音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

好きな作曲家のことを語ります 我が愛しの公平さん編1

というわけで、
私が物心つく前から大好きだった作曲家、田中公平さんのことを書こうと思います。

今回は特別編ということで、「我が愛しの公平さん編」と題してお送りします。
これまで紹介した作曲家のみなさんも等しく大好きなのは間違いないんですが、
ただ私にとって公平さんは物心つく前、つまりは私の音楽の原点のおひとりでもあるわけです。
(原点の方はまだたくさんいますけどw)
なので、通常とは別に枠を設けてたくさん語りたいと考えてます。

長い記事になることはほぼ確実なので、番号振ってます。
どのくらいの量になるかはわかりませんけど、
私の記憶を遡れるだけ遡って書いてみようかなと思います。


まず最初は「編曲」に着目してみます。
田中公平さんのファンの方ならご存知とは思いますが、
公平さんは編曲デビューなんですよね。
作曲家から送られてきた曲に伴奏とかイントロとかつけたりする、
大雑把にいうとそういうことをする、とても大変なお仕事です。
0から1を作る作曲というお仕事ももちろん同等に大変なお仕事なんですけども。


その昔、究極超人あ~るという漫画がありました。
原作は機動警察パトレイバーなどでおなじみのゆうきまさみさんです。
その究極超人あ~るのドラマCDっていうのがありまして、
そこで公平さんは劇中音楽や歌ものの編曲をされています。
そんな歌ものの中から、最初にこれを選んでみました。


究極超人あ~るで、ヒロインの声をあてられていた笠原弘子さん。
その笠原さんが歌われたのが、この「くちびるにメモリー」です。
OVAのエンディングに使用された楽曲ですね。
作曲はタイムボカンシリーズの主題歌や「燃えよドラゴンズ!」などで知られる山本正之さん。
この究極超人あ~るのドラマCDやOVAの歌ものの殆どを作曲されています。
そんな山本正之さんがこんな曲作れるんだ、と当時は驚いたものです(笑)
そして、公平さんの編曲がまた素晴らしいんですよね。
この当時はまだパロディなどの仕事も多くこなされていたみたいですが、
(内心ではとても嫌がっていたのかもしれませんけどw)
この曲に関して言えばまさに正調アイドルソングとも言えるアレンジを施されています。

その他の曲がほぼパロディっていうのもまた・・・

ちなみに究極超人あ~るBOXというサントラに収録される「やあ2」という曲があるんです。
これ、CDドラマアルバムに収録されている「やあ」の続編的な歌なんですけど、
この2の編曲も田中公平さんがされています。
イントロとか2番と3番の間の間奏とか公平さんらしいなぁ、と思いながら聴いてます。
こちらもおすすめですのでぜひ→【ニコニコ動画】やあ2


田中公平さんの編曲といえば、ドラゴンボール(Zではない方)のOPとEDがあげられます。
「摩訶不思議アドベンチャー」と「ロマンティックあげるよ」ですね。
ここでは動画は紹介しません。あまり有名なのは極力やらない方向で(笑)


次はさらに古くなります。


今から30年ほど前に放映されたドラマ「勝手に!カミタマン」。
そのOPとEDの編曲、そして劇中曲の作曲をされています。
歌われているのは、カミタマンの声もされている田中真弓さんです。
今ではワンピースの主人公ルフィ役としても活躍されていますね。
作曲は本間勇輔さん。映画やアニメなどの音楽を数多く手掛けられていますが、
たぶん有名なのはドラマ「古畑任三郎」シリーズの音楽でしょうね。
(オーケストラアレンジは別の方ですけど、作曲は本間さんです)
この勝手にカミタマンのOP、軽やかなメロディに更に軽やかなアレンジを施されてます。
たまに聴きたくなる名曲だと私は思ってます。

ここまでのところ、かなりマニアックな選曲になっていると思ってますが、
先に言っておきます。有名どころはたぶん紹介しません(笑)
今後、サクラ大戦とかガオガイガーなどの楽曲を期待されている方、ごめんなさい。


