音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

「金5でNight! Vol.2」へ行ってきた

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もともと吹奏楽には疎い、というのはこのブログで何度も書いてます。

とはいえ、私の音楽学校時代の師匠筋から、

「ありとあらゆる音楽を聞け、そして分析しろ」という教えを忠実に守り、

それ以前からもずっといろいろな音楽を楽しんでいました。

金額五重奏もそのころにだいぶ聞き倒した気がします。

 

金管五重奏というのは、

トランペット2人、ホルン、トロンボーンテューバ(あるいはユーフォニアム)で構成されたアンサンブルを指します。

これが固定というわけではないのですが、金管楽器を5人で持ち寄って演奏するものなので、楽器は特定のものではなくても良いらしいです。

トランペット5本でも金管五重奏ですし、テューバ5つでも同じです。

ただ、めったに聞くことはないですけどね。

 

トランペット奏者であるSAKIさんとは仲良くさせていただいてます。

仲良くなったきっかけはふとしたことではあるのですが、

SAKIさんがいろいろとコンサートや演奏会の情報を教えてくれて、いけるときはなるだけ行くようにしているんです。

去年末から今年の夏ころにかけては例のプロジェクトをやっててなかなか演奏会へは行けなかったんですけど、

ようやく自分の時間が持てるようになり始めたので、コンサートに行くこととなりました。

 

 

「金5でNight !  Vol.2」

新大久保・スペースDo

18:30開場 19:00開演

 

(演目)

第一部 ドラゴンクエスト・ステージ

 

第二部 ポピュラー・ステージ

 

第三部 ジャズ・ステージ

  • Spain
  • Misty
  • Beyond the Sea
  • Children of Sanchez

 

アンコールあり

 

 

事前に告知されたときに公開されたフライヤーには、

チック・コリアの「Spain」

千と千尋の神隠しメドレー

金管五重奏のための「ドラゴンクエスト

と書かれていました。

 

ジャズ好きでSpainももちろん大好きな曲ですし、

ドラゴンクエストの音楽ももちろん大好きですし、

千と千尋の神隠しの音楽も好きなので、これはいかねばと思いました。

 

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会場内はテーブル席と客席端に並べられた椅子があり、

会場の後ろでは、飲み物とお菓子のセットが売られていました。

こういうところだと割と高いイメージがありますけど、

ソフトドリンク一本とお菓子がセットで200円はお手頃価格でした。

 

舞台中央のテーブル席が空いていたので着席し、開演を心待ちにしていました。

 

 

第一部 ドラゴンクエスト・ステージ

 

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これ、入り口で配られていた今回の演奏会のパンフレットなんですが、

1枚目がプログラム(詳細な解説付き)、

そして2枚目が演奏者(計6名)のプロフィールでした。

で、開演まで眺めてたんですけど、

ドラクエ3は1988年に発売されたスーパーファミコン用の・・・」

と書いているところで思わず突っ込みを入れたくなりました(笑)

 

あと、今回のドラクエステージで「序曲のマーチ」が入ってたんですけど、

ドラクエ3だと「ロトのテーマ」なんですよね。

だから、出だしでトランペットのファンファーレが鳴り出した時、

「あれ、天空シリーズかしら」と思ってしまいました(笑)

まあ、金管五重奏版はいろいろと諸事情がありますので・・・

(「序曲のマーチ」はドラクエ5~7で使用される曲名です)

 

ドラゴンクエスト3のメドレーですが、

「ほこら」の曲にのせて聞こえてきたのは女性の声。

そして、物語をナレーションし始めたんです。

金管五重奏版はすべての曲がアレンジされているわけではないので、

どうしても曲では補完できない物語をナレーションで補填するという形ですね。

 

主人公が世界を回り、フィールドを駆け、見事魔王バラモスを撃破、

そしてお城に帰還して「序曲のマーチ」が鳴りだした途端、

いきなり曲が途切れます。

原作をご存じの人ならお判りでしょう。

大魔王ゾーマの登場です。

このあたりの音楽的な演出がとてもよかったですね。

そのあとは・・・紆余曲折を経てエンディングとなります。

時折ナレーションが聞こえにくいところもあるにはあったのですが、

曲数が限られている中で、ドラクエ3の物語を再現したのはすごいですね。

「そして伝説へ」は金管五重奏でもやはり映えました。

かなり難度の高い楽曲の連続でしたが、演奏とても良かったです。

 

