音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

好きな作曲家のことを語ります 我が愛しの公平さん編2

前回(→リンクはこちら)に続いて、私の心の作曲家のお一人、田中公平さんについて語ります。

引き続き「作編曲編」です。


公平さんはゲームにも造詣が深い方です。
何でもRPGだと「けのくん」という名前をつけてプレイされていたのだとか。
それはともかく、
公平さんがアニメだけでなくゲームの音楽を数多くてがけるようになるのは、
ある意味必然だったのかもしれません。

私が最初に公平さんのゲーム音楽を耳にしたのは、
スーパーファミコンSFC)で1992年に発売された「超攻合神サーディオン」だと思います。


このゲーム、認知度はかなり低いと思いますけど、
ストーリー仕立てのシューティングゲームで、
メカデザインにカトキハジメさんなどを起用した意欲作です。
ゲームのラストがもうあれで、いろいろと大変ですが(笑)
音楽は大変かっちょいいです。紹介している動画はアレンジアルバムですけども・・・


同じ年に同じメーカー(アスミック)から発売されたRPGがあります。
その作品「レナス 古代機械の記憶」という作品は、
かなりクリエーターの色が濃く出た、一風変わったゲームでした。
システム的にもストーリー的にも魅力ある作品でしたが、
三部作の予定が、諸般の事情によりレナス2で打ち切りとなった模様です。
世界観が独特であるためか、音楽もどことなく異国を想起させるものになっています。

ナスクオトとサスクオトという2つの大陸が舞台となっているんですけど、
このナスクオトのフィールド曲が本当に大好きなんですよ。



ちなみに、続編となる「レナス2 封印の使徒」(1996年発売)も、
やはり舞台となる大陸のフィールド音楽が大好きです。


紹介している動画は、
今から20年ほど前に開催されていた「オーケストラによるゲーム音楽コンサート」で、
公平さん自ら指揮をされたレナス2の楽曲メドレーです。
この後半に先程お話したフィールド曲が出てきます。
やはり異国情緒にあふれていて、とっても好きです。

ちなみに、このレナスシリーズの音楽のサウンドプログラムをされたのは、
「ごきんじょ冒険隊」や「ミスティックアーク」などを手掛けられた森彰彦さんです。
SFCの限られた音色で、公平さんの楽曲の魅力を損なうこと無くプログラムされています。
せっかくなので、SFC版のエンディング楽曲もあわせてご紹介します。


田中公平さんがゲーム音楽を手掛けられる場合、
エンディングはたいていゲーム楽曲のメドレー形式を取っています。
(もちろん例外もありますけど)
このレナス2もその例にもれること無く、
ゲーム内で使用された楽曲がそこここに登場します。
最初にオープニングから始まり、エンディングが始まったかと思いきや、
そこからゲーム内で使用された主要楽曲のメドレーになります。
きっとゲームのエンディングをメドレー形式にすると、
それまでに思い出がよみがえってくるのでは、と考えられたのかもしれませんね。
違ってるかもしれませんけど・・・(笑)


前述のサーディオンやレナス1と同じ年に発売されたファミコンRPGがあります。
当時のエニックス社から発売された「ジャストブリード」がそれです。
公平さんの作曲経緯は推測するしか無いのですが、
複雑な公平さんの楽曲をファミコン音源で聴けるというのは嬉しいものです。
とはいえ、カセットの中に拡張音源があり、3音以上同時発声させてますけど(笑)


動画の6:21あたりから始まるのがフィールド曲です。
このゲーム、実はRPGと書きましたが正確にはシミュレーションRPGなんですね。
ファイアーエムブレムSDガンダムなどでおなじみのあれです。
何十回と聞いたこの音楽、今でも耳から離れません(笑)


シミュレーションRPGといえばパイオニアLDCから発売された、
SFCバウンディ・ソード」の音楽も忘れることが出来ません。
(厳密にはリアルタイムで指示を出すゲームなんですけど・・・)
1995年に発売された本作は、アニメの脚本で知られる山口宏さんが作られた名作です。
この音楽がまたとてつもなくかっこいいんです。
ファンの間で名曲と語りぐさになっている「戦場の風」は、
ここぞ、というところで使われていて楽曲の印象が倍加します。
プレイステーション(PS)でも発売されているんですが、
どちらかというとSFC版の音源に思い入れがあります。
前述の森彰彦さんがサウンドプログラムをされていることも大きいんでしょうけれども。
(PS版も森さんだったような気もしますが・・・)




バウンティ・ソードと同じ年にPCエンジンで発売されたRPG
空想科学世界ガリバーボーイ」。アニメも放映されてましたね。
アニメ版とゲーム版で、実は音楽が全然違います。
主人公のテーマ曲「ガリバーのテーマ」を例に紹介しましょう。