プロジェクトA子、というアニメ作品をご存知でしょうか。
ジャッキーチェンが主演した某映画を彷彿とさせるタイトルですけど、
内容は結構ちゃんとしたアニメだったと記憶しています。
そのA子シリーズのひとつ「A-Ko The VS(バーサス)」という作品があります。
確かBLUE SIDEとGRAY SIDEの2作品があるんですが、
その2作品で音楽担当が違うんですね。
大河ドラマ「花燃ゆ」の音楽も担当された川井憲次さんがGRAY SIDE、
そして、田中公平さんはBLUE SIDEの音楽を担当されました。
さらにこの2作品の主題歌で二人がコラボしているんですね。
GRAY SIDEでは田中公平さんが曲を作り、川井憲次さんが編曲、
BLUE SIDEでは川井憲次さんが曲を作り、田中公平さんが編曲をされています。
今回は編曲がテーマなので、紹介するのはBLUE SIDEの主題歌です。


「BLUE SIDE~小さな奇跡」というタイトルになってます。
歌っているのはEmmieさん。とかくとあれですが、声優の篠原恵美さんですね。
この曲、本当に好きなんですよね。川井さんらしいキャッチーなメロディに、
公平さんのアレンジがとても良く合ってる気がします。
裏でどんな葛藤があったのかは定かではありませんが、曲自体は本当にいいものです。


たぶんこれ以降、90年代中盤あたりからだと思うのですが、
編曲のみでの田中公平さんをパッタリ見なくなります。
私が知らないだけで本当は何曲かあるのかもしれないんですけど。

そんな中で前述した笠原弘子さんが96年に出したアルバム「Saga(サーガ)」で、
田中公平さんは3曲の編曲(うち1曲「フィヨルドの子守唄」については作編曲)をされています。
この時期に編曲のみでの参加というのはたぶんレアなことだと思います。
残念なことに動画などはありませんので、CDを購入されることを強くおすすめします。
買って損のないアルバムだと思いますので。


笠原弘子さんでもう一曲。
ゆうきまさみさんの作品「アッセンブル・インサート」がOVA化されたんですが、
こちらの主題歌「アッセンブル・インサート」も田中公平さんが編曲のみされてます。
ちなみに作詞作曲は松宮恭子さんです。


個人的に1番と2番の間の間奏が大好きなんですけど、
今回はアニメのOPバージョンということで・・
公平さんのアレンジって、聴いてると「あ、これ公平さんだ」とわかりますよね。
金管の使い方とかがかなり特徴的だと思うんですけど、どうでしょう。


タイムボカンシリーズのスタッフが手掛けたOVAというのがあります。
「戦国武将列伝 爆風童子ヒッサツマン」というのがそれなんですけど、タイトル長い(笑)
この主題歌とEDの2曲も公平さんの編曲となってます。
作詞作曲は、タイムボカンシリーズでもおなじみ山本正之さんです。


とにかく編曲がかっこいい。これにつきます。
山本正之さんとタッグというだけで、私なんかは興奮してしまうんですけどね。
前述の通り、パロディ路線をパッタリとやめてしまってからは、
このコンビによる楽曲はありません。
このコンビの最後って何の曲なんだろう、と考えましたがわかりませんのでググってください(笑)

山本正之さんとのタッグというと、
山本さんのアルバムでも数多く編曲を手がけられています。
だいたいがパロディなんですけど(笑)。
名曲たくさんありますけど、おすすめは「宇宙一のスチャラカ男」ですかね。
田中公平さんがこういう仕事もしていたんだと思うと感慨深いものがあります。


このコンビの曲ってホント名曲が多いと思うんですけど、
また機会があれば・・・いや、無いな絶対に(笑)


