音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

現代音楽を聞く その75

フランスの現代音楽の作曲家、ブリス・ポゼ。

私が大分大人になってから聞き始めた作曲家の一人ですが、

その作風は以前紹介したイギリスの作曲家、ファーニホウを思い起こさせます。

 

最初に聞いたのは「チェンバロのための6つの前奏曲」だと思います。

作曲者本人によるチェンバロの演奏で聞いた、はずです(笑)

 


Six Préludes pour clavecin: I. Instabile, a tempo giusto

 

作品としてはたくさんのジャンルにわたっています。

交響曲や協奏曲、あるいは器楽独奏曲や室内楽まで多岐にわたります。

 

オーボエとアンサンブルのための8つのカノン」は、

オーボエ・ダモーレのために書かれた小品です。

 


Brice Pauset - Huit Canons - Pour Hautbois D'Amour Et Ensemble (1998)

 

どちらかというと緊張感をはらむ音色の中にも柔らかな色合いが垣間見えて、

個人的には聞きやすい部類に入るのかなぁ、と思ったりしますが、

個人的感想なのであてにしないほうが良いと思います(笑)

Incidental Music Vol.67

その昔。

今から20年以上前になります。

当時、アメリカ留学真っ只中だった私は、

1つの作品を友人に頼まれて作成することになりました。

 

QUINTETQUINTET!」と題されたその作品は、

エニックス社(現スクウェア・エニックス)が販売を手掛けていた、

開発会社クインテットのゲームのメドレー曲です。

その名の通り五重奏曲(QUINTET)として、私が編曲を施したものです。

 

 

以上の4タイトルから街の曲をセレクトしてメドレーにしました。

クライマックスではこれら4つの曲をフーガ風に同時演奏するという、

若気の至りを地でいくアレンジをやってました。

今ならこんな冒険はやらないと思います(笑)

 

ピアノ、ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1という構成です。

後に、別の友人から木管五重奏へリアレンジもさせられましたけど・・・

 

 

当時スーパーファミコンSFC)から次世代機へと移行する時期で、

SFC活躍末期の良質なゲームが数多く排出された時代でもありました。

クインテットというゲーム開発会社が手掛けたゲームは、

私の中では今も燦然と輝き続けている作品群の一つです。

 

 

実は5年ほど前にクインテットゲーム音楽メドレーを、

海外から委嘱されてフルオケでアレンジをしたんですけど、

諸般の事情により、演奏されることなく譜面も闇に葬り去られました。

たぶん、まだボストンに譜面残ってるかもしれませんけど(笑)

 

 

とまあそんな感じで何かとご縁のあるクインテットのゲームですが、

一番やりこんだのは「ソウルブレイダー(Soul Blazer)」でしょうか。

 


Soul Blazer OST 03 Lonely Town

 

作曲を手掛けられたのは、

日本のプログレバンドの草分け的存在「ゴダイゴ」のタケカワユキヒデさん。

こちらのゲーム音楽の制作でいろいろと苦労されたみたいですが、

出来上がった音楽群はどれもこれもメロディアスで、

そのまま歌詞をのせてもそん色ないクオリティとなっています。

 

まあ、実際エンディングテーマは歌詞付きでご本人が歌われてますけど(笑)

(オリジナルサントラに収録されています)

Herb Ellis / Nothing But the Blues【ジャズのススメ 117】

アメリカのジャズギタリスト、ハーブ・エリス

 

このブログでもジャズギタリストをたくさん紹介していますが、

その中でいうと、彼はそれほど注目された演奏家というわけではありません。

なんて書くとファンの人に怒られそうですけど(笑)

あくまでも私の周りのお話ですので・・・

 

Nothing But The Blues

Nothing But The Blues

 

 

 

このアルバムに参加しているテナーサックス奏者のスタン・ゲッツ

あるいはピアノのオスカー・ピーターソン

さらにはベースのレイ・ブラウンなど、

ファン垂涎のメンバーによるブルースジャズアルバムになっています。

 


Herb Ellis_Pap's Blues

 

このアルバムは私が若かりし頃に出会ったアルバムでして、

当時はそれほど熱心に聞いていたわけではないんですけど、

こうして年を重ねて、このアルバムの良さがわかってきた気がします。

あくまでも「気がするだけ」ではありますけど(笑)

 

ブラスぷらす Op.08

ベルギーの作曲家、ヤン・ヴァン=デル=ロースト。

吹奏楽ブラスバンドなどの楽曲で知られていますが、

私もその御多分にもれず、吹奏楽でその名を知りました。

日本の複数の学校で教鞭をとっているということもあり、

現在でも結構な頻度で来日されています。

 

 

カンタベリー・コラール」は、

私が吹奏楽を聞き始めた頃に出会った楽曲です。

 


ヤン・ヴァンデルロースト/カンタベリー・コラール

 

コラールというのは讃美歌と訳されることも多いですけど、

教会などで合唱隊などが荘厳な雰囲気の中で歌うようなもの、

と想像してみると「ああ、あれね」と思われる方も多いと思います。

 

ゆったりとした曲調です。

吹奏楽曲ですけど、後ろでコーラスが聞こえてきそうな感じですよね。

その緩やかな雰囲気に比して演奏難度は比較的高い気もします。

生で聞いたときは涙でまくりでした(笑)

