音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

コスモスカイオーケストラ 感謝の10周年記念リバイバルコンサート

コスモスカイオーケストラが10周年だそうです。


ゲーム音楽だけではなくテレビや映画、アニメなどの音楽を演奏する音楽団体。

コスモスカイオーケストラ。

私が最初にこの名前を知ったのは4starオケの頃と記憶しています。

2011年に行われた4starというゲーム音楽フェス。

ネットでその存在、というか開催を知って、毎日行ってました。

noisycroakの坂本さんと面識を持ったのも確かこの時が最初でしたね。

それから何度となく演奏会やライブでお会いして良くしていただいております。


あとは・・・・確か第4回公演でヴィーナス&ブレイブス(V&B)の名曲「Waltz for Ariah」を生演奏で聴けるということでかなり興奮して行って、見事に肩透かしを食らったのも記憶にあたらしいところです。


と、辛口なことを書いたところで。


そんなコスモスカイさんの10周年記念のコンサート。

今回はリバイバル、ということで、過去に演奏した演目を再演するという特殊なプログラムでした。



Cosmosky Orchestra

10th Anniversary

Revival Concert of "THANKS"


2015年10月12日(月・祝)

開場16:00 開演17:00 終演20:00

オリンパスホール八王子


1st Stage

#01 Presentiment~Chrono Trigger(予感~クロノトリガー

#02 The World of Kingdom Hearts(ワールド・オブ・キングダムハーツ

#03 MOTHER Medley(マザーメドレー)

#04 Advent:One-Winged Angel(再臨:片翼の天使


2nd Stage

#05 FINAL FANTASY XIII Medley(ファイナルファンタジー13メドレー)

#06 COSMOSKY THE MOVIE(コスモスカイ・ザ・ムービー)


3rd Stage

#07 Opera "Maria and Draco" (FFVIよりオペラ「マリアとドラクゥ」)

ソプラノ(マリア):田島葉月

テノール(ドラクゥ):鈴木秀和

バス(ラルス):堀内丈弘


#08 CHRONO CROSS Another Story (新編「クロノ・クロス」)


アンコール2曲あり


司会:吉田純也

指揮:田中亮(おにく先生)

合唱:コールクリスタルマナ、東京滝野川少年少女合唱団

演奏:コスモスカイオーケストラ


(以上敬称略)



いきなり前日の話をします。

前日LOUD PARKというメタル音楽のフェスがありまして。

半日以上いろいろな国内海外のメタルバンドの演奏を聴ける二日間。

私はその二日目に参加したわけです。朝から夜までメタル漬けでした(笑)

で、昨日の夜にホテルに泊まって朝起きたら体が重いわけです。

そりゃそうです、あれだけの音響のところに12時間近くもいたわけですから、

喉も痛いし足は筋肉痛だし疲労は蓄積されました。

だから今回の公演に行くのをぎりぎりまで迷ってたんですよね。


ブログ書いてることから分かる通り、結局は行ったんですけどね(笑)


最初からコスモスカイの演奏を聞いていたわけではなかったですし、

再演というまたとない機会でもあったので体に鞭打って八王子まで行ってきました。



開場20分後くらいに会場に入りました。

ロビーにはこんなものが飾られていておどろきました。





衣装です。

なんでこんなものが、とお思いの方も多いと思いますが、

なんとなく察してください(笑)。


ちなみにこれまでの活動年表も飾ってありました。



同じものがパンフレットにも記載されているのですが、

こうして公の場で改めて見るといろいろな楽曲を演奏しているんだなぁ、と感慨深いものがあります。


そして、会場内でアナウンスが。

どうやらプレコンサートをステージで行うとのこと。

慌てて客席へと向かいます。


登場したのはVn 2、Vc 2の4人。

(Vn=ヴァイオリン、Vc=チェロのことです)

