音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

音楽につぎ込む時間と金額

最近は月定額で音楽が聴き放題というサブスクリプションの台頭、

ネット動画やアプリなどでの違法な音源のアップロードなどにより、

CDの売り上げが下がっているというニュースを目にしました。

配信で音楽が買える時代になり、あれやこれやが無料でも楽しめるのは、

消費者側からするとうれしい限りなのでしょうけれど、

提供者側からすると、やっぱり売り上げを伸ばしたいと思って、

手を変え品を変え、いろんな宣伝をうっているわけでして、

そう考えると、斜陽産業の一つになってしまってる感は否めないかなぁ、と。

 

私の場合、音楽につぎ込んだ金額は莫大です。

個人の趣味という名目で、音楽CDやLPを買いあさっている時代がありました。

ひどいときには月額で6桁(後半)くらいの金額を使った時期もあります。

まあ、今でも数万円は毎月そうした消費で消えているんですけど(笑)

 

サブスクが増えて、昔の音源はそれでだいぶ賄えるくらいになり、

CDを買う機会もグッと減りました。悲しいことではありますけど。

私自身は中古CDというものをほとんど買わない人間です。

(ジャズやクラシックに関しては廃盤ものに限ってそういうのも手を出しますけど)

なので、プレミア価格になってしまったCDも多く所持しています。

たぶん、私のコレクションを全部売り払ったら、

数年間は遊んで暮らせるぐらいの金額にはなるんだろうと思います。

逆に言うと、それだけの金額をこの数十年で使ってきたわけで、

そう考えると、身を削って音楽聞いてるなと実感しています。

 

ネット動画で公式に公開されている音源があるのだから、

CDを買う必要性は感じない、という人も多いと思います。

それはそれで、時代の流れだと思いますし、いいとは思うんですけど、

個人的にはちゃんとアーティストへ少しでも還元したい、と常々思っている人なので、出来るだけ音源はどういう形であれ購入をするようにしています。

まがりなりにも私自身が音楽を提供する側にいた人間なので、

そういう感覚になるのかもしれませんけどね。

 

私にとって、音楽は無くてはならないものの一つですし、

無くなってしまうとたぶん生きる価値が見いだせなくなると思うんですが、

そんなわたしも「音楽を全く聴かない」時期がありました。

心の病を抱えている頃です。

 

そのころの私は余裕なんて代物は一片もなくて、

家にいてじっとしているだけで苦痛でした。

なので、夜中に近所をあてもなく徘徊したりしてたんです。

それでも眠れない日々が数日続きました。

そうした期間の一部で、音楽を聞かない日があったんです。

そのくらい余裕がない状況でした。

そこから少しずつ音楽が聴けるようになり、ある歌を聞いて希望を見出し、

一か月ほどで復帰することができたんです。

 

まあ、もともと軽症だったかもしれないんですけど・・・

 

そういう経験だけではないんでしょうけど、

やはり音楽を創造している人たちには何かしらの還元をしたい、と常に考えています。

もちろん今のコロナ禍でもそうです。

 

きっとこれからもずっとそういう投資をしていくんでしょうね。

だからお金がたまらないんですけど(笑)

Dick Morrissey / Storm Warning!【ジャズのススメ 137】

イギリスのサクソフォン奏者、ディック・モリシーは、

どちらかというと「きわもの好き」な人に受けるサウンド

という印象を持たれがちですが、

聞いてみるとそんなことはなくて、実はすごい人だったりします。

いろいろと問題はある人だったみたいですけど(笑)

 

www.hmv.co.jp

 

実はこのLP、持ってないんですよね。

友人に音源をダビングさせてもらったテープは持ってますけど、

さすがに四半世紀以上も前のものですから、聞けるかどうか不安です。

SpotifyYoutube Musicでも一部の音源は聞くことができますけど、

残念ながらこのアルバムに関しては、LPも生産中止になってますが、

一部CDはまだ販売されているみたいです。LIVE版ですけど。

 

イギリスでジャズ、というとあまり結びつきがないように思うかもしれません。

ジャズの発祥はアメリカということになっていますが、

 

