音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

Summer

1999年にひとつの映画が公開されました。

北野武監督の「菊次郎の夏」です。

 

もともと映画自体よく見るんですが、

北野武監督の作品もほとんど全部見ています。

一部ではかなり不評なことも承知しているんですが、

監督の独特の映像や色彩、あるいは会話の間など、

天性のものなのかそうではないのかはともかく、

とても個性的な映画を数多く作られています。

 

映画「あの夏、いちばん静かな海。」から「Dolls」まで、

およそ10年以上にわたり北野監督の映画の音楽を担当したのが、

宮崎駿監督のアニメ映画でもその名を知られる久石譲さんです。

 

「Summer」は映画「菊次郎の夏」のメインテーマです。

 


Joe Hisaishi - Summer

久石譲さんの公式Youtubeチャンネルより

 

映画は見たことがないけど、曲は知ってるという方も多いと思います。

大手酒造メーカーのCMにも楽曲が使われていましたね。

久石さんが定期的に行っているコンサートなどでもたびたび演奏され、

私自身もとても大好きな楽曲の一つとなっています。

 

上の動画は先週UPLOADされたものみたいですが、

このアレンジすごく好きです。

1:20~あたりでC→Dへと転調するんですが、それがとてもいいです。

(ちなみに映画ではD-dur(ニ長調))

転調好きなもので(笑)

 

あと、これは久石さんの楽曲がお好きな人ならすでに既出ネタかもしれませんが、

この「Summer」の楽曲中に、

さりげなく「あの夏、いちばん静かな海。」のメインテーマが使われてるんです。

そのメインテーマ、「Silent Love」という楽曲なんですが、

分かりやすく引用されているんですけど、

曲の調性やほの明るい雰囲気に紛れてしまい、パッと聞くと聞き逃しそうになります。

 

 


Silent Love (Main Theme)

 

「♭ミレー♭シ↓ソ↓ー、♭ミレー♭シ↓ド」

という何気ないメロディがサビとして何度も登場します。

もともと久石譲さんはミニマルミュージックをやっていた方なので、

こういう楽曲にもそうした経験が生かされているんでしょうね、きっと。

 

で、このメロディが「Summer」にも登場します。

一番わかりやすいのは曲の最後のあたり、

動画の3:36~のフルートが奏でる旋律ですね。

そのメロディが「Silent Love」のそれと一致しています。

意図したものなのか、それとも偶然なのかはわかりませんが、

どっちも名曲であることに変わりないので、どうでもいいですけど(笑)

ブラスぷらす Op.18

50年ほど前にコンクールで披露されて人気が出た作品「呪文と踊り」。

ジョン・バーンズ・チャンスの作品の中でも有名なんだそうです。

 

ジョン・バーンズ・チャンスはアメリカの作曲家です。

不慮の事故によって39歳という若さで亡くなってしまったのですが、

その作品は今も世界各地で演奏され続けています。

 

私が最初に彼の作品を聞いたのはだいぶ昔です。

「Variations on a Korean Folk Song」という曲ですね。

日本語に訳すと「朝鮮民謡の主題による変奏曲」という感じでしょうか。

それから彼の作品を聞くようになって出会ったのが、

「Incantation and Dance(呪文と踊り)」でした。

 


J.B.チャンス/呪文と踊り

※動画は洗足学園音楽大学の公式のものです。

 

前半はおどろおどろしい木管の旋律から始まる「呪文」の部分、

そして中盤から後半にかけては激しいリズム体が特徴的な「踊り」の部分です。

初めて聞いた時は血沸き肉躍る後半で興奮しまくったものですが、

今聞いてみると、前半の「静」の部分の導入が良く出来てるなぁと思います。

 

大好きな曲です。

 

 

現代音楽を聞く その83

ブルガリアを代表する作曲家の一人、パンチョ・ヴラディゲロフ。

一通り彼の作品は聞いているんですけど、

最初に聞いたのは「2つのブルガリアパラフレーズ」だと思います。

現代音楽というよりも、後期ロマン派の印象の濃い曲なんですけどね。

 

