音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

不読書の年

唐突なのですが、
今年はあまり読書をしない年、「不読書の年」にしようと画策しています。
画策、というと不穏な響きかと思うんですが、文字通り画策しているのです(笑)

実は昨年一年間、ゲーム音楽やその演奏会から少し距離をおいていたんですね。
「好きなものから一度離れてみることも必要である」という言葉をどこかで耳にして、
自分が好きな物を断つというのはどういう心境なのだろうと、
半分興味本位でやってみたんですが、意外と長いこといけたんですよ。
結局いまは普通にゲーム音楽を聞くようになったんですけどね。

でまあ、私ももう一本の柱でもある「読書」を今度はやめてみようかなと。

特に目的を持ってやめるというわけではなくて、
単にやめたら何か自分の中で変わるのかな、と思っただけなんです。
あと、読書をしている時間を他のことにあててみたいとも考えました。


活字中毒、だと思ってたんですが、
今年に入ってから2冊程度しか本を読んでません。
意外と中毒ではなかったんだな、と胸をなでおろしているところです(笑)

読書をしない、というわけではなく、少し控えてみようということです。
前述の通り、「好きなものから一度離れてみる」と、
また違った一面が見えてくるかもしれないからです。


好きなものがずっとそこにある、という確かな保証なんてあるわけじゃないですし、
それが無くなってしまったときに人はどういう気持ちになるのだろう、と。

ここまで書いて思い出したのは、
任天堂の前社長である岩田聡さんが亡くなった時のことです。

私はその時ロンドンへ出張に行ってました。
つまり海外で岩田さんの訃報を知ったんですね。
(このあたりのことは以前にもブログで書いてますのでそちらもごらんくださいませ)
そして私は号泣しました。声を出して泣きました。
そのくらいに唐突でしたし、そこにいることが当たり前だと思っていたので、
その存在がふと消えてしまったときの虚無感みたいなものは今でも心の隅に残ってます。
訃報を知った日に帰国を決断し任天堂の本社がある京都まで行ったのが、懐かしく思います。


こんな理由で、好きなものから一度離れてみようというのは、
いささか単純に過ぎるかもしれません。
読書も大好きですし、ゲームも、そして音楽も大好きです。
そんな大好きなものに囲まれすぎていて、それが当たり前になってしまっていること、
その事に少し危機感をおぼえてしまったんですね。
当たり前なことが当たり前じゃなくなる時がきっと来るんだろうなと。

だから今のうちに慣れておこう、ということじゃないんですよ。
当たり前なことを当たり前じゃないんだと自分に根付かせる、というと大げさですが、
そういう意識を心の何処かに持っていないと、きっといつか折れてしまう気がするんです。




とまあウダウダと書いてしまいましたが、
そんなこととは関係なく(笑)、読書を控える年にします。
もう少し心の余裕を取り戻せたら、来年からはまた年間100冊を目指します

NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」のサウンドトラックのお話

以前このブログで大河ドラマの音楽のことを書いたことがあります。

 

もともと大河ドラマ自体それほど好きではなかったはずなのですが、

歳とともにこういう時代物を好んで見るようになってしまいました。

悲しくはないんですけど、時の流れを痛切に感じます(笑)。

 

今年の大河ドラマ「おんな城主直虎」見てます。

 

昨年の真田丸がとてつもなく面白かったので、

制作側もプレッシャーを感じまくってたのかもしれませんが、

脚本も音楽もとても好感のもてる、いいドラマです、今のところは。

私はドラマのオープニングの映像と音楽の虜になってしまいました。

というわけで、先日発売されたサウンドトラックを購入した次第です。

 

NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」 音楽虎の巻 イチトラ

NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」 音楽虎の巻 イチトラ

 

 

これまでのNHK大河ドラマの例に漏れず、

今作もオープニング音楽の演奏はNHK交響楽団です。

しかも指揮はあのパーヴォ・ヤルヴィ、ピアノはラン・ラン。

何という豪華な布陣でしょう。

菅野サウンドをこんな人達に演奏されたら良くないわけがありません。

 

某作曲家の方がTwitter

「フランスの印象派を思わせる音楽」という感想をつぶやかれていました。

私もその点については同意見です。

随所にアメリカ音楽とかロシア音楽の片鱗も垣間見えますが、

収録されているピアノソロ曲を聴いてみるとその印象はさらに顕著になりました。

これ、どこのドビュッシーが作ったんや、と思わず心のなかでツッコンだのはご愛嬌。

 

菅野よう子さんのオーケストレーション

実は少し苦手だったんですけど、今作はかなり洗練されていると思います。

特に後半のN響による4曲(ほぼattacca)はずっと通勤中に聴いてます。

※今週末の某イベントのためにここ最近はずっとプログレを聴いたんですが(笑)

 

そして、雅楽にオケ伴奏を付けてみたり、

かと思いきや「竜宮小僧のうた」ではヴォーカル曲まで使っています。

このあたりのなんでもござれ感は、やはり菅野さんの持ち味ですよね。

私も菅野さんといえば、

どんなジャンルでも関係なく作る人という印象も多少は持ってますけど、

やはり歌曲の印象が強いんです。

 

テーマ曲のピアノ協奏曲、というかほぼピアノ演奏し続けてますけど(笑)、

映像と相まってとっても心地よく感じるんですけど、

大河ドラマのテーマ曲としてはどうなんでしょうね。私は大好きですけど。

某信長が主人公のゲームのオープニングの方が大河に合ってるという声も、

放送当時には散見されましたけどね。

 

