音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

前田さん

先日、ジャズピアニストであり屈指の編曲家でもあった前田憲男さんが亡くなられました。

 

ずっと昔、20代でまだ駆け出しの編曲家だったころに、

どこかのスタジオだったと思うのですが、お見かけしたことがあったんです。

もしかしたら人違いなのかもしれないんですけど(笑)

 

前田さんといえばジャズ、という印象が強い人も多いと思うんですけど、

私の中でも印象は、テレビ番組のテーマ曲作曲の方が強いんですよね。

特に印象的だったのは「クイズ ヒントでピント」という番組のテーマ曲でした。

シンセサイザーを活用した極めて電子的な音色が特徴的な曲ですが、

あの独特の音色が本当に大好きで、当時耳コピした記憶もあります。

「世界丸ごとHOWマッチ」や「ギミア・ぶれいく」といった、

大橋巨泉さんが司会をされてた番組の曲も手掛けられていましたね。

 

私がジャズ留学をしていた20年以上も前のころ、

前田さんのジャズピアニストとしての軌跡を追いかけ始めました。

テレビの印象が強かったので、その演奏に驚きました。

晩年も演奏活動をされていたようなので、一度生で聞いてみたかったです。

 

そして、編曲というと、

実は前田さん、ゲーム音楽の編曲もされています。

企画ものとして製作された「Gradius in Classic」という、

コナミの名作シューティング「グラディウス」の楽曲を、

フルオーケストラへ編曲したアルバムというのがあったんです。

大島ミチルさんや天野正道さん、

そして、作曲者の東野美紀さんや山根ミチルさんも参加された豪華なアルバムです。

IとIIの2枚発売されて、私も当時購入したんですけど、

そのグラディウスのオーケストラアルバムに前田さんも少し参加されています。

 


Gradius in Classic I - Act I

 

ピアノも音楽理論もほぼ独学で習得されたとのことですが、

このオケアレンジを聞く限りでは、そんなことは微塵も感じません。

編曲家として私がデビューした当時も、引退してしまった今も、

尊敬してやまない編曲家、音楽家のお一人でした。

 

ご冥福をお祈りします。