音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

田中公平 with ヨコハマ・ポップス・オーケストラへ行く

今、ニューヨークに向かう飛行機の中でこれを書いています。


ボストンで友人が結婚式を挙げるということで、

少し早い夏休みを9日間向こうで過ごすためです。

ま、そんな裏面の事情はどうでもいいですよね(笑)


というわけで、8月8日に行われた公平さんのオケコンです。


このブログでも散々書いてきましたが、

私は田中公平さんのファンです。

私自身音楽を志していた事もあり、その際にずっと聞いていたのが公平さんの音楽。

未だに現役で作曲活動をされているだけではなく、

ファンとの交流を大事にされていて、コミケに参加したりライブなども行っています。

ここ最近では海外での活動も盛んで、

まさに「八面六臂」の活躍をされている劇判作家のお一人です。


そんな田中公平先生が14年ぶりにオーケストラによるコンサートを開催しました。


今こうして書いている間でもふとコンサートの様子を思い出すことが出来るくらいに、

とても迫力があり楽しく、おかしく、感動できるコンサートでありました。



田中公平 with ヨコハマ・ポップス・オーケストラ

日時:2014年8月8日(金) 開場18:20 開演19:00

場所:横浜みなとみらいホール

MC:田中公平田中真弓

ゲスト:松永貴志きただにひろしでんぱ組.inc

指揮:栗田博文

演奏:ヨコハマポップスオーケストラ(神奈川フィルハーモニー管弦楽団

(以上、敬称略)


このゲストの方々のラインナップ。

すごいですよね~!

なんと言っても異色だったのは、

「東アジア文化都市2014横浜」広報親善大使でも活躍され、

5月には武道館公演も成功させたことでも話題だったアイドルグループ「でんぱ組.inc」ですね。

どうなることやら不安もありましたが(笑)


そして松永貴志さん。

坂道のアポロン」で私はそのお名前を知ったんですが、

公平さんとも親交があり、コミケで頒布していたCDにも参加。

名曲「つばさ」の伴奏をされていたことも記憶に新しいところです。


さらに、きただにひろしさん。

アニソンを知るものとしてこの名前を知らない人はいないと思います。

アニメ「ワンピース」の初代OP「ウィーアー!」、

そして新世界編のOP「ウィーゴー!」をはじめ多くのアニソンを歌われています。

迫力ある歌声は、実は何度か生で聴かせて頂いたことがあります。

記憶に新しいのは4月に行われた「BRASS Z」での歌声ですね。


そして共同MCとして公平さんと登壇された田中真弓さん。

声優界の大御所でもあり、男の子役をやらせたらこの人の右に出る人はいない、

というほどに有名な方ですね。

天空の城ラピュタのパズー、ドラゴンボールクリリン、ワンピースのルフィ等々、

参加された作品を挙げたら本当にきりがありません。



と、ここでプログラムを見てみましょう。



もう、このプログラム見ただけでも、いかに濃い内容だったかがわかるかと思います。




さて。




会場である横浜みなとみらいホール、というのはクラシックホールとして有名なところです。

私もここには何度か来たことがあります。

「原題のベートーヴェン」として一世を風靡し、その後稀代の詐欺師としてさらに有名になった、

某作曲家の交響曲ピアノソナタを聴いたのもたしかここだったと記憶しています。

(いや、他にも素晴らしい演奏会はたくさんありましたが・・・)

