音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

好きな作曲家のことを語ります 我が愛しの公平さん編 おまけ

おまけです。

少し間が空いてしまいましたが、
計5回お送りしてきたこのシリーズもいよいよ今回がラスト。
シリーズを読みたいという奇特な方はこのブログの右にある一覧からどうぞ。
(手抜きですいません)

さて。

今回はおまけです。
前回までマイナーなものを中心にメジャーどころも含めてたくさん紹介してきました。
これで語り尽くしたわけではないんですが、一区切りはついた気がするので、
この回は余談も交えて文章主体で書いてみようかと思います。



「FFなどの音楽を手掛けたあの方が今作のために主題歌を書き下ろし!」だとか
「オウガシリーズを手掛けたディレクター渾身の力作、ついにスマホで登場!」だとか、
こういう謳い文句ってよく見かけますよね。
宣伝文句としては絶大な効果があるんでしょうけど、私はあまり好きじゃないんです。
確かに新規プロジェクトを立ち上げる場合だと、
どうしてもキャッチーなコンテンツが宣伝として必要になりますから、
そういうところで集客を促すっていうのも理屈としてはわかるんです。
ただ、そういうのってあまり発売以前には知りたくない情報でもあります。

田中公平さんが音楽を手がけるからこのアニメを見よう、このゲームをしてみよう、
というのが、私もまったくないとは言えないですけどね(笑)

幼少期にファミコンでゲームに勤しんでいた頃、
今ほどいろんなものが簡単に手に入る時代ではなかったこともあり、
わたしの周りにはそういった情報はほとんどありませんでした。
テレビCMや専門誌などからのわずかな情報だけを頼りに、
半ば賭けだったと思うんですけど、子どもにとっては大枚をはたいてゲームを買ってました。
スーパーマリオブラザーズも、
今でこそ近藤浩治さんが音楽を手掛けたことは世界的に知られていますけど、
発売当時は私自身あまりそういうことを意識することはなかったと記憶しています。


いきなり関係ない話から入ってしまってすいません。


私が言いたかったのは、
田中公平さんが音楽を手がけるからという理由だけでは、
アニメはあまり見なくなりましたし、ゲームもあまりしなくなった、ということなんです。
近年、公平さんが手掛けているアニメはほぼ見てないですし、
ゲームももともと大好きだったゲームの続編はやりますけど、
新規タイトルはやはり少し敬遠してしまいます。

音楽も含めてのコンテンツであるのだから、
楽家の名前を全面に出してもいいじゃないか、とファンの人なら言いそうですが、
それはあくまでも音楽面でのお話です。
それだけでコンテンツすべてを評価しようとするのはどうなんだろうと私は思います。

だから私は田中公平のファンではないんでしょうね。
すべての公平さんの楽曲を好んで聞いているわけではないですし、
氏の作品でも苦手なものははっきりと苦手です、という人です。
田中公平ファンや信者の人からすると言語道断の所業なんでしょうけど。


私は、音楽に対しては嘘はつきたくないんですね。
このブログではそういう面を極力出さないようにしてますけど、
辛辣な意見も実は内包していたりするのです。
そういうのを書いているブログも並行してやっていますが(笑)


前にもどこかで書いたかもしれませんけど、
リエーターの人となりで音楽を判断したくないですし、するべきではないんです。
その人がヤク中であろうが極度のあがり症だろうがコミュ障だろうが、
いい音楽を作る才能があるのならばその音楽は大好きになるはずです。
ちゃんとその人の音楽をプロデュースできる人がいれば、
きっと名のある音楽家になるでしょうし、運が悪けりゃ世間的に死ぬだけです。

運も要素のひとつとはよく言ったもので、
どれだけ才能があろうと売れない人も大勢いますし、
才能がそれほどないのにしぶとく音楽界で生き残っている人も結構いらっしゃいます。
名前は出せませんけど・・・



さて、これでだいたい書きたいこと(鬱憤)は書いたので(笑)、
ここから雑談しながらの曲紹介をしていきましょう。



PlayStationで発売されたアクションRPGアランドラ」は本当に好きなゲームでした。
PSでゼルダライク(というと語弊がありますけど)なゲームが出来るのは、
私としても嬉しかったですし、かなり難易度高かったですけど楽しかったんですよ。
動画で紹介されているラスボスの音楽がすごく好きなんですよね。
公平さんが音楽を手がけられた「バウンティソード」でも同じ手法が使われてますが、
主人公のメインテーマがラスボス曲の合間に聞こえてくるわけです。
音楽でこうやって鼓舞されているんだと思うと、やる気が出ますよね。
そして、ED曲の「tears」。歌ものですけど、こちらも公平さんの作曲です。
歌うにはあまりに難しく、でも聞いていると心地よい。つまり、いつもの公平さんです(笑)。