音楽のルーツを語るのであれば、アメリカで偶然出会った雑多な音楽の結実が、

ジャズの元祖であったりするわけですから、

そういう意味でいうとイギリスも発祥の一端を担っている、とも言えます。

 

いや、言えるかどうかはわかりませんが(笑)

 

このブログを書くにあたり、久々に音源を引っ張り出してきました。

「Storm Warning」とは「嵐警報」という直訳になりますけど、

まあ、なんというか、そういう印象もあるかもな、という感じです。

フィル・シーマンの小気味よいドラムス、

ハリー・サウスの居心地の良いピアノ、

そこに割って入るように聞こえてくるディックのテナーサックス。

一言でいうと「面白い」という印象になってしまうんですけど、

久々に聞いてみると、一応ジャズだよな、と思いました。

 

このアルバムをおすすめしたいところではありますが、聞くのは難しいので、

同じディックのアルバム「It’s Morrissey, Man!」もおすすめしておきます。

 

It's Morrissey, Man!

It's Morrissey, Man!

 

 

制限緩和

昨日遅めに帰宅して、お料理を作ってたら、

野菜をスライサーするときに、自分の指もスライスしかけて、

右手の人差し指が機能不全となっております(笑)

 

そんな私の近況などはどうでも良くてですね・・・

 

 

いろいろとありましたが、

どうやらクラシック音楽の演奏会については、

客席の半分程度という制限が解除されたということらしいです。

方針が示されて、各楽団あるいはホールによって対応がまちまちです。

全席開放、というパチンコ店みたいな宣伝文句をかかげているところもあれば、

慎重を期して、今まで通りの制限付きで行うところもあります。

 

また、映画館でも同様に各館によって対応が違っているようです。

 

制限が緩和されたから「はい、元通り」というわけにはいきません。

どんな事柄にも推進派と慎重派が共存しているのは世の理です。

過度な推進も困りものですけど、極度の慎重もまた困り者だと思ってます。

「石橋を叩いて渡る」ではなく、

「石橋をたたいて壊す」ことでおなじみの私ですが(笑)、

こと病気に関してはどちらかというと慎重派です。

そりゃまあ、命にかかわることですから、石橋を壊している場合ではありません。

ただ、慎重すぎるのもどうなんだろう、とも思ってます。

 

 

ともあれ、制限が緩和されました。

音楽を聞く身としては、素直に喜びたいです。

来月のどこかでクラシック音楽の演奏会に行く予定です。

チケットが取れれば、ですけど。

微力ながら、音楽界に貢献したい気持ちがあるんですよね。

だから演奏会に行こうと思いますし、継続して演奏を聞きたいんです。

 

 

まあ、もともと家でじっとしていることが苦手な人なので・・・

何を聞きに行くのかは、これから決めます(笑)

 

現代音楽を聞く その93

ベルギーの作曲家って以前紹介した気がするんですけど、

誰だったか完全に忘れたので、ふと思いついた人のことを書きます。

 

ダニエル・スターンフェルドはベルギーの作曲家です。

Wikipediaだと「ステルネフェルト」って紹介してますけど、

どっちでもいいんです。わかれば(笑)

 

最初に聞いた曲は確か交響曲だったと記憶してますけど、

オペラ「マーテル・ドロローサ」の楽曲が印象的でした。

持っているCDには「間奏曲(4曲)とフィナーレ」が入ってます。

原題「Mater Dolorosa: Four Interludes and Finale」で検索すると、

動画も見られますし、情報も得られますけど、

まあ、日本では演奏されることは無いですね、残念ながら。

 

www.hmv.co.jp

 

ベルギーの作曲家というと、

吹奏楽で有名な、ヤン・ヴァン=デル=ローストや

ヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイなどが最初に浮かぶ人も多いでしょう。

私もそうです(笑)

でも、スターンフェルドの楽曲も好きなんですけどね。

聞きやすい現代音楽という感じで、割とおすすめです。

運不運

比較的、運は悪いほうだと思います。

 