 

そして、15分の休憩のあと、第二部がはじまりました。

 

 

第二部 ポピュラー・ステージ

 

この第二部は、知名度で選ばれた感じですかね。

「みんなが知っているあの曲」とMCも言ってましたし。

ジブリ映画から2曲、そして日本唱歌、最後は歌謡曲

バランスの良い選曲だったなぁ、と思いました。

 

最初は「千と千尋の神隠し」そして「崖の上のポニョ」のメドレーです。

曲の構成、というよりもアレンジも良かったのですが、

この曲演奏前のMCがとても面白かったですね。

千と千尋の神隠し」の演奏前にはもう一人のTpの柿崎さん。

崖の上のポニョ」演奏前のMCはテューバの五十嵐さんです。

カンペなどを見ずに流暢に曲のいわれなどを語る柿崎さんに比して、

五十嵐さんはスマホ(カンペ)を見ながらのMCでした。

余談ですけど、五十嵐さんは開演前のMCも担当されていて、

お客さんの購買意欲を高めるMCを行っていました(笑)。

カンペを見ながらなのでどうしてもつっかえつっかえになってしまい、

それがまた客席の笑いを誘っていたように思いました。

 

そして「浜辺の歌」です。音楽の教科書にも載ってますね。

この金五アレンジが面白かったですね。

演奏前のMCを担当されたホルンの浅野さんもおっしゃってましたが、

曲のつなぎ、あるいはサビの展開がとても面白かったように思います。

郷愁を誘う演奏もあいまって、少し感動すら覚えました。

 

第二部最後は「見上げてごらん夜の星を」。

坂本九さんが歌う名曲として広く知られています。

作曲はいずみたくさん。

意外と知られていないんですけど、

幸せなら手をたたこう」やドリフターズの「いい湯だな」、

あるいは由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」など、

謡曲で多くの名作を世に送り出している名作曲家のおひとりですね。

ちなみにこの曲の編曲は、

以前のこのブログでジャズピアニストとしてご紹介した渋谷毅さんです。

この曲の演奏については何も言うことがないんですが、

演奏前MCを担当されたトロンボーンの宮崎さんが、

なかなかの投げやりなMCを担当されたのがとても印象的でした(笑)

 

私はこういうMCも大好きです!

 

 

つつがなく第二部も終わり、休憩後、第三部がはじまりました。

待ちに待った「ジャズ・ステージ」です。

 

 

第三部 ジャズ・ステージ

 

ここからMCはSAKIさん固定となりました。

相変わらずのトークスキル炸裂でニヤニヤしてました(笑)

 

ここでドラムスの紹介がありました。ヒガシタカシさんです。

黒い眼鏡が特徴的な、とてもうまいドラマーさんでしたが、

実はトランペットをやってたそうで、

SAKIさんがそのあたりのお話でひと笑い起してました。

さすがのトークスキルです。

それに負けず劣らずのトークを見せたタカシさん。

ダイエットのお話で会場を盛り上げていました。

(夜ごはんをキャベツとトマトだけにする、というものです)

 

MCの話はさておき・・・

 

 

最初の曲は、チック・コリアの名曲「Spain」です。

 

hw480401.hatenablog.com

 

3か月ほど前に書いた記事でも取り上げてましたね、チック・コリア

偶然ではありますけど(笑)

原曲はものすごくかっこいいんですよ。シンプルな編成ですし。

それを金管五重奏にするわけですから、そりゃ大変です。

原曲も難曲ですけど、それを金管楽器でやるわけですからいろいろと齟齬が出ます。

タカシさんのドラムスがかっこよく、

金管楽器で映える音色が重なって気持ちよく聞けました。

 

2曲目は「Misty」。

ジャズピアニストでもあったエロル・ガーナーが作った曲ですね。

今ではジャズヴォーカルのスタンダードナンバーとなっていますが、

ガーナーが飛行機で移動中に思いついた曲だったんですけど、

彼自身が楽譜を書くことができない人だったので、

飛行機に乗りながらずっとメロディを歌い続けて記憶し、

到着してすぐホテルへ向かってピアノで演奏して録音したという逸話が知られてます。

このあたりのお話もMCのSAKIさんが語ってましたね。

原曲はややけだるげな印象のある曲なんですけど、

金管アレンジされたその曲は妙にクリアで明るい音色に聞こえます。

あえてそういうアレンジになってたんでしょうけど、

普段聞いているMistyと違って、とても新鮮に聞こえました。

 

