音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

ゼルダの伝説コンサート2018へ行ってきた(ネタバレありVer.)

(こちらのブログを読まれる前に)


このブログは、2018年11月22日に行われた、
ゼルダの伝説コンサート2018の内容をほぼネタバレしております。
(当ブログは12月の最終公演直後まで『ビタロック』してました・・・)

今回の内容は、私が参加した11月22日の公演に準拠しているので、
記載内容が、11月25日の大阪昼夜公演、
あるいは12月14日の東京最終公演と異なる可能性もございます。
また登場するゲスト、トークの内容なども微妙に変わっている恐れもありますので、
「コンサート初演の空気」を軽い気持ちで感じる程度に読んでいただけると幸いです。

また、コンサートの内容だけではなく、
ゼルダの伝説シリーズ、特にブレスオブザワイルド(BotW)について、
本編とDLC含めエンディングおよび関係するイベントのネタバレを書いております。
ゲームの攻略方法とかボスの名前とか、ノリと勢いでバンバン書いちゃってます・・・
BotWだけではなくスカイウォードソード夢をみる島についてもネタバレ全開です。
「コンサートの詳細は知りたいけど、ゲームのネタバレは勘弁」
という方には不向きの内容となっておりますのでご注意ください。


こんなこと書くと言い訳に聞こえるかもしれませんけど、
舞台上のスクリーンでもエンディングの映像とかたくさん流してましたし、
それはもう「公式でネタバレしちゃったぴょ~ん」っていうことだと思うんですよ。
前回の30周年コンサートでも、スカイウォードソードのエンディングをフルで演奏してましたし、
映像はゲームのダイジェストでしたけど、それはもうネタバレ解禁ともいえる所業なわけで。
今回の演目でも、夢をみる島メドレーではエンディングの映像出てますし、
BotWのエピローグ(ウツシエコンプリートのご褒美映像)も映像にあわせて演奏してました。
公式でこれだけネタバレをしておいて、このブログでネタバレしたらダメなんてことはないと私は言いたい(笑)


なので読み終わってから、
「ゲームのネタバレしてんじゃねーよ」とクレームを入れられても、
当局は一切の責任を負いかねますのでそのつもりでお読みくださいませ。

あと、今回思い入れが強い文章で書きなぐっている関係上、
曲の構成や演出について、自分なりの考えを熱く書いているんですが、
それはあくまでの「私が感じた考え」であり、公式のものではありません。
時には断定調で構成や演出を書いていますが、
あくまでも私見であること、あわせてご承知おきください。

なお、ネタバレ無しVersion(リンクはこちら)も公演当日にUPしていますので、
かなり「あっさり塩味」的な内容となってしまってますが、
ネタバレが気になる方はそちらをご覧いただくことを強くおすすめします。





これよりブログ本編となります。

今回のブログは、コンサート感想ブログの集大成ともいえる、
かなり長いものとなりますので相応の覚悟を持ってお読みくださいませ。




 
11月22日木曜日。
ついにこの日を迎えました。
ゼルダの伝説コンサートの公演日です。
 
思えば先行抽選のマスターシートの申し込みがすべて外れてしまい、
そのあとに行われた二次抽選にも落ちてしまい、
チケット一般販売を迎える2日前になってもチケットを入手できる算段がつかず悶々としていたところ、
Bunkamuraオーチャードホールの先行販売があることを知り、
一般販売前日の朝、仕事をなかば放り出し(半分ウソ)、
友人の分と合わせて二人分のチケットを入手できた時の喜びは、
仕事中にもかかわらず大声で叫びたくなるくらいでした。
 
結局、友人は実家の都合などにより行けなくなったので、
後日SNSでチケット譲渡の募集を行い、チケットが無駄にならずに済みました。
 
 
 
当日。
16時からの先行物販があることは知っていましたので、
当日は仕事を午後半休として、14時過ぎには職場を出て、
病院を経由して渋谷へと向かうことになりました。
15時30分過ぎに会場であるオーチャードホールに来てみると、
そこにはすでに100人程度の行列が。
パンフレットだけを買うつもりでしたが、
来られなかった友人のためにグッズもあわせて買うことにしました。
 
時間がかかると思われたのですが、開始時間が少し早まったこともあって、
40分後には友人のグッズもあわせて購入することが出来ました。
グッズの在庫もまだまだたくさんあるように見受けました。
そして、渋谷の某つけ麺店で腹ごしらえをして、
開場20分前に再びホールへと戻ってくると、
先行物販の時以上の黒山の人だかりが・・・
 
チケットは完売、先行物販も終了していたのですが、
きっと開場後の物販狙いの人がたくさんおられたのでしょう。
すでに200~300人ほどの人がいらっしゃってました。
係員の皆さんが丁寧に列をさばいていたこともあって、
周りを見た限りでは大きな混乱はなかった模様でした。
 
定刻よりも少し前だったと思うのですが開場し、早くも物販には長い行列が。
その行列を眺めつつ、2階にある展示ブースへ。
2階の展示ブースには行列ができ始める前に到着できたので、
すぐ展示をじっくり眺めたり、撮影をすることができました。
 
前回、2年前の30周年コンサートでも楽譜の展示などがあったのですが、
今回もパネルと楽譜、そして変わったものまで展示がありました。
 

 

 

結構近くによって撮影可能だったので、頑張って接写した楽譜です。

そして・・・

 

 

ゾーラ族のギターです。
実物を見たのはたぶんこれが初めてだと思います。
 
そして、展示ブースの最奥には今回のコンサートのパネルが。
 
 
今回のソロ楽器を手に演奏をしている象徴的なイラストですね。
パンフレットの表紙にもこのイラストが描かれています。
 
 
 
