読響のマチネを聞いてきました。
マチネ、というのは昼公演のことですね。フランス語です。
もともとは「午前中」を意味する言葉なんですけど、
こうした界隈では普通にお昼の公演の意味で使われています。
ちなみに、夜公演はソワレといいます。
まあ、私もめったに使わないんですけど(笑)
もともと、指揮の小林研一郎さん(コバケンさん)のことが好きで、
よく公演を見に行ってたんですよ。
で、ようやく規制緩和されたということもあって、
どの公演に行こうかいろいろと考えていたら、
河村尚子さんのことは以前にも書いたと思いますが、
日本の女性ピアニストの中でもとても好きな演奏家のお一人です。
音色が個性的でとても煌びやかで、良いんですよ。
(あくまで個人の感想です)
映画「蜜蜂と遠雷」で栄伝亜夜のピアノ演奏も担当されていました。
そんな二人の演奏会、行かないわけにはいきませんでした。
グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
※
本日2020年10月24日(土)の読響のマチネの感想をこれから書きます。
ただ、この公演は同じものが明日もあります。
アンコールの曲目とかその他もろもろネタバレとなる可能性もありますので、
明日演奏会に行かれる方はここから先は読まないことを推奨します。
演奏が終わった後で、小林さんがマスク越しに、
マイクを持たず、客席へ言葉を投げかけてくれました。
その中で、ソリストの河村さんを「個性的」と評していました。
私もそう思います。個性的で魅力ある演奏でした。
今回私は一番前の席にしたんです。中央左寄りです。
真正面にソリストが見える位置でした。
もともと好きなピアニストの一人ではあったんですが、
今日の演奏、そして演奏後の笑顔を見てますます好きになりました。
河村さんのアンコールはリムスキー・コルサコフの「くまんばちの飛行」。
もともとオーケストラ曲ですが、ラフマニノフがピアノ独奏に編曲しています。
正味1分ほどの曲なんですが、私は全く弾けません(笑)
後半の「英雄」は何も言うことはありません。
ベートーヴェン生誕250年の年に、
ようやく、本当にようやく、生でベートーヴェン聞けただけで幸せでした。
オーケストラのアンコールは、
コバケンさんの公演ではよく演奏される「ダニーボーイ」です。
もともとはアイルランド民謡ですが、
弦楽アンサンブルにアレンジされたその曲は、本当に胸にしみました。
そんなダニーボーイを聞きながら、思ったんです。
こういう演奏会が普通に行われていた時のことを。
今もエンタメ界はあえいでいます。もがいています。
私もその世界の片隅にいる身として、やはりいろいろとあえぎ、もがいています。
ようやく本格的にクラシックの演奏会が催され始め、
一部反対の声もあるものの、ようやくスタートラインに立てた心地がします。
だからこそ、今回の演奏会も奇跡なのだ、と感じました。
そんな奇跡を起こすのにどのくらいの努力と犠牲があったのか、
観客である我々には想像することもできません。
それでも、音楽は演奏されなければならないものなのだと思いました。
まだまだあえぎもがく時期は続くのかもしれませんが、
演奏会がこれから少しでも増えていきますように・・・
'Tis I'll be here in sunshine or in shadow
O Danny boy, O Danny boy, I love you so.
ずっとここにいよう
陽が差し 影が落ちようと
いとしいダニー ずっと愛しています