そんな彼の息子であるアレクサンドル・ヴラディゲロフも作曲家です。

代表作といえば「ディルマノ・ディルベロによる変奏曲」になるんでしょうか。

「ディルマノ・ディルベロ」というのは、

ブルガリアに古くから伝わる民謡の一つですね。

 

www.hmv.co.jp

 

このアルバムの最後に、アレクサンドルの曲が入ってます。

それ以外はすべて父パンチョの作品ですね。

中でも「ブルガリア狂詩曲<ヴァルダル>」は私もかなりお気に入りです。

 

現代音楽というカテゴリーではないのかもしれませんけど、

こういうのも聞いてるよ、というアピールです(笑)

丸25年

あの日から25年経ちました。

いろいろあって今日という日を関東地方で迎えています。

明日、例年通りご挨拶もしなきゃならないので帰省しますけどね。

 

「あのことを忘れてはならない」

という言葉が常套句化してしまい、言葉だけがひとり歩きして、

被災者の一人である私としては複雑な心境にいます。

 

震災のことを風化させてはならないというのはわかるんですけど、

修羅場、あるいは地獄絵図を当時目の当たりにしてしまったこともあって、

私自身も、同じく被災者の一人である我が母も、

「もうあの時のことは忘れてしまいたい」と思っています。

ただ、忘れたいのに忘れることが出来ないんです。

 

人が目の前にいて助けることが出来ない状況でした。

古いアパートが倒壊し、その下敷きになっている人が目の前にいて、

なのに、火の手が強くて消火器だけではどうしようもない。

目を背けてしまいたいことなのに、なぜか目を離せない。

そんな光景を25年経った今でも、やはり忘れることが出来ないです。

トラウマになっていない、といえばうそになります。

だからこそはやくあの事を忘れてしまいたい、そう心から願っています。

 

当事者の全員が「忘れてはならない」と思ってないということだけは、

分かってほしいとは言わないまでも、知っていてほしいことだと思います。

 

あれから25年。

当時の友人、あるいは恩師が命を落としたあの日から四半世紀が経ちました。

これだけ時間が経ったんですが、あの時刻になると自然に目が覚めてしまいます。

(毎年というわけじゃないんですけど・・・)

 

 

まだまだ、忘れられる日は来ないみたいです。

 

 

新年の出来事

こちらのブログについては音楽に関するネタを主に書いてます。

そして、音楽に関すること以外の内容のもの、

あるいは鑑賞したコンサートやライブなどの感想などについては、

こちらのブログではなく、もう一つのサブブログで書いています。

ヒロユキの世迷い言

サブの方はちょいと辛口です。そしてめんどくさい内容が多いです(笑)

 

という宣伝をしたところで。

 

毎年、わたしの誕生日に、

ボストンに住む私の友人から音楽のプレゼントをもらっている、

という話を以前にしたと思います。

 

以前にも書いているんですが、

その友人というのがジャズピアニストとして活躍しており、

また、日本のアニメやゲームにも精通し、日本語もぺらぺら、

結婚した相手は私の中学時代の同級生というおまけつきです。

そのピアニストの友人とも中学時代からの付き合いなので、

四半世紀以上の長い関係となっています。

困ったときや困ってないときも連絡を取り合ってる大親友です。

 

その友人から新年の年賀状代わりに一つの動画が送られてきました。

ピアノ演奏動画なんですけど、

演奏しているのがアニメの主題歌のピアノアレンジだったんですね。

6年ほど前にアニメ化もされているようなんですけど、

ヤマノススメ」というアニメの主題歌でした。

彼はこの作品を漫画連載し始めた頃からのファンだそうで、

舞台となっている埼玉県飯能市にも何度か行ったことがあるそうです。

私は今年になって作品の名前を知りました(笑)

 

こういう時に頼りになるのが、

私が勤めている会社の同僚でかなりアニメ好きなやつです。

今週の頭、年明け初出勤をした時に「ヤマノススメ」の話をしたら、

機関銃のごとく作品のことをまくしたてられて、

そして、今日コミックスを10巻分貸してくれました。

読み終えたら続きも貸してくれるみたいです。

ほんと、いいやつです(笑)