そして会場内へ。
すると目の前の舞台の上に大きなスクリーンが。
前回のゼルダコンサート同様、
セットリストの曲名やプレイ映像などが流れるのでしょう。
すでに会場内ではゲーム内BGMがランダムで流れていました。
  
 
この段階で客席の一部の方が会場内を撮影されていました。
 
 
こうして「撮影禁止」と書かれていて、
また会場内でのアナウンスでも言われていたはずなのですが。
 
撮影したい気持ちもわからなくはありません。
「どうせ減るもんでもないから撮影くらいいいだろう」
という気持ちになるのもわかりますが、マナーは守っていただきたかったです。
主催側で「禁止」と書かれている行為を躊躇なくやっているのは、
マナーを守っている人たちから見ても好ましからざる状況といえます。
私の近くにいた女性の方は、
係員が近くにいるのを確認して、遠ざかったことを見届けてから、
タブレットで舞台の写真を撮影されていました。
躊躇があった分だけマシ、というわけではないんですけど、
見てて気持ちの良い光景ではありませんでした。
 
 
気を取り直して。
 
楽団員の皆さんが入場を始めると同時に客席から拍手が起こり、
待ちに待ったコンサートが開幕となります。
 
 
ゼルダの伝説 コンサート2018
2018年11月22日(木)
開場:18:00 開演:19:00
 
指揮:竹本泰蔵
合唱:Voces Tokyo
オカリナ:ホンヤ ミカコ
ハープ:山宮るり子
アコーディオン:津花 幸嗣
ピアノ:CHIAKi
 
(以上、敬称略)
 
 
<SET LIST>
1.ブレスオブザワイルドより「メインテーマ」
2.ブレスオブザワイルドメドレー -ハイラルの大地-
3.ゼルダ姫のテーマ
4.組曲オカリナメロディー2018
5.ボス戦闘曲メドレー2018
6.神々のトライフォース2&3銃士メドレー
7.ブレスオブザワイルド 英傑メドレー
 
休憩
 
8.夢をみる島メドレー
9.ブレスオブザワイルド カッシーワメドレー
10.競馬
11.ゼルダの伝説~ハープの調べ~
12.ブレスオブザワイルドメドレー -決戦-
13.ゼルダの伝説メインテーマ
 
アンコールあり
 
 
 
客席が静まり返ると暗転し、
舞台上のスクリーン中心部から淡い光が地平線のように輝きだします。
そう、BotWの最初、ゼルダがリンクに呼びかけるシーンです。
画面上ではリンクは登場していませんでしたが、
淡い光が徐々に光を強めていき、ホールに清澄な声が響き渡ります。
 
 
・・・目を覚まして
・・・目を覚まして
・・・目を覚まして・・・リンク・・・
 
 
呼びかける声がホール内を反響し、
その響きが消えてしばらくして、緩やかに1曲目の演奏が始まりました。
 
 
1.ブレスオブザワイルドより「メインテーマ」
 
曲のお話をする前に。
今回のコンサートのMCをつとめられたのは、
スカイウォードソード、BotWと続けてゼルダの声を担当された、
声優の嶋村侑さんです。
つまり、前述の演奏前のゼルダの声は録音ではなく生声だったんです。
ゼルダボイスを生で聞けたその嬉しさで、すでに涙腺が緩みかけたのですが、
そのあと始まったピアノのイントロで緩んだ涙腺がさらに緩むことに。
 
BotWのメインテーマですが、これまでのシリーズとは打って変わって、
かなりメロディアスなものに変更されています。
かといって、荘厳さが損なわれているというわけではありません。
 
主人公である剣士リンクと王女ゼルダを主眼に置いた作りとなっていて、
出だしのピアノの主題=「ゼルダの子守歌」のメロディのアレンジで、
前半部は100年前のゼルダを描き、一呼吸置いた後で、
今度は木管と弦楽を中心に奏でられる勇壮な響きと、
ほんの少し登場する「ゼルダの伝説メインテーマ」が、
100年後に目覚め、広大な世界を冒険するリンクを描いています。
 
原曲では篠笛や二胡といった民族楽器が使われて、
メインテーマに異国感のようなものを感じられます。
かと思えば電子楽器の音色も使われており、
その故意に作られたアンバランス感が、切なさと儚さを演出している、
ように私自身は感じられるのですが・・・
ゲーム本編を終えてスタッフクレジットでこの曲を聞いた時、
その切なさと儚さで、あふれ出る涙をこらえることが出来ませんでした。
 
そのアンバランスさをフルオーケストラで表現するのは、
編曲を担当された方も一苦労ではなかったかと思います。
篠笛や二胡の音色は、フルートやヴァイオリンの音色で代用できるとは思いますが、
あのメインテーマが内包する独特な空気感はやっぱり難しいですよね。
東京フィルの皆さんも演奏にかなり苦心されたのではないかと思いました。
聞いてた時は涙流してたので、そんな冷静に聞けなかったんですけど(笑)
 
この「メインテーマ」ですが、ゲーム内でフルで聞くことが出来るのは、
本編終了後の「スタッフクレジット」の時のみ、となっています。
ゲームが始まって回生の祠を出た直後のオープニングや、
DLC「英傑たちの詩」のラストなどに少しだけ聞けたりもしますけど、
やはりフルで聞くと感動も倍加するように思いました。
 
