音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

現代音楽を聞く その90

あまりこのブログでは取り上げていないトルコの作曲家を紹介します。

 

もともとトルコは音楽の盛んな国ではあるのですが、

20世紀に登場した、俗にいう「トルコ五人組」と呼ばれる人々が、

西洋音楽を積極的に取り込んで、トルコの音楽文化に貢献しています。

その中の一人、ウルヴィ・ジェマル・エルキンは、

フランスに留学したこともあってか、作品にフランス音楽的なにおいを感じます。

 

最初に聞いた「交響曲第2番」は、

後期ロマン派的な音色に目を奪われ、西洋の真似事と評価されがちですが、

どことなくアジアンテイストに感じるのは私だけではないと思います。

 

 

私が持っているのはこのCDではないんですけど(笑)

大手通販サイトでもこのくらいしか商品がないくらいにマイナーなんでしょうね。

もう少し知られればいいのになぁ、と思います。

 

カテゴリー的には「現代音楽」ではないかもしれませんけど、

時代としては現代音楽の範疇ということでこちらで紹介しました。

興味がある方はサブスクでも聞けますのでぜひとも。

 

上で紹介したCDは聞いたことないので、購入はぜひとも自己責任で(笑)

飛沫と換気と音楽と

先月末にこのようなブログを書きました。 

 

hw480401.hatenablog.com

 

それで、さっきクラシック音楽館を見てたら、

ドキュメントαというコーナーで、

コロナ禍で舞台上での演奏が困難な状況を変えるために、

楽器ごとの飛沫を分析し、ガイドラインを作ろうという動きがある、

ということを特集していて、

かなり専門的に、楽器ごとの飛沫(微粒子)の動きを分析されていました。

 

感染者、という言葉はあまり適切ではないので、

PCR検査の「陽性者」といわせていただきますが、

陽性者が増加しつつある状況で、音楽なんて必要ないだろう、

という人が一定数いることは当然のことだと思います。

 

音楽が無くても、日常生活の上でなんら支障がない人もいらっしゃいます。

ただ、私を含めた多くの人にとって、

音楽というものが文化的という意味だけではなく必要不可欠なものである、

と思う人も多くいるのだということはご理解いただければと思います。

 

人の口から出てくる飛沫でウイルスに感染するんだそうです。

だから、密集・密接・密閉された空間を避けることが必要なんだそうです。

楽器を使った演奏ならばまだしも、

人の口を使う、例えば合唱などの類は上記の理由で行えないということになります。

なので、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を設けて、

オーケストラなどの演奏は行うことが可能である、ということみたいです。

 

で、その距離が具体的にどの程度なのか、ちゃんと調べようじゃないか、

という特集が、今日のクラシック音楽館内の一コーナーで紹介されていたわけです。

 

とはいえ、私も毎日のように電車に乗ってますが、人がかなり多いです。

しゃべってる人はほとんどいないですけど、

主婦らしきおばさまたちがマスク越しながら大声でしゃべってたり、

バスの車内で女性学生がマスクを顎までおろして大声でしゃべってたり、

駅前のカフェでコーヒーを飲みながらおじさま2人が向かい合わせでけんかしてたり、

そういった人たちもいらっしゃいますけど、おおむねマナーは守られているようです。

 

電車のアナウンスでも「換気」という言葉がよく出てきますし、

飲食店などでも、玄関先のドアを開けっぱなしにしている光景はよく見かけます。

換気がこのウイルスに有効であるかどうかの議論はさておき、

「飛沫」が滞留するのを防ぐために「換気」が必要で、

この二つはセットになっている感もあります。

 

 

で、飛沫を防ぎ、換気を定期的に行うことと、

音楽を演奏することが密接にかかわってくるのは、

もちろんホールやライブでの生演奏、ということになります。

自宅やスタジオなどでの録音なども含まれますか。

観客も距離を開け、もちろん舞台上の演奏者同士も適切な距離を保ち、

「飛沫」を防ぎ、なおかつ、「換気」も定期的に行う必要がある。

 

 

急に話は変わりますが、7月の上旬に都内へ映画を見に行きました。

およそ2時間の映画だったのですが、

その間どのように換気をしていたのかは謎です(笑)

おそらくは空調による換気を実施していたんだと思いますけど。

あと、座席も隣と前後を一つ開けて座るようなシステムになってました。

ただ、斜め前にいる人との距離が目測で1m程度しかなかったように思うんですけど、

あれはあれで大丈夫なんでしょうかね。

まあ、そんなに笑える映画ではなかったので、飛沫は大丈夫だと思いますが。

 