それを実感するのは、宝くじでもギャンブルでもなく、

演奏会や映画など、ホールの席まわりの環境です。

ま、ギャンブルはやらない人なんですけど・・・

 

演奏会が行われるホール、あるいは映画館など、

多くの人が一か所に集まって同じものを見たり聞いたりするわけですから、

そこには個性に準拠した行動倫理というものが個々に働きます。

「他人に迷惑をかけない」という大前提を根底から覆すような、

そんな基本理念の欠落した大人(あるいは子供)が、結構いることに驚かされます。

 

 

先日観に行った映画館でも、

私の右前方にいた50代前半のおじさまが、上映中にカバンからレジ袋を取り出し、

中に入っていたパンフレットを眺めているではありませんか。

そもそも映画館が用意した袋じゃないんですよね、そのレジ袋。

おそらくは私物、あるいはコンビニかどこかで手に入れたものなのでしょう。

皆様もご存じかと思いますが、レジ袋はちょっとした接触でも結構な音がします。

・・・あとは言わなくてもわかりますね(笑)

 

クラシックの演奏会でもレジ袋おじさん(おばさん)はいらっしゃいますけど、

変わった人だな、と思ったのは、

ずっと右手の人差し指でズボンの太ももの部分を擦っている人がいたんです。

50~60代のオジサマだったと記憶していますが、

さすがにたまりかねて、演奏の合間に声を掛けたら、

「そんなことしとらん!」と逆切れされました(笑)

・・・きっと、そのおじさまの右手は別の生き物だったんでしょうね(笑)

 

 

と、このように、私はこういう人が隣に来る確率が高いんです。

 

 

残念ながら、ホール内の好みの席を選ぶことはできても、

自分の隣、あるいは周りの人は選べないですから、

周りの音環境の運不運はどうしようもないとあきらめるしかありません。

 

なるだけ横つなぎの少ない席を選んで、友人知人で周りをかためるとか、

そういう対策くらいしか思いつかないのが私の貧相な想像力の限界なのですが、

そう考えると、オンラインでのライブなどはいいですよね。

そうした騒音に悩まされることはありませんし、

(家の近所の騒音については埒外です)

自分の好きな体勢で、飲み物や食べ物片手に見ることができますから。

 

 

まあでも本音を言うと、やっぱり生で演奏は聞きたいですし、

映画館で気兼ねなく映画三昧したいところですよね。

 

というわけで、明日は映画館行って泣いてきます。

ブラスぷらす Op.28

4連休だった人も、そうじゃなかった人も、

この4日間はいかがお過ごしだったでしょうか。

私のこの4日間ですが、

前半の二日間は帰省で費やされ、

後半の二日間は、主に疲れをいやすことに費やされました。

 

やはり今のご時世であったり、慣れない職場環境だったりで、

なかなか心休まることがない状況なので、

音楽についても、なるだけ癒しを求める方向で聞く感じになってます。

とはいえ、バリバリのロックチューンも聞いてはいますけど(笑)

(「バリバリ」が死語かどうかは読者の皆様に委ねます)

 

吹奏楽で癒しというと、

オーケストラ作品の吹奏楽編曲バージョンが多い気もするんですが、

吹奏楽オリジナルでも結構たくさんそうした音楽は存在します。

 

もちろん、音楽の「癒し」というのは人それぞれです。

アイドルグループの、さして上手くない歌唱でも癒される人はいますし、

前述したロックチューンで癒される人も多くいらっしゃいます。

 

ただ、企画もののCDなどでよく出てくる、音楽での「癒し」というと、

マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲であったり、

大バッハ管弦楽組曲第3番のエール(アリア)であったりします。

穏やかで心地よく、聞き続けると眠気をもよおす、そんな音楽ですね。

 

この、吹奏楽曲のおすすめを紹介するブログですが、

かなりの割合で外国人作曲家の作品を紹介しているような気もするんで、

今回は日本の作曲家にします。

 

(しばし考え中・・・)

 

ぱっとメロディが出てきたのは、

天野正道さんの「Amabile(アマービレ)」ですかね。

かなり最近の作品ではありますけども。

 

www.fostermusic.jp

 