この「メインテーマの前半と後半で、ゼルダとリンクのことを表現している」
という部分は、後半で活きてきますのでよく覚えておいてください。
 
 
2.ブレスオブザワイルドメドレー -ハイラルの大地-
#1 馬宿
#3 襲歩(昼)
#4 ハテノ村
#5 コログの森
 
 
MCの嶋村さんがこの曲の演奏前に登場します。
舞台上のスクリーンにも嶋村さんのアップが映し出されてました。
はじめてお顔を拝見しましたけど、とてもおきれいな方なんですね。
声優さんってほとんど知らないので、こうして間近で見られるのはうれしいです。
「ああ、この方がゼルダの声を・・・」とミーハーな思いを持つと同時に、
相当緊張されている様子で、こっちもヒヤヒヤした気持ちになったりしてました。
 
そんな中、アコーディオン奏者である津花さんが、
嶋村さんのMC中にこっそりと登場します。
曲紹介が終わった後、アコーディオンソロで奏でられたそのメロディは、
時のオカリナ以降、シリーズで使われている「エポナの歌」でした。
 
#1 馬宿
BotWでは基本的に馬は自己調達です。
こっそりと忍び寄ってなだめることで馬に乗ることが出来るのですが、
その馬を預けることが出来るのが馬宿です。
各地に点在しており、馬を預けるだけではなく宿泊施設やお店もあります。
のどかなリズムを刻む打楽器に、こちらものどかなギターの音色。
そこにメロディを奏でる笛の音色が加わります。
 
この曲なのですが、仕掛けが施されています。
時のオカリナで初めて登場した「エポナの歌」が裏メロで出てくるんです。
カッシーワというリト族の吟遊詩人が馬宿にいるときに流れてくるんですけど、
馬宿とエポナの歌と同時に演奏しても曲として成立するんですよね。
出だしに津花さんのアコーディオンがエポナの歌を奏でたのは、
同時演奏するという意図があるからなんです。
 
この馬宿の曲の再現度がとても高かったように思います。
のどかな打楽器に旋律を奏でる笛の音色、
そこに寄り添うように奏でられるアコーディオンの調べ。
何気ないこの1曲で、ハイラルの大地へと降り立ったような錯覚を感じました。
 
 
「馬宿」の音色に連なるようにして奏でられたのが「カカリコ村」の音楽です。
村の音楽は、昼と夜でテンポや構成が少し異なっています。
原曲は和楽器などが登場し和風で構成された楽曲なのですが、
この曲にも実は仕掛けがありまして。
旋律の後ろで奏でられる甲高い音色(鉄琴)が聞こえてくるんですが、
それが歴代のカカリコ村のメロディを彷彿とさせる音色になってます。
(この辺りのネタはサントラ添付のブックレット参照ということで)
 
馬宿から流れるようにカカリコ村の音色が奏でられると、
目の前に村の全景がありありと広がって見えるようでした。
インパ様のいる部屋だったり、パーヤちゃんが宝珠を磨いてたり、
ココナが料理を作ったり、プリコが走り回ったり、
そんな様子が、出だしの打楽器の音色が始まったところで頭に浮かんできました。
一部和楽器を別の楽器で代用して演奏されましたが、
全く違和感がなく、ゆったりと奏でられる音に身を任せていました。
 
 
#3 襲歩(昼)
襲歩という聞き慣れない単語ですが、
馬術の世界で「最大速度で走らせること」を指します。
こちらも昼と夜でバージョンが違います。
 
ピアノを演奏されているのは、
指揮を担当されている竹本さんの肝煎りで参加されたCHIAKiさんです。
この曲、だけではなくBotW全体の楽曲をピアノの音色が支配しています。
なので、ピアノへの負担はいやますことになります。
後半のBotWの決戦メドレーなんかはピアノが荒ぶるように演奏されることもあり、
CHIAKiさんの腕、大丈夫かしら、と本気で心配しながら聞いてました。
 
この襲歩という曲もそうです。
常にアルペジオ風の音色が奏で続けられており、
はたから見ても「演奏大変そうだなぁ」と思わせるフレーズが続きます。
そこに流麗なヴァイオリンがあわさることで、
スピードに乗った馬にのる主人公リンクが体現されるわけです。
そこには余計な音が加わってない、ということは、
澄んだ音、清涼感のある音色が生まれることになります。
 
演奏はシンプルですが、それだけにフレーズの一音一音が重要な楽曲です。
CHIAKiさんのピアノの包み込まれるような音色は時折ハッとさせられました。
ちなみにこの曲ですが、メドレー後半でも少しだけ登場していました。
 
#4 ハテノ村
カカリコ村から馬に乗って到着したのはハテノ村。
主人公リンクが購入できる家があったり、村の奥には研究所があったり、
服を好きな色に染められるお店など、たくさんの人が住んでいます。
この村だけは厄災の被害を免れたということで、牧歌的な印象のある村ですね。
 
メインメロディを奏するのはオーボエの音色。
このソロが涙腺を大きく刺激します。
・・・ただ、私がこの瞬間思い浮かべていたのは、
サクラダ工務店のサクラダの奇妙なダンスと、
同じく工務店のエノキダの寡黙な姿でした。
なんでこの二人を思い浮かべたのかは、
このメドレーの最後の曲目でわかります(笑)
 
村の音楽でゲーム中一番聞いたのはたぶんこのハテノ村だと思います。
それは、自宅があるということもありますし、
お店もイベントもたくさんあるので印象に残っているというのもあるかと。
 
生粋のゼルダファンの多くは「リトの村」の音楽を推している方が多いと思うんですが、
(リトの村の音楽は、風のタクトの「竜の島」のアレンジになっています)
私は「ハテノ村」と後から演奏される「イチカラ村」を推しています。
私自身がシリーズの名曲アレンジがあからさまに使われている、というものにそれほど感銘を受けない人間である、というのがその一因かもしれません。
 
ひねくれ者っていうことです(笑)
 