ホールとしても一流でありますし、音響面でも申し分ないところですから、

こんな良質のホールで公平サウンドを聴くことができるということでウキウキしておりました。


いつものようにみなとみらいホールのそばにあるサンクスで軽食を購入。

それらを食べながらホールまで進み、無事入場。


私の席はかなり前の方でした。

本当なら中間通路の後ろ辺りがベストポジションだったんですが、

まあそこは仕方ないとあきらめました・・・



ヨコハマポップスオーケストラのメンバーが入場。

そして指揮者である栗田博文さんが挨拶して、いよいよ演奏が始まります。



最初に演奏されたのは「ガリバーのテーマ」。

1995年にテレビアニメ、そしてPCエンジンでゲームが発売されました。

田中公平さんはその両方の音楽を製作。

アニメとゲームでそれぞれ共通したフレーズも使用されていますが、

それぞれにテイストは似ていながら違う音楽を作られました。

今回演奏されたのはゲーム版の「ガリバーのテーマ」。

金管で始まる勇壮な旋律、トランペットの主題が転調を繰り返しながら弦へと移ります。

この辺りの「美しい転調」が本当に私は大好きです。


と、これだけ語るくらいにこのゲームが大好きでした。

この「ガリバーのテーマ」も何百回何千回と繰り返し聞いてましたから、

はじめて生演奏されて大興奮でした。泣きそうになるくらいに素晴らしい楽曲。

危うく涙でそうになりましたがまだ最初だったので堪えました。


そしてMCである田中公平先生が登場。

今回は終わりの時間が決まっているとかでいつもの冗談は控えめに。

それでも「本当にこの人作曲家か!?」というくらいに軽妙なトークは健在でしたけれど。



続いて演奏されたのは「ワンピースメドレー」。

ワンピースというアニメを知らない人がどのくらいいるのか、

というのをこの演奏前に公平さんがお客さんに聞いていましたが、

数えるほどしかいなかった、というくらいに有名な作品です。

この作品では公平さんと同じ事務所に所属されている浜口史郎さんと

共同で音楽を担当されていますが、今回の演奏は公平さんの作品が4曲。


「海賊王になるんだ」のイントロが始まった瞬間、背筋がぴーんと伸びました。

そのくらいに聴きこんでいる曲でもありましたし聴きたい曲でもあったからです。

ホルンの響きから弦の壮大なテーマへ。

そのテーマの裏で演奏される金管の副旋律がとても心地よいです。

木管が軽やかにメロディを紡いでいき、金管が徐々に旋律を盛り上げ、

最初の弦の壮大なテーマへと回帰していきます。この流れがもうたまりません。

ああ、これ生で聴いてるんだ、と思うと涙が止まりませんでした。


「シャンクスのテーマ」(片翼の鷹)

これはもう言葉いらないですね。とにかくメロディがかっこいい!!

作品中序盤で片腕が無くなってしまうわけですが、

悲愴さと勇壮さを兼ね備えた名曲だと思います。

弦で跳躍するサビが好きなんです。

あそこで感情があふれ出してきます。ま、要は泣けるってことです(笑)


「許せないヤツとは戦え」、これもかっこいいですよね。

この曲を聴くとアドレナリンが確実に出ます。

曲の後半で転調して弦が奏でるメロディがとても好きなんです。

そこからさらに調が変わりながら原調へと戻っていくんですが、

金管の勇壮さと弦の流麗さが絡み合い、そのままなだれ込むように曲は終わります。

ああ、聞いてるだけで興奮します。


ストロングワールド「反撃の狼煙」。

ああ、この曲を生で本当に聴きたかった!!!これは本当に嬉しかった。

映画「ストロングワールド」の曲なのですが、これもかっこいいです。

さっきから「かっこいい」しか言ってませんが(笑)

金管で盛り上げつつ裏で弦が細かい芸を施している、そんな一曲です。

勇壮な響きと立ち向かっていく麦わら海賊団の勇姿を容易に思い浮かべることが出来ます。


このメドレーだけでも来て良かった、と思いました。



続いて「ガンバスター交響詩」。

この曲は公平さんがコミケで頒布されているCDに入ったのが最初でした。

ガンバスター、というのは1988年に発売されたOVAトップをねらえ!」に登場するロボットの名前です。

エヴァで有名な庵野秀明さんがはじめて監督を手がけた作品であり、

公平さんの名前を一躍有名にした、奇跡の作品でもあります。

(この「一躍有名」のくだりは私自身は納得してないんですけども)

そして、そんなエポックメイキングな作品から十数年の時を経て、

その続編である「トップをねらえ2!」が作られます。

公平さんはその双方の音楽を担当されます。

「デンドンデンドン」とティンパニの連打から始まる「ガンバスター(マーチ)」や

ED曲として壮大に終結させることに成功した「時の河を越えて」など、

名曲も数多くあるのですが、それらを再構築して交響詩形式としたのが、

ガンバスター交響詩」です。

実は以前トップをねらえ!のCDBOXが発売された際に、

交響詩GUNBUSTER」という曲が作られています。これもメドレー形式で、

途中で日髙のり子さんの歌まで入っている(しかもその歌のメロが某曲の裏メロというものすごい仕掛け!)