おもむろに演奏し始めたのは、FFVIのラスボス曲「妖星乱舞」のイントロでした。

いわゆるネット動画なんかで「せーがー」でお馴染みのパイプオルガンのあのイントロですね。

そこからそのまま妖星乱舞を演奏するのかとおもいきや、

ロマンシングサガミンストレルソングの「決戦サルーイン」。

弦楽アンサンブルにしてもイトケン節はすぐに分かりますね。

そして一節が終わるとまた曲が変わります。あ、これは・・・

FF12交響詩「希望」ですね。第三楽章の明るい旋律が登場します。

このメロディ大好きなんですよね~。

そしてそのまま曲が別のものへと移行します。

クロノトリガーの「世界変革の時」ですね。

ラヴォスの姿が目に浮かんでくるような熱のこもった演奏でした。

と、ここで気づくのです。

ああ、これは「ラスボスメドレー」だと。

弦楽の変則的な四重奏でしたが、プレコンサートとても楽しめました。


プレコンサートが終了して開演まで残り20分程度。

ロビーに出てみると見知った人とお話したりメールをしたりしてると、

瞬く間に開演前に。また慌てて会場内へ。


私の席は前から5列目、真ん中ブロックの右よりの席でした。

ちょっと前すぎか、とも思いますけど演者の表情もよく見えたので良しとします(笑)


と、一人の男性が壇上に登場し左端に置かれたピアノの前に座ります。

まだオケのメンバーが誰も出ていないのに・・・

おもむろに演奏されたのはピアノソロによる「クロノとマール~遠い約束~」(クロノトリガーより)です。

その演奏が呼び水となって、安らぐメロディが流れる中、オケのメンバーが登場します。

指揮の田中亮さん(以下、おにく先生)もその中で登場します。

拍手をしたほうが良いのか演奏を聞いたほうが良いのか観客のみなさんも戸惑ってましたね。

でも、とても良い演出だったと私は思います。



さて、ここから一曲ずつ解説、といきたいところなのですが。

ここは印象に残ったエピソードを交えつつ書いてみようと思います。

決して疲れているから楽しよう、というわけではないです(笑)



最初に演奏された「予感~クロノトリガー」。

これ、最初の時計の振り子の音からちゃんと始まったんですよね。

そこからあのタイトル曲がオケで流れます。そのあとにメインテーマですね。

私は光田さんファンといえる程には光田さんの楽曲をそれほど聞いているわけじゃないんですけど、

やっぱり聞いてるとワクワクするんですよね、光田さんの曲って。

一つひとつの音を聞いてると面白い仕掛けがたくさん施されているのに、

全体を聞いてみるとそれらの仕掛けを意識させることなくきちんと楽曲として成立させる。

その手腕はいつも驚かされます。・・・ってやっぱり光田さんのファンなのかしら、わたし(笑)


2曲めは「キングダムハーツ」のメドレーです。

ちょうど年末に某演奏団体もこのKHの演奏をする予定だったみたいですが、

結局諸般の事情で開催が中止になったみたいですね。残念です。

メドレーではありますが、1と2から曲を選りすぐってのメドレーでしたね。

「Dearly Beloved」「Organization XIII」「Roxas」「光」「Hand in Hand」の5曲でした。

まあこのラインナップで言うと、宇多田ヒカルさんの「光」のオケアレンジが印象的でしたが、

実はそれよりも「Roxas」がもうね、泣けるんですよ。あ、泣いてはないですけどw

あの曲、というよりあのシーンが想起されてきてもう・・・ロクサス・・・


さて、気を取り直して。


3曲めは「MOTHERメドレー」です。

この涙もろい私が唯一泣いたのがここです(笑)