まずはアニメ版のガリバーのテーマ。


そして、ゲーム版のガリバーのテーマ。

ちなみにゲーム版の映像はPCエンジンのものです。
当時としてはこれだけ画像が滑らかに動くことがすごかったんですよ。
画面荒いですけどね(笑)。
PCエンジンのスペックでこの動画は驚異的です(力説)。

同じ主人公のテーマですが、印象は似ているのに全く別の楽曲になっています。
そしてどちらもかっこいい、と。

このガリバーボーイの企画は、
のちにサクラ大戦でタッグを組む事になる広井王子さんがたてたものです。
そしてその広井王子さんがラジオ番組をされてたんですね。
広井王子のマルチ天国」というそのラジオ番組、
パーソナリティが広井王子さんご本人、そして声優の千葉繁さんと横山智佐さんでした。

余談ですけどこのラジオ番組でオーディションが開催されて、
見事グランプリになり、同番組のアシスタントとなったのが、声優の豊口めぐみさんです。

ああ、懐かしいなぁ、マル天。神戸にいた頃からずっと聴いてたもんなぁ・・・
雑音リスナーだったけど、USEN文化放送をクリアに聞くことが出来ることを知って、
そのためだけに家にUSENを入れたのは懐かしい思い出・・・


おっと、お話が横道にそれました。


そのオーディションというのが「火星物語ガールオーディション」というものです。
マル天の番組内で火星物語というラジオドラマが放送されてたんですね。
広井王子さんが台本を書いて、二人の声優さん、そして広井さん本人も出演(笑)。
アドリブありハプニングありの楽しいラジオドラマだったんですが、
この火星物語をマルチ展開するということで、ゲームも企画されました。


話が大変長くなりましたが(笑)。
PSで発売されたゲーム「火星物語」がようやく登場します。
ゲームの音楽は確か公平さんではなかったと記憶しているんですが。
主題歌「wing」は間違いなく公平さんの楽曲です。


編曲は公平さんではないんですが、ゲーム編ということでご勘弁を。


この後、PSのアクションRPGアランドラ」、
セガ・サターンで発売された「サクラ大戦」と続くのですが、
両方共有名なタイトルだと思うので、ここではごっそりと割愛します。
あまり知られてないものを紹介することにしているのでご了承頂ければ。


時代は飛んで2010年。
PS3Xbox360で発売された「エンドオブエタニティ」では、
作曲家の桜庭統さんとタッグを組んで楽曲を提供されています。
序盤の楽曲なのですが、映像とのリンクもあって印象に残っているのはこの曲ですね。


Resonance of Fateというタイトルが付されていますが、意味はよく分かりません(笑)。
ゲームはプレイしたんですが、結局最後までクリアしなかった記憶があります・・・

あと近作ではGravity Dazeという名作の楽曲もあるのですが、
有名どころだということでここでは割愛します。



引き続き「作編曲編」ですが、今度はアニメに戻ります。


と書いたのはいいですが、最初はクラシックの楽曲を公平さんが編曲したものです。
まだパロディをたくさんやっていた時代、1992年。
OVAドラゴンハーフ」という名作があります。
このOVAのEDで、主役のミンクを演じる声優の三石琴乃さんが歌われた、
「私のたまごやき」という歌があるんですけど、これがまあひどい(笑)
ベートーヴェン交響曲第7番の終楽章のメロディに歌詞がついてるんです。
しかも伴奏のそこここにベートーヴェン交響曲のメロディが顔を出します。


ベートーヴェン大好きな私なので当時も興奮して聴いてた気がしますが、
これ、歌うためのメロディじゃないですよね(笑)。
公平さんのアレンジもかなりすごいんですけど。
ちなみに、このドラマCDってのがありまして、
公平さんも出演されていますので、よろしければ聞いてみてください。廃盤だと思いますが(笑)


公平さんが手掛けたガンダムシリーズは2つ。
ひとつは「機動戦士ガンダム第08MS小隊」、
そしてもう一つが「機動武闘伝Gガンダム」です。
どっちもそれなりの知名度がありますが、今回は08小隊の方を。

といって、サントラでの名曲といわれている「戦士」を紹介しないところが私らしいですが(笑)
「反撃~勝利を信じて」という楽曲が大好きなんです。


また、この08小隊のアルバムで「recorded in PLAHA」と題されたものがあります。
実際にプラハへ赴き、由緒あるホールでチェコフィルによる演奏をしたんです。
このアルバムがとっても好きなんですよ。
しかも、BGMのタイトルがローマ数字だけになってて想像力を掻き立てられます。
私は、定番ですけど「VII」が大好きなんですよね。


OVAを見ててこの曲が出てきた途端に興奮したのを、昨日のことのように覚えています(笑)

また、このプラハ盤ですが、米倉千尋さんが公平さん作編曲の歌をうたわれています。
「名前のない未来図」というタイトルです。
すごいですよね、チェコフィルの伴奏をバックに歌をうたってるわけですから。
ニコニコ動画で楽曲試聴が出来ます。→「名前のない未来図」