というかなりボリュームのある曲だったのですが、

その曲とは別に「ガンバスター交響詩」という楽曲を作られた、というわけです。


長い説明ですいません。


実はこの曲、4月に行われた公平さんと伊藤賢治さんのブラスライブでも演奏されました。

今回はオケということで弦楽も入ったオーケストラバージョン。つまりCDと同じ形式です。

アレンジは少し変わっていたように思いますが。

この曲、途中で「ガンバスターマーチ」が盛大に鳴り響き、一端終わるんですが、

その続きで「ノノのテーマ」が流れ、「ノリコのテーマ」へと引き継がれて、

ED「時の河を越えて」へとつながっていきます。

作品を知っている人ならこの曲を聴くと無条件で涙が出ます(笑)



そしてここででんぱ組.incの6人が登場します。

少し話が脱線するんですが、

ニコニコ生放送で「ニコニコゲーム実況チャンネル(NGC)」というものがあります。

毎日ゲーム実況をネット上で生放送しているのですが、

でんぱ組.incの名前は、実はそこではじめて知りました。

メンバーの一人である古川未鈴がときどきゲストで登場されたり、

NGCのお二人がちょくちょくメンバーのことを話したりしているので、

名前は存じていたんです。ですが、楽曲は全く知りませんでした。

なので、楽曲については語ることが出来ません。すいません。


ただフルオケで電波系の曲をやるというのはある種すごいことなのだな、と思います。


で、ここででんぱ組ファンが馬脚を・・・もとい、ファンとして当然のごとく、

手振りやサイリウムを取り出したりして歌に合わせて振りを行ってたんです。

私の周りがそんな人たちだらけで、ちょっとびっくりしてしまいました。

そして「ああ、やはりでんぱ組ファン来てたんだ。しかもこんな前の席を陣取って・・・」と

開始時に感じた不安が的中してしまったことに少し唖然としてしまったのです。


私は残念ながらでんぱ組.incのファンではありません。

公平さんの楽曲を演奏するところで、電波系を聞くというのはやはり少々苦痛でした。

周りのファンにひいてしまったことも事実です。

それまでほとんど反応すらしなかった人が、

でんぱ組のメンバーが登場するなり姿勢を正して手を振り始めたりサイリウムで応援したりする様は、

私の目から見てどうしても「異様」に映ってしまうのです。

ファンからしたらそれが当然の反応なのでしょうけれども。


ま、この時間はでも瞬く間に流れていきました。

そして、曲自体はとても良かったです。わたし、ヒャダインさん好きですしね(^^;)




というわけで、前半最後。

「ロボ発進メドレー」です。


田中公平さん=熱い曲、という方程式があります。

ま、それもある一面では正しいとは思うのですが、

公平さんは「あらゆる音楽」で素晴らしい実績を残されているように思います。

後ほど触れますが「氷菓」というアニメの音楽を担当された時も、

ご自身で「変な曲を作りました」とおっしゃってましたが、

それまでの公平さんのイメージを大きく覆す、というよりも、

より深い音楽になって眼前にあらわれたわけです。いやぁ氷菓の音楽良いですよ。

ま、あとでじっくりと語ります(笑)


80~90年代のロボットアニメの音楽といえば公平さんが筆頭だったように思います。

合体、発進などの興奮するシチュエーションで、

そのシーンをさらに盛り上げる楽曲の数々。

それらを生演奏で堪能できるわけですから、興奮しない方がおかしいですよね。


最初は勇者エクスカイザーより「フォームアップキングエクスカイザー」です。

勇者エクスカイザーは1990年に放送されていた勇者シリーズ第一作です。

エクスカイザーという警察、というかロボットというか、

普段は車なんですけど有事があるとロボットに変形して敵と戦うんですが、

この曲は、そんなエクスカイザーがキングローダーを呼び出して

「キングエクスカイザー」となる時に流れる音楽です。


金管のファンファーレから始まりトロンボーンが主旋律を奏でます。

その後、ストリングスが跳躍するようなメロディを奏でた後、

全合奏でもう一度主旋律を演奏します。この構成がとてもいい!!

