音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

Concert under the Summer Skyに行ってきた

きっかけは、確かTwitterだったと思います。


フォロワーのお一人であるTさんと何故か乙女ゲーの話になりました。

どのきっかけでそんな話になったのかは定かではありません。

そんな時に私が冗談でこんなことを言ったんです。

「おすすめの乙女ゲー紹介してくださいよ!」

もちろん相手のTさんが乙女ゲーなんてやったことが無いことはわかっていました。

本当に冗談、ギャグのつもりでの問いだったんです。


そんな私の突拍子もない質問に答えてくれたのは、

Tさんご本人ではなく、共通のフォロワーであったNさん、Hさんでした。

そんなお二人に強くおすすめされたのが「夏空のモノローグ」だったんです。

その時は私も勢いに任せて「やります!」と答えてはみたものの、

なかなかやる時間も機会も無くてそのままずるずると時だけが過ぎていきました。


そんなあるとき、Tさんがそのゲームをクリアしたというつぶやきをしたんです。

そしてとても面白かったということも。


焦りました。

同時期にこのゲームのことを知ったのに、

片方ではすでにクリアまでしていて、もう片方、つまり私はまだゲームにすら触れてなかったことに。

そして有無を言わずにPSP版の「夏空のモノローグ」を購入しました。




というのが私とこのゲームの出会いです。


奇しくも前述で登場したNさん、Tさんというのが、

今回のこの夏空のモノローグ全曲演奏会、

「Concert under the Summer Sky」の主催のお二人なんです。

Nさんは企画立案、そしてTさんは楽曲の編曲を担当されました。

ちなみにHさんは本公演のスタッフをされていました。

(終演後に3人それぞれとちょっとだけお話しできました。嬉しかったです。ありがとうございました)



乙女ゲームというのは、主に女性を対象としたゲームで、

しかも女性が主人公であるゲームの総称だそうです。

略して乙女ゲーと呼ばれています。(一文字しか略してませんが・・・)

そんな乙女ゲー、我々男性がやるような事は無いと思っていたのですが、

Nさんが「だまされたと思ってやってみてください。乙女ゲームというカテゴリーになっていますがおもしろさは保証します」という主旨の事を言っていたので、

きっと面白いんだろうな、と思いながら、でも若干の抵抗はあったように思います。

結局は買ってプレイして、号泣してしまったんですけどね(笑)


そうなんです、このゲーム、泣けるんです。

乙女ゲーという仮面を被ってはいますが、内容はとてもシリアスなアドベンチャーゲームです。

つまり男性がやっても全く問題の無い良質なゲーム、ということです。


このゲームを私は焦りと不安の中でプレイしはじめ、そしてハマリ、感動しました。


主催のNさんが「是非やってください」という理由が本当によく分かりました。



そんな感動するゲーム「夏空のモノローグ」はPS2版とPSP版で発売されています。

面白いことは保証済みですので、やってない方は是非。




と宣伝をしたところで。

ようやく本題です(笑)



「夏空のモノローグ」というゲームなのですが、

その音楽もとても印象深いものが多いです。

私もサウンドトラックを購入した1人なのですが、どの楽曲もクオリティが高いものばかりです。

そんな楽曲の数々をアンサンブルで演奏するという企画が本日行われました。


今回のブログはゲームのネタバレも含めて、

あえてゲームの内容等を語らない方向で作成しました。

ネタバレなどは一切書いておりませんので安心してご覧ください。

それにしても、ゲームの内容に触れずに記事を書くことの難しいことよ・・・(笑)



Concert under the Summer Sky -夏空のモノローグ-


2015年8月1日(土)

開場13:30 開演:14:00

小松川さくらホール




演奏:超次元夏空演奏楽団




(演目)


夏空

ゆるやか夏期講習

涼風吹く通学路

色褪せた思い出

月明かりを抱いて

_Akashic Records

因果崩壊

茜の坂道

ループ DE 研究

世紀の大発、明・・・・・・?

科学部カプリッチオ

閉ざされた心

止まない雨

キミのあたたかさ

想いを重ねて

終わりの詩

7月、30日。


Tree Piece

夏空のモノローグ


アンコールあり



トータルでいうと約一時間強の演奏会でした。

楽曲自体がそれほど多くは無く、アレンジも原曲にそったものだったこともあり、

演奏会としては短めのものだったようです。


しかし、私は数々の楽曲で涙を流すことになりました。


まず、演奏者のスキルがとても高いということ。

ソロ演奏者としても抜群の演奏力を持っている人が集い、

今回の楽曲のための楽団である「超次元夏空演奏楽団」を結成したわけで、

それだけでもこの演奏のクオリティを知ることが出来ると思います。

実際、チェロとピアノの二重奏なんかを聞いていても、

自然に涙が零れそうになるくらいに素敵な演奏だったんです。


まあ、編曲者の術中にはまった結果であったのかもしれませんが(笑)