アニメのDVD(Blu-ray)も今度貸してくれることになってます。

(どうやらAmazon Prime Videoとかで配信もされているみたいですけど)

 

Spofityで検索してみると、

ヤマノススメ」の主題歌がすべて配信されていたので、

今それらを聞きながら仕事をしています。

それで、ボストンの友人が演奏してくれたのが

「夏色プレゼント」という曲だと知りました。

ちゃんと原曲をリスペクトしてピアノアレンジしてるんだ、

そして、アニメが本当に好きなんだなぁと、

彼が演奏している様子を思い出してそんなことを考えました。

 

こういうのが「愛のある演奏」というんでしょうね。

愛のある演奏でもテクニックがダメだと聞く気が失せるんですけど(笑)

だったら愛がほどほどの上手い演奏の方が聞きたいと思います。

 

以上、新年一発目に起こった出来事の顛末でございました。

ぼくがそこから逃げたワケ

何もかも投げ出して逃避行したい、と思うことありますか?

ぼくはあります。

 

昔から「逃げ癖」というのがぼくにはあるみたいです。

嫌なことがあったら逃げる、ってのはもちろんですけど、

嫌ではないことからも逃げてしまうことがあるんです。

 

唐突ですが。

自分の企画でオフ会をやっていた時期がありました。

(オフ会というのは、オフラインミーティングともいわれるもので、

ネットなどで知り合った人たちと実際に会っていろいろやる会みたいなもんです)

 

好きなゲーム関連のオフ会というのは以前からも積極的に参加してたんですが、

そういうものを繰り返すうちに、自ら企画してやってみようと思ったんですね。

音楽系に少し強みがあったので、レンタルカフェを使って、

音楽理論みたいなものをわかりやすく伝えるようなオフ会や、

ゲームのマルチプレイをするオフ会みたいなのもやりました。

ゲームをプレイするだけでは物足りなかったので、

そのゲームにまつわる音楽クイズをやったりして、

なるだけ楽しく過ごせるコンテンツをいろいろと試行錯誤していたんです。

 

で、一昨年のある時期からそうしたオフ会の企画はもとより、

いろんな人たちが企画していたオフ会への参加からも離れるようになったんです。

ぼくが突然、だれにも何も告げずにそうした行動をしてしまい、

多少後悔の念もあるにはあったんですけど、

いざそうした場から離れてみると、意外と冷静になっている自分がいました。

 

オフ会でやりたい企画はそれこそ他の人に売るくらいにはあるんですけどね。

 

実は最後に私が企画したオフ会のあと、すぐに次の企画をすすめてはいたんです。

マルチプレイのオフ会がメインではあるんですが、

前回の音楽クイズがとても好評だったこともあって、

クイズ大会をサブ企画としてやりたいと考えました。

ただ、クイズを早押しなどでやるのはあまりに芸が無いので一計を案じたんです。

QRコードを使ったオリエンテーリングみたいなものですね。

みんなにランダムでコードを貼り付けたカードを配って、

そのコードを手持ちのスマホで読み取ると、クイズが数問出題されて、

正解すると次のコードが隠されている場所のヒントが記されているんです。

徐々にクイズの難易度も上がってきて、最終的に大ボスが登場して、

レベルの高いクイズに正解すると、見事クリアというものでした。

クイズではなく「謎解き」にしようかとも思ったんですが、

ひらめきを重視する謎解きよりも、純粋な知識で争うクイズの方がぼくは好きなので、

そういうクイズの問題をいろいろと仲間たちと作り続けていたんですけど、

それも結局は企画だけで、やることは無くなってしまいました。

 

離れた理由は、その時の心境だったりメンタルだったり、

複数の要因があるにはあるんですけど、

大きなものの一つは「責任を感じた」ってところが大きかったんです。

 