この曲聞くだけであの合体シーンを妄想して想像できること請け合いです(笑)



2曲目は絶対無敵ライジンオーより「ライジンオー無敵合体」。

1991年から放送されたライジンオー、私は見てました。

音楽がかっこいいのはそうなのですが、ストーリーもキャラも良かったですね。


この曲はホルンが大活躍しますね。しかも難しいフレーズをふかせます(笑)

これもアドレナリンが出まくりですね。

ドリームシフトのインストバージョンとか超無敵合体とか

ライジンオー見参とかも聞きたかったところではありますが。



3曲目は「機動武闘伝Gガンダム」からの3曲メドレー。


機動武闘伝Gガンダムは1994年に放送開始したガンダムシリーズです。

ガンダム同士が戦って勝敗を決めて宇宙の支配権を争うという奇想天外な話ですが、

いろいろと大ネタ小ネタ満載で私はとても楽しく見ること出来ました。

この直前にやっていたVガンダムとは真逆のベクトル作品で私は好きです。

ついでに言うとVガンダムも大好きです。


「燃え上がれ闘志 忌まわしき宿命を越えて」は一応戦闘音楽になるんでしょうか。

途中サキソフォンが奏でるメロディがめっちゃいいんですよね。

弦の跳躍メロも煽るような感じでとても心地よいですし。

いろんなシーンがよみがえってきますよね。


「我が心 明鏡止水-されどこの掌は烈火の如く」。

これはもうあのシーンですよね。言いませんが(笑)

決めるシーンでかかる曲としてはベスト3に入るくらいにかっこいいですよね。

Gガンダムといえば「明鏡止水」ともいわれるくらい名曲です。

公平さんといえば「金管の合いの手がうまい」と思います。

この曲もそうですが弦がメロを奏でながら金管が「パパッ」と合いの手を入れるところがあります。

金管が熱くメロを奏でて盛り上げ、弦で締めながら金管の合いの手でテンションを持続させる。

まさにGガンダムのための一曲ですね。


「大勝利 希望の未来へレディゴー」。

これ、曲名違うと思うんですけど。

たしか「ネオジャパンの強者」だったと思うんですが。違ってたらすいません。

「大勝利 希望の未来へレディゴー」は最終回のタイトルだった気がします。

そこで最後に流れていた曲は確かこれだった気がします。

やはり金管がメロディを奏でて高揚感が持続する名曲でした!


いやぁ、Gガンダムは好きなのでこのメドレーは熱かった。

聞いてて興奮しますね。さすがにこれでは泣きませんでしたが。



最後は「勇者王ガオガイガー」から4曲メドレー。


勇者王ガオガイガーは1997年に放送を開始した勇者シリーズアニメです。

正統派というよりも「正統派の皮を被った異端」な作品だったような気がしますが、

公平さんの音楽や意外性のあるストーリーで見る者を魅了した作品でもあります。

田中公平さんの作品で私はこのサントラを五指の一つとするくらいに好きな音楽がたくさんあります。


最初は「GGGのテーマ」です。

きちんと「アバンタイトル」(アニメ最初の「ジャン!」という音)からやってくれたのは嬉しかったですね。

その後名曲である「GGGのテーマ」が始まります。

やや遅めのテンポではありましたが、オリジナルを損なうことのないアレンジ。

中盤の木管アンサンブルが心地よく、その前後の金管の勇ましい旋律が頼もしく、

またコーダがこれでもかというほどに熱い曲でもありますね。


次は「勇気ある戦い」。

前編悲壮感が漂います。でもものすごくかっこいいのです。

メロディが凝ってますね。上下動が激しいんです。

トランペットが大変そうだったなぁ、という印象です。

この曲は私自身も大好きな曲で、繰り返し聞いてたことを思い出します。


そして「レッツ・ファイナルフュージョン」。

いわゆる合体シーンで流れる音楽ですね。

私は公平さんの合体シーンBGMだとこれが一番好きです。

この曲については何にも言うことないです。

ただもうひたすらにかっこよくて、ひたすらにいい!!