もちろんゲルドの街もゾーラの里もゴロンシティの音楽も大好きです。
ただ、ファンの皆さまが推し曲としてあげられているものを、
私自身はあまり推さない傾向にあるような気がします。
なので、この原曲重視のハテノ村の演奏にひときわ感動をしたのかもしれません。
 
 
#5 コログの森
退魔の剣、マスターソードが安置されている場所でもあり、
デクの樹さまがおわす神聖な場所でもあるんですが、
私の中では「迷いの森」を抜けた先、という印象がとても強いです。
すんなりコログの森に入ることが出来なかった人なので・・・
 
ハイラル大森林の最奥に位置するコログの森。
コログ族がたくさん住んでるその森の音楽は、
やはり木管主体のメロディがよく似合います。
フルートと木琴のアンサンブルから始まる音色は、
途中からイングリッシュホルンが旋律を引き取り、
淡く、でも深くメロディが進んでいきます。
この再現度がものすごくよかったと感じました。
メドレーということもあり、どの曲も短めのアレンジでしたけど、
このコログの森の心地よさはもう少し味わいたかったなぁ。
 
余談なんですけど、
最初このBotWをプレイしたとき、苦労してこの森についたんですけど、
結局森の中にある祠(キヨ・ウーの祠)が見つけられず、
そのまま外に出てしまって、再度迷いの森を抜けたことは内緒にしといてください(笑)
 
そして、コログの森の演奏が終わると、
そのまま再度「襲歩(昼)」のメロディがふわりと訪れます。
ここでは弦楽も加わって少し音が厚くなっていましたね。
 
そして馬に乗ったリンクが向かった先は・・・
 
 
サクラダ工務店のエノキダの赴任先となったイチカラ村です。
「一から村を興す」という意味合いで付けられたんだと思いますが。
ちなみに英語版だと「Tarrey Town」って言うそうです。
 
この村のイベントというのが「村興し」です。
エノキダに指定された条件に見合った人物を連れてくることで、
このイチカラ村がどんどん発展していく、というものになります。
発展するたびに村の音楽も少しずつ豪華になっていくんです。
 
最初は木管とピアノ伴奏、そして打楽器のみの音楽なのですが、
例えばゴロン族がやってくると、そこにトロンボーンの低音が加わったり、
(まあ楽器一つだけ増えるというわけじゃないんですけど・・・)
リト族がやってくるとそこに木管クラリネット)の旋律が、
といった具合でどんどん楽器が増えていくんです。
最終的にはエノキダとゲルド族の女性パウダとの結婚式が行われます。
 
さすがにメドレー中の1曲なので、演奏形態は最終形のみとなってました。
メドレーを締めくくるのにふさわしいアレンジになっていましたね。
最後は消え入るような木管の音色がホールに響いていました。
 
で、この曲、本当によく聞いているんですよ。
ハテノ村と同様、居心地の良い音楽っていう理由もあるんですが、
ラヴェルボレロみたいに、だんだん楽器が増えていって、
最終的には最初のさびしい感じが少し温かみのある音楽にかわったような気がして。
このメドレーの演奏でもその温かさは健在で、
スクリーンに映し出されるイチカラ村の映像と相まって、
やはり涙腺を大きく刺激させられました
 
 
3.ゼルダ姫のテーマ
シリーズ通してご出演のゼルダのテーマです。
姫様だったり、あるいはそうでなかったりと立場やその時々の性格は違えど、
主要キャラクターの一人であることはご存知の通りです。
ゲームタイトルに使われているくらいですからね。
 
たぶんゲームで初めてこの曲が登場したのは、
SFCの「神々のトライフォース」でしょうか。
N64時のオカリナ」では、その身を隠すためにシーカー族の「シーク」となり、
主人公の行く先々で様々なフォローをしてくれたりしました。
NDS大地の汽笛」ではかなりおてんばなお姫様として登場、
ゴーストの身体になってしまった姫様が主人公を助けてくれます。
 
ゼルダの子守唄」としてこの曲がクローズアップされたのは時のオカリナからですが、
公式に「ゼルダ姫のテーマ」となったのはいつからなんでしょうね。
その辺はあまり詳しくないので、誰か教えてください(笑)
 
ちなみに、スカイウォードソードでこのメロディが登場するのは、
過去の世界でゼルダがリンクにすべてを語っている時です。
なぜこの曲が「ゼルダの子守歌」と呼ばれるのか、
その理由がなんとなくわかるようなイベントになっています。
いやぁ、あのイベントはほんと泣きながらやってたなぁ・・・
 
そういえば今回の演奏は30周年コンサートで披露されたものと同じでしょうか。
 
ヴァイオリンのゼルダ姫のテーマは本当にやばいです。
そこにチェレスタのきらびやかな音色も加わり、弦楽が華を添えます。
シンプルなメロディであるがゆえに、アレンジも一筋縄では、と思うんですが、
曲自体の持っているポテンシャルが高いこともあり、
また、スクリーンに映っては消えていく歴代ヒロインのその表情もあって、
短い曲ながらも、その間中ずっと食い入るように映像と演奏を見つめ続けていました。
 
 
4.組曲オカリナメロディー2018
2年前の30周年記念コンサートでは、
組曲オカリナメドレー」として披露された曲がありました。
MCの夏菜さん(青木瑠璃子さん)が、
メドレー各曲が始まるときにその説明をして演奏が始まるという形です。
ただ、オカリナメドレーというタイトルでしたが、
残念ながらオカリナは登場しませんでした。
今回のメドレーでは、オカリナ奏者のホンヤさんが登場し、
前回の説明部分をオカリナが肩代わりする、というと聞こえが悪いですが、
オカリナの演奏でそれぞれの曲を演奏した後、
オーケストラがその旋律を受け取る形でメドレーが進行していきます。
 