アランドラは今でも評価されるべきゲームだと個人的には思ってます。
確かにアクションでかなり辛い操作を要求されたり、
少し理不尽なところもないとはいえませんが、
全体を通してみると、ああ、やってよかったなぁ、と素直に思えます。



話題に出たので「バウンティソード」のことも語りましょうか。
もともとSFCで発売されたゲームです。PSでリメイク版、
そして、続編でもある「ダブルエッジ」が出ています。
以前紹介した「戦場の風」も名曲の中の名曲なんですけど、
その他にもたくさんいい曲入ってます。


ゲームのサントラ(音楽編)では「九つの絶望、一つの希望」というタイトルです。
聴けばわかると思いますが、いわゆるオーラスの戦闘曲です。
公平さんらしく、一曲が長めに作られています。


サントラのライナーノーツにもご自身で仰ってますけど、
長い曲を書くというのは技術力を要します。
ただ闇雲に長い曲を書いたところで、大半は飽きられてしまうからです。
プロとしての矜持を、私はこの言葉に感じます。


そんなこの曲の最後に、少しだけ主人公であるソードのテーマの断片が流れるわけです。
この曲、本当に大好きなんですよね。
ずーっと絶望的な感じなのに、少しずつ盛り返しながら最後にテーマがすっと流れる。
シナリオやりながら興奮してたことを今事のように思い出します。
音楽的に言うと、いろいろなテーマが入り乱れている感じですね。
サントラの他の曲で使われているテーマがそこここに散りばめられていて、
それが最終的に主人公へとつながっていくという音楽的な演出は、
最初に聞いたときは鳥肌が立ちました。
このゲームが音楽面で高い評価を受けているってのも納得です。



本編では語らなかった「サクラ大戦」のことも少し。

セガ・サターンで発売されたのが今から20年前のことです。
私も当時ワクワクしながら限定BOX(名前はうろ覚え)を買ったのを覚えています。
本体にゲームディスクをセットして電源を入れた後、
セガ・サターンのロゴがカッコいいジングルとともに登場します。
その後、いきなり始まったアニメのOPのような映像と、
一度聞いたら忘れることのないあのメロディを、その時最初に体感したわけです。
その曲、「檄!帝国華撃団」はゲーム音楽界を席巻したことは言うまでもありません。



いやぁ、ゲキテイ良いですよね!
聞いてよし、歌ってよし、弾いてよし。これほど心躍る曲もなかなかありません。
サクラ大戦3のOP「御旗のもとに」やサクラ大戦VのOP「地上の戦士」も、
もちろんゲキテイと同様に大好きな曲ではあるんですが。
ちなみに私はやはり初代の切れのあるアレンジが好きです。
あと、サクラ大戦4の「檄!帝~最終章」は・・・まあ好きですよ、はい・・・




勇者王ガオガイガーは、当時ビデオ(VHS)に録画して、
毎週楽しみに見ていたタイトルです。
主題歌のインパクトが強すぎてその印象ばかりが先走りしてますけど、
下成佐登子さんが歌うED「いつか星の海で・・・」も実は大好きなんですよね。
もちろん劇中曲も圧倒的に迫力があって大好きなんですが。

あと、挿入歌「美しき光の翼」というのがあるんですけど、
この曲、とても好きです。
歌っておられるのは、舞台やオペラなどで活躍されている高井治さんです。


本編ではあれだけフルオケの曲だったのに、
この曲が何故フルオケじゃなくて「フルオケ風の音源」なのかが未だに謎です・・・
曲はとっても好きなのでそれでも問題ないんですけど。



地球防衛企業ダイ・ガードの音楽を川井憲次さんと共同で担当されたことは以前にもお話しました。
で、このアニメのED「走れ走れ」という曲、遠藤響子さんが歌われているんですが、
この曲、実は編曲をあの菅野よう子さんが手掛けてるんですね。


私が好きな劇伴作曲家が3人揃い踏みしていたんですよね、このアニメ。
ああ、そうそう、新居昭乃さんが歌われている「星の木馬」という挿入歌があるんですけど、
この曲も菅野さんが作編曲をされてます。
そういう意味でもこのアニメのサントラは結構オトクなのです(笑)

