音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

ブラスぷらす Op.06

ジェイムズ・スウェアリンジェン(アメリカ)の曲というと、

「インヴィクタ」を想起する人も多いと思います。

あの曲っていろいろといわくがありますんで、

そういうところから有名になってるところも否定はできないところですが。

(いわくの詳細は検索していただけるとわかるかと思います)

 

「センチュリア」を聞いたのはいつ、どこでだったかは完全に忘れましたが、

妙に記憶に残る曲だったんです、なぜか。

親しみやすいメロディ、難易度もそれほど高くない楽曲ということで、

界隈では名曲の一つとして数えられることが多いのだそうです。

私は吹奏楽経験のない人間なので、どこまで本当かわかりませんけど・・・

 


Centuria

 

久々に聞いてみると、やっぱりいい曲だよなぁと思います。

演奏してるときは気持ちいいんだろうなぁと他人事のように感じます(笑)

いっちょ前にオーボエは音を出すことだけは出来るので、

機会があれば奏者側からこの曲を聞いてみたいと密かに望んでますが、

極度のあがり症が四半世紀以上続いているので、無理そうです・・・

 

現代音楽を聞く その72

ベルギーの現代音楽作曲家、アンリ・プスール。

プスールといえば電子楽器(シンセサイザー)なんですけど、

器楽曲においても秀作を多く残しています。

 

大作でいうと「Paysages planétaires」(プラネタリウムパサージュ)あたり。

3時間を超える大曲ですけど、たぶん全部は一度も聞いたことないかもしれないです。

 

室内楽では「Madrigal」(マドリガル)が好きです。

1~3までありますけど、どれも緊密な音色を携えています。

1はクラリネットソロ、

2はフルート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴァイオリン、チェンバロ

3はクラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、打楽器(2人)

と、同じテーマですが、編成が大きく異なっています。

 


Madrigal II für Flöte, Violine, Viola da gamba und Cembalo

 


Henri Pousseur Madrigal III ( pour clarinette et cinq instruments )

いーすりー

※注意

今回のブログは、趣味力全開のお話となります。

知らない人は置いてけぼりになりますのでご了承ください。

そして音楽のお話はほとんど出てきません(笑)

なので、いつものブログだ、と期待してみると痛い目にあいます。

コアなファンのやってるような考察、みたいな感じにはならないので、

私、ヒロユキの生態が気になるという方は、引き続き本編をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

先週、E3というイベントがアメリカで行われました。

Electronic Entertainment Expo、略して「E3」です。

要するに「アメリカのゲームショウ」的な意味合いを持つイベントですね。

今年の後半から来年にかけて発売されるゲームの見本市といった感じ。

 

私も例の作業をしつつ、ちょこちょこと生中継や紹介動画などを見てました。

キアヌ・リーヴスの例のやつやFF7のリメイクのものなど、

いろいろとつまみ食いをしておりました。

 

Nintendo Direct| E3 2019 - YouTube

 

特に任天堂が好き、というほどでもないんですけど、

比較的任天堂のゲームをやる機会が多いので、

必然的にニンテンドーダイレクトはチェックしてしまいます。

 

ニンテンドーダイレクトとは。

メーカーと視聴者を「直接(Direct)」つないで任天堂の情報を紹介する動画の総称。

社長や重役級の方が直々に紹介してくれるので、とてもわかりやすい。

あと、動画最後のサプライズが得意。

 

この動画でとあるゲームの追加キャラとか新規タイトルなどが発表され、

6/12(水)の2時前ころはお祭り騒ぎとなってました。

 

私も時間を見ては「E3  2019  reaction」と動画を検索して、

主にアメリカの人たちのリアクションを楽しんだりしていました。

あ、もちろん日本人のもちょこちょこ見てましたよ。

 

特にゼルダファンの人たちの注目は、

9月20日に発売される「夢を見る島」のリメイクではなく、

「ブレスオブザワイルド」の続編開発中の動画でした。

 

いつも思うんですけど、

任天堂のPVの作り方は本当に絶妙です。

たくさんの情報を提示しつつ、けしてPV内では多くを語らない。

もちろん、他メーカーのものもとても見せ方が上手いものはたくさんあります。

ただ、任天堂のそれは、言い方が悪いですけど「煽り方」がうまい。

だから、コアなファンはそういう動画を見て考察を始めるわけです。

あの音楽は逆再生だけど、とか、

あの紋章はゲルドのやつだ、とか。

そうした推論を展開している動画は、探せばいくらでも出てきます(笑)

 

