音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

「ゼルダの伝説 夢をみる島」の音楽の感想 (ネタバレあり)

2019年9月22日の1時50分くらいですかね。

無事クリアしました。

 

ゼルダの伝説 夢をみる島 ARTBOOK SET -Switch

ゼルダの伝説 夢をみる島 ARTBOOK SET -Switch

 

 

 

ここから先は夢島のネタバレ全開で書く予定です。

リメイク版のあらゆることを包み隠さず書きますので、

ネタバレされたくない方はここまで読んだら、

ブラウザの「戻る」ボタンを押してください。

 

ここから先は自己責任でお願いします。

あとから「おい、ネタバレしてんじゃねーよ」と言われても、

当方は一切の責任を負いません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月20日に発売された、

Nintendo Switch版「ゼルダの伝説 夢をみる島」(以下、夢島)ですが、

発売当日は仕事でそれほど触れなかったんですけど、

翌日がお休みだったこともあり、まったりプレイするはずでした。

結局は途中何回か休憩をはさみながら、ほぼ一日でクリアしました。

 

もともとゲームボーイ(モノクロ版)で1993年に発売されたタイトルです。

のちにDX版としてカラー版も発売されましたが、

それでも20年以上の時を経てリメイクされた今作。

以前ほどゼルダファンではなくなったはずなんですけど、

謎解きとかダンジョンの配置とかだいたい覚えていたこともあって、

あれよあれよというまにクリアしてしまいました。

 

最初から「真エンディング」をみるつもりだったので、ノーミスでやりました。

結果、ちゃんと「真エンディング」仕様のエンディングになってました。

 

 

とまあ興奮しながらブログを書いているわけですけど、

音楽面に関して不満がないわけではないんですよ。

(こういうことを書くからゼルダファンから白い目で見られるわけですけど)

 

 

ドラクエ」リメイク音楽論争ってのがあるんですよ。

ファミコンで発売されたドラゴンクエストが、

スーパーファミコンPlayStationゲームボーイスマホに移植されて、

そのたびに音楽にもアレンジが加えられています。

音源がよくなって、よりオーケストラらしい音色も出せるようになったので、

そちらのほうが好まれる、と思われがちなんですけど、

実際のところは「ユーザーが最初に経験したもの」に左右されます。

ファミコンからどっぷりドラクエにはまった人は、

どちらかというとファミコンの音色に思い入れが強くなる傾向が、

スーパーファミコンから入った人は、

ファミコンよりもスーパーファミコンの音色になじみがありますから、

そちらの音色にこそ思い入れが強くなる傾向になります。

 

こういう図式はクラシック音楽のそれととても似ています。

クラシック音楽で最初に聞いたレコードやCDに影響を受けてしまい、

最初に聞いたものを基準としてしまう傾向があるんです。

その傾向がひねくれると、その基準のもの以外は受け付けないようになり、

「テンポが悪い」だの「バランスが悪い」だの、のたまわれます。

そういう人種を、私は反吐が出るほど嫌っています。

(その辺のお話はこのブログの一番最初に書きましたね)

hw480401.hatenablog.com

 

 

おっと、お話がそれてしまいました。

 

 

今回の夢島のリメイクですが、

室内楽的な音色を主軸として楽曲が作られたようです。

今回、夢島リメイクの音楽アレンジをされたのは、

神々のトライフォース2」や「トライフォース3銃士」でも音楽を担当された永松亮さんです。

 ゼルダシリーズの中でもひときわ「名作」と呼ばれる本作ですから、

音楽にも相当気をつかったであろうとは思うんです。

 

 

リメイクのエンディングもオープニングと同様にアニメーションが入るんですけど、

ゲームボーイ版のエンディングを想起させるアニメでとてもよかったんです。

音楽もこれまでの室内楽的な印象とは違ってフルオケっぽい音色も登場します。

 

そして、エンディング曲はオケと原曲が融合した形となっています。

 