ドラマの今後の展開も、音楽もとても楽しみです。

 

 

 

 

あれから22年

阪神淡路大震災から今日で22年目となりました。

震災当時は私も地元にいて、あの揺れを経験しています。
近くの小学校まで歩いて避難したことや、
しばらく真っ暗な校舎で過ごした時、
廊下や教室に電気が復旧してパッと明るくなったときの歓声など、
当時のことを今でも色濃く思い出すことが出来ます。

あれからもうすぐ四半世紀が経とうとしているんですね。

天災は忘れたころにやってくる、と言われていますが、
確かにあの震災は、防災とか治安とかが想像の域外にあった頃唐突に起こったものです。
当時の神戸の人達にとって地震は縁遠い存在だったんです。
地震なんて起こるわけがないという根拠のない自信めいたものがずっと頭の片隅にあって、
それがものの見事に打ち砕かれた、というわけです。

私も知り合いを何人かこの震災で亡くしていますし、
直接的に震災が影響したのかどうかは分かりませんが、
学校時代の恩師もその震災の後、鬼籍に入られました。

人の存在そのものが消えてなくなってしまう、という事象は、
この震災以後とても身近なものとなってしまいました。
身近に感じるということ自体が、ひとつの欠陥みたいに思えてならないのです。
間違っているのか間違っていないのか、ということではなく、
人としてこういう感じ方をすることはどうなんだろう、という気持ちですかね。

そんなことをごちゃごちゃと感じながら今日を過ごします。



Kenny Burrell / Midnight Blue 【ジャズのススメ 18】

表題曲である「Midnight Blue」が大好きなんです。

他の曲も好きではあるんですけどね。

 

ジャズギタリストであるケニー・バレルの奏でる音色は、

ジャズというよりもブルースという言葉の方がお似合いかもしれません。

私の大好きなアーティストの一人です。

 

Midnight Blue

Midnight Blue

 

 

もう一曲あげるとすると「Soul Lament」ですかね~。

いや、「Saturday Night Blues」も捨てがたいです。


Kenny Burrell - Midnight Blue

 

Focus / Hamburger Concert 【プログレ古今東西1】

プログレッシヴ・ロックのことを書いてみたいと思いました。

もともとジャズ好きは自認しているのですが、

ジャズの後にハマったのがクラシック音楽だったんですね。

 

そんな時にふと聞こえてきたのが、

ギターとハモンドによるブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」の旋律でした。

クラシックにハマり始めた頃に聴いたそのギターの音色が、

Focusというプログレバンドのギタリストでもある、

ヤン・アッカーマンのものであると知るのは随分と後のことです。

 

BGMとしてFOCUSの「Hamburger Concerto」を選ぶセンスにも脱帽ですが、

私をプログレへといざなってくれたバンドのひとつでもありますし、

(最初はベタですけどキング・クリムゾンとかイエスとか聴いてました)

やはりインパクトという意味ではとても強かったんでしょうね。

今でもたまに聞きたくなる名盤だと思います。

 

Hamburger Concerto

Hamburger Concerto

 

 

聴きたい方はアルバムを持っている私に連絡いただくか、

自力でググって動画を検索していただくことを推奨します。

出来ればアルバム全部を10周くらい聴いて欲しいところです(笑)。

2017年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

こちらのブログでは新年一発目となります。

もう片方のブログはまだ今年に入ってアクセスすらしてませんが 笑

 

こちらでは割とホンネに近い形で書いているつもりです。

もう一方のブログがホンネではないわけじゃないんですけど、

こちらはTwitter連携をしていないこともあって、

なんでも書けてる気がします。

私のモラルの範囲内で、ということですよ、もちろん。

 

今年もマイペースでまったりと、

ジャズをメインにいろいろと書いていけたらなと思ってます。

 

本年もよろしくお願いいたします。

Herbie Hancock / Maiden Voyage 【ジャズのススメ 17】

モードジャズといえばマイルス・デイヴィスなんでしょうけど、

私にとってのモードジャズはハンコックなんでしょうね。

「なんでしょうね」と言ったのは、自分でもよくわからないからです(笑)

 

ハービー・ハンコックのアルバムの代表格のひとつとも言える、

このアルバム「Maiden Voyage」、

日本語で言うと処女航海と言えばいいんでしょうか。

 

Maiden Voyage

Maiden Voyage

 

 ハンコックのアルバムって一口にジャズと言い切れないところがあって、

このアルバムもどちらかというとジャズ寄りではあるものの、

コンセプトとしてはジャンルにとらわれていない自由な印象すらあります。

そこが気に入ってるところのひとつでもあるんですけどね。

 

ジャズという分野ではおさまりきれないところに彼はいます。

いろんな音楽を取り込んで新しい音楽を提供していく。

まさに私が理想とするところを体現しているのがハービー・ハンコックです。

彼の音楽に惹かれてしまうのはそういうところもあるんでしょうね。

 

ただ、彼の中期以降の作品よりも、

「Speak Like a Child」「Empyrean Isles」などの

60年代の彼の音楽に、より興味を持ってしまうのは、

そういう過渡期のハンコックとは違う面を垣間見ることが出来るからかもしれません。

 

まあ、彼の奏でる音楽はすべて受け止めている、という自負だけはあるんですけどね。

あくまでも主観的に、ではありますけど。

 


Herbie Hancock - "Dolphin Dance"(Maiden Voyage,1965)