考察するのはそれだけそのゲームに思い入れがあるからこそできるわけで、

それ自体を否定する気はさらさらないんですけど、

その考察中に「絶対」とか「~に間違いない」といった言葉を使ったり、

あるいはほかの人の考察を即座に否定するような言葉があったりするのは、

個人的にはいい気分ではありませんでした。

まあそれだけ興奮しているから、という言い訳もわかるんですけど、

考察というのは、その人の予想が多分に含まれています。

100人いれば100人分の考察が生まれるわけで、

そうした貴重な考察を、自分の考え方に固執して否定してしまうのは、

どうなんだろうなぁ、と首肯しかねるんです。

 

「逆再生したらゴロン鉱山の音楽に似てる」とか、

「そもそもあの動画自体が逆再生なのでは」とか、

「時系列がバラバラだから、逆再生の音楽自体に意味はないかも」とか、

独自の見解あるいは予想を示している人が大勢なのですが、

「~という人がいらっしゃいますがあれは違うと思うんだよね」

という外国の人や日本の人が結構いらっしゃいました。

 

確かにその人にとっては自信のある考察なのかもしれません。

一つの意見として賛否両論あることも承知で語っているのでしょうけど、

他者の意見を即座に否定するという行為は、

私自身が許容することができない体質なんですよ。

 

要するに、わたしのわがままってことです(笑)

 

なので、これ以降はなるだけ情報を遮断して、

発売後にゲームを存分に楽しみたい、と思っています。

SNSも必要以上には見ないでしょうし、

(というかそもそもTwitterほとんど見てないですけど)

ぶっちゃけ「ゲームが発売すればすべてわかるからいいんじゃね?」

って思っている人なので、発売前の考察もたぶんやらないと思います。

そういうのはゲームを実際にプレイして感じたい人なんでしょうね、きっと。

 

 

hw480401.hatenablog.com

 

 

hw480401.hatenablog.com

 

こういう音楽的な考察もすべて発売後にやってます。

 

とはいっても、PV制作の名手、任天堂のことですから、

私のような人間が見ても楽しめるものをきっと作ってくれるんでしょう。

そして、そんなPVを見てしまうんでしょうね(笑)

 

今年のE3は楽しかったです。

作業がなければもっと楽しかったでしょうけど・・・

来年はLAに行って、生で見てみたいなぁ、とひそかに思ってます。

Incidental Music Vol.66

日曜日の夜、フジテレビ系で放送されていた「世界名作劇場」。

昔は、カルピスやハウス食品が単独スポンサーをしていて、

その企業名が冠されていたこともありました。

 

このブログでも過去に世界名作劇場について触れているんですけど、

語りたくなったので書いてみます。

 

世界名作劇場といえば魅力的な主題歌です。

中でもイントロが特に大好きなのが、

南の虹のルーシーの主題歌「虹になりたい」です。

作編曲は坂田晃一さんですね。

ちなみに坂田さんは、世界名作劇場内でいうと、

母をたずねて三千里」の音楽も担当されてます。

 


南の虹のルーシー/虹になりたい やまがたすみこ

 

こういうアニメの主題歌というのは、

イントロで視聴者のハートをキャッチ(死語)する必要もあると思うんですが、

そういう意味ではこの歌、とってもキャッチーですよね。

 

 

あと、イントロでいうと「牧場の少女カトリ」の主題歌もとても好きです。

作曲は三木たかしさん。主に歌謡曲で活躍された方ですが、

アンパンマンの主題歌など、アニメや特撮ソングも多く手がけられてます。

編曲は鷺巣詩郎さん。

個人的には「エヴァンゲリオン」や「彼氏彼女の事情」など、

庵野監督の作品でお見掛けする音楽家さんという印象が強いんですけど、

昔は編曲家としても活躍されていました。


牧場の少女カトリ 世界名作劇場 ラヴ・ウィズ・ユー 愛のプレゼント

 

今から35年前のアニメなんですけど、サウンドはそれほど古臭さを感じません。

(あくまで私見ですが)

 

現代音楽の作曲などでも知られる三善晃さんですが、

アニメの主題歌の作編曲を手掛けられています。

それが「赤毛のアン」ですね。


きこえるかしら  大和田りつこ (1999)

 

このイントロもとても好きです。

はっきり言って歌うのはとても難しい曲ではありますけど(笑)

昔、この曲を耳コピしてピアノアレンジとかした記憶もあります。

緻密に作られていてすごい曲なんだ、とその時思ったものです。

 

 

世界名曲劇場になってしまいましたが(笑)、

ちょっと一回きりでは語りつくせないので、次回へ続きます。

むかしがたり 3

 「むかしがたり」三回目となります。

(過去記事はこちらからどうぞ)

hw480401.hatenablog.com

 

hw480401.hatenablog.com

 

