音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

現代音楽を聞く その79

ドイツの現代音楽作曲家、シュテファン・ヴォルペ。

彼の名前を知ったのは、例の如く音楽学校にいた頃です。

 

あの頃はずーっと現代音楽を聞いていた感じですね。

三か月とか四か月とか、ほかの音楽にかまけることなく、

その世界に耽溺していた時期です。

ノイローゼ気味だった、とは私の友人の言葉ですけど(笑)

 

最初に聞いたのは「3声のトッカータ」というピアノ曲でした。

 


Stefan Wolpe, Toccata (1941)

 

やや技巧的でかたい印象を最初受けますけど、

ところどころに遊びの音色もあり、音楽として完成されている感もあります。

 

ジャズ色の強い音楽も彼の特徴で、

彼の作品「無言歌」はその影響が色濃く出たものの一つです。

 


Songs Without Words: I. Vocalise

 

Incidental Music Vol.71

イギリス映画「フル・モンティ」は好きな映画の一つです。

ただ、私の周りでは評価は賛否両論みたいです。

映画にしろ演劇にしろ、

エンタテインメントというものには賛否がつきまとうものですけどね。

のちにミュージカル化もされているようですけど見たことないです(笑)

 

この映画の音楽を担当したのはアン・ダッドリーという女性です。

この作曲家のことは以前ブログで書いたような気もするんですけど、

憶えてないので、やってない態で書きます。

他にも数多くの映画やテレビドラマの音楽も手掛けていますが、

自身もピアニストであり、テクノバンドのメンバーだったこともあるみたいです。

その辺の話は長くなるので割愛します。

 

フル・モンティのサントラもとても好きなんです。

「The Lunchbox Has Landed」という曲も好きなんですけど、

メインテーマでもある「The Full Monty」もお勧めです。

 


The Lunchbox Has Landed - Anne Dudley

Woody Shaw / United【ジャズのススメ 121】

こういうアルバムは自分ではなかなか見つけられないんです。

数多くジャズは聞いてますけど、それでもフォローできない人もいます。

だから、こういう時にジャズ好きの友人知人がいると助かるんです。

 

ウディ・ショウのことはもちろん知ってます。

アメリカのトランぺッターとして80年代まで活躍した名奏者です。

いろいろとアルバムは聞いていたんですけど、

なぜかこの「United」はスルーしていました。

 

United

United

 

 

ウディの演奏もそうなんですけど、

マルグリュー・ミラーのピアノが何だか力強く心地よいんです。

友人におススメされた聞いたアルバムの中で、

表題作「United」ももちろん良いんですが、

「What Is This Thing Called Love」が聞きごたえのあるアレンジになってます。

 


Woody Shaw - What Is This Thing Called Love

ブラスぷらす Op.12

吹奏楽の編曲依頼というのはたまに頂くんですが、

普通の吹奏楽の曲を小編成のものへ編曲するというのがたまにあるんですよ。

どうしても大人数で演奏する印象のある吹奏楽ですが、

団員あるいは部員の少ないところなどは、

楽器を掛け持ちしたり、あるいは独自に編曲を施したりして、

公演するのに耐えうるものを作り出そうと試みます。

 

作曲家が作り上げたものを、自分たちの都合で切り貼りするというのはどうなんだろう、とは私も思うところではあるんですが、この話を始めるとたぶん相当長くなると思いますので、ここでは多くは語りません。

ただ、あんまり気持ちの良いことではないとは思いますけどね。

 

で、小編成、まあ20人程度で演奏するものをやることが多いんですが、

そんな編曲をする際に、以前友人から見せてもらった楽譜の一つが、

清水大輔さんの「永遠(とわ)なる恵み」という楽曲でした。

小編成のために書かれた楽曲ですね。

 


【小編成】永遠(とわ)なる恵み/清水大輔 The Eternal Sounds  Daisuke Shimizu

 

こういう曲を紹介する時に思うんですけど、

私は「変拍子」が大好きなんだなと・・・(笑)

私自身もよく変拍子をアレンジに取り入れることが多いので、

やっぱりひかれあうものがあるんでしょうね、きっと。

 

小編成ゆえに他の吹奏楽曲よりも個々の負担が大きい楽曲ですが、

映画音楽的な印象もあるので、演奏してて気持ちよいはずです。

「ゼルダの伝説 夢をみる島」の音楽の感想 (ネタバレあり)

2019年9月22日の1時50分くらいですかね。

無事クリアしました。

 

ゼルダの伝説 夢をみる島 ARTBOOK SET -Switch

ゼルダの伝説 夢をみる島 ARTBOOK SET -Switch

 

 

 

ここから先は夢島のネタバレ全開で書く予定です。

リメイク版のあらゆることを包み隠さず書きますので、

ネタバレされたくない方はここまで読んだら、

ブラウザの「戻る」ボタンを押してください。

 