とはいいつつ、これまでも冒険内でも、

実はさりげなく原曲の音色が使われているんですけどね。

例えば、最初に主人公が自分の剣を見つけた時の音でも、

後ろのほうでは原曲の音色が鳴り響いています。

そこからファンファーレが鳴ってフィールド曲が変化するわけですね。

あと、タルタル山脈の音楽もそうですね。

最初は弦楽だけで奏されるのですが、後から木管が入ってきて、

曲が展開していくところで少し原曲が後ろで流れています。

徐々に楽器が増えていって、最後は金管も加わり音色が華やぎます。

原曲のあのベルのような音色、「チーン」もちゃんと登場します。

ちなみにこのタルタル山脈の音楽ですけど、

とあるイベントの後になるとさらにバージョンが変化し、打楽器が加わります。

 

 

 

話は大きく変わりますが(笑)、

「星のカービィ20周年コレクション」のエンディング曲、

「バイバイカービィまたあした!」でも使われている手法ではありますね。

あの曲の最後で、初代カービィのエンディング曲が使われるんです。

その使い方が絶妙で、私もプレイしながら泣きました・・・

 

 

トルネコの大冒険」というゲームのサントラが発売されたんですけど、

「音楽の化学」という副題が冠されているとおり、

このサントラは、ゲーム音と生音を融合したスタイルとなっています。

ゲーム音で1コーラス奏されたのち、生音でも同じように演奏される、

という形でサントラが進行していきます。

今聞くとそのつながりはわかるんですが、プレイした当時はわかりませんでした。

そのくらい見事に融合しているんです。

 

 

 

かたや、夢島のアレンジです。

エンディングで原曲を使うというのは正しいと思います。

バイバイカービィみたいに徐々にゲームボーイ版に変わるわけでもなく、

唐突に生音と原曲が交錯するわけでして、

それはそれはとてもうれしいアレンジでしたが、ややツギハギ感は否めません。

それでもコーダ(曲の最後)の矢継ぎ早のアレンジは絶品でした。

原曲→室内楽→やや人数多いバージョン、というコーダの展開は素晴らしかったです。

 

 

あと、謎解き音の音色は最後まで気になりました。

「ソ→ファ#→レ#→↓ラ→↓ソ#→ミ→ソ#→↑ド」というあれです。

ファミコンのころからずっと変わらない、この謎解き音ですが、

今回の夢島リメイクでももちろん使われているんですけど、

その音色がちょっと気になって、最後までなじめませんでした。

原曲の音色も後ろでかすかに聞こえてはいるんですが、

その音色をかき消すようなシンセベースのような音色が響いて、

謎解きの爽快感が少しゆるくなったような気がしました。

 

途中で、今作のヒロイン・マリンと一緒に旅をするところがあるんですけど、

フィールド曲がその時だけ音色変化するんですよ。

通常は弦楽四重奏っぽい音色でフィールド曲が進行していくんですが、

マリンといるときだけ、なぜか「リコーダー合奏バージョン」になります。

このバージョンに変わったとき、ずっとニヤニヤしていました(笑)

すべてはかぜのさかなのみる夢のお話であったとしても、です。

どうやらマリンといるときには音楽が「リコーダー合奏」になるかもですね。

ストーリーすぐ進めてしまったので、確認はしてないんですが・・・

 

マンボウのマンボ」は、なんと子供のコーラス入りです。

最初聞いた時は驚きましたけど(笑)。

ただ、オカリナ版の「マンボウのマンボ」は、

原曲のはきはきした笛の音色ではなく、

すべての音をつなげて演奏していたので(←スラーっていいます)、

音の長さって大事なんだな、と改めて思いました。

 

ラスボス戦は「かぜのさかな」のアレンジですね。

原曲の雰囲気は十分残しつつ、リズム体も加わって、より荘厳さが増しました。

たまごの前で演奏された「かぜのさかな」はちょっとアレでしたけど(笑)

 

 

とまあ、いろいろと書いてきましたけど、

名作を忠実に、今の技術でリメイクされていたので、

昔のゲームをやりこんだ人も十分楽しめる作品になっていました。

音楽面ではやや不満もありましたけど、アレンジはどれもこれも素晴らしいものでした。

個人的には「リチャードのいえ」のアレンジが好きです。

木琴でメインテーマが流れるんですけど、ミュートトランペットが合いの手を打つように奏でる音色がすごく好みでした。

あと「カナレットのしろ」「ダンペイのいえ」あたりも好きですね。

 

