もともとラジオっ子です。
映像のない、音だけの世界に溺れたのは、
たぶんテレビよりももっと聴視者(ラジオのリスナー)寄りだからかもしれません。
私も一時期ハガキ職人になっていたこともありましたし、
自分のハガキが読まれても、読まれなくても、
そのパーソナリティの声を聴くだけで安心しました。
数年前のことです。
その日、残業とプレゼン準備などで作業が深夜までかかり、
羽田空港からタクシーで自宅まで帰ることになりました。
たぶん2時をまわっていたと思います。
かなり疲れていたのか、タクシーを乗ってすぐにウトウトしはじめました。
すると、しばらくして聞き覚えのあるギターのイントロが聞こえてきたんです。
それは、生演奏をしている星野源さんが歌う「くだらないの中に」でした。
タクシーの運転手の人が流していたラジオから、その声が聞こえてきて、
ウトウトしていた私の意識が一気に覚醒しました。
星野源 - くだらないの中に(Live at Osaka Jo Hall 2016)
※動画はたぶん公式のものだと思います。
もともと星野源さんの歌は好きでしたし、
今でもアルバムも購入するくらいには熱心に聞いている人だと思います。
さすがにライブはまだ一度も参加したことが無いんですけどね・・・
アルバム「エピソード」は当時の彼女からプレゼントされ、
それまで星野源さんの「ほ」の字も知らなかった私が、
彼の楽曲に触れた最初のCDになりました。
東日本大震災の年だったので、強烈に覚えています。
「くだらないの中に」はラブソングです。
でも「好き」という言葉が一切出てきません。
意図的にそういう歌詞にしているんでしょうけど、
だからこそ言葉が胸に突き刺さり、優しいメロディとともに、
温かい涙がスッと流れ出します。
数年前の残業の帰り。
タクシーの中で響くその歌は、
ご本人の体調が思わしくなかったのか、
せきこみはじめたり、途中でドリンクを飲んだり、
いろいろとハプニングが続きましたが、最後まで歌い終え、
気が付くと、私はタクシーの後部座席で一人むせび泣いていました。
そんな思い出の曲を思い出したのは、
最近残業続きで疲労困憊となり、あの時のことを思い出したからでしょうね。
ほんと、いい曲です。彼の曲の中でも大好きなものの一つです。