ここから先は自己責任でお願いします。

あとから「おい、ネタバレしてんじゃねーよ」と言われても、

当方は一切の責任を負いません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月20日に発売された、

Nintendo Switch版「ゼルダの伝説 夢をみる島」(以下、夢島)ですが、

発売当日は仕事でそれほど触れなかったんですけど、

翌日がお休みだったこともあり、まったりプレイするはずでした。

結局は途中何回か休憩をはさみながら、ほぼ一日でクリアしました。

 

もともとゲームボーイ(モノクロ版)で1993年に発売されたタイトルです。

のちにDX版としてカラー版も発売されましたが、

それでも20年以上の時を経てリメイクされた今作。

以前ほどゼルダファンではなくなったはずなんですけど、

謎解きとかダンジョンの配置とかだいたい覚えていたこともあって、

あれよあれよというまにクリアしてしまいました。

 

最初から「真エンディング」をみるつもりだったので、ノーミスでやりました。

結果、ちゃんと「真エンディング」仕様のエンディングになってました。

 

 

とまあ興奮しながらブログを書いているわけですけど、

音楽面に関して不満がないわけではないんですよ。

(こういうことを書くからゼルダファンから白い目で見られるわけですけど)

 

 

ドラクエ」リメイク音楽論争ってのがあるんですよ。

ファミコンで発売されたドラゴンクエストが、

スーパーファミコンPlayStationゲームボーイスマホに移植されて、

そのたびに音楽にもアレンジが加えられています。

音源がよくなって、よりオーケストラらしい音色も出せるようになったので、

そちらのほうが好まれる、と思われがちなんですけど、

実際のところは「ユーザーが最初に経験したもの」に左右されます。

ファミコンからどっぷりドラクエにはまった人は、

どちらかというとファミコンの音色に思い入れが強くなる傾向が、

スーパーファミコンから入った人は、

ファミコンよりもスーパーファミコンの音色になじみがありますから、

そちらの音色にこそ思い入れが強くなる傾向になります。

 

こういう図式はクラシック音楽のそれととても似ています。

クラシック音楽で最初に聞いたレコードやCDに影響を受けてしまい、

最初に聞いたものを基準としてしまう傾向があるんです。

その傾向がひねくれると、その基準のもの以外は受け付けないようになり、

「テンポが悪い」だの「バランスが悪い」だの、のたまわれます。

そういう人種を、私は反吐が出るほど嫌っています。

(その辺のお話はこのブログの一番最初に書きましたね)

hw480401.hatenablog.com

 

 

おっと、お話がそれてしまいました。

 

 

今回の夢島のリメイクですが、

室内楽的な音色を主軸として楽曲が作られたようです。

今回、夢島リメイクの音楽アレンジをされたのは、

神々のトライフォース2」や「トライフォース3銃士」でも音楽を担当された永松亮さんです。

 ゼルダシリーズの中でもひときわ「名作」と呼ばれる本作ですから、

音楽にも相当気をつかったであろうとは思うんです。

 

 

リメイクのエンディングもオープニングと同様にアニメーションが入るんですけど、

ゲームボーイ版のエンディングを想起させるアニメでとてもよかったんです。

音楽もこれまでの室内楽的な印象とは違ってフルオケっぽい音色も登場します。

 

そして、エンディング曲はオケと原曲が融合した形となっています。

 

とはいいつつ、これまでも冒険内でも、

実はさりげなく原曲の音色が使われているんですけどね。

例えば、最初に主人公が自分の剣を見つけた時の音でも、

後ろのほうでは原曲の音色が鳴り響いています。

そこからファンファーレが鳴ってフィールド曲が変化するわけですね。

あと、タルタル山脈の音楽もそうですね。

最初は弦楽だけで奏されるのですが、後から木管が入ってきて、

曲が展開していくところで少し原曲が後ろで流れています。

徐々に楽器が増えていって、最後は金管も加わり音色が華やぎます。

原曲のあのベルのような音色、「チーン」もちゃんと登場します。

ちなみにこのタルタル山脈の音楽ですけど、

とあるイベントの後になるとさらにバージョンが変化し、打楽器が加わります。

 

 

 

話は大きく変わりますが(笑)、

「星のカービィ20周年コレクション」のエンディング曲、

「バイバイカービィまたあした!」でも使われている手法ではありますね。

あの曲の最後で、初代カービィのエンディング曲が使われるんです。

その使い方が絶妙で、私もプレイしながら泣きました・・・

 

 

トルネコの大冒険」というゲームのサントラが発売されたんですけど、

「音楽の化学」という副題が冠されているとおり、

このサントラは、ゲーム音と生音を融合したスタイルとなっています。

ゲーム音で1コーラス奏されたのち、生音でも同じように演奏される、

という形でサントラが進行していきます。

今聞くとそのつながりはわかるんですが、プレイした当時はわかりませんでした。

そのくらい見事に融合しているんです。

 

 

 