NHKで1990年に放送された「ふしぎの海のナディア」。
シンゴジラでもメガホンをとった庵野秀明監督のTVアニメ監督デビュー作でもあります。
劇中の楽曲を手掛けられたのは、
このアニメ以降、多くの作品でタッグを組んでいる音楽家鷺巣詩郎さんなのですが、
鷺巣さんに話を持っていくまえに、実は田中公平さんにオファーがあったというのは、
意外と知られていない話みたいですね。公平さんは断ったそうですが(笑)

ですが、イメージソングを2曲ほどこのアニメに提供されています。
1曲目が「我らの万能潜水艦ノーチラス号」です。
海底大戦争スティングレイのOPをご存知なら前奏でニヤリとすること間違いなしです。
2曲目は「たびだちのうた」です。
悪役三人組、グランディス、サンソン、ハンソンの声優さんが歌われています。
名曲ではあるのですが、サンソン役の堀内賢雄さんの「サビ!」や「リフレイン!」という叫びが、
聞いててニヤリとしてしまうんです・・・(笑)
ちなみに2曲ともに田中公平さん作編曲です。

※ナディア関連の楽曲を聴きたい方は曲名をリンクしてください。ニコ動にとびます。

ここからは余談ですけど、
庵野秀明監督は音楽を依頼するときに既成曲を使うことが多いそうです。
「このようにお願いします」と既成の音楽を聴かせるのだそうで、公平さんも辟易としたそうです。
そしてココからはあまり知られていない話なのですが、
庵野さんが手掛けたアニメ「トップをねらえ!」のED曲「時の河を越えて・・・」と
このナディアの終幕曲である「故郷へ・・・」の2つの曲が、
庵野監督が持ってきた同じ楽曲をモチーフにしているのだそうです。
要するに田中公平さんにも鷺巣詩郎さんにも、
同一の楽曲を提示して終幕曲を作らせた、というわけです。

確か、巨匠冨田勲さんのとある楽曲だということですが、詳細は明かしません(笑)。
このエピソードは、公平さんが自らラジオで語っていたことなので間違いないと思います。

では、聴き比べてみましょう。


まずはトップをねらえ!の「時の河を越えて・・・」


そして、ふしぎの海のナディアの「故郷へ・・・」


田中公平さん曰く「原曲とはだいぶ変えた」のだそうですが、
雰囲気は少し似ているような気がしなくもありません(笑)
そりゃ、庵野監督が同じ曲を二人に提示したわけですから、雰囲気が似てて当然ですけど。


1999年に放送された「地球防衛企業ダイ・ガード」。
田中公平さんと川井憲次さんとのタッグによる音楽を堪能できます。
前回のブログでもA-Ko The VSでタッグを組んだことを書いたわけですが、
こんな組み合わせで音楽聴けるなんて今じゃたぶん無理でしょうね。
そんなダイ・ガードからはやはり血湧き肉躍る発進シーンの曲を。



あと、このダイ・ガードには菅野よう子さんも楽曲を提供されています。
星の木馬、という歌で、新居昭乃さんが歌われてます。これもいい曲なんです。
さらに言うと、EDの遠藤響子さんの「走れ走れ」という曲なんですが、
アレンジを菅野よう子さんが手掛けてます。これも名曲ですよ~。

ダイ・ガードで21世紀警備保障という会社が登場するんですが、
この社歌というのも公平さんが手掛けられてます。こんな社歌歌いたい(笑)




2001年に放送された「機動天使エンジェリックレイヤー」。
プラレス3四郎みたいなアニメだったと記憶していますが、実はあまり見てませんでした。
ですが、主人公のテーマが超絶美しくてサントラを買いました。
「みさきのテーマ」、本当に良いんですよ。



これでもだいぶ飛ばしてるんですけど、文量がえらいことになってますね(笑)。
ベターマンとかかいけつゾロリとかアソボット戦記五九とか語りたいんですけど、
ちょっと飛ばします。
あと、OVERMANキングゲイナーは有名ということで割愛します。
OPは超おすすめです。


るろうに剣心などで知られる和月伸宏さん原作の「武装錬金」。
これ、実はアニメ化されてたんですよね。しかも公平さんが音楽担当。


この「反撃」という曲名通り、緊迫感とかっこよさを兼ね備えた名曲だと思います。
あと、敵キャラであるパピヨンのテーマ曲も響きが妖しくて大好きです。



ちょっと文量が多くなってしまいましたが、今回はこれくらいで。
次回は「作曲編」になると思います。たぶん(笑)



一応蛇足になりますが。
動画をたくさんあげていますが、私個人はすべてサントラを所持しております。
ここで語った以外にも多くの名曲が収録されていますので、
出来るならばレンタルなり購入なりしていただいて楽曲を聞いてください。
出来ることなら私がもう一枚ずつ買いたいくらいなのですが。