合唱曲集「地平線のかなたへ」。
この中の1曲で、単独でも合唱されることの多い「春に」がとても好きです。
もともと、谷川俊太郎さんの詩はとても好きで読んでいましたし、
木下牧子さんの紡ぎだすメロディに、憧憬すら抱いていました。
そんな二人がタッグを組んで作られた合唱曲です。
好きにならない理由なんてありません。
この合唱曲集が出始めた頃は、確か高校生くらいだったと思うんですけど、
一度もこの歌を合唱することなく、学生生活を終えました・・・
昔、合唱曲の編曲をさせていただくことがあったのですが、
そのときにも木下牧子さんの楽曲を参考にさせていただいたことがあります。
(たくさん参考にさせていただいた作曲家の中のお一人です)
ビッグバンドや歌謡曲、あるいはJ-POPなどの編曲をしてきた人間からすると、
まったく異質の世界に迷い込んだ気分になりました。
未だにフルオケと合唱の編曲は苦手意識が付きまといます(笑)
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
心のダムにせきとめられ
よどみ 渦まき せめぎあい いま あふれようとする
この気持ちはなんだろう
今の政情不安な状況で、改めて「春に」の歌詞を思い起こしてみると、
ものすごく痛切ななにかを感じて、泣きそうになってきます。
ふと、この歌を聞きたくなりました。
きっと春が来る。そんなことを思いながら。