天野正道さんといえば、

私はどうしても劇伴のほうに思いが行ってしまいます。

アニメ版「ジャイアントロボ」や「プリンセスナイン」など、

実はアニメの音楽も多く手掛けられているんですよね。

もちろん、純音楽(オーケストラ)や吹奏楽の分野でもたくさんの作品を書いてらっしゃいますし、吹奏楽編曲にも長けてらっしゃいます。

そんな、吹奏楽に造詣の深い天野さんの作品ですが、

「癒し」という意味で1曲挙げるとすると、最初に浮かんだのは「アマービレ」でした。

他にもたくさん氏の楽曲はあるんですけどね。

 

とにかくメロディが美しいです。

どちらかというと劇伴のイメージで勇壮な印象が強い感じなんですけど、

こうしたバラード調の楽曲もすごいんだなぁと印象を新たにした作品の一つです。

高校時代の恩師

きのうの朝のことです。

私の生まれ故郷である神戸市に住む友人から連絡がありました。

高校時代の恩師が急逝したということでした。

 

神戸の某進学高校へ入れさせられた私は、

そのころから「将来は音楽の道へ進みたい」と漠然と思うようになっていました。

ただ、周りの生徒たちはそういう夢を持った人はほとんどいなくて、

末は博士か大臣か、キャリア志向の人たち、いや、変態たちがわんさといたんです。

そんな中、少ないながらも私の夢に共感してくれた先生がいました。

 

そのお一人が、おとといの夜に亡くなったんです。

あわてて、昨日の朝、急いで神戸に向かいました。

 

特に寂しいというわけでもなく、泣いたというわけでもないのですが、

ぽっかりと穴があいたような、そんな心持ちでお通夜に参加しました。

当時の高校の同級生と久しぶりにあって、

今の状況を語り合った夜は、不謹慎ながら楽しいひとときでした。

 

すでに省庁のお偉いさんになっている人もいれば、

近所の八百屋で威勢よく声を張り上げているやつもいます。

高校時代から四半世紀以上経っているわけですから、

いろんな人生がそこにはあるわけでして、

そんな同級生たちとの会合は興味と驚きの連続でした。

 

亡くなった恩師の近況を語ってくれたのはそんな中の一人です。

「今年の初めに会った時もおまえのこと心配しとったで」

そうなんです。

その恩師は、私がアメリカ留学を決めたときも、

留学中に病気で1年早く帰国した時も、

私が音楽の道を半ばあきらめたときにも、

何でもないような口調で諭し、励ましてくれました。

どちらかというと問題児だった私のことをかわいがってくれたのは、

当時はとても嫌だったんですけど、

今にして思うと、相当気にかけてくれていたんだなと思います。

 

アメリカ留学中にもお手紙をもらいました。

「ホームシックにかかってないか」

「英語はちゃんと通じてるのか」

「音楽の勉強は楽しいか」

他愛もない文章の中にも、さりげない心配と期待が込められていて、

当時いろいろと落ち込んでいた私を勇気づけてくれました。

 

私が帰国して、本格的に編曲家の道を歩みだしたころには、

すでに教職を辞して、私塾を開いていました。

その私塾もだいぶ前にやめて、隠居状態になっていたんですけど

同級生の話では、年に一度くらいは集まって話をしてたんだそうです。

私はそういう場がどうにも苦手だったので、

結局数回程度参加しただけで、ここ数十年はご無沙汰だったんですが、

今更ですが、もう少し交流を深めていればなぁ、と思います。

 

 

今日、早々に自宅へ戻ってきてブログを書いているのですが、

よくわからないんですが、帰宅して泣きたい気持ちになってます。

いや、泣いてます。

 

先生へ

音楽の夢は細々と継続していますが、今は普通に働く身になりました。

やはり、自由業で食べていくのは大変です・・・

でも、死ぬまで音楽と向き合う覚悟です。

あともう少ししたらそっちに行くと思うので、

遠慮なく私を叱ってやってください。

今まで本当にありがとうございました。