面白い構成だと思ったのが、その演奏順です。

最初にPollyannaが演奏されたんですよ。そしてその後に「Mother Earth」。

つまりゲーム中に流れる曲(フィールド曲)が最初に演奏されて、

その後にゲームのタイトル曲が演奏されるという構成でした。

パンフレットを見てもこの構成の意図が書かれていないんですよね。少し気になります。

そして名曲Eight Melodies。東京滝野川少年少女合唱団の澄んだ声が響きます。

コールクリスタルマナがさらにその音を倍加させてホール内に8つのメロディが重なりあう。

これでまずは一回泣きました。この曲は本当に泣けるんですよね。

その後、MOTHER3の「愛のテーマ」「ボンボヤージュ・アミーゴ」の2曲が続きます。

特に愛のテーマの切なさはほんとうに胸を打ちます。ここで二回目の涙。

さらにその後MOTHER2の楽曲が演奏されます。

タイトル曲からLucky Nice Bluesという流れはゲームを思い起こさせてくれます。

その後のフォーサイドの街の曲「摩天楼に抱かれて」につづいて「Smiles and Tears」。

ああ、この曲も泣けますよね。EDでもあるんですが、合唱の力でその威力はすごいことになってました。

都合3回めの涙はここでした。いやぁ、MOTHERって良い曲多いなぁ。


1st Stage最後の演奏はFFVII Advent Childrenから「再臨:片翼の天使」です。

FFVIIのラスボス曲である「片翼の天使」をリアレンジしたものですね。

最初の弦楽の強い演奏による不協和音がとても印象的です。

が、ここでちょっとしたハプニングが。

チェロの方がこの最初のイントロの和音の演奏でかなり力入れてたんですけど、

その力がどうやら譜面台へと移ってしまったみたいで、

楽譜がパラパラと下に落ちてしまったんです。かなり慌ててたご様子に見えたんですがどうなんでしょう。

2人でそれをうまく拾い上げてその後何もなかったかのように演奏を続けてらっしゃいました。

これだけ力入れて演奏されたこの再臨版、そりゃ良いに決まってます。

ロックテイスト、とは言いながら随所に聞きどころがあって、

しかも最後はその迫力を維持したまま爆発したように楽曲が終わるわけです。

そりゃ割れんばかりの拍手が沸き起こりますよね。私も手が痛くなるくらいに拍手してました。


15分の休憩後、2nd Stageが始まります。


最初は「ファイナルファンタジー13メドレー」です。

セラのテーマ、しかも歌つきで始まりました。歌がまた上手いんですよ、これが。

いわゆるタイトル曲のメロディなんですけど、いい曲ですよね。

その後、プレリュードの最大の盛り上がりのところを抜粋して演奏。

ここの旋律が作曲者の浜渦さんらしくてとっても好きなんですよね~。

そこから戦闘曲である閃光が演奏されたんですけど、

メガネを掛けたコンマスの人が立ち上がってあのヴァイオリンソロを奏でた時、

ちょっと鳥肌が立ちました。ああ、これこれ、って。

そのまま数曲メドレーが続いて、ライトニングのテーマで再びあのメロディが戻ってきました。

その後、また歌い手さんが登場しサンレス水郷が始まります。

そのままメドレーが美しく幕を閉じます。


次に演奏されたのは「コスモスカイ・ザ・ムービー」。

今まで羊の皮を被ったかのように大人しかった司会の吉田さんがここでちょっとだけ本性を現します(笑)

オケの、というかギターの音色が聞こえてきました。

ミュージックステーション」のOP曲です。

ここからはテレビや映画などの音楽をメドレーで演奏するという趣向です。

金曜ロードショーの「Cinema Nostalgia」、ドラマ「HERO」のOP、そして何故か大河ドラマ功名が辻」のOPと続きました。

私、久石譲さんや服部隆之さんの楽曲も好きなんですけど、

この「功名が辻」や「秀吉」などの音楽を担当された小六禮次郎さんの楽曲も好きなんです。

まさかこの場で大河ドラマのOPをフルで聴けるとは思いませんでした。


ここからアニメのメドレーです。

カウボーイビバップのOP「Tank!」、

ルパン三世から「ルパン三世のテーマ」「炎のたからもの」、

エヴァ劇場版から「2EM34_E13」と「Sin From Genesis」が続けて演奏されました。

ルパンもエヴァも良かったんですけど、Tank!の完成度がちょっとすごかったですね。

サクソフォンのソロがもう超絶にカッチョ良いのですよ、ほんとに!!