前にNHKかどこかでビビる大木さんが司会をされてた番組で、
田中公平さんが菅野よう子さんを「天才です」と褒め称えてたんですよ。
私からするとご両名ともに天才だと思ってますけど。
その番組で、確かカードキャプターさくらのOPにもなった、
坂本真綾さんの「プラチナ」を公平さんが分析されてたんですよ。
あれはホント勉強になったなぁ・・・

余談ですけど、確か公平さんが菅野よう子さんの楽曲群を意識して作られたのが、
以前紹介した「OPEN YOUR MIND」(アニメ「ああっ女神さまっ」のOP)だそうで。
真偽の程はご本人に聞かないと分かりませんが、
確かに曲のそこここに、公平さんではない何かを感じたり感じなかったり。


Gガンダムの音楽って、実は苦手なんですよね。
名曲もたくさんあるとは思うんですけど、
皆がカッコいい、っていう曲はたいていあまり聴かなくて、
逆にそんなに人気ではない曲を好んで聴いているヒネクレモノです(笑)。
「シャイニングフィンガー」の曲とかはあまり聴かなくて、
どちらかというと、かっこいいよりも心地よい曲や少し悲哀のある曲を聴いてる気がします。
例えばこういう曲ですね。





銀河鉄道999といえばはるか昔にテレビで放送されていた名作中の名作です。
実はこれ、映画化をたくさんされているんですが、
その中のひとつ「銀河鉄道999 エターナルファンタジー」があります。
1998年に公開されたこの映画に、音楽担当として田中公平さんが参加されています。
演奏しているのが、なんとロシアのオケ。
モスクワインターナショナルフィルハーモニーオーケストラ、という御大層な名前ですが、
公平さん自身がロシアへ行って録音してきただけあって音楽は感涙モノです。
この音楽制作にはいろいろな裏事情があるみたいですけど、
ここでは書けませんので聴きたい方はご一報ください。
映画としての出来は最悪だったみたいですが、それも裏面の事情が色々と・・・
ちなみに私は映画館で見ました。裏面の事情を知らなければ楽しめたと思います。

音楽は本当に素晴らしいです。
メインテーマは何度聞いても泣きそうになるくらいに大好きです。
ただ、THE ALFEEの主題歌はどうなんだろう、とは思いましたが(笑)
銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー BGM集


公平さんの評価の転機として、「トップをねらえ!」をあげる人は多いです。
私もそう思うんですが、実はそれ以外にも公平さんの転機ってある気がするんですね。
例えば「BASTARD!」の音楽。
あれは公平さん自身の手でバスタードの交響詩を作られて、
ワーグナーばりにライトモチーフという手法を使いまくって、
ひとつのオケ作品として昇華されているのがすごいんですよ。
例えば「機動戦士ガンダム08MS小隊」。
プラハで録音された新録BGMのクオリティは、ハリウッド映画のそれと比べても遜色なく、
氏の音楽が飛躍的に評価されたもののひとつだと認識しています。
そしてこの「銀河鉄道999エターナルファンタジー」の音楽です。
08小隊と同様、海外のオケを使って壮大な楽曲を作ってます。
これ、製作期間が本当に短かったみたいで公平さんも苦労されたようですが、
それでもこれほどのクオリティに仕上げているあたりがプロだなと思います。

ゲームの音楽のように何年もかけて作られているものは、
音楽もそれだけクオリティの高いものに仕上がっている、
かと言われれば疑問視せざるを得ません。
製作期間が長いからと言って必ずしも良いものが出来るという保証はありません。

基本的に公平さんの楽曲は製作期間が短いものが多いそうです。
まさに業界からすると「駆け込み寺」のようだとご本人も仰ってましたが(笑)
まだ公平さんが駆け出しの頃は、3日で数十曲のオーダーがあったりしてたみたいですし。
ワンピースのOP「ウィーアー」なども相当短い期間だったそうですし、
PSVitaで発売されたGRAVITY DAZEの音楽も、
それほど長い期間は与えられてなかったといいます。
それでもあれだけのクオリティの楽曲を制作しているわけで、
ああ、田中公平という人は本当に天才なんだな、と改めて思わされます。


なんだかんだ言っても、きっとこれからも田中公平さんの紡ぐ音に一喜一憂したり、
ラジオでひょうきんに語られている公平さんに大笑いしたりするのだろうなぁ、と。

やっぱり田中公平ファンなんでしょうね、私(笑)