog.com

 

以前の公演についてはこちらに書きました。

結構辛口モードで書いているのでそのあたりはご容赦ください。

 

 

こういうゲーム音楽の演奏会は、

Twitterやほかの方のブログなどでも詳細な感想を書かれていると思うので、

私のブログでは少し違った目線で書いてみようと思います。

 

 

今回の演奏会は「MOTHER」と「Undertale」がテーマになっています。

そして、それらの楽曲をサントラに即して演奏する、というわけではなく、

一つのテーマを定めてそれに応じて編曲された楽曲を演奏するスタイルです。

「母」「好奇心」など漠然としたテーマが掲げられており、

複数の楽曲を融合させて演奏していきます。

 

こういうスタイルの演奏会ってなかなかありません。

強いてあげれば「Final Symphony」あたりがそれに相当するんでしょうか。

Final Symphonyでは、スクエアエニックスの一つのゲームにスポットを当てて、

そのゲームで使われる楽曲の旋律を再構築してアレンジが施されています。

演奏会の主旨自体は違いますが、コンセプトは少し似ている気がしますね。

 

 

私も編曲家の端くれなので、

こういう特殊なコンセプトは大好物です。

編曲は代表も務められている大澤さんですし、クオリティは折り紙付きです。

前回の演奏会では、中音の演奏スキルというかピッチがあれで閉口してしまいましたけど(笑)

 

こういう有志による演奏会ではよくありますが、

どうしても演奏スキルにバラツキがつきものです。

そのため、めっちゃうまい奏者がいるからといってそのクオリティが担保となることはあまりありません。

要するに聞くに堪えないものが多くなる、ということです。

 

コンミスや各パートトップ、ピアノ、パーカスとうまい人たちがそろっていて、

そこには何も不安は感じませんでした。

「夢と希望」のピアノソロ部分はずっと号泣していましたし、

パートトップのソロ部分もすごく心地よかったですし、

パーカッションも歯切れよく聞こえてきます。

 

意外なことに今回の演奏会では前回ほど拒絶感はなかった気がします。

中音のピッチは時々気になりましたし、

演奏する姿勢(弾き方)が人によって千差万別で音の鳴りにムラがありましたけど、

全体的には聞くに堪えない、というほどではありませんでした。

無料公演なのに、そんな贅沢言うなよ、って言われそうですけど・・・

 

 

これ以上書くとただの悪口になりそうなのでこのあたりでやめときます。

 

 

指揮は編曲を担当された大澤さん自らがやっていました。

時に激しく、時にお茶目に指揮をする様子は2階席から見てて楽しかったですね。

演奏難度が高いので、奏者の方々は大変そうに見えましたが。

 

 

鑑賞者のマナーについてですが、こちらも相変わらずでしたね。

クラシックなどの演奏会と比較して、

ゲーム音楽を聞く人たちのマナーは良い、とどこかで見た気がしますが、

どっちも同じようなものです。悪い人は悪いです。

演奏中に、やおらカバンを開けてペットボトルを取り出し飲んでいたり、

マスクもタオルも口元にあてずに咳をし続ける人がいたり、

あの暗いホール内でパンフレットを執拗に見つつ擦過音を響かせたり、

どんな演奏会でもよく見かける光景です。

(演奏中にペットボトルを出して飲むというのはさすがに初めてみましたけど)

あと、休憩中のスマホ使用率はゲーム音楽の演奏会がダントツですね(笑)

 

 

終演後、ホワイエでアンコールの曲目の写真を撮っているときに、

ピアノを担当されていたいずみさんから声をかけていただきました。

あれはほんと嬉しかったなぁ。突然の声かけで驚いちゃいましたけど(笑)

ピアノ、本当に素晴らしかったです。

 

 

というわけで、曲目に一切触れずにここまで書いちゃいましたけど、

さすがにそれだと感想ブログにならないので少しだけ。

 

出だし。

MOTHERのあの曲から始めるというのはうまいなぁと思いました。

1曲目は「母」ということですから、あっちの曲からと思っていましたが、

そうきたかぁ!と膝を打ちそうになりました。演奏中なので自重しました(笑)

4曲目「雪」はスノーフルのピアノのイントロから始まるところでグッときました。

7曲目「へんないきもの」はあの曲とあの曲のコラボ、そしてラストが素敵でした。

9曲目「夢と希望」は全部泣いてました。演奏された曲すべてが涙腺にきます。

 

個人的な感想ですが、

今回の編曲はすごくシンプルに感じたんです。

いろんな技巧が凝らされてはいるんですが、

これまでの演奏会で感じたものとは少し異質に思えました。

シンプルでわかりやすい。でも、それだけじゃない。

これまでの演奏会でも原曲リスペクトは十二分に感じたんですが、

編曲がすこし「引いた」感じを受けたんですよね。

これまでにない融合編曲ということでいろいろと試行錯誤もあったと思いますけど。

 

 

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アンコールはこちら。

特にコメントはありません。ただただ嬉しかったです。

 

 

 

仕事中に書いているのでだいぶ端折って書いてしまいましたが、

それはそれとして、とても面白い演奏会でした。

おすすめしてくれたスタッフの方、本当にありがとうございました。

 

奏者の皆さま、ホール内スタッフの皆さま、お疲れさまでした。

パンフレットを受け取るとき、だれから受け取るか迷ってしまってすいません。

たくさん知り合いの方がいたんですけど、

演奏会後に仕事があったもので、早々に脱出してしまって、

お声がけできなくてすいませんでした。

 

また、機会があれば参加させていただこうと考えています。

素敵な時間をありがとうございました。

 

 

 

追伸

パンフレット、とても素敵でした~!