01.太陽の歌
02.ゼルダの子守歌
03.森のメヌエット
04.ゴロンのララバイ
05.光のプレリュード
06.炎のボレロ
07.ぬけがらのエレジー
08.潮騒のボサノバ
09.めざめのソナタ
10.いやしの歌
11.水のセレナーデ
12.大翼の歌
13.時の歌
14.エポナの歌
15.闇のノクターン
16.誓いの号令
17.魂のレクイエム
18.嵐の歌
19.サリアの歌
 
パンフレットの後半に、
オカリナで演奏されるメロディの全楽譜が掲載されています。
 
私はネタバレはあまり好きではなく、
実はこの公演が始まる前にパンフレットもセットリストも見ないようにしてたんですが、
結局我慢できずにパンフレットをちらっと見ると、
ちょうどそこにセットリストが載ってて、少しテンション下がりました(笑)。
 
公演後に改めてそのオカリナの楽譜を眺めていたんですけど、
制限のある音階でこれだけ多くの歌を作ったもんだ、と、
当時も今も驚きを禁じえません。近藤さん、ほんとにすごい。
 
オカリナを演奏されたホンヤさんですが、そりゃもう素晴らしいの一言です。
ゲーム内で聞けるオカリナの音色が、
オーチャードホールに響き渡る光景はジーンと来るものがあります。
アーティキュレーション(音の長さやつなぎ方)が原曲と少し違っていて、
音と音をつなげて演奏されたりすることで、
それが逆に演奏の生っぽさを際立たせているような気がしました。
 
アレンジは前回の30周年記念のアレンジを踏襲していました。
最後のサリアの歌では全体合奏+合唱で壮大に演奏されましたね。
30周年のメドレーとは違って、そこにオカリナの純朴な音色が加わることで、
前回とまた違ったアンサンブルとなっていました。
それは「より理想形に近づいたオカリナメドレー」といえるのではないでしょうか。
 
なーんて、ちょっと上から目線で書いてしまってすいません・・・
でも、とてもうれしいメドレーでした。
 
 
演奏後にはMCの嶋村さんのインタビューもありました。
オカリナの曲が「レファラシレ」という5音のみで作られているとのことで、
日本の唱歌にも5音で構成されている曲がたくさんある、ということで、
即興で「夕焼け小焼け」や「さくらさくら」の一節などもオカリナで演奏され、
耳にも優しいインタビューとなりました。
 
 
5.ボス戦闘曲メドレー2018
#1 ムジュラの仮面「ボス戦闘」
#2 風のタクト「中ボス」
#3 トワイライトプリンセス「ボス戦 その1(後半)」
#4 スカイウォードソード「ギラヒム」
 
 
前回の30周年記念コンサートではこちらのボス戦メドレーが演奏されました。
 
#1 時のオカリナ「中ボス戦闘」
#2 時のオカリナ「恐竜系ボス戦闘」
#3 風のタクト「モルド・ゲイラ」
#4 大地の汽笛「ボス戦その2」
#5 トワイライトプリンセス「ボス戦その2」
 
今回の2018年版は前回とは一新したメドレーとなっています。
ムジュラの仮面からのボス戦、
そして前回はエンディングのみの演奏だったスカイウォードソードからボス戦が2曲も入ってます。
ダ・イルオーマ戦のボス戦曲が本当に大好きでして、
この曲の解説を始めると止まらなくなるくらいに饒舌になります(笑)
 
 
#1 ムジュラの仮面「ボス戦闘」
スクリーンに映し出されたのは、
ムジュラの仮面に登場するボスの映像です。
パンフレットにも、ウッドフォールの神殿のボス「オルドワ」が載ってました。
変拍子での強拍音(ジャン!という感じの音)から始まります。
スネアが緊迫感をあおりながら、金管の合いの手のようなあおりが数回続き、
そこから不穏なメロディが続くかと思えば、突然また序盤で出てきた強拍音が。
弦楽の不穏なメロディと強い音が不規則に続く、そんな音楽です。
計算された展開と不規則なリズムが築く緊張が曲全体を支配しています。
 
原曲の音色は時のオカリナのそれを彷彿とさせますが、
生演奏となると音の長さや強さがとても気持ちよく決まっていた感じがします。
ジャン!となる音、スネアの緊迫感、そして不穏なメロディ。
 
スクリーン上で戦っている主人公リンクと一体になったかのような、
NINTENDO643Dスティックを手に汗握りながら操作しているような、
ボス戦闘が立て続けに流れる映像のできと演奏が合わさると、
映画を見ながら、劇伴を生演奏で聞いているような錯覚を味わえました。
 
密林仮面戦士オドルワ
仮面機械獣ゴート
巨大仮面魚グヨーグ
大型仮面虫ツインモルド
 
以上4体のボス戦の映像が登場しましたが、
特にスノーヘッドの神殿のボス、ゴート戦では苦労させられたので、
そのシーンの時はやっぱり手を握ってましたね。嫌な思い出が・・・
 
グヨーグのトビウオ状態やツインモルド戦でのドでかいリンクなど、
ボス戦の時の思い出が、スクリーンの映像とともによみがえってきました。
やっぱりボス戦のBGMはアツくなれます!
 