音楽に関しては、往年のファンがニヤリとする仕掛けも随所に転がっていて、

それを見つけるのもたのしいかもしれません。

 

まだ冒険は終わってないんですが、一区切りついたので、

私は引き続きモンハンも並行してやります(笑)

現代音楽を聞く その78

ドイツの作曲家、ハンス・エーリヒ・アポステル。

たぶん、日本ではほとんど彼の楽曲は演奏される機会がないようです。

私が知らないだけで、実はコンテンポラリー界隈では演奏しているかもしれませんけど、少なくともここ数年で演奏曲目に彼の名前は無いように思います。

 

最初に彼の作品で聞いたのは、

たしか「ハイドンの主題による変奏曲」だった気がします。

 


Hans Erich Apostel (1901-1972): Haydn variations op. 17 (1949)

 

古典派音楽の大家の一人であるハイドンのテーマを、

現代音楽に落とし込んではいますが、それほど難解ではない感じです。

もちろん「難解」という定義も人によってまちまちでしょうけど・・・

 

あと、彼が師と仰いでいたアルバン・ベルク組曲「ルル」の曲を変奏曲にしたもの、

「ルル変奏曲」もちょくちょく聞いていました。

まあ、変奏曲を聞くなら原曲の「ルル」を聞くべきかもですけど(笑)

 


Alban Berg: Variations from "Lulu" (1935)

 

Incidental Music Vol.70

ミュージカル「回転木馬(Carousel)」は、「サウンドオブミュージック」など数多くの作品を手掛けた、オスカーハマースタイン2世とリチャード・ロジャースによって作られたミュージカルです。

サッカーファンだと「You'll never walk alone」が有名ですよね。

この曲の出自はこのミュージカルとなっています。

 

ただ、このアリアももちろん大好きなんですが、

「If I loved You」というデュエット曲がとても大好きなんですよ。

 


Carousel - 1956 - If I loved you duet.

 

こちらはミュージカル公演後に映画化されたものですね。

実は映画版、見たことないんですけど(笑)

稀代のメロディスト、リチャード・ロジャースの面目躍如といったところでしょうか。

とても美しいメロディですが、歌うの大変そうだなと思います・・・

「金5でNight! Vol.2」へ行ってきた

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もともと吹奏楽には疎い、というのはこのブログで何度も書いてます。

とはいえ、私の音楽学校時代の師匠筋から、

「ありとあらゆる音楽を聞け、そして分析しろ」という教えを忠実に守り、

それ以前からもずっといろいろな音楽を楽しんでいました。

金額五重奏もそのころにだいぶ聞き倒した気がします。

 

金管五重奏というのは、

トランペット2人、ホルン、トロンボーンテューバ(あるいはユーフォニアム)で構成されたアンサンブルを指します。

これが固定というわけではないのですが、金管楽器を5人で持ち寄って演奏するものなので、楽器は特定のものではなくても良いらしいです。

トランペット5本でも金管五重奏ですし、テューバ5つでも同じです。

ただ、めったに聞くことはないですけどね。

 

トランペット奏者であるSAKIさんとは仲良くさせていただいてます。

仲良くなったきっかけはふとしたことではあるのですが、

SAKIさんがいろいろとコンサートや演奏会の情報を教えてくれて、いけるときはなるだけ行くようにしているんです。

去年末から今年の夏ころにかけては例のプロジェクトをやっててなかなか演奏会へは行けなかったんですけど、

ようやく自分の時間が持てるようになり始めたので、コンサートに行くこととなりました。

 

 

「金5でNight !  Vol.2」

新大久保・スペースDo

18:30開場 19:00開演

 

(演目)

第一部 ドラゴンクエスト・ステージ

 

第二部 ポピュラー・ステージ

 

第三部 ジャズ・ステージ

  • Spain
  • Misty
  • Beyond the Sea
  • Children of Sanchez

 

アンコールあり

 

 

事前に告知されたときに公開されたフライヤーには、

チック・コリアの「Spain」

千と千尋の神隠しメドレー

金管五重奏のための「ドラゴンクエスト

と書かれていました。

 

