このブログでも何度かご紹介している(はずの)藝祭。
現代音楽を聞く その77
作曲家、石井眞木さんのお名前を知ったのは、
たぶん映画音楽が最初だったと記憶しています。
石井さんの作品「ブラック・インテンションIII」を初めて聞いた時、
その映画の印象が大きく崩れていくのを感じました。
Maki Ishii - Black Intention III
ピアノ曲なんですが、ミニマルのように同じ動機が繰り返されます。
途中で弦にものを挟んで演奏するところもあり、音の粒が徐々に形を変えます。
揺蕩いながら終末へと向かっていくような印象を当時は感じました。
今聞くとまた違って聞こえてきます。
そこが現代音楽の面白さでもありますが。
Incidental Music Vol.69
フジテレビ系列で1997年に放送されていたドラマ、
「それが答えだ!」の音楽がとても好きでした。
主演は三上博史さん。
世界的なマエストロだったけれど、いろいろと難がある性格が災いし、
演奏をボイコットされるところから物語は始まります。
そして、ひょんなことから田舎の学校の教師の職に就くことになりました。
生徒役として、藤原竜也さんや深田恭子さん、小栗旬さんも出演しており、
三上さんの演技力や導入の面白さも手伝って、
あまりドラマを見ない私が、全12話を毎週楽しみにしながら見ていました。
音楽を担当したのは服部隆之さん。
といった、三谷幸喜さん脚本のドラマの常連でもありますが、
「半沢直樹」や「HERO」、あるいは大河ドラマでも音楽を手掛けており、
日本を代表する劇伴作曲家のお一人でもあります。
このメインテーマが本当に好きでして。
ピアノを演奏されているのは、
今現在もクラシックの分野で活躍されている若林顕さんです。
徐々に盛り上がりを見せるこのテーマ、
ベタな展開ではあるんですけど、このドラマにはぴったりでした。
諸般の事情で、DVDなど映像化はされていないんですが、
機会があるのならもう一度見てみたいドラマの一つです。
Alexis Cole / Close Your Eyes【ジャズのススメ 119】
最近、女性ジャズヴォーカルものをあまり聞いてなかったので、
今回はアレクシス・コールにしてみました。ただ、なんとなくです(笑)
Close Your Eyes by ALEXIS COLE (2014-05-21)
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彼女の歌声は、実のところ私好みではないんですけど、
それでも魅力ある低音ヴォイスは一聴の価値はあるかと思ってます。
名曲ぞろいですし、何より歌詞が聞きやすいので、
スッとしみ込んでくるような彼女の声は、
ジャズをあまり知らない人でも受け入れられやすいような気もします。
あくまでも「気がする」だけですけど(笑)
Teach Me Tonight - Alexis Cole
ブラスぷらす Op.10
フランスの作曲家、ウジェーヌ・ボザ。
様々な分野で数多くの名作を世に残している作曲家ですが、
室内楽の分野でもその作品は広く知られています。
ラヴェルのピアノ協奏曲のモチーフが引用されていることでも知られており、
私が最初に聞いたボザの作品でもあります。
Eugène Bozza: Sonatine - Maverick Brass Quintet
ボザの作風としてはこうした引用が多いことでも知られています。
パクり、ではなくオマージュです(笑)
なかなか生で聞く機会がないボザの作品ですが、
唯一生で聞いたのがこの曲だったので、少し思い入れがあるんです。
まあ、金管楽器を全く演奏できない私が思い入れを持ったところで、
この曲の良さを演奏で伝えることが出来ないんですけど・・・
あと、吹奏楽でも作品を残しています。
「吹奏楽のためのリズミックな序曲」は、
文字通り特徴的なリズムが数多く登場し難度の高い作品となっています。
現代音楽を聞く その76
イタリアの作曲家、ブルーノ・マデルナ。
私が産声を上げた頃にはすでにお亡くなりになっています。
確か50代前半で他界したと記憶しています。
イタリアの現代音楽事情にはそれほど明るくはないのですが、
それでもこうした良質な現代音楽が作られる土壌があるというのは、
個人的にも嬉しい限りです。
氏の代表作の一つ、「セレナータ第2番」は、
私が留学時代にかなり聞いていた作品の一つです。
Bruno Maderna: Serenata No.2 (1954/1956)
音源は、作曲者自らの指揮によるものです。
指揮者としても名声を得ている彼ですけれど、
この作品でもその手腕はいかんなく発揮されているように感じます。
緊張感をはらみながらもどこかユーモラスな響きのある音色は、
私が慣れ親しんだ彼の音楽の一端を示しています。
Incidental Music Vol.68
その昔、テレビ朝日系で放送されていた、
テレビドラマ「TRICK(トリック)」というのがありました。
シュールな演出とセリフ回し、あるいはユーモアのある展開など、
当時、人気を博したドラマの一つでした。
劇場版も複数回製作されたことからもその人気がうかがえます。
音楽を担当されたのは辻陽さん。
ドラマ、劇場版のトリックシリーズが最も有名だと思いますが、
他にもドラマや映画、テレビアニメなどの音楽を多数手がけられています。
辻陽さんのことを思い出したのは、
先日、夏休み中にNHKで放送されていた「ピュア」というドラマを見たからでした。
このドラマ、そんなに注目されなかったような気もしますが、
製作スタッフに「トリック」の脚本家さんも参加されているんですね。
もちろん、音楽も辻陽さんが担当されており、
ところどころに「トリック」らしい演出が垣間見えたりしました。
私はこういうノリのドラマは好物ですが、気づくのが遅くなり、
見始めたのは全3話中2話目からでした・・・1話もみたかった。
ドラマを見たことない方でも、
この「トリック」のOPは聞いたことがあるかもしれません。
ちょっと不思議な、でも不気味な感じのするOP曲です。
当時は少し怖いドラマなのかな、と思ってましたが、
そういうのもほんの少しあったかもしれませんけど、内容はコメディです(笑)
ああ、また見たくなってきた・・・