最後のオフ会で、ぼくは皆の前で仲間の幹事の人を大声で叱咤してしまったんです。

オフ会に参加した一人が途中退席して帰ることになったんですけど、

その時にぼく以外の幹事が遊びに興じてしまってそのことに気づかなかったんです。

で、思わず大声で幹事を怒った風で呼んでしまったんですよね。

あとになってそのことは大いに反省はしたんですけど・・・

その時は準備やらなにやらでかなり疲れていて、

「幹事だったらちゃんとお見送りはしなきゃだめだろ」と感情的になって、

それが一気に爆発してしまいました。なんと幼い発想でしょう。

 

それと、そのオフ会後に参加メンバーが親しくなっていったのは良いんですが、

特定の人に対してSNS上で「いじり」をはじめだしたんです。

おそらくはその人たちもお互い冗談でやっていたことなんでしょうけど、

普段そういうことをしそうになかった人までが「いじり」に参加し始めて、

「ああ、ぼくの責任だな」と感じてしまったんですね。

今から思うと、それは本人のせいであることはわかるんですけど、

それでもその時はメンバーのほんの一部が豹変していくことに対して、

出会いを提供してしまったことへの責任と、

どうにもできない感情があふれ出して苦しかったんです。

 

そこで「逃げ癖」が登場してきます。

 

そうしたものを見たくない聞きたくない、と思ったぼくは、

突然TwitterやLINEのアカウントを閉鎖して、内に閉じてしまいました。

それで何が変わるというわけではないのにも関わらず。

 

 

ぼくがそこから逃げたワケは、こんな感じです。

 

今では逃げたことに多少なりと後悔していますし、

ただ、いまさらのこのこ戻ったところで居場所は無くなっていて、

すでにぼくが昔企画していたものも、

別の人が同じような企画を立ててオフ会をされているようなので、

今後もゲーム関連のオフ会の企画や参加はしないんだろうな、と思ってます。

(しないんだろうな、と書くところがぼくの覚悟の無さをあらわしてますね)

 

じゃ、逃げなきゃよかったんですけど(笑)

後悔先に立たず、とはまさにこのことですね。

 

 

長々と書いてきて、何が言いたいかというと、

「人の振り見て我が振り直せ」ってことです。

自分の行動が、他人から見てどのように映るのか、

それ自体にあまり興味があるわけではないんですが、

こういうことをするとこういう結末になる、というルーティンみたいなものが、

この歳になってもわかってないってところを笑ってもらえるとありがたいです。

Incidental Music Vol.76

新年を迎えて六日目。

御屠蘇気分も抜けて、今日から仕事始めという方も多いのではないでしょうか。

 

なんていう、全く心のこもっていない挨拶から始めるのは、

ひねくれものの私にとってはかなり面映ゆいものなんです。いや、ほんとに。

型通りのことを型通りにこなすことがあまり好きではない人間なので、

どうしても型破りなことをしてみたい衝動に駆られるわけですが、

そればっかりというのも飽きられてしまうでしょうから、

そのあたりのバランスをどうしたものか、と日々悩んでます(笑)

 

 

新年一発目の劇伴をなんにしようかとあれこれ悩みました。

たぶん年明けで最初に聞いたのは「笑ってはいけない24時」の音楽なんでしょうけど、

それだと何の曲かわからないですし、

バラエティ番組の音楽って、何かしらの劇伴の流用がほとんどなので、

それはそれで紹介しても面白いんでしょうけど。

 

なんてことを書きながら思い出した音楽があります。

 

ショパンのバラード第1番ト短調 Op.23です。

 


Seong-Jin Cho - Ballade No.1 In G Minor, Op.23 | Yellow Lounge

 

日本人にはかなり好まれている作曲家の一人であるショパンですが、

私はどちらかというと苦手な範疇に入る作曲家です。

 

ただ、このバラードの第1番はアニメ「四月は君の嘘」でも効果的に使われていて、

その印象が強いせいか、割とすんなり聞ける稀有な楽曲の一つになってます。

なんて書き方すると、ショパン好きな人に後ろ指さされそうですが・・・