 

個人的には過剰な気がしなくもないんですけど、

「命あっての物種」とも言いますし「明日は我が身」とも言いますから、

過剰すぎるくらいがちょうどいいのかもしれませんけどね。

演奏、合唱ができない、というのはその方面の人たちにとっては大打撃でしょうし、

リモートで個別にやるのも少し味気ないと感じるのもまた事実です。

演奏あるいは合唱団体の方々はいろいろとご苦労をされているのだろうと推察いたします。

 

陽性者が増加する以前の状態になるためにはどうしたらいいんでしょうね。

このまま陽性者が増えていくのかどうかは定かではないですし、

(一部の人は爆発的に増える、と妄想めいた予言をされてますが)

かといって、何もしないで演奏活動をするとやり玉に挙げられます。

 

ウイルスがおさまるまでじっと我慢するしかないんでしょうかね。

 

ただ、音楽を生業とされている方からするとそういうわけにはいかず、

この環境に適した演奏手法を模索していくしかないのでしょう。

私も今ちょっとしたプロジェクトで音楽に携わらせていただいてますが、

いろいろとご苦労されているというお話をよく耳にします。

 

「当たり前のようにライブハウスにいって好きなバンドの演奏を聴ける日が、きっといつか、必ず来ると信じて・・・」

なんてきれいごとを言うのは簡単ですけど(笑)

 

 

なんてことを思いながら、さっきのドキュメントを見ていました。

ちゃんと環境が整ったら、たくさん生演奏を聴きたいです。

(自分が感染しない保証はまったくありませんけど・・・)

ブラスぷらす Op.25

なんだかんだで久々のこのシリーズ、

特にネタ切れというわけじゃないんですけどね(笑)

 

ベルト・アッペルモントはベルギーの作曲家です。

主に吹奏楽の楽曲を作っています。

ヴァン=デル=ローストに師事していたということですけど、

確かに楽曲にその影響が出ているような気がしなくもないです。

 

 

日本でよく知られている彼の作品は、きっと「ノアの箱舟」なんでしょうけど、

ここはあえて交響曲第1番にしようと思います。

副題として「ギルガメッシュ」と付けられていますが、

某ゲームのあのキャラクターのことではなく、

メソポタミア文明時代の王様の名前からとられています。

いわゆる英雄物語をもとに作られた楽曲ですね。

アッペルモントはこういう伝説の人物などをテーマに楽曲を制作することが多いんです。

 

おすすめのCDを紹介したかったんですけど、

私が所持しているCDは廃盤となっており、紹介できません・・・

サブスクでも彼の楽曲が聞けますし、動画配信もあるみたいなので、

どうしても聞いてみたい、という方はそちらでどうぞ。

変拍子好きにはたまらない楽曲です。

 

 

今日は何の日?

ゲーム関連のネタを書きます。

 

どうやら今日はファミコンの名作RPGの一つ「MOTHER」の発売日なのだそうです。

なので、MOTHERのことを書こうと思ったんですけど、

MOTHERの発売日が1989年7月27日。

 

そして、そのちょうど一年後。

1990年7月27日に発売されたのがファミコン版「ドクターマリオ」です。

任天堂の伝説のゲーム職人とも称されている横井軍平さんが手がけた、

パズルゲームですが、発売当時はこればっかりやってましたね。

三つの色のカプセルを一定数そろえると消える仕組みなんですが、

そこにウィルスを退治するという要素が追加されて、

非常によくできたパズルゲームとなっています。

今だと、スマホのアプリでもできますし、

バーチャルコンソールとかSwitch Onlineなんかでも当時のままプレイできます。

 

音楽を担当されたのは、田中宏和さん。

ポケモンの歌を作曲した人という印象が強いかもしれませんけど、

実は任天堂で数多くの音楽を手掛けられた方でもあります。

前述したMOTHERでも鈴木慶一さんと共同作曲を手掛けられてますし、

バルーンファイトメトロイドレッキングクルーパルテナの鏡などなど、

ファミコン時代の任天堂サウンドを支えていたお一人でもあり、

今でも音楽界隈で活躍されている方でもあります。

 

ドクターマリオの音楽は、タイトル音楽からとてもキャッチーで、

ゲーム内BGMとして「Fever」と「Chill」が用意されているんですけど、

これ、派閥があるみたいですね。Fever派とChill派。

世間的にはChill派が多いという印象がありますね。

私はどっちも好きですけど、よく聞いているのはFeverかもしれません。

Chillの曲の構成は、今聞いてもすごいなぁとほんとに思います。

 

