音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

今のおんがくのおしごとのはなし

普通にサラリーマンやってます、というと少し語弊があるかもしれませんけど、

平日はずっと空港に缶詰めになって仕事をしてます。

 

その合間だったり、家に帰ってからアレンジャーとしての仕事をしてます。

私のようなフリーランスの人間は、

「いつ仕事がなくなるかわからない」という危機感を持ち合わせているので、

よほど好きな仕事でもない限りは、

これだけで食っていくというのはなかなか難しいです。

 

今も3件ほどアレンジの仕事をしています。

 

以前にも書きましたけど、

私自身はジャズの人という認識を持っているので、

クラシカルなアレンジやポップなアレンジというのは、

どちらかというと苦手な部類に入ると思います。

「来た仕事はすべて受ける」ほど人間が出来ているわけじゃないんですけど、

与えられた仕事は、自分のでき得る範囲内で最大限努力をすることにしています。

当たり前の話なんですけど(笑)。

 

 

今は、ゲーム関連の人とは少し距離を置いていることもあって、

そうしたお仕事は依頼があったとしても断っています。

そう、「来た仕事はすべて受けない」人です。

選り好みが出来るほど仕事が舞い込んでくるわけではないんですけど、

あの業界の人とは、以前すったもんだがあったこともあって、

極力近づきたくない、というのが正直なところです。

 

どの業界でもあることなんでしょうけど、

私がその仕打ちを受けたのは奇しくもゲーム関連での出来事でした。

いい人もたくさんいることはわかっていますが、

いい人ではない人(って日本語おかしいですけど)もたくさんいます。

あの時は「これ以上関わるとゲーム音楽が嫌いになる」と思って、

早々に仕事を他の人に譲ったのを今事のようにおぼえています。

あの業界もアレンジャー供給過多状態ですし、

私はもう少し別の分野で腕を磨きたいと考えています。

 

秋にやるジャズフェスのアレンジ仕事が1件。

あとは某ギャンブル業界(玉をはじいたり、3つのボタンを押してたりして出玉を増やしたり減らしたりするアレです)からの仕事が1件。

もう1件はここでは書けませんけど、とある名曲のアレンジをしてます。

 

日本に戻ってきて20年近くが経ってますけど、

少し途切れがちになりながらも、こうしてお仕事が出来ているのは、

私の人徳によるものなのでしょうね、きっと(笑)。

ま、冗談はさておき。

今もこうして、何も書かれていない五線紙に向かうことが出来るのは、

やっぱり嬉しいものです。

 

これからもマイペースで続けていこうと思います。

ゴルトベルク

 

またバッハの話ですいません。

 

先日テレビで細田守監督の映画「時をかける少女」をやってました。

なんだかんだで、私はその放送見られなかったんですけど(笑)。

 

で、この映画のBGMとして効果的に使用されているのが、

J.S.バッハの「ゴルトベルク変奏曲」です。

最初と最後に奏でられる「アリア」

最初のアリア、そして30変奏まで続いた後、最後にアリアが再び現れる、

という構成になっています。

 

変奏曲とはなんぞや、と聞かれることも多いんですけど、

「一つのメロディ(主題)を用いて、リズムや拍子、和声や調性などを変えることによって変化を付けたもの」の総称です。

と言われてもよくわからないと思いますけど、

転調したり早さを変えたりしてメロディの変化を楽しむためのものです。

 

 

私がクラシック音楽を聞き始めたのは少し遅かったのですが、

この曲も練習した、いや、練習させられたことがあります・・・

この曲で対位法の基礎と応用を勉強したといっても過言ではありません。

 

いや、これだけではないんですけどね(笑)

 

教則本のごとき完成度を誇るこのゴルトベルクは、

今聞いてもいろんな発見があって飽きることがありません。

 

最初にグールドの演奏を聞いてしまったこともあって、

私の中の標準が彼になってしまったのはアレですけど、

最近よく聞いているのはイタリアのバッケッティの演奏です。

 


Andrea Bacchetti,pianoforte - Variazioni Goldberg - J. S. Bach

 

これもなかなか癖のある感じで賛否あるかもしれませんが、

こういう個性のある演奏のほうが私は好きなのかもしれません。

 

いや、個性がないのがダメってわけじゃないですけど(笑)

Sonny Stitt quintet / Sonny Stitt Plays【ジャズのススメ 69】

ジャズ・アルトサックス奏者のソニー・スティットのアルバムで、

たぶんこれを一番聞いていると思います。

 

Sonny Stitt Plays

Sonny Stitt Plays

 

 