ジャズ好きでSpainももちろん大好きな曲ですし、

ドラゴンクエストの音楽ももちろん大好きですし、

千と千尋の神隠しの音楽も好きなので、これはいかねばと思いました。

 

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会場内はテーブル席と客席端に並べられた椅子があり、

会場の後ろでは、飲み物とお菓子のセットが売られていました。

こういうところだと割と高いイメージがありますけど、

ソフトドリンク一本とお菓子がセットで200円はお手頃価格でした。

 

舞台中央のテーブル席が空いていたので着席し、開演を心待ちにしていました。

 

 

第一部 ドラゴンクエスト・ステージ

 

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これ、入り口で配られていた今回の演奏会のパンフレットなんですが、

1枚目がプログラム(詳細な解説付き)、

そして2枚目が演奏者(計6名)のプロフィールでした。

で、開演まで眺めてたんですけど、

ドラクエ3は1988年に発売されたスーパーファミコン用の・・・」

と書いているところで思わず突っ込みを入れたくなりました(笑)

 

あと、今回のドラクエステージで「序曲のマーチ」が入ってたんですけど、

ドラクエ3だと「ロトのテーマ」なんですよね。

だから、出だしでトランペットのファンファーレが鳴り出した時、

「あれ、天空シリーズかしら」と思ってしまいました(笑)

まあ、金管五重奏版はいろいろと諸事情がありますので・・・

(「序曲のマーチ」はドラクエ5~7で使用される曲名です)

 

ドラゴンクエスト3のメドレーですが、

「ほこら」の曲にのせて聞こえてきたのは女性の声。

そして、物語をナレーションし始めたんです。

金管五重奏版はすべての曲がアレンジされているわけではないので、

どうしても曲では補完できない物語をナレーションで補填するという形ですね。

 

主人公が世界を回り、フィールドを駆け、見事魔王バラモスを撃破、

そしてお城に帰還して「序曲のマーチ」が鳴りだした途端、

いきなり曲が途切れます。

原作をご存じの人ならお判りでしょう。

大魔王ゾーマの登場です。

このあたりの音楽的な演出がとてもよかったですね。

そのあとは・・・紆余曲折を経てエンディングとなります。

時折ナレーションが聞こえにくいところもあるにはあったのですが、

曲数が限られている中で、ドラクエ3の物語を再現したのはすごいですね。

「そして伝説へ」は金管五重奏でもやはり映えました。

かなり難度の高い楽曲の連続でしたが、演奏とても良かったです。

 

 

そして、15分の休憩のあと、第二部がはじまりました。

 

 

第二部 ポピュラー・ステージ

 

この第二部は、知名度で選ばれた感じですかね。

「みんなが知っているあの曲」とMCも言ってましたし。

ジブリ映画から2曲、そして日本唱歌、最後は歌謡曲

バランスの良い選曲だったなぁ、と思いました。

 

最初は「千と千尋の神隠し」そして「崖の上のポニョ」のメドレーです。

曲の構成、というよりもアレンジも良かったのですが、

この曲演奏前のMCがとても面白かったですね。

千と千尋の神隠し」の演奏前にはもう一人のTpの柿崎さん。

崖の上のポニョ」演奏前のMCはテューバの五十嵐さんです。

カンペなどを見ずに流暢に曲のいわれなどを語る柿崎さんに比して、

五十嵐さんはスマホ(カンペ)を見ながらのMCでした。

余談ですけど、五十嵐さんは開演前のMCも担当されていて、

お客さんの購買意欲を高めるMCを行っていました(笑)。

カンペを見ながらなのでどうしてもつっかえつっかえになってしまい、

それがまた客席の笑いを誘っていたように思いました。

 

そして「浜辺の歌」です。音楽の教科書にも載ってますね。

この金五アレンジが面白かったですね。

演奏前のMCを担当されたホルンの浅野さんもおっしゃってましたが、

曲のつなぎ、あるいはサビの展開がとても面白かったように思います。

郷愁を誘う演奏もあいまって、少し感動すら覚えました。

 

第二部最後は「見上げてごらん夜の星を」。

坂本九さんが歌う名曲として広く知られています。

作曲はいずみたくさん。

意外と知られていないんですけど、

幸せなら手をたたこう」やドリフターズの「いい湯だな」、

あるいは由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」など、

謡曲で多くの名作を世に送り出している名作曲家のおひとりですね。

ちなみにこの曲の編曲は、

以前のこのブログでジャズピアニストとしてご紹介した渋谷毅さんです。

この曲の演奏については何も言うことがないんですが、

演奏前MCを担当されたトロンボーンの宮崎さんが、

なかなかの投げやりなMCを担当されたのがとても印象的でした(笑)

 

私はこういうMCも大好きです!