かたや、夢島のアレンジです。

エンディングで原曲を使うというのは正しいと思います。

バイバイカービィみたいに徐々にゲームボーイ版に変わるわけでもなく、

唐突に生音と原曲が交錯するわけでして、

それはそれはとてもうれしいアレンジでしたが、ややツギハギ感は否めません。

それでもコーダ(曲の最後)の矢継ぎ早のアレンジは絶品でした。

原曲→室内楽→やや人数多いバージョン、というコーダの展開は素晴らしかったです。

 

 

あと、謎解き音の音色は最後まで気になりました。

「ソ→ファ#→レ#→↓ラ→↓ソ#→ミ→ソ#→↑ド」というあれです。

ファミコンのころからずっと変わらない、この謎解き音ですが、

今回の夢島リメイクでももちろん使われているんですけど、

その音色がちょっと気になって、最後までなじめませんでした。

原曲の音色も後ろでかすかに聞こえてはいるんですが、

その音色をかき消すようなシンセベースのような音色が響いて、

謎解きの爽快感が少しゆるくなったような気がしました。

 

途中で、今作のヒロイン・マリンと一緒に旅をするところがあるんですけど、

フィールド曲がその時だけ音色変化するんですよ。

通常は弦楽四重奏っぽい音色でフィールド曲が進行していくんですが、

マリンといるときだけ、なぜか「リコーダー合奏バージョン」になります。

このバージョンに変わったとき、ずっとニヤニヤしていました(笑)

すべてはかぜのさかなのみる夢のお話であったとしても、です。

どうやらマリンといるときには音楽が「リコーダー合奏」になるかもですね。

ストーリーすぐ進めてしまったので、確認はしてないんですが・・・

 

マンボウのマンボ」は、なんと子供のコーラス入りです。

最初聞いた時は驚きましたけど(笑)。

ただ、オカリナ版の「マンボウのマンボ」は、

原曲のはきはきした笛の音色ではなく、

すべての音をつなげて演奏していたので(←スラーっていいます)、

音の長さって大事なんだな、と改めて思いました。

 

ラスボス戦は「かぜのさかな」のアレンジですね。

原曲の雰囲気は十分残しつつ、リズム体も加わって、より荘厳さが増しました。

たまごの前で演奏された「かぜのさかな」はちょっとアレでしたけど(笑)

 

 

とまあ、いろいろと書いてきましたけど、

名作を忠実に、今の技術でリメイクされていたので、

昔のゲームをやりこんだ人も十分楽しめる作品になっていました。

音楽面ではやや不満もありましたけど、アレンジはどれもこれも素晴らしいものでした。

個人的には「リチャードのいえ」のアレンジが好きです。

木琴でメインテーマが流れるんですけど、ミュートトランペットが合いの手を打つように奏でる音色がすごく好みでした。

あと「カナレットのしろ」「ダンペイのいえ」あたりも好きですね。

 

音楽に関しては、往年のファンがニヤリとする仕掛けも随所に転がっていて、

それを見つけるのもたのしいかもしれません。

 

まだ冒険は終わってないんですが、一区切りついたので、

私は引き続きモンハンも並行してやります(笑)

現代音楽を聞く その78

ドイツの作曲家、ハンス・エーリヒ・アポステル。

たぶん、日本ではほとんど彼の楽曲は演奏される機会がないようです。

私が知らないだけで、実はコンテンポラリー界隈では演奏しているかもしれませんけど、少なくともここ数年で演奏曲目に彼の名前は無いように思います。

 

最初に彼の作品で聞いたのは、

たしか「ハイドンの主題による変奏曲」だった気がします。

 


Hans Erich Apostel (1901-1972): Haydn variations op. 17 (1949)

 

古典派音楽の大家の一人であるハイドンのテーマを、

現代音楽に落とし込んではいますが、それほど難解ではない感じです。

もちろん「難解」という定義も人によってまちまちでしょうけど・・・

 

あと、彼が師と仰いでいたアルバン・ベルク組曲「ルル」の曲を変奏曲にしたもの、

「ルル変奏曲」もちょくちょく聞いていました。

まあ、変奏曲を聞くなら原曲の「ルル」を聞くべきかもですけど(笑)

 


Alban Berg: Variations from "Lulu" (1935)

 

Incidental Music Vol.70

ミュージカル「回転木馬(Carousel)」は、「サウンドオブミュージック」など数多くの作品を手掛けた、オスカーハマースタイン2世とリチャード・ロジャースによって作られたミュージカルです。

サッカーファンだと「You'll never walk alone」が有名ですよね。

この曲の出自はこのミュージカルとなっています。

 

ただ、このアリアももちろん大好きなんですが、

「If I loved You」というデュエット曲がとても大好きなんですよ。

 


Carousel - 1956 - If I loved you duet.

 

こちらはミュージカル公演後に映画化されたものですね。

実は映画版、見たことないんですけど(笑)

稀代のメロディスト、リチャード・ロジャースの面目躍如といったところでしょうか。

とても美しいメロディですが、歌うの大変そうだなと思います・・・