音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

坂道

「この坂をのぼるたび いつもため息をついた」と言ったのは、

グレープ時代のさだまさしさんが作られた「無縁坂」です。

 

坂道にまつわる歌ってたくさんあります。

今の時代だと、乃木坂や欅坂といった、

坂道の名前が付いたグループが人気になってますね。

つい先日も新しく「日向坂」っていうのもできたそうで。

 

香西かおりの「無言坂」、

福山雅治の「桜坂」、

Do As Infinityの「陽のあたる坂道」、

くるりの「坂道」、THE ALFEEの「坂道」。

(以上、敬称略)

私がサッと思いつくだけでもこのくらいあります。

 

「この長いながい下りざかを~」とうたったのはゆずの「夏色」です。

歌詞にもたくさんの坂が登場します。

ゲーム「アイドルマスター」の人気キャラ、三浦あずさの歌う「隣に・・・」にも、

「この坂道をのぼるたびに~」という歌詞が出てきます。

 

坂、つまり傾斜のある道というのが恋愛や人生に例えられやすいのでしょうね。

上り坂が辛く苦しいものの象徴となることも多いですけど、

下り坂というのも得てしてあまりいいイメージはないような気がします。

 

 

こんなことをふと思ったのは、

昨日たまたま聞いた「国境のない時代」という歌を聞いたからでしょうね。

坂道AKBというスペシャルユニットでリリースされた楽曲です。

 

最近の楽曲も結構聞いてます。

ネット配信でも楽曲を購入できるのがとても便利ですよね。

「国境のない時代」も某配信サイトで購入して聞いてました。

昨日とある動画でたまたま流れていたのがこの曲だったので、

久々に聞いているんですけど、いい曲ですよね。

歌唱力は、まあ、あれですけど・・・(笑)

 

秋元康さんが歌詞を書かれた楽曲はこれまでもたくさん聞いてるはずですが、

この詩の歌詞もすごいよなぁ、と思いました。

昨日聞いていたラジオ特集「松本隆三昧」でも思いましたけど、

ベテラン作詞家さんの描く世界って本当にすごいですよね。

 

それぞれの土地からここまで集まってきた

ほら 世界は一人じゃない

 

楽曲はこの歌詞で終わります。

 

海外で生活していた頃に痛切に感じたことを、

この2行で言い表していて、なんだか見透かされているようにも感じますが、

おそらくはそうした意図で書かれた詩ではないんでしょうけど、

少し心にトゲが刺さったような気持ちになります。

Incidental Music Vol.48

私の母は二時間ドラマが大好きです。

 

今の方だと、出演者のキャリアなどから犯人を早い段階で当てる、

というのがセオリーみたいになっているようですけど、

当時同じようなことをうちの母親も考えていたようです(笑)

 

毎週火曜日夜9時から放送されていた「火曜サスペンス劇場」。

私の母も当時VHS(ビデオテープ)に録画してみていました。

 

岩崎宏美さんの「聖母(まどんな)たちのララバイ」や

高橋真梨子さんの「ごめんね・・・」、

あるいは、一青窈さんの「ハナミズキ」などが主題歌として使用され、

その歌を聴きながらスタッフロールを見るのがならわしでした。

 

で、火曜サスペンス劇場といえばやっぱりこれらの曲ですよね。

 


火曜サスペンス劇場 フラッシュバックテーマ

 


火曜サスペンス劇場 アイキャッチ

 

上はオープニングで流れていた「フラッシュバックテーマ」と呼ばれるもの。

そして、CM前に挿入されていたのが「アイキャッチ」でした。

 

この曲、もちろん作曲されている方がいるわけですけど、

意外と知られていないんですよね。

それに15年ほど前に「火曜サスペンス劇場」自体が終了したので、

今の若い人はこのメロディすら知らないらしいです・・・

世代ってやつですね(笑)

 

作曲されたのは木森敏之さん。

映画やテレビなどの映像音楽の分野で活躍されていた方です。

上述の火曜サスペンス劇場の最初の主題歌でもある、

岩崎宏美さんの「聖母(マドンナ)たちのララバイ」も、

作曲と編曲を手掛けられています。

(この曲、実はいろいろといわくつきなんですけどそれはまた別の機会に)

 

私も当時彼の編曲テクニックをいろいろと分析していました。

残念ながら40歳という若さで亡くなってしまったんですけどね。

もっと活躍を見たかった、そんな音楽家さんです。

Sophie Milman / Take Love Easy【ジャズのススメ 96】

 

Take Love Easy

Take Love Easy

 

 

女声ジャズヴォーカルものは久々ですね。

 

ソフィー・ミルマンのアルバムは、

私ではなくジャズピアニストである友人推薦のアルバムです。

古き良きジャズ、というとちょいと爺臭いかもしれませんけど、

そんなにおいをこのアルバムには感じます。

 

私はAmazon Unlimitedで聞いているんですけど、

友人はアルバムを購入して聞いているそうです。

 

どの曲もおすすめですけど、

ソフィーの感性を感じるのはラストの「Where do you start?」ですね。

 


SOPHIE MILMAN Where do you start ?