 

 

つつがなく第二部も終わり、休憩後、第三部がはじまりました。

待ちに待った「ジャズ・ステージ」です。

 

 

第三部 ジャズ・ステージ

 

ここからMCはSAKIさん固定となりました。

相変わらずのトークスキル炸裂でニヤニヤしてました(笑)

 

ここでドラムスの紹介がありました。ヒガシタカシさんです。

黒い眼鏡が特徴的な、とてもうまいドラマーさんでしたが、

実はトランペットをやってたそうで、

SAKIさんがそのあたりのお話でひと笑い起してました。

さすがのトークスキルです。

それに負けず劣らずのトークを見せたタカシさん。

ダイエットのお話で会場を盛り上げていました。

(夜ごはんをキャベツとトマトだけにする、というものです)

 

MCの話はさておき・・・

 

 

最初の曲は、チック・コリアの名曲「Spain」です。

 

hw480401.hatenablog.com

 

3か月ほど前に書いた記事でも取り上げてましたね、チック・コリア

偶然ではありますけど(笑)

原曲はものすごくかっこいいんですよ。シンプルな編成ですし。

それを金管五重奏にするわけですから、そりゃ大変です。

原曲も難曲ですけど、それを金管楽器でやるわけですからいろいろと齟齬が出ます。

タカシさんのドラムスがかっこよく、

金管楽器で映える音色が重なって気持ちよく聞けました。

 

2曲目は「Misty」。

ジャズピアニストでもあったエロル・ガーナーが作った曲ですね。

今ではジャズヴォーカルのスタンダードナンバーとなっていますが、

ガーナーが飛行機で移動中に思いついた曲だったんですけど、

彼自身が楽譜を書くことができない人だったので、

飛行機に乗りながらずっとメロディを歌い続けて記憶し、

到着してすぐホテルへ向かってピアノで演奏して録音したという逸話が知られてます。

このあたりのお話もMCのSAKIさんが語ってましたね。

原曲はややけだるげな印象のある曲なんですけど、

金管アレンジされたその曲は妙にクリアで明るい音色に聞こえます。

あえてそういうアレンジになってたんでしょうけど、

普段聞いているMistyと違って、とても新鮮に聞こえました。

 

3曲目は「Beyond the Sea」。

フランスの歌手であったシャルル・トレネが作った歌なんですけど、

MCのSAKIさんが例として挙げたのは、

ディズニー映画の「ファインディング・ニモ」でした。

この映画のクレジットでこの曲が使用されているんですよね。

原曲はボビー・ダーリンが歌ってヒットしたんですけど、

映画で使われたのは確かイギリスの歌手、ロビー・ウィリアムズのやつですね。

彼のアルバムは私も持ってますけど、いいアルバムです。

こちらの金5アレンジは原曲に沿ったものだった気がします。

リズミカルでちょっと切ない感じがする曲に仕上がっていました。

とっても良かったです!

 

4曲目は「Children of Sanchez(サンチェスの子供たち)」。

トランペット奏者であるチャック・マンジオーネの作品です。

この曲はジャズというよりもフュージョンっぽい印象ではありますが、

超名曲でもありますし、なによりSAKIさんお気に入りだそうでして、

今回のこの曲のアレンジもSAKIさん純正だそうです。

ご本人がMCでいわく、

「ドラムスのソロを多めにしてみた」らしく、

最初のドラムスのソロから金管の入りがとってもかっこよかったですね。

途中でそれぞれの奏者によるソロも加えられていて、

4分強の時間でこれだけ詰め込んだアレンジ、すごいなぁ、と思いました。

 

