音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

JAPAN Studio音楽祭で思ったこと

Sony Interactive Entertainmentが発売するゲーム機、
PlayStationシリーズでプレイできるゲームの音楽を楽しむというコンセプトの、
「JAPAN Studio音楽祭」が、11月3日、文化の日の夜に3時間に渡って行われました。

演奏の感想などはすでに当日の夜、Twitterでつぶやいたのですが、
演奏会について私個人が思うところが少しあったので、思うままに書いてみようと思います。


会場となった横浜みなとみらいホールは、
私もクラシック音楽などの鑑賞で、ちょくちょく訪れているホールです。
会場入口で配られるA4サイズの用紙に、
会場内での諸注意がたくさん書いてあったのを思い出します。
私語厳禁、音を立てない、というアタリマエのことも書いてありましたけど、
「咳などをする際にはハンカチなどで口元を覆うなどしてください」
といった趣旨のことまで書かれていて、
それだけ客席から発せられる音に敏感なホールさんなのだな、と思ったものでした。
なので、会場内で係員の方が丁寧に、
「携帯電話などの電源はOFFにしてください」と言いながら練り歩いている側で、
ずっとスマホを弄ってて、電源を入れたままカバンに入れてるお客さんがいたのは、
クラシックなどの演奏会でも見られる光景ではあるのですが、
やはり、少し嫌な気分になってしまいますよね。

以前Twitterで「演劇の序盤で客席からSiriが起動してアナウンスが始まった」
という投稿を見たんですけど、
スマホの電源を入れっぱなしにしているとそうした可能性も否定出来ないんです。
「自分は関係ない」「自分は問題ないからそのまま」
という思考が上述したような事態を招かないとも限りませんから、
ホール係員の指示、会場内アナウンスの指示に従って、
スマホや携帯電話の電源は必ずオフにしましょう。


あとは拍手のタイミングですね。
基本的には一つの演目、
今回の場合で言えば「ゲームタイトルの前後」に拍手をする、
というのが拍手するタイミングの基本ではないかと思ってます。
なので、最初のゲームの最初の演奏が終わったあとで拍手が起こり、
指揮者の方が客席に向かって一礼をするということになってました。
以前このブログでも書いた、GAME SYMPHONY JAPANの記事でも、
これと同じようなことを書いた記憶があるんですが、
メドレーがメドレーになってないんですよね。
アレンジ自体はとっても素晴らしかったとは思うんですが、
曲同士をつなげなくて、1曲毎に小休止するスタイルが多かったので、
どうしても緊張感が持続しない。
つながっていないから指揮者の腕も上げ続けているわけではないので、
その都度拍手が起こってしまう、という悪循環になっていたような気がします。

ただ、今回の演奏会の中盤以降では、
会場の人たちが空気を読んでいたのか、曲ごとの拍手は無くなってましたね。
最後に演奏されたタイトル群は1曲毎の演奏だったのですが、
拍手も起こらず、緊張感を保持したまま演奏が進行されていました。


指揮者といえば・・・

演奏が終わるたびに「演奏者の幾人かを指さして起立させる」のはいただけません。
ゲーム音楽の演奏会に限らず、
奏者をたたえる目的でそうしたパフォーマンスをするのはあります。
ただ今回の指揮者に限って言うと、それが多すぎるように思いました。
曲が終わるたびに奏者を指さして起立させたり、
果ては、まだ曲はあとにも残ってるのに、楽団員全員を起立させたりするのは、
サービス過剰、というか、時間の無駄遣いです。
今回の公演時間がオーバーしたのは、
全体の構成に起因するタイムコントロールもその理由の一つなのでしょうけど、
上述のような指揮者のパフォーマンスも大きな原因ですね。
演奏中の指揮は大変素晴らしかったので、
そこは少し改善する余地があるのではないでしょうか。

曲目の一つで「客席にも歌ってほしい」というものがあって、
開演前に少しだけ練習する時間があったんですけど、
本番ではいきなりその部分が始まって、指揮者もずっと奏者に向いたまま、
微動だにせず、いつ合唱すればいいのかタイミングがわかりませんでした。
こうした企画をするなら、指揮者側でなにかアクションをするべきです。
客席の方を向いて「アクゥオーントゥワ~」と手を振りながら出だしを伝えるなど、
方法はいくらでもあったはずなんですけどね。
せっかく良い企画でしたし、私自身も大好きな曲だったので慌てて歌いましたけど、
周りではほとんど歌ってる人はいませんでした。


あと、これは大変個人的な感想になりますが、
「音楽祭」と銘打ってる割に、お祭り感が全く感じられませんでした。
司会の方もかなり緊張されてたとは思うのですが、
決められたことを時間内に行わねばならないというプレッシャーを発散していて、
こっちもドキドキ・ハラハラしてしまうことが多々ありました。
司会の方の緊張がこちらに伝わった、ということですね。
せっかくのお祭りなのですから、もう少しハメを外してもいいかなと感じるんですが、
全体の構成や演奏などの様子を見ると、
無難に演奏会をただ淡々とこなしてる、という印象は拭えませんでした。
休憩中にトークコーナーを設けてしまったことにもその原因はあると思うんですけど。
これだけの曲目を与えられた時間で演奏するには、
こうするより他になかったのかもしれませんけどね。


アンコールも含めて計10タイトルのゲーム音楽の演奏、
それを一回の演奏会でやる、というのはやや多すぎな気もします。
半分にして昼、夜公演で分けるなどの配慮があってもよかったのかもしれないです。


パンフレットの読み応えのあるインタビュー群、
若干記載ミスはありましたけど、曲目詳細もかなりボリュームがあり、
まだ公演から日数が経っているにもかかわらず読み切れていません(笑)


とまあ、いろいろと苦言を呈してきましたが、
演奏は十二分に満足できましたし、演奏中もほとんど雑音もなく、
(音を立てている人も数人いましたけど)
演奏環境と言う点では大変素晴らしい演奏会だったと思います。

指揮者をはじめ奏者の皆様、スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。