 
#2 風のタクト「中ボス」
前回のコンサートでは「モルド・ゲイラ」のボス戦BGMが演奏されました。
あの「チキチキチキチキ」ってやつですね。
風のタクトの音楽は大好きなものが本当に多いのですが、
まさか「中ボス」戦闘の音楽を生で聞けるとは思ってなかったので、興奮しました。
そりゃもう両手を振り上げて「やったーーー!!!」って言いたくなるくらいに。
 
やってませんけど(笑)
 
風のタクトの戦闘ってリズミカルな印象です。
戦闘中に主人公の剣尖が敵にクリティカルに当たったときに特徴的な音がします。
ジャン!という音色(効果音)が気持ちよく聞こえてきます。
戦闘のBGMとあわせて、そこに見合う和音(効果音)が鳴るので、
風のタクトでは本当に気持ちいい戦闘を体験することが出来ます。
 
ラテンめいたリズムで始まる中ボス戦闘BGMですが、
モリブリンやタートナックなどの中ボスがスクリーンで戦っている映像が、
リズミカルな中ボス戦のBGMと一緒に流れる中、
生演奏でそのジャン!という音がピアノで聞こえてきました。
さっき話した効果音を生で再現していたんですよね。
ゲーム内で使われた音源はやはりゲームの音、という印象でしたが、
フルオケであのリズムを、メロディを聞くとほんとに良いです。
 
 
#3 トワイライトプリンセス「ボス戦 その1(後半)」
スクリーンに映し出されたボスは、
序盤のダンジョン「森の神殿」のボス、覚醒寄生種ババラントです。
毒沼の真ん中に花状の本体と左右には触手が1つずつ。
 
ボス戦その1なのですが前半と後半に分かれています。
今回の演奏は「後半」と銘打たれています。
ある程度ババラントにダメージを与えると第二段階へと進みます。
森の神殿で手に入るアイテム「ブーメラン」を使用して、
森の神殿の中ボスであるウークが持っているバクダンを本体へとぶつける、
という手段に気づくまでに、最初プレイしたとき時間がかかりました・・・
 
演奏は弦楽が細かく刻むようなリズムを奏でている中、
木管がやはり緊張感をあおる音色を演奏するのですが、
その緊張感が少し変化して、金管の勇壮なテーマが時折顔をのぞかせます。
いわゆる「優勢のテーマ」とも言われている部分ですが、
そのメロディが完全に演奏される前に、また不穏な弦楽のリズムが登場し、
優勢だった場面が再び元へ戻ってしまいます。
 
この曲、打楽器がとてつもなくカッコいい曲なんですよね。
優勢になった時もそうですし、優勢と劣勢が切り替わるときに、
どーん!と鳴るあの太鼓のような音色も興奮してしまいます。
単に打楽器好きなだけかもしれませんけど(笑)
 
そして舞台は空へと続いていきます。
 
 
#4 スカイウォードソード「ギラヒム」
空へと続きます・・・なんてカッコよく書いちゃいましたが、
魔族長ギラヒムと最初に戦闘するのは地上、というよりダンジョンの最奥なんですよね。
 
ギラヒムとの直接対決は合計3回やってきます。
最初の戦闘は初ダンジョン「天望の神殿」での大ボス戦です。
いきなりあの強敵と戦うわけで、私も随分と苦労した覚えがあります。
 
出だしのティンパニがカッコよく登場し、
弦楽が少しラテンっぽいリズムとメロディを奏で始めます。
シンコペーション(変わったリズム)バリバリのメロディが高揚感を出し、
それがギラヒムの変態性、もとい、強敵性を演出しているように思えます。
演奏が経過するたびにカスタネットの音色が加わってラテン色がいや増します。
そして最終的には合唱も加わることでクライマックス感を演出します。
 
おそらくは第1段階から第3段階、計三回のBGMをミックスしたような構成で、
メロディや曲の流れは変わらないんですけど、最終感を醸し出しているんでしょう。
確かに強いですし・・・
 
結局は3回目でその姿を魔剣へと変化させ、
ラスボスである「終焉の者」の武器となって、
主人公リンクへ牙を向けてくることになります。
 
 
この曲、もう超が付くほど大好きな楽曲なんです。
なので、序奏から興奮しまくりました。
 
スクリーンに映るのは「モルドガット」。
ラネール錬石場というダンジョンで登場する、巨大なサソリ型の大きなボスで、
第一段階ははさみの中にある目玉を攻撃してダメージを与えます。
第二段階では砂にもぐりこんだモルドガットを、
アイテム「まほうのツボ」を使ってボスを探索して弱点を攻撃します。
 
そしてそのあとの映像で登場したのが、
古の大石窟というダンジョンの大ボス「ダ・イルオーマ」。
金色の仏像のような容姿ですが、千手観音のように手がいくつも生えており、
剣を振りかざしてリンクを攻撃します。
第一段階ではアイテム「ムチ」を使って腕を引きちぎるようにして、
腕が少なくなり、弱点があらわになったところを攻撃します。
第二段階でも同じく「ムチ」を使用して腕を取るのですが、
敵の持っていた剣を使って攻撃して、弱点を防護している殻を攻撃します。
 
この二体のボス戦BGM、曲は同じですが構成が微妙に違っているんです。
それはこの演奏会とはあまり関係が無いので割愛します(笑)
気になる方はぜひゲーム本編でお確かめくださいませ。
 
 
弦楽中心の序奏が始まった後、
ピアノが激しくベースラインを奏でながら、弦楽がメロディを紡ぎます。
勇壮なメロディはさらに金管へと引き継がれて、
弦楽と合唱がファンファーレにも似た、
高低差の激しいフレーズを繰り返し演奏します。
ここの弦楽の音がカッコよくてここだけ何度も聞きたくなるくらいに愛してます。
ここで感じられる高揚感のおかげもあってか、
モルドガットダ・イルオーマ戦は、ほんとに気持ちよく戦えた気がします。
 