 

アンコール

 

アンコールです。

吹奏楽といえばこの曲、というMCのSAKIさんのヒントで何となくわかりました。

そうです、「宝島」です。

当時、THE SQUARE(現 T-SQUARE)の和泉さんが作られた楽曲を、

真島俊夫さんが吹奏楽用にアレンジしたものなのですが、

吹奏楽をたしなむ人たちの間では名曲として知られています。

この曲を聞くとなぜか涙が出てしまうんですけど、

今回の金5バージョンもウルウルしながら聞いていました。

涙は我慢しました(笑)

編成が少ないということもあり、曲の構成はだいぶ変わっていましたけど、

「宝島」の持つ曲のエッセンスめいたものは十二分に感じられました。

 

 

演奏終了後。

 

新宿伊勢丹で買ったお土産(ベイユヴェールの「チーズタルト」)を持って、

階段踊り場にいるSAKIさんにお話をしていたんですが、

なぜかSAKIさんから「ステイ」の指示が(笑)

 

たくさん並んでいる中、私は気が付くと、

SAKIさんの横でマネージャー然としつつ、階段で座っておりました。

心の中では「ごめんなさい」と思いつつさらに座って待っていると、

トロンボーン奏者の宮崎さんが階段を上がってきて、

「そこの優しそうなお兄さん、ちょっといいですか」と声をかけてきたんです。

どうやら私が座っていたのは、奏者の楽屋につながるドア前の階段だったようで、

あわててドアマンとして即座にどいて、ドアを押し開けていました(笑)

宮崎さんとホルン担当の浅野さんを通して、粛然とドアを閉めさせていただき、

いろいろな方がSAKIさんにあいさつをしながら帰って行かれます。

「SAKIさん、やっぱり人望あるよなぁ」と羨ましそうに見ながら、

全員が帰った直後に、SAKIさんが私に向かって言った最初の言葉が、

「どうだった?」でした。

こういう時に私は忖度などはしないので、正直な感想を言わせていただきました。

 

そして、このブログは、

通常ならちょっと辛口な仕様となっているわけですけど、

主催者のおひとりの強い要望もあり「超甘口」で書かせていただきました(笑)

 

 

というわけで。

6名の奏者の皆様、

そして影ナレ担当の方や受付担当の方も本当にありがとうございました。

クラシック音楽を全く演奏しない」という、

ある種ゆるい感じで金管五重奏を聞く、というのがとても新鮮で楽しかったです。

 

SAKIさん、今回の演奏会に誘ってくれてありがとうございました。

 

Ken McIntyre / hindsight【ジャズのススメ 120】

アルトサックスのジャズミュージシャンというと、

チャーリー・パーカーリー・コニッツ

あるいはポール・デズモンドあたりがよく知られているんでしょうか。

(あえて古めのやつばっかり挙げてますけどw)

 

ケン・マッキンタイヤーといえば多芸な演奏家です。

アルトサックスをメインとしながらも、

フルートやファゴット、あるいはドラムスからピアノまで、

あらゆる楽器をそつなくこなした演奏家でもあります。

同じボストンの音楽学校卒という共通項もあり、

私は親しく彼の音楽になじんでいます。

 

中でも「hindsight(ハインドサイト)」は、

彼の魅力がたくさん詰まった名盤のひとつだと個人的に思っています。

 

Hindsight

Hindsight

 

 

当然彼のアルトサックスの音色も素晴らしいんですが、

その音色を下支えしたり、あるいは前面に飛び出したりする、

ピアノのケニー・ドリューがとっても良いです。

ケニーのお話は以前このブログでもしたような気がしますけど、

してなかったら次回お話したいと思います(笑)

 


Bootsie

ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝

自分自身ではオタク気質ではないと思ってます。

ゲームは自発的にやることも多いですが、

アニメは自発的にみることがほとんどありません。

 

ただ、会社の同僚でアニメ好きなやつがいまして、

そいつが私に執拗なまでにおすすめを紹介してくるわけです。

「だまされたと思ってみてください!」と言われて、

だまされたことも結構あるんですけど(笑)

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデンというアニメのことは、

やはりその同僚から教えてもらいました。

 