特撮でもマスクマンやシャイダーなど、公平さんが携わられている楽曲が数多くあります。
有名なのは「超人機メタルダー」のOP「きみの青春は輝いているか」ですね。
このブログでも以前、三木たかしさんをテーマに語った時に紹介させて頂きました。
TV放映版の編曲は時間との戦いだったようで、
結局ささきいさおさんの熱唱の後に唐突とも言える終わり方をする、というので有名です。
ものすごくかっこいいので、聴きたい方はブログ内を探してみてくださいませ。


ここまで書いててふと思い出したんですけど、
やっぱり田中公平さんって作曲家よりも編曲家のイメージが強いんですよ。
ご自身がどう思われているのかわからないんですけど、
私の極めて個人的な見解でいうと作曲よりも編曲の方がより一層輝いてる気がします。
確かに公平さんは名曲も数多く作曲されていますし、
その中でも大好きな曲というのも数多く存在しているのも間違いない事実なんですけどね。
私が公平さんの作編曲された楽曲に惹かれるのは、
作曲の妙もあるんでしょうけれども、絶妙なアレンジも魅力なのかもしれません。


と、ファンが見たら怒られそうなこと書いちゃいましたが(笑)


というわけで、ここからは「初期作編曲集」として、
編曲から作曲へうつっていく過渡期の作品を中心に、独断と偏見まみれで紹介していきます。

田中公平さんのデビュー後最初の作曲(および編曲)はなんなのでしょう。
ご本人が以前にラジオでおっしゃっていました。
アニメ「愛してナイト」のサントラに収録されている
イメージソング「純白のジューンブライド」という歌です。



確かこの「愛してナイト」というアニメは、
スタジオジブリの音楽でも有名な久石譲さんが、
その昔、アニメの音楽を手がけられていた頃の作品です。
久石さんご本人は、
「アニメなどのBGMを大量に作曲することによる曲自体の摩耗」が嫌だったみたいですが(笑)。
その久石さんの後に日本コロンビアで音楽担当となるのが公平さんです。

ま、そんな裏話はともかく。

愛してナイトの歌もの(主題歌、EDを除く)はほとんど久石さんの作品ですが、
この1曲だけは公平さんが作編曲を手掛けられています。経緯は不明です(笑)
歌は、当時人気絶頂のアニメ歌手、堀江美都子さんです。

いい曲ですよね、これ。堀江さんもお気に入りだとおっしゃっていたそうです。


あとはちょっと時代が遡るんですが、このCM曲ですよね。


布亀の救急箱のCMです。
関西に住んでいた頃に、嫌というほど見させられたCMでもあります(笑)。
この音楽が公平さんの作ったものであることは、当時は知りませんでした。
知ったのは、90年代に入ってからだと記憶しています。


続いてはこのCDのことを話してみましょう。

http://www.cwo.zaq.ne.jp/future/hiroko/disc/kanebofm3.html

このリンク先にとあるCD情報が記載されています。
その楽曲のほとんどを公平さんがアレンジされています。

で、注目すべきなのは「ひとりよりふたり」という楽曲です。
こちらは田中公平さんの作編曲なのですが、
その歌い手さんの中に「坂本真綾」という名前を見つけることが出来ます。
そうです、当時まだ8歳の坂本真綾さんが歌われているんです。
公平さんの楽曲ってこともうれしいですが、こっちの方が驚きでもあります(笑)

【ニコニコ動画】♪ひとりよりふたり(唄:合野琢真・中村龍彦・坂本真綾)

楽曲は、どことなく公平さんの代表作のひとつ「トップをねらえ!」のとある楽曲を想起させます。
私は好きです。


初期のアニメ担当作といえば、私が最初に公平さんの名前をテレビで見た、
アニメ「コンボラキッド」や「夢の星のボタンノーズ」などがあげられます。
音源というか動画がないのでご紹介は出来ませんけど・・・

その後、1988年にOVAトップをねらえ!」の音楽を担当されます。
このアニメの音楽を担当することがきっかけとなり、
公平さんはアニメ音楽を数多く手がけるようになった、と言われてます。
パロディ音楽の嵐、ともいわれるサントラですけど、
今でも氏を代表する作品のひとつになってますね。