 

雪の降る夜にホットワインでも飲みながら聞くには、

とっても雰囲気のあるアルバムだと思います。

私はお酒全く飲めないですけど・・・(笑)

Articulation

業界人ぽい言葉をなるべく使わないように心がけています。

このブログでもそうです。

でも、プロとして音楽で飯を食べていた時代もあったので、

そのころ口癖のように使っていた言葉ってなかなか抜けないものです。

たとえばハ長調って日本語だと3文字で済むのに、

C major(英語)だったりC-dur(ドイツ語)だったり使うことが多いです。

私自身が滑舌悪くて、サ行とタ行が多くなるのが嫌なこともあって、

長調、という言葉ではなくC-dur(ツェードゥア)って言いやすい方を使うんです。

 

Articulationという言葉があります。

カタカナで書くと「アーティキュレーション」。

音楽用語で「音色の強弱や抑揚をつけたり長さを変えること」などを指します。

この言葉って説明するのが難しいんですよね。

なので深く考えずにアーティキュレーションって言ってしまうことが多いんです。

 

また、音楽用語としてではなく発声法でも同じ言葉が使われます。

そちらの意味では、

アーティキュレーション=はっきりとした発音あるいは発声、となります。

声を仕事にされている方などは、

この言葉を「滑舌」と同種の意味で使われている人も多いみたいですね。

そういう意味でいうと、私のアーティキュレーションは最悪ってことで(笑)

 

 

こんな話を始めたのは、たまたまピアノ演奏動画を見てた時に、

ちょっと気になることがあったからなんです。

 

例えば、人気のあるポップスやロックの曲をピアノで演奏するとします。

ピアノを演奏されている方の多くは子供のころからピアノをやっていて、

バイエルやらブルグミュラーやらツェルニーやら教則本で練習して、

子供のころからクラシックなどの演奏に長けてる方が多い印象です。

ですが、そういう人がポップスとか演奏しているのを見ると、

なんとなく思うんですけど、演奏がつまらないんですね。

楽譜通りに演奏しているだけ、というと語弊があるかもしれないんですが、

遊びが少ない、あるいは無い場合がほとんどなんです。

 

たぶんその理由というのがアーティキュレーションなんでしょうね。

 

クラシックの演奏というのは基本的には楽譜通りに演奏します。

速度や音の長さなど違いはあるにせよ、そこに遊びが入る余地はありません。

そうした演奏になれている人が演奏するジャズやポップスは、

一部の例外を除くと、なんとも言えないつまらなさが付きまといます。

アーティキュレーションが通り一遍の演奏だと出せないアドリブ的な音色がほとんどなくて、

ただ上手い演奏を弾き流しているという印象がぬぐい切れません。

 

私も幼いころからピアノを習ってましたけど、

ピアノ教室では異端児というか不良生徒だったこともあって、

ジャズのスタンダードや歌謡曲なんかを自己流で演奏していたんですね。

そういう演奏を寛容な心で見てくれるような先生ではなかったので、

何度も手を叩かれたりおしかりを受けたりしていました。

だから小学校中学年でピアノを一度やめてしまったんですよ。

学校でも、クラシック音楽なんて古臭いから、

ジャズとかロックとかばっかり音楽室で弾いてたもんです。

当時からヒネクレ者だったんですね、わたしは(笑)

 

そんな私が今ではクラシック音楽をたくさん聴いたりしているんだから、

人生ってのは不思議なものです。

現代音楽にも興味津々だった音楽院時代もそうですけど、

母親がもともとクラシック大好きだったってのも大きいんでしょうね。

何とはなしに幼少期からクラシックを聞き慣れていたのかもしれないです。

 

 

あれ?

アーティキュレーションの話をしてたのに、

いつの間にか自分の昔話になってた(笑)

現代音楽を聞く その53

イギリスの作曲家、マイケル・ナイマンの名前を知ったのは、

映画「ピアノレッスン」の音楽、ではありませんでした。

ファミコンで発売されたゲーム「MOTHER」のアレンジアルバム、でもありません(笑)

 

たぶん映画「コックと泥棒、その妻と愛人」だと思います。

そのころの私は映画音楽を聞きまくっていた時代で、

サントラがあるものは片端から聞きまくっていたんですね。

ピーター・グリーナウェイ監督の映画はこれしか見てないんですけど(笑)

グリーナウェイとナイマンのコンビで何作か映画作っているみたいです。

 

意外と知られていないのが、

「MOTHER」という名作RPGのアレンジアルバムで、

「EIGHT MELODIES」のアレンジをナイマンがやっていることですね。

意外過ぎて当時驚きましたけど。

ゲーム内でこの曲を聞いた時の衝撃は未だに忘れられません。

実をいうとこのゲームの続編でもある「MOTHER2」の名曲、

「SMILES AND TEARS」がそれほど好きではないので(笑)、

思い入れという意味でいうとEIGHT MELODIESに軍配があがります。

 

 

おっと、今回は現代音楽のお話でした。

 