最後は「勇者王誕生」。主題歌のオケバージョンですね。

原曲は遠藤正明さんが歌われてます。とても難しい曲です。

私も一度カラオケで挑戦しましたが、途中でやめました(笑)

インストバージョンでも難しいことはわかります、が名曲です。

ゴルディオンハンマーーーー!!って叫びたくなりました。


GGGは思い入れが強いので、この曲も大興奮でした。

やっぱり公平さんのロボットものの音楽は本当に熱い!!!



そしてここで20分間の休憩。



そうなんです、これだけ書いてますがまだ前半です(笑)


MC部分についてほとんど言及してませんが、

それは今私が飛行機でこれを、頭の中の記憶だけで書いているので、

覚えていないから書けない、というのが実状です。

たぶんもっと詳しいレポを書いてくれる人が現れると思いますので、

MCなどの詳細はそちらにお任せしようかと。



休憩中ロビーへ行こうとした時、一階席に見覚えある人が。

公平さんや声優の岩男潤子さんの楽曲のプロデュースなどを手がけてらっしゃる、

ベーシストの川村竜さんが座席に座っているのを発見したのです。

私は川村さん好きなんです。

ニコ生のSTTも見てますし、ジャズライブにも何度か行ったことがありますし、

先日の公平さんとイトケンさんのブラスライブの時にガチャの前で声かけたりしたんですが、

今回はお声かけできませんでした。真剣な顔をして冊子を読んでらしたので邪魔しちゃ悪いと思ったんですよね。

ああでも声掛けたら良かった、と今頃になって後悔しています・・・




後半です。

ステージにはスタインウェイのピアノが。

オケのメンバー、そして栗田さんとともに登場したのはゲストの松永貴志さんです。


最初の方でも書きましたが、

松永さんのお名前を最初に見たのは「坂道のアポロン」というアニメ作品でした。

主人公である西見薫の演奏は全て彼の手によるもの、と言うことを知ったのは、

実はアニメを全部見終えてしばらくしてからでした。

そしてそこでの記憶を持ったまま、松永さんの音楽はあまり触れませんでした。

ですが、ここで公平先生のCDで再び名前を目にすることになります。

「piano・ピアノ・ぴあの」というアルバムで松永さんが歌の伴奏や演奏をされていたのです。

ああ、あのときの人か。私はそう思いました。

なので、私の松永さん歴は非常に短いです(笑)


登場した松永さんの衣装は金ぴかでした。

どうやら金色が大好きなのだそうで、

本当は下のパンツも金にしたかったそうですが、今回はジャケットのみ金色でした。

まぶしかった~


松永さんが登場して演奏されたのは、

ガーシュインの「ラプソディインブルー」でした。

私の眼前には楽しそうにピアノを弾いている松永さんがいました。

今回演奏されたのはショートバージョンで5分弱のものでしたが、

それだけで松永さんの技量のすごさがわかりました。

すげー!!!って心の中で思ってました。


その後田中公平さんとのトーク

松永さんも公平先生も関西出身ということで関西弁が飛び交うトークになりました。

そして曲紹介のあと三曲続けて松永さんとオケの競演で3曲が演奏されました。

(内一曲はピアノソロ曲)