オリジナリティがどうとか、疾走感がどうとか、

そういう陳腐な感想を言うのもはばかられるくらいに、

とても情感のあるA.Saxを聞かせてくれます。

わきを固めるメンバーもかなりの粒ぞろい。

聞いてて心地よくなります。少なくとも私は。

 


Sonny Stitt Quintet - The Nearness of You

Incidental Music Vol.18

私の音楽成分の何割かは、久石譲さんで出来ています。

物心ついたころからずっと聞いてきた作曲家のお一人ですし、

宮崎駿監督のアニメなどでもその名前を知られています。

 

NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体」。

その初期のシリーズの音楽を担当されていたのが久石さんでした。

深遠なテーマに寄り添った音楽で、

当時の私はその音楽を聞きたいがために番組を見ていました。

 

全てのシリーズ、すべての音楽大好きなんですけど、

そのなかでもシリーズ第2回「脳と心」のEDが印象的です。

サントラでのタイトルは「Principle of Love」。

直訳すると、愛の原理となりますね。

 


久石 譲 【PRINCIPLE OF LOVE】

 

一度でいいから、この曲を生で聞いてみたいんですよね。

いろいろな問題があって生演奏は難しそうなんですけど・・・

現代音楽を聞く その28

ルネ・レボヴィッツの名前は指揮者で知りました。

ベートーヴェン交響曲の指揮だったと記憶しています。

 

そんな彼は、教育者としても一流でした。

門下には現在も知られる音楽家がずらりと並びます。

そして、作曲家としてもよく知られています。

 

いろいろと紹介したかったんですけど、

弦楽四重奏曲で秀作をたくさん残しています)

最初に聞いた「トロンボーンとピアノのための4つのバガテル」にします。

 


René LEIBOWITZ, 4 Bagatelles pour trombone et piano op. 61 (1961)

東京五輪音頭

私の母がよく歌ってたんですよね、東京五輪音頭。

「♪ソレ トトント トトント 顔と顔~」

サビのところを繰り返し歌っていた記憶があります。

なので、出だしがわからなかったんですけど(笑)。

 


「東京五輪音頭&東京五輪おどり」 三波春夫

 

作詞は宮田隆さん。

謡曲ではそれほど有名ではなかった作詞家さんだそうですが、

この東京五輪音頭で一躍有名になられたのだそうです。

作曲は古賀政男さん。

歌謡界を代表する大作曲家のお一人ですね。

美空ひばりさんの「悲しい酒」、近江敏郎さんの「湯の町エレジー」など、

音楽界の末端にいる私からすると巨匠中の巨匠ともいえる作曲家です。

 

大阪万博での「世界の国からこんにちは」で良く知られる三波春夫さんが歌ってます。

彼の代表曲の一つともいえるのですが、

実はこの東京五輪音頭が出来た当初に歌っていたのは三橋美智也さんなんですよね。

 


三橋美智也 東京五輪音頭

 

三橋美智也さんと言っても知らない方が多いと思いますけど、

私の中では「ゴエモン音頭」の人という印象が強いんですよね(笑)。

SFCで発売されたゲーム「がんばれゴエモン」のテーマソングです)

あと、明治製菓の「カール」のCMソングとかもそうでしたね。

「♪はぁ~おらが~も~」から始まって「♪いいもんだな~ふるさ~と~は~」

で終わるアレです。

タイトルも「いいもんだな故郷は」、まんまですね(笑)。

 

2年後に東京で開催されるオリンピックを記念して、

動画サイトに「東京五輪音頭2020」なるものがあがっています。

石川さゆりさんや加山雄三さん、そして竹原ピストルさんという、

なかなか異色な顔合わせで、懐かしの曲を聴くことが出来ます。

歌詞がまああれですけど(笑)。

 

その動画と母の歌声がピタリと重なって、少し聞きたくなったんです。

 

7月11日

任天堂の元社長であり、
いわっちという愛称で知られる岩田聡さんがお亡くなりになって今年で3年となります。

3年前の今日、私はロンドンにいました。
その仕事中に岩田社長の訃報に接したのです。
訃報を知って数時間後には機上の人となり、
そのまま京都へ向かっていました。
何が私をしてそうさせたのかは今になってもよくわかりません。
ただ、涙を流しながら飛行機に乗っていたことは覚えています。

遠くから葬儀を見守り、本社に向かって手を合わせてから、
そんなに経っていたのかと思うと、時の流れの残酷さを思わずにはいれません。

晩年の岩田社長のお姿を見るにつけ、未だに胸を締め付けられてしまいます。
これほど社外で愛された社長っていなかったんじゃないでしょうか。
今でも時々ネット動画などでお元気な姿を見ていると、
泣き笑いの表情になっている自分を自覚してしまいます。

3年がたった今でも、やっぱりこの日は特別な思いがこみ上げます。