前回、中学校一年生あたりまでのお話をさせていただきました。

 

学年が上がって中学二年生になり、

相も変わらず自分のない中学生活を続けていました。

家に帰ってジャズを聴くこと、趣味のゲームをプレイすることで、

糊口をしのいでいたともいえるかもしれません。

 

学校の授業はちゃんときき、部活もそれなりにいそしんで、

家に帰って趣味の時間を味わう生活が馴染みだして1年ほどが経った、

中学二年生のある日のことです。

 

その日は午前中だけ授業があり、部活もなかったので、

近所の図書館へ行き、勉強しようと思って駅の方角へと向かいました。

その道すがら、なじみの駄菓子屋さんがあったので、

何か買おうと思って入店すると、部活の先輩がたむろしていました。

当然のごとく目を付けられてからかわれることになります。

何も言い返すこともなくへらへらと笑い続けることが本当に苦痛でした。

少しでも反抗的な態度をとろうものなら、手や足が飛んでくるので、

その場をしのぐため、ずっとへらへらしつづけたんです。

何も言い返さないことに飽きたのか、

先輩たちはからかいの声を上げながら店をあとにしました。

 

「あんた、なんなん?」

女性にしては少し低めの声が聞こえたのはそんなときでした。

「それでも男なん?気持ち悪い笑顔ばっかりして」

容赦ないその言い回しに当然気分を害された私でしたが、

当時も今も女性には奥手で有名だったので、

ちらりとその女性を一瞥してその場を立ち去ろうとしました。

 

よく見るとその女性は私の通う中学校の制服を着ていたんです。

襟章の色が私と同じ色だったので、おそらくは同じ学年です。

ちらりと見てそこまで判断した私でしたが、

特に興味をそそられることなくその場をあとにしました。

 

 

それからしばらくはなんの代わり映えもしない日々が続きました。

朝練→授業→部活→帰宅→ジャズ。

そんなサイクルがしばらく続きました。

 

夕方の部活が終わって着替えている時、

音楽室の方からピアノの音色が聞こえてきました。

すでに夜7時をまわり、ほかの部活の連中はすでに帰宅しているはずです。

音楽教師が何か弾いてるんだろうと思ったんですけど、

そのピアノがクラシックとか童謡ではなく、私の好きなジャズでした。

さすがに音楽教師が演奏してるわけないと思いながらも、

着替えを終えた私は、音楽室の方へと歩みを進めます。

 

ここで、ピアノを演奏しているのが前述の女子生徒なら、

ドラマ的な展開なんですけど、そうではないんです(笑)

弾いていたのは一人の男子生徒らしき人でした。

らしき人、と書いているのは、その男子が制服を着てなかったからです。

 

「ピアノ弾きたいの?」

その男子は私にそう尋ねてきました。

流ちょうな日本語でしたけど、どう見ても白人男子です。

 

なぜここにいるのか、そしてそもそも誰なのか、

そんなことを意にも介さない感じで、その男子はもう一度尋ねてきます。

「ピアノ弾きたいの?」と。

 

ピアノはもうだいぶ前にやめたんだ、なんて言葉をはくことなく、

私はただ単に首を左右に軽く振るだけでした。

それで気が済んだのか、その男子はまたピアノに向かい演奏を始めます。

その曲は、映画「カサブランカ」でも使われた、

ジャズのスタンダードナンバー「As Time Goes By」でした。

 

とにかく、その演奏に驚きました。

 

私とそれほど変わらない年恰好なのに、

このジャズの名曲を抒情たっぷりに演奏してのけるスキルは、

たぶん今聞いても驚嘆していただろう、というくらい素晴らしいものでした。

その素敵な演奏で、気が付くと私は音楽室の片隅で涙を流してました。

大好きなジャズを学校の音楽室で聞けたことの喜びで、

その男子のいきさつやら何やらがすべて吹き飛んでいました。

 

で、何を思ったのかその時、私はこう彼に英語で話しかけました。

「Will you be my friend?」(友達になってくれない?)と。

涙を流しながら笑顔でそう尋ねた私を、奇異な感じで眺めながら、

彼はでも、深くうなずいてくれたんです。

 

 

 

 

そんな彼と四半世紀以上過ぎた今でも仲良くさせてもらっているわけですから、

人生って何が起こるかわかりません。

 