最初は前述の公平さんのアルバムにも入っている「サクラ色協奏曲」。

CDではピアニート公爵がピアノを演奏されていましたが、今回は松永さんバージョン。

サクラ大戦というゲームがセガサターンで出たのは1996年のことでした。

恋愛アドベンチャーゲームでありながらシミュレーションでもあるというこのゲーム、

公式には「ドラマティックアドベンチャーゲーム」と銘打ってますが、

敵を倒しながら女性隊員との恋仲を発展させていくという、画期的なゲームでありました。

のちにこのゲームを母体として舞台(歌謡ショウ)が開かれることになります。

それだけ音楽面での評価も高かったということですね。


「サクラ色協奏曲」ですが、途中にカデンツァに相当する部分が出てきます。

ピアニストの技量をソロ演奏という形で表現するカデンツァ。

この曲の場合は「花咲く乙女」(サクラ大戦ED曲)がそれに当たります。

原曲ではピアニート公爵が情感たっぷりに演奏されているのですが、

松永さんはここをジャズアレンジを施し、ラフを基調としながら構成を壊さない演奏で観客を魅了します。

ああ、この人ほんとすげー、って思いながらこの部分を聞いていました。

そして最後は檄!帝国華撃団のインストでしめられます。

ここのピアノとオケとの合奏がとても印象的でした。

松永さんがどちらかというとクラシカルな演奏をするのをこのとき初めて見ました。

演奏も素晴らしかったです。



続いて「坂道のアポロン」。

2011年の暮れにアニメの放送が開始されました。

とある高校生がふとしたきっかけでジャズに目覚めはまっていく、そしてそれに恋愛模様が少し絡んでくるんですが、

音楽を菅野よう子さんが手がけられていることもあり、とても面白い作品だった記憶があります。

あんまり覚えてないんですが(笑)

OP「坂道のメロディ」をYUKIさんが歌われて、それが強烈に印象に残っています。

もう一回みたいと思いながらなかなか見る機会が・・・


CD持ってるのですが、やはり生の松永さんのジャズ演奏は凄まじかったですね。

時折アドリブも入れながら、とても嬉しそうに演奏されていました。

曲自体は2分足らずで終わってしまったんですが、

嵐のような、という表現がピッタリ来る演奏だったように思います。



そして、私が最も聞きたかった、と言っても過言ではないメドレー。

氷菓」メドレーが始まります。


ここ数年で最もはまったアニメが「氷菓」でした。

無気力な高校生がふとしたきっかけで些細な事件を解決していくというミステリー。

原作は米澤穂信さんです。

一応全22話を見ていてサントラ(BD特典)もあります。


メドレーで印象に残ったのはやはり最終話のあのシーンでの音楽ですよね。

映像と音楽のクオリティが半端なく高かったのでそこはかなりはっきりと覚えています。

桜の樹の下で主人公奉太郎とえるが語っているシーン。

このシーンの音楽を聴くと本当に涙が出てきます。

弦のやわらかな音色、ピアノの少し不穏な音、それらが徐々に解決へと向かっていく。

公平さんの音楽はどこまでもたおやかで優しい。

私は最初このシーンを見た時涙しました。

作画の美しさだけではなくて、ああ、これは最終回にふさわしい、そう思ったのです。

そんな印象的な場面を、音楽は邪魔すること無くむしろ助けている印象を受けました。

ああ、この音楽本当に良い、と思うと自然とあのシーンが脳裏によみがえってきて、

頭の中がサクラ色になってました(笑)


松永さんがジャズ色を一切廃してやわらかな音色を奏でたことにまず驚きました。

そして「たおやかな」その音色に寄り添うオケの音色もまた素晴らしかったです。

これは聴けて本当に良かった。



そして、松永さんが一度退場。

ここからは歌のステージになります。


MCの公平さんが松永さんのいたピアノの前に座り、

ワンピースの屈指の名曲である「ビンクスの酒」を弾き語りで歌い始めます。

そしてそこにオケの音色が絡みます。

このアレンジ、初聴きでしたがとても良かった!