スカイウォードソードの音楽は生音が多く使われています。
前述のギラヒム戦、そして今回のボス戦の音楽も、
ゲーム内で、今回の演奏と違わぬ音色で聞くことが出来るんです。
それもまたゲームプレイ中の興奮度を底上げする一因となったのかもしれません。
 
 
6.神々のトライフォース2&3銃士メドレー
#1 ユガ戦-ハイラル城-
#2 マザーマイマイのテーマ
#3 ヒルダ姫の登場
#4 ロウラル城
#5 水源エリア
#6 大ボス戦
#7 タイトル
(#1~#4までが神トラ2、#5~#7までが3銃士の楽曲です)
 
 
こちらは30周年記念コンサートで演奏されたものと構成は同じです。
アレンジは若干変更が加えられてたように思いました。
この曲、実は作曲者である永松さん自らオーケストラアレンジされてるんですよね。
そのほかの楽曲はプロの編曲家の方がアレンジされているので、
そういう意味でも貴重なメドレーといえると思います。
 
 
#1 ユガ戦-ハイラル城-
今回の冒険に立ちはだかるボス「ユガ」。
荘厳で重厚な序奏の旋律なんですけど、
サントラに収録されている「ユガ戦-ハイラル城-」のループ後半部、
ソプラノボイスで歌われているメロディのアレンジなんですね。
Tuttiで奏でられるそんな序奏につづいて、
合唱が加わり奏でられるのはユガのテーマですね。
 
このゲームの特徴でもある「壁画化」。
主人公がとあるイベントをきっかけにして、
壁を自由自在に行き来することが出来る、というものです。
(ただしがんばりゲージが続く限り、という制限つきですけど)
これが謎解きの肝の一つとなっているんですけど、
この壁画化を使ってユガと戦うんですね。
 
ハイラル城内でのユガ戦は、3体に分身したユガと戦うことになります。
そのうち2体は幻影なので、本物と区別して戦う必要があります。
ユガの方も壁画化して、炎や雷撃で主人公を攻撃してくるんですね。
壁画化vs壁画化、という面白いギミックでのボス戦で、
そのBGMとして小気味よいユガのテーマがアレンジされて使われています。
 
合唱が加わると荘厳さが際立つイメージなんですけど、
ユガのテーマの少しユーモラスなメロディとの対比が面白くて、
攻撃されて地団駄を踏むユガが少し可愛らしく思えてくるのが不思議です。
 
最大限に盛り上がった途端、静けさが。
と同時に、木管とハーブ、続いて女声のアンサンブルが聞こえてきます。
マザーマイマイのテーマですね。
 
 
#2 マザーマイマイのテーマ
巨大なタコのような姿をしたマザーマイマイ
合計で100匹の子供がいるそうなのですが、行方不明になっています。
その子供(マイマイ)を探してほしい、とリンクは頼まれます。
 
どこか(BotW)で見たようなシチュエーション(ボックリン)ですけど(笑)
 
その洞窟で流れるBGMは合唱曲なんですけど、
曲調はかなり可愛らしく、「マイ、マイ、マイマイマイ」という歌詞とともに、
思わず口ずさみたくなるメロディが特徴となっています。
演奏会で披露されたバージョンは原曲とは少し調性が異なりますけど、
合唱の後ろで流れる木管群の音色、そしてそのあとの流麗な弦楽が心地よいですね。
マイクを通しているとはいえ、あの人数でこの声音というのは驚きでした。
 
すぐにメロディが展開していき、オーボエの優しい音色が届きます。
ヒルダ姫」の登場です。
 
 
#3 ヒルダ姫の登場
任天堂という会社は昔から大好きですが、
お客様に驚きを提供することが使命であるかのような印象があります。
古いゲームですけど、FDSファミコン探偵倶楽部II うしろに立つ少女」では、
突然犯人が振り向いて主人公に襲い掛かろうとしてくるシーンがあるのですが、
その犯人の振り向くタイミングと形相に、思わず叫び声をあげるくらいでした。
ほんとに怖かったです。
 
このヒルダ姫というもう一人のヒロインもそんな驚きを提供してくれました。
さすがに前述のファミコンゲームほどではなかったですが、
黒幕がヒルダ姫だった時の衝撃は得も言われぬものがありましたね。
ま、そのあと改心してラヴィオとともにロウラルを平穏へ導いていくわけですけど。
 
この曲「ヒルダ姫の登場」という曲は、
登場、と書いてあるだけあってそうした裏面をおくびにも出さない楽曲、
のように聞こえてくるんですけど、その響きはどこか寂しげで、
でもほんの少しどこかに危うさも感じられます。
木管やホルンなどの音色に支えられるヒルダ姫のテーマが盛大に盛り上がったのち、
すぐさま別のテーマ曲が割り込むように奏されます。
・・・いよいよラストダンジョンであるロウラル城へ向かいます。
 
 
#4 ロウラル城
ヒルダ姫の住まう城、であると同時に敵の本拠地でもあるロウラル城。
ハイラルと正対するように存在するもう一つの世界、ロウラル。
主人公はこの二つの世界を行き来しながら、謎を解明していくことになります。
 
サントラの収録されている今曲の収録時間はおよそ7分半。
曲自体のループは短いのですが、その構成は独特です。
ロウラル城の奥へ進んでいくたびに、徐々に盛り上がる仕様です。
 
トロンボーンが奏でる勇壮なテーマ、後ろにはリズムを刻む弦楽。
そして弦楽がメロディを奏でたと思うと、
全合奏に合唱も加わり、楽曲にクライマックス感を漂わせます。
 
この曲には仕掛けが施されていて、
前述の合唱部分のメロディを逆再生すると、
SFC神々のトライフォース」のハイラル城のメロディになります。
こういう音楽的な仕掛けを施す任天堂の音楽チームってホントすごい!
 