このブログをずっと読んでもらっている方なら察しが付くと思いますが、

この男子こそ私の友人であり、

今現在もボストンでジャズピアニストして活躍している、

私が「世界一ピアノが上手い」と思っている、例の彼のことです。

そして、その奥さんが前述の女子生徒、というわけです。

日本のサブカルチャーが大好きな彼は、

ちょくちょく日本に遊びに来ていたらしいんですけど、

この時は日本のピアノの先生のところにお邪魔していたらしいです。

そのピアノの先生は、私が通っていたピアノ教室の先生、ではなく(笑)、

前述の彼女が通っていたピアノ教室の先生らしいんです。

その教室で知り合いになって意気投合した彼が、

興味本位で彼女の通う学校へ行ってみたいと言い出し、連れてきた、

というのが事の真相でした。

 

まあ、そんな後日談はともかく。

話を中学2年生の頃へと戻しましょう。

 

 

 

その音楽室で、彼がジャズを演奏し、

その代わりに私がアニメの主題歌を演奏して、

「ああ、この曲知ってる!」って手をたたいて彼が喜んでくれたり、

たぶん時間にすると30分もなかったんでしょうけど、

その音楽室でのピアノによる【じゃれ合い】が本当に楽しかったんです。

 

ああ、ピアノってこんなに楽しいんだとようやくその時気づけたんです。

堅苦しい曲を演奏するのも練習だけど、

それよりもまず音楽は楽しいものだ、ということを再認識させてくれた、

同い年の彼に、今でも感謝しています。

 

そろそろ先生が注意しに来るであろう頃を見計らって、

私と彼は音楽室をあとにして、校門で待つ女子生徒のところへ向かいました。

彼と一緒にいるのが私だと知ったその女の子は、露骨に嫌な顔をしましたが、

彼がいろいろと冗談を交えながら説得してくれたことで、

仲間、とは言えないまでも、嫌な顔をすることは無くなりました。

 

この二人と出会ってから、俄然中学校が楽しいものとなりました。

もちろん、自分を殺し続ける日々は続いてるわけですけど、

ピアノという共通項を通じて知り合えた友達が出来たことは、

それからの学生生活の支えの一つとなったことは間違いありません。

 

 

(つづく)

Chet Baker / CHET BAKER SINGS【ジャズのススメ 114】

 But Not For Me。

日本語に訳すと「でも、わたしのためじゃない」って感じでしょうか。

ジャズのスタンダードナンバーとして知られるこの歌ですが、

いろんなアーティストが広く演奏されています。

元々はジョージ・ガーシュインのミュージカルの1曲なのですが、

単独でも演奏されることの多い曲ですね。

 

マイルス・デイヴィスジョン・コルトレーンなど、

一流どころがこぞって演奏しているわけですが、

とりわけ有名なのが、ジャズトランぺッターでありシンガーでもあった、

アメリカ出身のアーティスト、チェット・ベイカーその人です。

 

Chet Baker Sings

Chet Baker Sings

 

 

甘いマスクに、気だるげな歌声、

そしてトランペットの甘い音色は、彼ならではの演奏です。

 

そりゃ人気出ますよね~(笑)

人生の後半は不遇で、その最期も衝撃的でありました。

 

そんな彼が奏でる「But Not For Me」は、やはり素晴らしいです。

 


Chet Baker - But Not For Me

 

ブラスぷらす Op.05

チェコ生まれのアメリカの作曲家、カレル・フサの出世作というと、

「Music for Prague 1968」(プラハ1968年のための音楽)でしょう。

私も生で一度ならず聞きましたし、

吹奏楽の分野でも、現代音楽の分野でも特筆すべき名作ともいえます。

だったらこの曲のこと紹介しろよ、と思うんでしょうけど、

ひねくれものである私ですから、そういうわけにはいきません(笑)

 

以前、東京佼成ウインドオーケストラ定期演奏会に伺ったとき、

同じくフサの「Apotheosis of This Earth」を聞いたんです。

(邦訳:「この地球を神と崇める」)

去年か一昨年かそのくらいだったと思います。

その日の定期演奏会のプログラムはかなり意欲的なものでした。

現代音楽寄りの曲が多かったため、客席は5割から6割程度の入りでした。

お客の反応はいまいちでしたが、演奏は度肝を抜かれるほどすごかったんです。

 


Apotheosis of this EARTH この地球を神と崇める

 

Apotheosisというのは「神格化」とも訳される言葉ですかね。

私があまり好きではない言葉の一つですが(笑)

この曲は吹奏楽として書かれたのち、管弦楽版も出版されています。

どちらも好きなんですけど、吹奏楽の方が耳なじみがありますね。 

未だにこの曲を聞くと、心の深淵に触れられたような、

ぞわっとする感覚に襲われます。

 

皆さんはどう感じますでしょうか?