兵器として育てられた女性が、

とある人と出会ってヴァイオレットという名前をもらい、

戦争が終結したのち「自動手記人形」となって、

兵器から人間へと少しずつ変化していく様子を描いています。

かなりざっくりした説明なので、気になる方は原作や映像をご覧ください(笑)

 

もともとはNetflixという動画配信サイトから産声を上げて、

地上波でも放送されたみたいです。

そのあたりの事情は、にわかなのでよくわかりませんが、

私も同僚のすすめでそのアニメを全話見ることになりました。

(もともとネトフリには入会してたんですけどね)

 

その後、様々な事情を経て、今月初めに3週間限定公開となったのが、

ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」です。

 

品川にある映画館で仕事の合間を縫って見てきたんですけど、

感想としては、テレビアニメ版ほど感動はしませんでした。

つまらない映画だったというわけではありません。

2人のヒロインにスポットを当てて、

懐かしい面々もチラホラ顔をのぞかせながらお話が進んでいく様は、

見てて気持ちよかったですし、お話も過度な感動を与えるものでもありません。

ただ、しっくりとこなかったというのが正直な感想です。

 

平日の午後早い時間での鑑賞ということもあり、

広い映画館で10人程度しか観客がいなかったのですが、

途中で鼻をすすっている音もちらほらと聞こえてきましたし、

映画終了後にハンカチで目元をおさえながら出ていく女性も見かけました。

 

気になったところの一つが音楽です。

音楽自体はとても素晴らしかったんですけど、

その使い方と音量バランスに少し疑問を感じたんです。

音量バランスについては映画館の音響のせいかもしれないんですけど、

音楽の使い方が少しあざとすぎやしないかと思いました。

「さぁ、泣いてください」と言われているような気がして、

そこが少し鼻についたといいますか、ちょっと閉口しそうになりました。

 

 

私はまだこの原作は読んでいません。

ネトフリで配信されているものを鑑賞したのみなので、

原作を読んだらまた違った感想を持ったのかもしれません。

現にこの作品をすすめてくれた同僚は公開当日に観に行って、

号泣しながら席を立った、と言ってました。

やはり、感想は人それぞれ、なんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※蛇足

 

京都アニメーションの放火事件のことはブログ本編ではあえて触れませんでした。

この映画を見て涙を流した人の一部は、

この放火殺人事件のことを想起していたのかも知れません。

あれだけの事件があったのにもかかわらず、

こうして映画が公開できているというのは奇跡だと思います。

 

ただ、私はそれで作品を評価したくはありませんでした。

憐憫で映画を評価するのは間違っている、とは思いませんが、

きっと製作者の皆さんの多くはそうした評価を期待していないように感じます。

ただ、純粋に映画を見てどういう感想を持ってくれるのか、

楽しい時間を過ごせたのか否か、そういう視点の感想をこそ求めているような気がします。

まあ、私の想像でしかないわけですけど・・・(笑)

 

だからこそ、映画を見ている間はそうしたことを考えず、物語に没頭しました。

正直な感想はすでに書き記しましたが、

このような状況下で、素晴らしい作品を公開してくれたことに本当に感謝です。

ありがとうございました。

ブラスぷらす Op.11

アメリカの作曲家、デイヴィッド・ギリングハムの作品というと、

日本で圧倒的に有名なのは「With Heart and Voice」になるんでしょうか。

 


With Heart and Voice

 

吹奏楽曲の中でもかなり難度の高い曲としても知られています。

変拍子もそうですけど、演奏の難易度もかなり高めです。

でも、後半の畳みかけるような展開が決まると、相当気持ちいいらしいです。

吹奏楽未経験者なので、そのあたりの恍惚感は想像するしかないんですけど(笑)

 

もともとこの楽曲は、アメリカのとある高校の創立記念で作られた曲です。

ギリングハム自身がピアニストでありユーフォニアム奏者でもあることから、

これらの楽器が美味しいところを持っていってる感もありますけど・・・

個人的にはこの曲を演奏している楽団の中央に陣取って、

その音の波を肌で感じてみたいとも思いますが、

「だったら何か楽器やれよ」って言われそうなのでやめときます(笑)