頑張ってエンディング曲も聞きましたけど、

当時は「?」って感じで聞いてました(笑)。

今聞くと音の作りといい構成といいメロディの秀逸さといい、

独特の間の取り方といい、ある種田中さんらしい音楽に仕上がっている気がします。

 

今購入できるサントラはこちらになります。

 

 

でも、こういうゲーム音楽って、

やっぱりプレイしながら聞くのが一番良いと思うんですよね。

レベルが上がるとなかなか手ごわいですけど・・・

 

ドクターマリオの思い出話なんかもたくさんあるんですけど、

それはまた、別の話。

コロナ禍の音楽のこと

音楽業界のみならず、どこの業界も悲鳴だらけです。

新型コロナが蔓延、今月に入ってから徐々に検査陽性者数が増加し、

また予断を許さない状況になってきたような気がしなくもないです。

 

職場が東京都内から千葉県内に変わって、

ほとんど東京へ赴くことが無くなりました。

先々週の金曜日に、新宿へ映画を見に行ったんですけど、

ちょうど二週間後の今日、無事に過ごしております。

 

毎日のように発表される数字に一喜一憂、

いや、一喜はほとんどないみたいですけど(笑)、

やれ、自粛しろだの、宣言早く出せだの、

あるいは、自粛不要だの、ただの風邪だの、いろんな意見が飛び交ってます。

どっちもどっち、と思うのはいつものことですけど、

コロナ禍の日本のSNSは、以前よりも結構殺伐とした感じが増した気がしますね。

「あちらがたてばこちらがたたず」という状況が延々と続いていて、

否定と肯定が程よく入り乱れて、活況を呈しています。

ちょこっと見ただけで、嫌になるのですぐ消しちゃいますけどね。

 

 

話を戻します。

 

 

音楽を生で聞くことが困難になっています。

ソーシャルディスタンスなんてしゃれた英語を使うのは反吐が出そうですけど、

人と人との距離をあけて、飛沫感染を防ぐ必要があるとのことで、

いろんなところの床で足跡のイラストやらビニールテープやらが貼られています。

コンサートホールも「密な場所」ということもあり、

コンサートやライブなどは軒並み中止という異常事態になりました。

 

そうなんです、これ、未曾有の事態です。

 

当たり前だったことが当たり前にできなくなることの恐さ、あるいは怖さ。

命あっての物種、と言いますけど、

稼ぎがないとその命を維持することすら難しくなります。

音楽業界の人たちは、まさに今こういう状況なのだろうと思います。

 

 

 

ネットのライブ配信などに光明を見出そうとする人たちもいます。

あるいは、寄付や支援に縋らざるを得ない人たちもいます。

また、互いの強みを補完しあって急場をしのごうとする人たちもいます。

どれが正解でそれが不正解なのか、なんて誰にもわかりません。

今まで経験したことがないわけですから、それが当たり前なんですけど、

そういう人たちのある種「あがき」ともとれるような行動に、

期待感とは裏腹に嫌悪感を持つ人も少なくないようです。

 

私自身、ようやく音楽のお仕事が少しずついただけるようになってきました。

時間のやりくりもうまくいって、心の余裕も少し出てきました。

でも、ここに至るまでには様々な葛藤があったことも事実です。

今まさに苦しんでらっしゃる方々と比べると微々たる葛藤なのかもしれません。

でも、当たり前が当たり前じゃなくなってしまった今、

正解不正解という尺度で考えず、何でもやろうという姿勢は、

けして滑稽でも嫌悪をもよおすものでもない、と私は考えてます。

まあ、こういう心境に至るまでにもいろいろとあったんですけど・・・

 

来年の今頃、日本は、いや、世界はどうなっているんでしょう。

先の見えない不安は常に付きまとっていますが、

コロナ禍の音楽業界はきっと、

そうした不安とともに過ごしていかなければならないんでしょうね。

 

なんだか、正解を書いているようで全く何も書いていないブログになりました。

たぶん、何かを吐露したかっただけなんでしょう。

 

今日はそういう気分です。

Incidental Music Vol.83

3年半ほど前にこちらのブログを書いたんです。 

 

hw480401.hatenablog.com

 

そこそこ反響がありました。

CSで絶賛放送されている「ゲームセンターCX」で、

よく流れているジングル(短い効果音的な使い方をする音楽のこと)、

「あれ、どっかで聞いたことあるんだけど、なんだっけ?」

と疑問に思い悪戦苦闘して思い出せた、という感動作(笑)になってます。

 