3曲目は「Beyond the Sea」。

フランスの歌手であったシャルル・トレネが作った歌なんですけど、

MCのSAKIさんが例として挙げたのは、

ディズニー映画の「ファインディング・ニモ」でした。

この映画のクレジットでこの曲が使用されているんですよね。

原曲はボビー・ダーリンが歌ってヒットしたんですけど、

映画で使われたのは確かイギリスの歌手、ロビー・ウィリアムズのやつですね。

彼のアルバムは私も持ってますけど、いいアルバムです。

こちらの金5アレンジは原曲に沿ったものだった気がします。

リズミカルでちょっと切ない感じがする曲に仕上がっていました。

とっても良かったです!

 

4曲目は「Children of Sanchez(サンチェスの子供たち)」。

トランペット奏者であるチャック・マンジオーネの作品です。

この曲はジャズというよりもフュージョンっぽい印象ではありますが、

超名曲でもありますし、なによりSAKIさんお気に入りだそうでして、

今回のこの曲のアレンジもSAKIさん純正だそうです。

ご本人がMCでいわく、

「ドラムスのソロを多めにしてみた」らしく、

最初のドラムスのソロから金管の入りがとってもかっこよかったですね。

途中でそれぞれの奏者によるソロも加えられていて、

4分強の時間でこれだけ詰め込んだアレンジ、すごいなぁ、と思いました。

 

 

アンコール

 

アンコールです。

吹奏楽といえばこの曲、というMCのSAKIさんのヒントで何となくわかりました。

そうです、「宝島」です。

当時、THE SQUARE(現 T-SQUARE)の和泉さんが作られた楽曲を、

真島俊夫さんが吹奏楽用にアレンジしたものなのですが、

吹奏楽をたしなむ人たちの間では名曲として知られています。

この曲を聞くとなぜか涙が出てしまうんですけど、

今回の金5バージョンもウルウルしながら聞いていました。

涙は我慢しました(笑)

編成が少ないということもあり、曲の構成はだいぶ変わっていましたけど、

「宝島」の持つ曲のエッセンスめいたものは十二分に感じられました。

 

 

演奏終了後。

 

新宿伊勢丹で買ったお土産(ベイユヴェールの「チーズタルト」)を持って、

階段踊り場にいるSAKIさんにお話をしていたんですが、

なぜかSAKIさんから「ステイ」の指示が(笑)

 

たくさん並んでいる中、私は気が付くと、

SAKIさんの横でマネージャー然としつつ、階段で座っておりました。

心の中では「ごめんなさい」と思いつつさらに座って待っていると、

トロンボーン奏者の宮崎さんが階段を上がってきて、

「そこの優しそうなお兄さん、ちょっといいですか」と声をかけてきたんです。

どうやら私が座っていたのは、奏者の楽屋につながるドア前の階段だったようで、

あわててドアマンとして即座にどいて、ドアを押し開けていました(笑)

宮崎さんとホルン担当の浅野さんを通して、粛然とドアを閉めさせていただき、

いろいろな方がSAKIさんにあいさつをしながら帰って行かれます。

「SAKIさん、やっぱり人望あるよなぁ」と羨ましそうに見ながら、

全員が帰った直後に、SAKIさんが私に向かって言った最初の言葉が、

「どうだった?」でした。

こういう時に私は忖度などはしないので、正直な感想を言わせていただきました。

 

そして、このブログは、

通常ならちょっと辛口な仕様となっているわけですけど、

主催者のおひとりの強い要望もあり「超甘口」で書かせていただきました(笑)

 

 

というわけで。

6名の奏者の皆様、

そして影ナレ担当の方や受付担当の方も本当にありがとうございました。

クラシック音楽を全く演奏しない」という、

ある種ゆるい感じで金管五重奏を聞く、というのがとても新鮮で楽しかったです。

 

SAKIさん、今回の演奏会に誘ってくれてありがとうございました。