音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

室内楽による765の調べ

私が尊敬する作曲家のお一人である、ドラクエなどで知られるすぎやまこういちさんが、

以前こんな事を仰っていました。


「1トラックでもメロディ、ハーモニー、リズムを全部表現できるという事を大先輩のバッハがやってるわけですから、『2トラックではできません』というのはプロのセリフではないわけです」


この言葉はFCのドラゴンクエストの楽曲のことを言っているのだろうと思います。

FCの音源が3音プラス1ノイズという同時発声数で、

(ま、ほんとはこれだけではないんですがw)

ゲームの音楽をプロの作曲家がやるというのがまだ一般的では無い時代でした。

そんな時にたった2、3トラックという音でフルオケやジャズなどを彷彿とさせる楽曲を作られたわけで、

当時の私が目の玉飛び出るほど驚いたことはいうまでもありません。

ドラクエIIIのEDやドラクエIVの通常戦闘曲などを聴いても、

対位法などを駆使して作られていた曲に、当時の私も酔いしれていました。


音色は無限です。トラック数は多い方が良いに決まっています。

でも、そのゲーム音源の制約を逆手に取り名曲を数多く生み出したすぎやま先生。

やっぱりドラクエは名曲・・・・って、あれ???



話がドラクエの方に行ってしまった(笑)



戻さないと~!(大泉洋風)




ゲーム音楽吹奏楽やオーケストラで演奏する団体が多くなりました。

ここ数年で活況を呈しているように思えますが、

そういう中で「あえて室内楽ゲーム音楽を演奏する」団体もあります。


と、強引に話を元に戻したところで(笑)。





海外出張から帰国した当日、つまり今日のことなのですが(笑)、

室内楽による765の調べ」と題したゲーム音楽の演奏会へ行ってきました。


765の調べ、というのは、

かつての「NAMCO」ブランドのゲームの音楽を演奏するということらしいです。


Melodies of Crystal主催の今回の公演、

やはり感動がたくさん詰まった素晴らしい演奏会でありました。



室内楽による765の調べ」

2014年12月13日(土)

開場13:30 開演14:00

大田文化の森ホール


演奏:シュデンゲンアンサンブル


<曲目>

第一部

ナムコクラシックメドレー

風のクロノア


休憩


第二部

・サンドラ&ワルキューレ

ヴィーナス&ブレイブス~魔女と女神と滅びの予言~



会場に到着したのが開演の10分前でした。

海外出張から帰国したのが12:40(@羽田空港)だったので、

本当にぎりぎりだったんだなぁ。スーツから普段着に着替えて電車で向かいました。

が、場所を勘違いしてたんですね。

蒲田にある「大田区民ホール・アプリコ」だと思ってたんです。

なので京急に乗ればすぐ着くと思ったんですけど、

持っていたチケットを確認すると「大田文化の森ホール」と書いてあり、

あれ、これ、違う?

そしてネットで場所を調べると、JR大森駅から徒歩16分とか書いてあったのです。



慌てました。

相当慌てました。


途中で会場スタッフをしているフォロワーさんからの情報もありましたが、

すでに京急に乗ってしまっていたので、

慌てて蒲田から平和島まで各駅にのってそこから走りました。

平和島に着いたのがちょうど開場時間だったのです。

いやぁ、久々に走った・・・


とまあ、そんなすったもんだがありましたが、

無事に会場に到着。

知った顔がちらほらいる中、知人にいじられながらもホール内へ。


すると、葉加瀬太郎さんが。

あ、いや、違う(笑)。

私の席の前にハカセさんによく似た髪型をされた方が。

実は、この方こそヴィーナス&ブレイブス(以下、V&B)のディレクターである川口忠彦さんだったんですが、

このときはそんなことを知るはずも無く、

首をフリフリ、ノリノリで音楽を聴いていたことだけが印象に残ったのでした(笑)

(※失言失礼しました。。。)


アナウンスに続いて、カルテット登場。

弦楽四重奏による「ナムコクラシックメドレー」が始まりました。


演奏されたのは以下の曲でした(順不同)。


パックマン

ニューラリーX

ギャラガ

ゼビウス

マッピー

パックランド

リブルラブル

ドルアーガの塔


アーケード版に準拠された演奏だったと思います。自信ないですが。

全てゲームセンターでプレイしたことがあるのですが、

リブルラブルの曲を聴きながらあの「合いの手」を入れたくなったり、

ドルアーガの塔の最後で「ゲームはナムコ~♪」と歌いたくなったりしました(笑)



そして、第一部の後半は「風のクロノア」の演奏です。

ここから、前述のカルテットにコントラバス、そしてピアノが加わります。


当時一度だけゲームをプレイしてクリアした記憶もあるのですが、

10年以上前にプレイしたこともあり、実はそれほど鮮明に音楽を覚えていたわけでは無いんです。

ですが、前奏でアレンジされていた主題を聴いて少しずつでしたが記憶が戻っていきました。

主人公であるクロノアの声「わっふぅ~」が幻聴のように聞こえてくるくらいに再現度の高い演奏でした。


と、このとき隣にいた方がクロノアの曲を聴きながら涙されていました。

ああ、クロノアに思い入れがある方なんだろうな、と思いました。

ちなみにその方は第一部終了と同時に帰られたようです・・・




前回のMelodies of Crystalのコンサート「FF6演奏会」の時には、

かなり詳細に音楽を聴きこんだんですが(前回ブログ参照)、

今回は純粋に「音楽を楽しむ」ことにしました。

理屈にとらわれること無く、ただ音楽を浴びるように聴く事に徹しました。

なので、ネタなどに気づくことも無く音楽を楽しむことが出来ました。


あ、ちなみに、

コントラバス担当の橋本さんがクロノア演奏中めっちゃ大変そうだったなぁと。

大澤さんアレンジがかなりきつかったのか、ナムコの音楽のベースが鬼畜だったのか、

そのどちらか、いや両方だったのでしょうね(笑)