これだけでご飯2杯はいけます(笑)


最後はバラエティに富んだ選曲。

情熱大陸踊る大捜査線、そしてパイレーツ・オブ・カリビアンの楽曲です。

ちゃんとコンマス情熱大陸のソロを担当されたのは驚きでした。

葉加瀬太郎さんばりのソロ演奏に驚いたり驚かなかったりw

踊る大捜査線もあの定番曲をオケで聴けるとは、という感じでしたし、

パイレーツ・オブ・カリビアンの曲はもう感動モノでした。


たぶんこのメドレーが一番盛り上がった気がします。

司会の吉田さんのうまさも光ってましたw



この2nd Stage後の休憩の時、知り合いに声をかけられたんです。

演奏会でたまにお見かけする方なんですが仲良くさせて頂いてたので、

嬉しくて近づいて話そうとしたら、ひょっこり別のところからその知り合いの知り合いさんが登場したんです。

で、私はそこで居場所がなくなってしまいまして(笑)

会話の邪魔しちゃ悪いと思って、その場を離れちゃいました・・・

また別の演奏会でもあえるでしょうし。



気を取り直して。

いよいよ3rd Stageです。


最初はFFVIよりオペラ「マリアとドラクゥ」です。

きちんと歌い手さんを呼んで演奏会形式のオペラが舞台上で展開されます。

バスのラルスを担当された堀内さんがかっこ良かったですね~。

あ、いや、マリア役の田島さんもドラクゥ役の鈴木さんももちろん素晴らしかったんですが。

完全版に近い形でのオペラ上演でしたね。

最後にマリアとドラクゥが手を取り合ってアリアを歌い上げるところまで。

途中の決闘シーンも、「ラルスの胸を、つらぬい・・・た」ってナレーションもありませんでしたね。

「私の負けだドラクゥ~」あたりからの演奏でしたけど、

完全版で入っていたコーラスが無かったんですよね~。ちょっと残念・・・

でも、3人とも素晴らしい歌声でした!!


最後の演奏曲は「新編クロノクロス」。

以前演奏されたCHRONO CROSSのメドレーに曲を追加した新編ということです。

クロノクロスって名曲が数多くあるんですけど、

「時のみる夢」がとても好きなんですよね。OPの「時の傷痕」も好きですけど。

今回のメドレーでももちろん聞くことができて嬉しかったんです。

ただ、その時のみる夢から時の傷痕へと移行していくのがちょっと強引に感じたんですよね。

いや、悪いって言う訳じゃなくてちょっとした違和感だったんですけど。

神の庭から始まるこのメドレー、前半から中盤にかけてはほんとに素晴らしくて、

星を盗んだ少女から運命にとらわれし者たちあたりのアレンジはとっても好きでした。

なので、逆にそこが気になって仕方なかったんですよね。(私見です)

完成度の高いメドレーだったことはもちろんそうなんですけど。



さて、ここからアンコールが始まります。計2曲です。




舞台上が闇に包まれます。そして・・・

黄色や赤のライトがメロディにあわせて明滅していました。

ゲームをやった人ならおわかりと思いますが、

これ「エレメント」ですね。そしてそのエレメントの明滅からエンディングへとつながっていく。

上手い演出です。ちょっと泣きそうになりました。

エンディング「RADICAL DREAMERS~盗めない宝石~」のメロディを聞くと、

どうしてもゲームの映像の「あれ」を思い出しちゃうんですけど・・・


そして舞台から合唱チームが退場していきます。

そして袖からさり気なくサクソフォンチームが。

「COSMO de Chocobo」。ジャジーチョコボの演奏です。

手拍子に合わせて音楽が奏でられます。

と、舞台に合唱チームが再び走りながら登場してくるではないですか。

オケを覆わんばかりに舞台前方へと現れる合唱団チーム。しかも笑顔で。

さりげなく舞台右手にオペラを歌われたお三方もw


そして演奏が終了となりました。


この後に実はお見送り曲の演奏があったみたいなのですが、

私は所用と翌日の仕事のことを考えて早々に会場を離脱してしまいました。

お見送り曲聞きたかった・・・



後半はちょっと駆け足気味になりましたが、

以上が今回のリバイバルコンサートの感想となります。

ちょっと辛口なところも書いちゃいましたが、

演奏技術であるとかを語る以前に、ゲームへの愛情をひしひしと感じる、

とても素晴らしい演奏会でした。


コスモスカイオーケストラの皆様、指揮のおにく先生、

司会の吉田さん、コールクリスタルマナの皆様、東京滝野川少年少女合唱団の皆様、

そして会場におられたスタッフ、裏方の皆様、

素敵な演奏会をありがとうございました!!!

そして、お疲れ様でした。


今日はいい夢が見られそうです。