音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

藝大ゲームサウンドオーケストラ2019

このブログでも何度かご紹介している(はずの)藝祭

東京上野にある東京藝術大学の年に一度の文化祭のことなのですが、
藝大ということで、展示物ありコンサートあり催し物ありといった、
なんでもありの雰囲気のあるお祭りという感じです。
 
そんな藝祭2019で恒例となったのが「ゲーム音楽」の演奏会です。
今年は「藝大ゲームサウンドオーケストラ」と題して、
フルオーケストラによる演奏でゲーム音楽を堪能することとなりました。
 
 
藝大ゲームサウンドオーケストラ -wonderlust-
2019年9月7日(土)10:00開場 10:20開演
 
(演目)
浜渦正志楽曲メドレー
オクトパストラベラー
 
 
楽曲の感想などについてはすでに多くの方がSNSなどに投稿されており、
私自身の感想もそれらの感想とは大差がないということで、
楽曲についての詳細な感想はここでは記載しないことにしました。
 
 
でもやっぱり、全体的な感想を少しだけ書きます(笑)
 
 
編曲が素晴らしかったです。
浜渦正志さんのメドレーは編曲者の強い愛を感じました。選曲がどれもこれも絶妙というかマニアックというかファン愛強いというか(笑)。
オクトパストラベラーは戦闘曲が少し多めで、どうしても騒がしい曲がたくさんあったこともあり、近くに座っていたご老人がため息をつきながら鑑賞していたこともありましたけど、私は好きです。
あとスプラトゥーン2のメドレーも選曲のバランスはよかったのですが、アレンジに色彩感覚がほとんどなくて、どれもこれも同じようなリズム体が続いてしまっていたことで食傷気味ではありました。
キングダムハーツはVer2.8とあえて記載している意味をアレンジで感じることができました。あと、最後の「光」のオーケストラバージョンは素敵でした。
 
きっとゲームが好きな人が聞くと素晴らしい演奏だったのでしょうけれど、
音楽鑑賞という意味でいうとそれはそれは単調で面白くないものだったと思います。
「ゲームを知らない人が聞くものではない」という意見もわかりますが、
全ての人がすべてのゲームをプレイしているわけではありませんし、
そもそもゲームの音楽をほとんど知らない人も鑑賞されるわけで、
音楽として純粋に楽しめるだけの編曲にはなっていなかったようにも見受けられました。
 
 
 
藝大、というフィルターがかけられてしまうこともあり、
どうしても一定水準以上のクオリティが求められるコンサートですから、
私も普段よりも少し厳しい目で見てしまう部分もあるかと思いますがそこはご容赦ください。
 
 
 
観客のマナーについても少し。
 
演奏前ならまだしも、演奏の合間や演奏中に当たり前のようにスマホタブレットを見ている人が数多くいらっしゃいました。事前に「電源OFF」という指示があったにもかかわらずです。
クラシック音楽のコンサートにもちょくちょく通っていますが、さすがに演奏中にそうしたことをするバカは、私が見ている範囲ではいません。
ゲーム音楽の観客のほうがマナーがしっかりしている」とどこかで誰かが書いていたように思いますが、そんなことはないですね。悪い奴はどこに行っても悪いです。
 
演奏が肌に合わなかったのか、途中で会場を離脱される人が多かったように思いました。
藝祭の別の演奏会などに参加するからやむなく離脱という方もいらっしゃったようですが、それにしてもほかの観客のことなど念頭にないかのように足音を立てて動き回る姿はなかなか滑稽でした。
 
 
今年はパンフレットの配布はなかったようです。
その代わりにパンフレットに記載する内容を掲示していたみたいですね。
それについてのアナウンスが全くなかったと思うので(もしかしたら私が聞いていなかっただけかもしれませんけど)、それはそれでショックでした。
公演前にパンフレットを配布することに私はあまり賛成ではない人間なのですが、
(演奏中にパンフレットをめくったりして音を立てる人がいらっしゃるので)
無いならないできちんとアナウンスはしてほしかったです。
少なくとも入場時にパンフレットに類するものは配られていませんでした。
 
 
とまあ、思いつくことをザザッと書いてしまいましたが、
来年もやっぱり聞きに来るんだろうなぁと思います。きっと。

現代音楽を聞く その77

作曲家、石井眞木さんのお名前を知ったのは、

たぶん映画音楽が最初だったと記憶しています。

石井さんの作品「ブラック・インテンションIII」を初めて聞いた時、

その映画の印象が大きく崩れていくのを感じました。

 


Maki Ishii - Black Intention III

 

ピアノ曲なんですが、ミニマルのように同じ動機が繰り返されます。

途中で弦にものを挟んで演奏するところもあり、音の粒が徐々に形を変えます。

揺蕩いながら終末へと向かっていくような印象を当時は感じました。

今聞くとまた違って聞こえてきます。

 

そこが現代音楽の面白さでもありますが。

Incidental Music Vol.69

フジテレビ系列で1997年に放送されていたドラマ、

「それが答えだ!」の音楽がとても好きでした。

 

主演は三上博史さん。

世界的なマエストロだったけれど、いろいろと難がある性格が災いし、

演奏をボイコットされるところから物語は始まります。

そして、ひょんなことから田舎の学校の教師の職に就くことになりました。

生徒役として、藤原竜也さんや深田恭子さん、小栗旬さんも出演しており、

三上さんの演技力や導入の面白さも手伝って、

あまりドラマを見ない私が、全12話を毎週楽しみにしながら見ていました。

 