そして休憩。いつもならホワイエに行って知り合いと話をするのですが、

ほとんどの知り合いの方が同日行われていたTMM演奏会に行ってたみたいで、

知り合いがいなかったのでずーっと席に座ってました。



第二部。

ここからは前述のメンバーに加えてパーカッションも加わります。



サンドラ&ワルキューレです。

サンドラの大冒険SFCワルキューレの冒険はFCでそれぞれ発売されました。

いわゆる「ワルキューレシリーズ」の二作品、当時私もプレイしておりました。

特にFCのワルキューレはフィールド曲が脳にすり込まれるくらいに聴いていたので、

演奏の後半にそのフレーズが登場した時は興奮しましたね~。

サンドラの大冒険は友人宅でプレイしたのですが結局クリアまで出来なかった悲しい想い出が・・・

音楽は何故か覚えていたのですが、こちらもかなり演奏が大変そうだった印象です。



ここで演奏メンバーがいったん降壇。

そしてイスとマイクがセッティングされ、主催の大澤さんが登場します。

ここでV&Bのディレクターがお越しになっている事を知ったのです!!!!

しかも、私の前に座ってた人がスックと立ち上がり舞台へと歩いて行かれるではないですか。

え!?と思いました。川口さんのお名前はもちろん存じてました。

私がドハマリしたV&Bのディレクターの名前を忘れるはずなどありません。

エンドロールの曲は今でもピアノで弾けるくらいに覚えていますし、

キャラにそれほど思い入れしない私が、スルギ~!アルヴィ~!ってなったゲームなのですから(笑)。

ああ、休憩中や開演前にお話ししたかった・・・結局演奏終了後もお目にかかれずでした。


大澤さんがかなり緊張されていましたが、

かなりぶっちゃけたトークが展開されていました。

曲の発注メニューのくだりは緊張した会場内で爆笑が起こりましたね。

どんなメニューだったか忘れましたが、緊張が少し弛緩した瞬間でした。

あと、製作期間が半年の突貫工事だったことも驚きでした。

あれだけ強烈な印象を残してくれたゲームがそれほどの期間で製作されていたとは!!


ま、そんな話も終わり、川口さんは降壇され、いよいよ演奏が始まります。


川口さんも仰ってましたが、V&Bといえば「waltz for ariah」が特に有名です。

それだけが単独で演奏されることも少なくないです。

実際以前にもコスモスカイオーケストラでも演奏されましたし、

2011年の4starでも演奏された記憶があります。

ですが、ここまでがっつりとV&Bの楽曲が演奏されることは稀です。

いやはじめてかも知れませんね。


楽曲の構成も素晴らしく、特に「大きな古時計」からの「waltz for ariah」は号泣でした。

もう楽曲演奏前から涙ぐんでましたけどもw

個人的にはエンドロール(年表のとこ)の曲も聴きたかったなぁ、と思いますが、

それはまた別の機会にとっておきましょう。


・・・どこかでV&Bオンリーの演奏会とかやってくれないかなぁ(妄想)。


第二部に入りパーカッションが加わったことで、

音色がさらに変化したように思いました。

個々のスキルの高さもさることながら、

聴いていて何にも考えずにただ音のたゆたいに身を任せているだけで、

いろんなシーンが想起されてくる感じ、とでも言えば良いんでしょうか。

室内管弦楽でも聴いてみたいという気も少ししますが、

この試みは十二分に成功であった、と言えるのではないか、

なんて評論家みたく上から目線ですいませんが(笑)

千変万化する音色に、ただただ感動していました。



そしてアンコールはこちら。



ああ、この曲も大好きなんです!!!

これでも涙ちょちょぎれまくりでしたw


いやぁ、満足でした。本当に素晴らしかったです。

ナムコ特集、しかもレトロなものからわりと新しいところまで、

様々な楽曲が室内楽で演奏されたわけですから。

こういう画期的な演奏をもっとやっていただきたいなぁ、と思いました。


最後ロビーでバイオリン担当の方(メガネをされた方)と少しお話しして握手までしていただきました。

とても嬉しかったです。

シュデンゲンアンサンブルの皆様、ピアノ担当のいずみさん、パーカッション担当の角銅さん、

そしてホールスタッフの皆様、本当にありがとうございました。


また4月に行きます!!







あ、そうそう、少し話がそれますが。

今回の演奏会でピアノを担当されていた「いずみ」さん。

今回の演奏とてもすばらしかったのはもちろんなのですが、

その隣で譜めくりをされていた「かなもえ」さんと二人でピアノデュオを組まれています。

「Izukana(いずかな)」という名前でニコニコ動画に演奏動画をUPされています。

こちらも素晴らしい演奏なので、ご興味ありましたら是非。

(いずかなのお二人から以前公式に「宣伝許可」されたのでw)

※参考動画リンク→http://nico.ms/sm21970990




はぁ・・・今日は本当に楽しかった。