最初の「夏空」という曲はピアノから始まるのですが、

そのピアノの音色を数音聞いただけで、

今回の演奏会のクオリティがハンパナイものになるであろうことは推察できました。

ピアノの担当の方がTwitterの相互フォロワーさんであるということもあるのですが、

もともとピアノスキルがとても高い方なので安心して聴くことができました。

演奏後に「緊張しました」と仰っていましたが、

演奏会全編にわたって縦横無尽に駆け抜けるそのピアノの音はやっぱりすごいの一言。

途中で鍵盤ハーモニカを演奏するところがあって、

その時は代わりにTさんがピアノを演奏されていました。あの曲ノリノリでしたw



パーカッションがかなり縁の下の力持ちだった印象なんですね。

トライアングルやウィンドチャイムといったきらびやかな音を多用しているのもそうなのですが、

どちらかというと楽曲全体の速度調整といった部分もあるので、

とても気をつかって演奏されているように見えたのですが、いかがなのでしょうか。

私が勝手に感じたことなので違ってたら申し訳ないんですが、

とてもノリノリで演奏されているようで、その辺りもきちっと管理されているような印象もありました。

リズム体はそれだけで大変だな、とも思いましたが・・・



弦楽合奏の4人はもう何も語ることはありません(笑)。

チェロや1stヴァイオリンの独奏部分では不覚にも泣きそうになりました。

というか、泣きました。

そして演奏会とは全く関係ないんですけど、

1stヴァイオリンのちょっと独特なあの座り方を見ていて、

小学校時代の組体操の一つを思い出しました。

理由は聞かないでください(笑)

でも、弦楽担当皆様のファンになったことは事実です。



フルートは、楽曲のおいしいとこを持って行く。そんな印象でした。

木管楽器の音色はピアノや弦楽と相性が良いことはもちろんですが、

後述する箏やエレキベースとも相性が良いのだな-、というのは意外な発見でした。

そうなんです。

今回の演奏会の目玉ともいえるのがこの和楽器である箏とエレキベースの参戦です。

そもそも編成がとても魅力的だったんですよね。


舞台中央前方に弦楽(カルテット)。

それを囲むようにして左にはピアノ、その右にはフルート。

さらに右にエレキベース。その右隣にはパーカッション。

そして最右端には箏、三味線(同じ奏者が二つ演奏されていました)


エレキベースを採用されたのはとても面白かったですね。

いわゆる小編成の演奏でエレキベースが出てくるってのはかなり意外に感じました。

この辺りはTさんの仕掛けがうまく功を奏した形になっているのでしょうね。


箏なんですけど、どちらかというとハープのような音色の使い方をしていたのかな、と思います。

いわゆるアルペジオって、箏で弾くのは決して容易ではないんでしょうけど、

それを奏者の人がやられているのを見て驚いたんですよね。

まあ私自身和楽器にそれほど精通しているわけでは無いので実際の所は想像するしか無いんですが(笑)



私自身が短調よりも長調の曲の方が好きというのもあるのですが、

演奏会後半の「キミのあたたかさ」以降の曲はかなりお気に入りです。

ピアノのソロ曲をあれだけ愛情たっぷりに演奏されているのをみて微笑ましくなりましたし、

ピアノを弾いていないときでも首をふりつつリズムを取っているのが客席からもよく見えました。


ピアノのことばっかり語っているのであれなんですけど、

このゲームに対する理解と愛情をとても演奏から感じたんです。

アレンジの絶妙さというのももちろん加味されるべき要素の一つではあるんですが、

奏者の皆さんがこのゲームをプレイして感じたことが音色にダイレクトにあらわれていたのかな、

とそんなことを考えたりしています。


このゲームの中でも屈指の名曲「閉ざされた心」の旋律は胸に響きました。

この曲を聴くといつも「木野瀬くんルート」を思いだしてしまいます。

私が最初にクリアしたルートであることが大きな理由なのでしょうけれど、

あのシーンでかかるこの曲はやはり聴いていて涙が出ますね。



楽曲演奏2曲を残して、舞台に登場した主催のお二人。

かなり緊張されていたように思うのですが、

少し冗談を交えながら、このゲームに対する熱い想いを語っておられて、

それを見ていて胸がジーンと熱くなりました。

特に主催で企画運営をやられていたNさんの並々ならぬ情熱は、

その短い言葉の中からも感じることが出来たように思います。



そしてTree Pieceの演奏。

ツリーピースというのは、それぞれのエピソードが終了すると一つずつ解放されるテキストのこと。

文章のみで語られるそのエピソードで流れる曲を感想文のようにアレンジしたとのTさんの言葉。

その言葉通りに優しくて切なくてでも温かいそんなメドレー演奏でした。


最後はED曲「夏空のモノローグ」。

歌ものなのですが今回の演奏会ではインストヴァージョンでした。

実はここでずーっとチェロを見ていたんです。あ、他の楽器も見ていたんですけどね(笑)。

あのサビのメロディがとても好きなのですが、やっぱりそこでも泣きそうになりました・・・

年を取ると涙腺がゆるくなってどうしようもありませんね。



アンコール曲はこちら。




アンコール曲にOP曲を持ってくるという演出はやっぱり嬉しいですね。

この名曲を聴いているとじわっと涙腺が・・・ってまたか(笑)


最後にピアノによる「夏空」(ショートヴァージョン)がお見送り曲として演奏され、

全ての楽曲演奏が終了しました。



エレキベースの採用という意外な編成も驚いたのですが、

終わってみると奇抜と思われたそれらの編成が、

作用、というか効用を分かった上で採用したことがわかりました。

どの音色もとてもしっくりと来ていて、笑って泣けて切なくて、

最後にはちゃんと感動させてくれたことに感謝の一言です。


超次元夏空演奏楽団の皆様、感動的な演奏ありがとうございました。

主催のお二人、そしてスタッフの皆様もお疲れ様でした。

私はやっぱり夏空のモノローグ、大好きです。





追記


実は演奏会終了後に演者の方やスタッフの方、お客さんで、

私が良く存じ上げてる方々とお話をしていたのですが、

その時にとある絵を見せて頂きました。

なにかの絵か写真を見ながら書かれたとのことですが、めっちゃ上手かったので、

ご本人に許可をもらってUPさせていただきます。

いや、これほんとにうまい。



※画像は都合により一部加工を施しております。