実はこういう音楽って結構多い気がするんですよね。

いつもテレビやラジオで聞いているあの音楽、

その番組のために作られたものも多いんでしょうけど、

既製曲を流用しているケースも実は多いんですよね。

 

有名どころでいうと、「開運なんでも鑑定団」という番組では、

和風の音楽が使われていることが多いんですけど、

そこで使用されている頻度が高いのが、

PCエンジンで発売されたゲーム「天外魔境 風雲カブキ伝」のサントラです。

27年前のゲームですけど、CDROMを使用していたので、

ゲーム内でも生音を使った音楽が流れるという画期的なものでした。

音楽を担当されたのは、私の心の音楽の師匠の一人、田中公平さんです。

サントラはすでに廃盤となっていて、プレミア価格になってます・・・

 

さらに有名なのだと「キユーピー3分クッキング」で流れる、

あの特徴的な音色のオープニング曲ですよね。

エンディングバージョンではオカリナでの演奏も特徴的なあの音楽、

実はドイツの作曲家、レオン・イエッセルという人が作った、

「おもちゃの兵隊の行進」という曲がもとになっています。

 

きょうの料理」のオープニング、といえばやっぱりあの曲ですよね。

マリンバの音色が特徴的なあの曲ですが、

作曲されたのは、冨田勲さんです。これ、意外と知らない人多いんですよね。

シンセサイザー音楽の大家としても知られていますし、

大河ドラマ、映画、アニメなどなど映像音楽も数多く手掛けられています。

きょうの料理」の音楽は、急遽音楽が必要になって、

冨田さんがわずか数時間で作曲、即録音された、というのは有名なお話です。

 

ドリフ大爆笑」。私も大好きでいつも見てました。

あのOP曲、「ド、ド、ドリフの大爆笑~♪」っておなじみのテーマ曲ですよね。

あれを作曲されたのは、作曲家の「たかしまあきひこ」さんです。

たかしまさんというと「ヒゲのテーマ」(8時だよ!全員集合)が有名ですけど、

80年代に放送されていたアニメ「Dr.スランプアラレちゃん」のOP、

水森亜土さんが歌っていた「ワイワイワールド」のアレンジもされていましたし、

フジテレビ系列のニュース番組のテーマ曲など、

幅広い音楽を作られていたことで、業界内外で知られています。

フジテレビ系の「珍プレー好プレー」の音楽でも知られていますね。

 

 

前述の田中公平さんですが、大昔にCM音楽を手掛けていたことがあります。

関西地方だと有名だと思うんですが、「布亀の救急箱」のCMですね。

「ひよこのひよこっこは、ひよこのこ~」というあれです。

あの作編曲を手掛けられていた、というのは意外と知られていないですよね。

Twitterでご本人が紹介されていましたけど(笑)

 

関西つながりでもう一つ。

吉本新喜劇、毎週のように土曜日のお昼くらいに放送されていました。

毎週見てました。生でも何度か観に行ったこともあります。

そんな吉本新喜劇のテーマ曲、「ほんわかぱっぱ」って感じの曲ですが、

あれ、ちゃんとしたジャズ曲なんですよね。

ジャズトロンボーン奏者であるPee Wee Hunt(ピーウィーハント)が、

往年の名曲である「Somebody Stole My Gal」(レオ・ウッド作曲)をアレンジしたものですね。

これを聞くと、劇場の緞帳が上がって新喜劇が始まった、と感じます。

 

 

とまあ、今回は小ネタ集的なものになってしまいましたが、

こういうのもたまには良いもんです。

思い出しながら書いてるので、情報違ってたらごめんなさい・・

Darlene / Come On Over【ジャズのススメ 133】

こういう、女性ジャズヴォーカルものって、

なかなか自分自身で手に取ることはめったにないんです。

とはいえ、結構な数のCDやレコードは持ってますけどね(笑)

 

ただ、今回のダーリーン(←名前です)のアルバムは、

私だったら見つけられなかっただろうな、と思います。

これは、ボストンの友人推薦のアルバムですね。

 

COME ON OVER

COME ON OVER

 

 

何気に希少なアルバムみたいですね、これ。

ダーリーンの少しけだるげで華のある歌声も素敵ですが、

アレンジで参加しているボブ・ハガードがいい仕事してます。

ケニー・バレルもギターで参加しているという、

ジャズフルコース的アルバムになってますが、とても気軽に聞けます。

アルバム1曲目の「Come on over」からしっとり聞かせてくれます。

 

どうやら再販しているようなので、

検索してぜひ手に入れてみてください。