公平さんは相も変わらず歌うまいし。

ただ、会場内があまり盛り上がってなかった印象でしたが、

座席がかなり前だったから気づかなかっただけだったのでしょうか。

私はヨホホホ~、と大声出して歌ってました(笑)



そして、ここでゲスト・きただにひろしさんが登場します。

きただにさんも関西のご出身。やっはり関西弁が・・・(笑)


ワンピースの新世界編のOP「ウィーゴー!」をオケとピアノの伴奏に合わせて歌うわけですが、

リズムが取りにくかったのか、きただにさんが出だしもたついてたような・・・

ま、気のせいでしょう。フォローなのか公平さんも時々出だしのタイミングが難しいところを一緒に歌われてました。

しかしきただにさん、本当に声がすごい。迫力ありました。

以前にも聴いたはずなのに、オケバックでもけしてひけをとらないあの歌声は驚きでした。



で、ここで記憶があいまいなのですが、

この「ウィーゴー!」の時にピアノがもう一台増えたのか、

この後の「Family」でピアノが一台増えたのか、その辺りが曖昧です。



ワンピースのルフィ率いる麦わら海賊団の面々が歌う「Family」。

私はこの曲がとても好きなのです。

今回は、ルフィ役の田中真弓さんときただにさんのデュエットで。


ルフィのところは田中さんご本人が、

あとのところは全部きただにさんが歌われてたんですが、

とある箇所で公平さんがきただにさんをみて驚かれてたんです。

なんだろうな、と最初は思ったんですが、

ああ、なるほど。「1オクターブ高く歌ってたから」驚いてたんですね。

ピアノ弾きながら後ろにいるきただにさんを驚きの表情で見て、

それからにこやかな表情でピアノを演奏されてる公平さんがとてもチャーミングでした。



そして後半ラストの曲。「つばさ」。

私はこの曲に救われた人です。詳細は「BRASS Z」の事を書いた私のブログを見て頂けると。

(ブラスライブの事を書いたブログはこちらから→リンク)


松永さんと公平さんのダブルピアノでの伴奏。

そしてオケの伴奏。

違和感はこのとき感じました。

公平さんが指揮者に何度か指示のような言葉をかけてたんです。

出のタイミングを間違えたのか、オケの伴奏が出なかったのか、

詳細ははっきりとはわかりませんでしたが、明らかに公平さんが慌ててました。

途中公平さんが歌わなかったところもありましたし。

松永さんと公平さんのピアノは問題なかったと思うので、やっぱりオケだったんでしょうか。


でも曲後半の演奏はとても素晴らしかったです。

公平さんの伸びやかな歌声。「悲しい時は泣いてもいいさ」という歌詞。

昔の記憶がよみがえってきて嗚咽しないようにするのが精一杯でした。

思いっきり泣きました。歌が心に深く突き刺さりました。

やっぱり「つばさ」は私の中でベストソングです。



そして万雷の拍手。



指揮者の栗田さんが再び指揮台へ上がり、そして演奏されたアンコール曲は意外な曲でした。

イギリスの作曲家エルガーの作品「エニグマ変奏曲」から「ニムロッド」でした。

なぜここでアンコール定番曲である「ニムロッド」が流れたのか。

詳細はわかりません。ただ、この曲、私は大好きだったので嬉しかったです。

そしてこの曲は涙腺を大きく刺激するんです(笑)


そして拍手の後今日の出演者全員が集合し、

アンコールをもう一曲。

ワンピースから初代OP「ウィーアー!」です。

でんぱ組.inc田中真弓さんもきただにさんも客席も歌ってました。

やっぱりこの曲は盛り上がります!!!



というわけでコンサートは無事に終了。




少しだけ苦言を呈させてください。


公平さんの曲目当てではなかったであろう人たちの冷徹ぶりが少し気になりました。

自分が興味があるところだけ一生懸命手拍子や手振りをして、

それ以外は興味が失せたかのようにふてくされて拍手すらしない。

そういうのを見るとこちらの気分も萎えてしまいます。


ホントはもっといろいろ言いたかったですが我慢します(笑)



日本初演奏の曲も多く、とても楽しめました。

演奏のクオリティが高い神奈川フィル(ヨコハマポップスオーケストラ)の面々の熱のこもった演奏。

公平さんの軽妙洒脱なトーク

松永さんのピアノ。

でんぱ組.incさんの歌。

田中真弓さん、きただにひろしさんの歌声。

どれもこれも素敵な想い出になりました。


またこういう機会が近い将来にあることを切に期待しています!