帰国後

昨日の夜、無事帰国しました。

なんだかんだで長いプロジェクトになってしまいましたけど、

ようやくすべての工程が終了となりました。お疲れ様でした。

期間中いろいろとお誘いいただいたのに、

こちらの都合でお断りしてしまった皆さま、申し訳ございませんでした。

 

年末まではアレンジ仕事は休養期間とさせていただきます。

とはいえ、お仕事は昔からの知り合いからの依頼限定なので、

ブログやSNS経由で依頼されてもすべてお断りしてるんですけど(笑)

 

 

前によくSNSとかで依頼を頂いたことあるんですよ。

「〇〇というゲームの曲をピアノアレンジしてください」とか、

「××というアイドルの曲をEWIで演奏したいので簡単な譜面にしてください」とか、

お声掛けいただくのは大変ありがたいんですけど、

そうした依頼に対して、当方からはお断りの連絡をしています。

「相応のお支払いをしますから!」というのもあって、

一瞬心が揺らぎましたが(笑)、ネット対応はしてないんです、すいません。

 

 

無料でゲームが出来たり電話出来たりする昨今、

こうした編曲業務に対して、対価が発生するものだ、

ということをあまりご存じない方もわりといらっしゃいます。

「ちょちょいと書くだけなんだから、タダで」

なんて言われると、そいつの家に怒鳴り込みたい衝動にかられます(笑)

頭脳労働、というと聞こえはいいですけど、

結局は五線紙に音符を書かないと対価が発生しない商売なので、

その「ちょちょいと書く」のにどのくらいのカロリーを消費するのか、

そうした想像がなかなか働きにくいお仕事であることはわかるんです。

でも、譜面をおこすというのは、

それだけで結構大変な作業ではありますし、実際苦労も多いです。

SNSなどでポンポンと自作の譜面をUPしたり、

あるいは自作の、あるいは編曲した演奏動画などを見ることもありますが、

そうした手軽に自分の作品を見せることが出来ることが、

こうした「無対価」の風潮を助長しているような気がしなくもありません。

まあ、私もそういう演奏動画を昔UPしてたりしましたけど・・・

(今はすべて削除してしまってます)

 

 

帰国のあいさつをするつもりが、いつの間にか変な論旨になってますけど、

まあ、たまにはこういうのもありかも、ということで。

 

というわけで今日からサラリーマンに戻ります。

オールクリア

オールクリア、っていうと、

水曜どうでしょう」の東北2泊3日生き地獄ツアーで、

大泉洋さんがベッドの上に正座して、

「問題なし!すっきりした。オールクリアです。ノープロブレム」

といったシーンを思い出します(笑)

(「腹を割って話そう」で有名なシーンですね)

 

 

 

そんなどうでもいい情報はさておき。

 

 

 

本日、ようやく全ての作業が終了となりました。

足掛け9か月弱にわたって行ってきたものがすべて形となると、

ちょっとさびしいような、でもやっぱりうれしいような、

そんな変な気持ちのままパソコンに向かっています。

なんなんでしょうね、この気持ち。

開放感はもちろんあるんですけど、一抹の不安もあるんですよ。

「もっとこうすればよかった」とか、

「あそこはあんな感じじゃなくてもう少し手直しできたかも」とか、

全て出来上がった後で、その建造物を壊したくなる衝動とでもいうんでしょうか。

 

とにもかくにも、無事に終わりました。

というわけで、はよ帰国準備しなければ・・・

続 フランスへ 

本日の夜に渡仏します。

 

それだけの連絡なんですけどね(笑)

 

 

思えば昨年の11月あたりからずっと3つの仕事にかかりきりで、

書いた譜面は広辞苑の分厚さほどにもなりました。

それだけの譜面をこの8か月ほどで書き上げたわけで、

「一生分の仕事を一年足らずでやり切った」感じもしますが、

もうアレンジしたくない、とは思わないんですよね、ふしぎなことに。

 

今年いっぱいは新規のお仕事はすべてお断りさせていただいているんですが、

それよりもなによりも、来週帰国後からは、

封印していたあれやこれやを楽しむことが出来るわけで、

それがほんとうにうれしいんですよ。

もともとナマケモノですし、勤勉とは程遠い生活をしていた私ですけど、

今年はいろいろな機会に恵まれて、

映画音楽をはじめとした映像音楽の編曲を手掛けることが出来ました。

自分のスキルも数段アップしたように思えますが、錯覚かもしれません(笑)

 

ともあれこれでしばらくはのんびりと過ごせそうです。

ケイデンスオブハイラルやらマリオメーカー2やら、

はたまたたまっている文庫本を読みふけったりできると思うと今から興奮します。

ちょこちょこと、知人の手掛けたアレンジを手直ししたり、

ストリングスアレンジのみやらせてもらったり、といった、

細々したお仕事は残っているのですが、無視します(嘘です)。

 

今後も五線紙から離れる生活とは無縁になりそうな気配ですが、

今年いっぱいは羽を伸ばして、ゆるりと過ごそうと思っています。

 

 

では、行ってきます!

(フライトは夜なんですけど・・・)