音楽を担当したのは服部隆之さん。

王様のレストラン」「総理と呼ばないで」「合言葉は勇気」

といった、三谷幸喜さん脚本のドラマの常連でもありますが、

半沢直樹」や「HERO」、あるいは大河ドラマでも音楽を手掛けており、

日本を代表する劇伴作曲家のお一人でもあります。

 


ドラマ それが答えだ!~メインテーマ

 

このメインテーマが本当に好きでして。

 

ピアノを演奏されているのは、

今現在もクラシックの分野で活躍されている若林顕さんです。

徐々に盛り上がりを見せるこのテーマ、

ベタな展開ではあるんですけど、このドラマにはぴったりでした。

 

諸般の事情で、DVDなど映像化はされていないんですが、

機会があるのならもう一度見てみたいドラマの一つです。

Alexis Cole / Close Your Eyes【ジャズのススメ 119】

最近、女性ジャズヴォーカルものをあまり聞いてなかったので、

今回はアレクシス・コールにしてみました。ただ、なんとなくです(笑)

 

Close Your Eyes by ALEXIS COLE (2014-05-21)

Close Your Eyes by ALEXIS COLE (2014-05-21)

 

 

彼女の歌声は、実のところ私好みではないんですけど、

それでも魅力ある低音ヴォイスは一聴の価値はあるかと思ってます。

名曲ぞろいですし、何より歌詞が聞きやすいので、

スッとしみ込んでくるような彼女の声は、

ジャズをあまり知らない人でも受け入れられやすいような気もします。

あくまでも「気がする」だけですけど(笑)

 


Teach Me Tonight - Alexis Cole

 

ブラスぷらす Op.10

フランスの作曲家、ウジェーヌ・ボザ。

様々な分野で数多くの名作を世に残している作曲家ですが、

室内楽の分野でもその作品は広く知られています。

 

金管五重奏のための「ソナチネ」は、

ラヴェルのピアノ協奏曲のモチーフが引用されていることでも知られており、

私が最初に聞いたボザの作品でもあります。

 


Eugène Bozza: Sonatine - Maverick Brass Quintet

 

ボザの作風としてはこうした引用が多いことでも知られています。

パクり、ではなくオマージュです(笑)

 

なかなか生で聞く機会がないボザの作品ですが、

唯一生で聞いたのがこの曲だったので、少し思い入れがあるんです。

まあ、金管楽器を全く演奏できない私が思い入れを持ったところで、

この曲の良さを演奏で伝えることが出来ないんですけど・・・

 

 

あと、吹奏楽でも作品を残しています。

吹奏楽のためのリズミックな序曲」は、

文字通り特徴的なリズムが数多く登場し難度の高い作品となっています。

 


Ouverture rythmique

現代音楽を聞く その76

イタリアの作曲家、ブルーノ・マデルナ。

私が産声を上げた頃にはすでにお亡くなりになっています。

確か50代前半で他界したと記憶しています。

 

イタリアの現代音楽事情にはそれほど明るくはないのですが、

それでもこうした良質な現代音楽が作られる土壌があるというのは、

個人的にも嬉しい限りです。

 

氏の代表作の一つ、「セレナータ第2番」は、

私が留学時代にかなり聞いていた作品の一つです。

 


Bruno Maderna: Serenata No.2 (1954/1956)

 

音源は、作曲者自らの指揮によるものです。

指揮者としても名声を得ている彼ですけれど、

この作品でもその手腕はいかんなく発揮されているように感じます。

緊張感をはらみながらもどこかユーモラスな響きのある音色は、

私が慣れ親しんだ彼の音楽の一端を示しています。

Incidental Music Vol.68

その昔、テレビ朝日系で放送されていた、

テレビドラマ「TRICK(トリック)」というのがありました。

シュールな演出とセリフ回し、あるいはユーモアのある展開など、

当時、人気を博したドラマの一つでした。

劇場版も複数回製作されたことからもその人気がうかがえます。

 

音楽を担当されたのは辻陽さん。

ドラマ、劇場版のトリックシリーズが最も有名だと思いますが、

他にもドラマや映画、テレビアニメなどの音楽を多数手がけられています。

 

辻陽さんのことを思い出したのは、

先日、夏休み中にNHKで放送されていた「ピュア」というドラマを見たからでした。

 

www.nhk.or.jp

 

このドラマ、そんなに注目されなかったような気もしますが、

製作スタッフに「トリック」の脚本家さんも参加されているんですね。

もちろん、音楽も辻陽さんが担当されており、

ところどころに「トリック」らしい演出が垣間見えたりしました。

私はこういうノリのドラマは好物ですが、気づくのが遅くなり、

見始めたのは全3話中2話目からでした・・・1話もみたかった。

 


トリック OP

 

ドラマを見たことない方でも、

この「トリック」のOPは聞いたことがあるかもしれません。

ちょっと不思議な、でも不気味な感じのするOP曲です。

当時は少し怖いドラマなのかな、と思ってましたが、

そういうのもほんの少しあったかもしれませんけど、内容はコメディです(笑)

ああ、また見たくなってきた・・・