この続きです。
「大草原の小さな家ブッシュベイビー」ですが、
主題歌についてはいろいろといわくがございます。
信憑性のある情報がないので、私も確かなことは言えないのですが、
これまでの世界名作劇場では、
「主題歌は最後まで変更しない」という不文律のようなものがありました。
それがこのブッシュベイビーで破られたわけです。
男性ボーカル(沢靖英さん)が歌われました。
編曲は佐孝康夫さん。
あまりなじみのないお名前かもしれませんが、
CM音楽では知らない人はいないともいわれる音楽家のお一人です。
谷村新司さんの「三都物語」(昨日、今日、あ~す~♪)の編曲や、
武田鉄矢さんの「少年期」(ドラえもんの映画主題歌)の作曲などが有名ですかね。
で、「APOLLO」ですが賛否両論がありました。
世界名作劇場らしからぬ荘厳な曲調と男性ボーカルというのが、
冒険しすぎじゃないかという意見があったようです。
直接的な原因はわからずじまいですが、結局主題歌が変更されます。
主役のジャッキー役の声優、岡本麻弥さんの歌う「微笑でプロローグ」がそれです。
作曲は岸正之さん。
私としては、南野陽子さんの「話しかけたかった」の作曲の方です。
80年~90年代の歌謡曲、というイメージですね。
そして編曲は信田かずおさん。
前回ご紹介した、私のあしながおじさんのOPとEDの編曲も実は信田さんです。
歌謡曲、アニソンだけではなく、
CMや映画などでも活躍されている大ベテランの編曲家のお一人です。
私も随分分析させていただきました。
どっちが好き、あるいは嫌いという話はしたくはないのですが、
個人的にはどちらもよい歌だと思います。
世界名作劇場としてどちらがあっているかという意見については、
私はどちらにも与する気はありません。
フジテレビ系列の地上波では「家なき子レミ」で終了した世界名作劇場ですが、
BSフジでおよそ10年ぶりに復活します。
「レ・ミゼラブル 少女コゼット」
「ポルフィの長い旅」
「こんにちはアン~Before Green Gables」
以上3作が放送され、2009年をもって完全にシリーズは終了となった模様です。
この3つ、どれも好きなんですけど、
主題歌で一つあげるとすると「ポルフィの長い旅」ですかね。
作曲編曲を担当したのは多田彰文さん。
多田さんというと、私は音楽制作会社イマジンの人というイメージです。
厳密にいうと、田中公平さんの楽曲のアレンジャーという印象が強いです。
なので、多田さんの作曲したこの主題歌がとても強烈に残りました。
アレンジャーとしての印象が強い人が作曲をすると、
少しもやっとした曲が多い感じを受けることが多いんですよ。
アレンジはすごくいいのに、曲が残念といえばいいんでしょうか。
この「ポルフィの長い旅」という(タイトルと同名)曲は、
多田さんのアレンジャーとしての力量を十二分に感じるとともに、
印象的なサビのメロディと少し異国の調べを思わせる編曲で、
とても良い曲となっているように私は思いました。
なぜこのアニメを地上波で放送しなかったのか(笑)
いろいろな大人の事情はあるんでしょうけど・・・
日曜の夜に世界名作劇場を放送しなくなって久しいですが、
出来ればこの素晴らしいアニメシリーズを復刻してほしいところです。
アニメ供給過多が叫ばれる昨今、
良質なアニメを作り続けることに難しい時代となった現代ですが、
それでも世界には埋もれた原作がごまんとありますから、
いつかどこかで見られる日が来ることを祈りつつ、
私は「世界名作劇場の主題歌集」を日々聞き続けようと思います。