映画音楽やミニマルミュージックの分野でその名を知られる彼ですが、

器楽曲も数多く制作しているんですよね。

弦楽四重奏曲第2番と題された曲は、私の友人から勧められて聞きました。

 


Michael Nyman String Quartet No. 2 (1988)

 

聞いてみるとミニマルです(笑)

でも、とてもメロディックでナイマンらしいと言えばらしいです。

お祝い事

誕生日とか結婚記念日とかそうしたお祝い事のある時、

あまり「これ!」と決めて贈り物をしない人です。

 

アメリカに留学していた頃は、

それこそ毎日のようにパーティみたいなことがあるのかな、と思ったら、

実は日本とそれほど大差はなくて、

何かしらの記念日めいた時に知り合いや近所の人たちを招いて、

ささやかなホームパーティを開いてた記憶があります。

(数十年前のことなので今はわかりませんけどね)

 

日本のサブカル好きの音大の友人がそうしたお祝い事の席で、

フロアにあったピアノ(調律してないやつです)で、

日本のサブカルの曲を適当にアレンジして演奏してくれたんです。

私が好きなゲーム(DQゼルダなど)も演奏してくれましたし、

その当時、日本で放映されていたテレビアニメの主題曲など、

私よりもサブカルに精通していることを自慢するかの如く弾いていました。

 

「形の無いものをお祝い事で提供するのが私たちにできることだ」

と宣言してはばからなかった友人ですが、今もそのスタンスは変わらないようで、

私の誕生日には決まって演奏動画を送ってきてくれます。

もう結婚して子供も二人いるというのに、

子供たちそっちのけで日本のアニメやゲームに耽溺している姿を見て、

時折奥さんから「なんとかしてよ」と、

さも私のせいかのごとく言われてしまうこともしばしばですが(笑)

 

私が日本に帰ってきてはじめて誕生日を迎えた日の夜のことでした。

アメリカからのエアメールが届いたんです。

そこには一枚のCDが封入されていました。

そして少し癖のある字でこう書かれていました。

「私からのプレゼントです。聞いてみてください」と。

CDの表面には特に何も文字は書いていなかったんですが、

プレイヤーにセットすると時限爆弾になってるのか、

とかアホな妄想もしつつプレイヤーにセットして再生すると・・・

 

私が大好きなジャズのスタンダードナンバーが流れてきました。

弾いているのはもちろん送ってくれた本人です。

こういう贈り物に当時慣れていなかった私は、それを聞きながら号泣していました。

粋なことをしてくれるじゃねーか、とも思いましたけど、

純粋に自分のためだけに演奏してくれていることに感動したんです。

そりゃ惚れます(笑)

(念のために言っておくとそういう趣味は全くないです)

 

それから時代は移っていきましたが毎年のように彼から贈り物が届きます。

誕生日だけではなくお祝い事があるたびに、です。

エアメールからネット動画に媒体は変わっていきましたけど、

そこに込められている想いは十数年経った今でも変わらないです。

そりゃプロのジャズピアニストだから技量は格段に上がってますけどね。

初めて聞いたときは号泣しましたけど、

さすがにこれだけ年を経ると、でもやっぱりホロリとしてしまいます。

 

私がボストンへ行くときに、

彼のリクエストに応じてアレンジした楽譜を作っていくのも、

こうして彼からたくさんの想いを受け取ったからです。

その恩返し、というとキザに聞こえるかもしれないですけど、

ずっと友達でいてくれることに、ただただ感謝しかありません。

Incidental Music Vol.47

劇伴、いわゆる映画やCM、あるいはサブカルのサントラと言われるものは、

見ていないものも含めて、出来るだけ購入して聞くようにしています。

中古で買うことって実はほとんどありません。

市場にあまり販売されず、現在は「プレミアム価格」となっているものについては、

プレミアムになる前に購入しているものがほとんどですけど、

そういう類いのサントラには極力触れないようにしてます(笑)

「中古で買う」あるいは「オークションサイトで買う」ことは、

残念ながら、作り手側に一切還元されていないからです。

(たまーに、欲望に負けることも多少ありますが)

 

だから膨大なCDを今でもストックしているわけですけど・・・

専用の倉庫(というか一坪ほどのスペース)借りてますし・・・

 

今でこそネットで検索すれば欲しい情報を手に入れることが出来ますが、

私がCDを買い続けていた頃はネットなんて便利な代物がまだ進化していなくて、

口伝てだったりうわさ話だったり業界内でのチクりだったり、

そういった情報をかき集めていた時代なので、

購入意欲は人一倍貪欲だったような気がします(当社比)。

 

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香港アクションスターであるジャッキー・チェン主演の、

「ポリスストーリー 香港国際警察」のサントラを、

なぜ私が買って持っているのか、未だに謎ですけど、

たぶん映画を見に行って主題歌が気に入ったからなんだろうなと。

当時まだ年端も行かないガキンチョでしたけど(笑)

 


ポリス・ストーリー 主題歌 「英雄故事」

 

こういう、今では割と貴重なサントラもたくさん持っているんですけど、

持っててもしょうがないのでデータ化して大量に売りさばこうかと、

本気で画策しています(笑)