有名どころなのでどうしようかと思うのですが、この中から一曲だけ。


「ノリコ」や「時の河を越えて」などの定番曲ではなく、
あえてのこの曲にしてみました(笑)。
この曲、とっても好きなんですよ。まあ、某モビルスーツのアニメを彷彿とさせますが。
中にはマーラー交響曲のメロディを使っていたり、
どう聞いても「炎のランナー」じゃないの、というぎりぎりの曲もあったりと、
本当にパロディオンパレードなサントラに仕上がってます。

当時のライナーノーツで公平さんはこう言われてます。
「パロディをするからには常に原曲を超えるという気持ちで作っています」
当時このサントラを聴きまくっていた私はその言葉に何故か感動していました。


伊東岳彦さん原作の「宇宙英雄物語」という漫画があります。
そしてこの宇宙英雄物語のイメージアルバムというのが発売されました。
89年に1巻が発売されたんですけど、当時これ聴きまくってたんですよね。


【ニコニコ動画】宇宙英雄物語 アルバム(1989年)

このアルバム、歌ものとドラマと音楽がごちゃまぜになってるんですが、
その魅力的な音楽(の一部)を田中公平さんが担当されています。
あと、アルバム最後に収録されている「宇宙英雄讃歌」(公平さん編曲)では、
モンリオ=エニコーネJr.という名前で歌まで披露しています。
曲自体はクラシックの名曲メドレーみたいなもので、超難曲です(笑)
あと、余談ですがこのアルバムで、
若かりし頃の林原めぐみさんの声が聴けたり、
「~しちゃったりして」のフレーズでおなじみの広川太一郎さんの懐かしい声が聴けます。
もうね、広川節全開で楽しいアルバムですので良かったらぜひ。すでに廃盤ですけど(笑)
しかしあれですね、この頃の公平さんはパロディやりまくってたんですね・・・

ちなみにこの後2枚のイメージアルバムが出ますが、
諸般の事情で主役級のキャストが変更になってます(笑)

そしてラジオドラマにもなりました。
たぶんその音楽集がこれだと思うんですよね。

【ニコニコ動画】宇宙英雄物語BGM集

何はともあれ、
この動画の5:42~あたりから流れる「天駆けるフォーチュン」だけでも聞いてください。
ほんとカッチョイイですから。
ラジオドラマは関西ではKBS京都で流れてたんですけど、
私の住んでいる地域ではなぜか聴けなかったんですよね・・・


渡辺道明さん原作の漫画「ハーメルンのバイオリン弾き」。
私も原作は大好きでしたが、今から20年ほど前に劇場版が公開されました。
アニメ、と聴くとあの怒涛の暗さを誇るTVアニメ版を想起する方も多いでしょうけど、
私はハーメルンのアニメといえばこの劇場版なんですね。
TV版、劇場版ともに田中公平さんが音楽を担当されています。
でまあ、TV版の音楽も大好きなんですが、劇場版のギャグ調路線も好きなんですよ。
劇場版のサウンドトラックに収録されている「サイザー登場」って曲が、
短いんですけどものすごくかっいいんで、おすすめしておきます。
残念ながら動画はないんですけど、Amazonの試聴ではなんとフルで聴くことが出来ます。
40秒弱の短い曲ですから(笑)

【Amazon】劇場版「ハーメルンのバイオリン弾き」魔曲全集”ファンに捧げるサントラとドラマ”


でもまああれですね、さっき「初期作編曲集」って書きましたけど、
すでにハーメルンとかだと96年公開なので、全然初期じゃないよねって突っ込まれそうで(笑)
あんまり考えること無く思いつくままに書いているのでそのへんはご容赦ください。



初回ということで今回はこのあたりで。
次回は引き続き「作編曲集」そして「作曲集」、さらに「歌唱集」と続く予定です。