スカイウォードソードの「女神の詩」、
あるいはBotWの「メインテーマ」や「カカリコ村」など、
分かりやすい仕掛けから分かりにくいものまでたくさんありますけど、
ゼルダシリーズって音楽に恵まれた作品だなと改めて思い知らされました。
 
そしてロウラル城のメロディが盛り上がり切る直前。
唐突に世界が暗転したかのように、優しいフレーズが顔をのぞかせます。
 
 
#5 水源エリア
ヴァイオリンソロで奏でられる優しいメロディ。
木管群とチェレスタが奏でるアルペジオ(分散和音)が、
そのメロディをやさしく支えます。
そして、弦の音色が膨らみかけたところでその音色は途端に大きな音に遮られます。
 
3銃士の「水源エリア」はWORLD2に相当するところです。
ウォーターロッドというアイテムが序盤に3人に与えられるのですが、
このロッドを振ると本人の目の前に水柱が出現し、
高いところへ移動することが出来ます。
「ああ、このステージ、なかなか息が合わなくて苦労したなぁ」
という感想が漏れそうなほどにスクリーンの映像を見つめていました。
 
この3銃士というゲームは「3人で遊ぶ」のが基本ルールです。
もちろん一人でも遊べますが、それは「疑似3人プレイ」ともいえるもので、
このゲームの真価はみんなで集まってワイワイやることだと思っています。
以前にも、マルチプレイオフ会という名称で、
GC4つの剣+」とこの3銃士をローカル通信プレイで楽しむ会をやってました。
面白かったです。
 
音色を遮った大きな音色とともにスクリーンに登場したのは、
WORLD1「森林エリア」の最終ステージで待つ大ボス「メダマーゴ」でした。
「水源エリア」の音楽の直後なのに、
なぜ別のエリアのボスが映像で登場するのか、という疑問は置いておきましょう(笑)
 
 
#6 大ボス戦
規則正しく奏でられるリズムに乗っかるように、
トランペットのファンファーレ風のメロディが勇壮に響きます。
そのあと大さびに入り、弦楽と合唱が加わりメロディを引き継ぎます。
小気味よい木琴の音色や金管のアンサンブルがさらに楽曲を盛り上げます。
 
画面に登場した大ボス「メダマーゴ」。
丸い平面に、五円玉のようなフォルムがあり、その中心には目玉が。
トゲを出して主人公たちに突っ込んでくるんですが、
その勢いで壁に当たるとボスが停止して、中心に穴が開きます。
その穴にバクダンを投げ入れることで、停止したまま弱点の目玉が出現するので、
その露出した目玉を剣で切りつけることでダメージが入ることになります。
最初は低い状態で始まりますが、ダメージが蓄積するとボスの高さが増していき、
3人できっちりとトーテム状態(主人公たちが最大3段まで乗ることが出来る)にして、
バクダンを投げ入れたり、敵に乗り込んで剣で弱点を切りつける、
というチームワークが要求される、序盤の難敵です。
当時私は一人でプレイしてたんですけど、とても苦労しました・・・
(周りにローカルプレイしてくれる友達もいなかったです)
 
盛り上がった楽曲が途中で途切れ、金管のファンファーレが始まります。
 
 
#7 タイトル
電源を入れてゲームを起動すると流れてくるタイトル曲です。
原曲はアコーディオンの音色から始まるんですけど、
今回のメドレーでは金管のアンサンブルによるファンファーレから始まります。
タンバリンの気持ち良いリズムに乗って、
弦楽、金管がメロディを紡ぎだします。
合唱も加わって、勇壮に、そして華麗に。
転調を繰り返しながら、壮大にメドレーのエンディングを迎えることになります。
 
この3銃士のメドレーの構成、いいですよね。
優しい水源エリアから始まって、大ボス戦の興奮を持ち越したまま、
タイトルでその興奮を最高潮にさせてくれる、そんな印象でした。
前回の演奏会でも、この携帯機ゼルダのメドレーは堪能したはずなのですが、
生で何度聞いても、いいものはいい、と思います。
 
 
7.ブレスオブザワイルド 英傑メドレー
#1 再会 ミファー
#2 ミファーとシド
#3 再会 ダルケル
#4 豪傑 ダルケル
#5 再会 ウルボザ
#6 華麗なるウルボザ
#7 再会 リーバル
#8 孤高の戦士 リーバル
#9 聖なる姫と五人の英傑
 
前半最後は、再びBotWからの楽曲です。
四英傑にスポットを当てたメドレーとなっていました。
そして、私はここで猛烈に号泣しました。
 
メドレーの構成は、それぞれの英傑のエピソードが2つ続く形になっています。
「再会」とついているのは、
四つの神獣に巣くうカースガノンを撃破した後に流れるムービー、
そのあとに登場するエピソードはそれぞれ、
DLC「英傑たちの詩(バラッド)」で見ることが出来るムービーとなっています。
このメドレーの演奏はほぼ全てムービーにあわせて奏させたこともあって、
感動もひとしおでした・・・
 
 
#1 再会 ミファー
#2 ミファーとシド
ゾーラ族の英傑ミファーのターンです。
「再会」と名の付く楽曲は、
それぞれの街や村で暴れている神獣を鎮めた後、
100年前のカースガノン戦で破れ、神獣内に魂を閉じ込められていた英傑が、
ほんの少しの間、リンクの前に姿を現す時に流れるBGMです。
それぞれが英傑のテーマとして扱われている形となります。
「再会 ミファー」は、つまり「ミファーのテーマ」ってことですね。
 
そして「ミファーとシド」は、DLC「英傑たちの詩」で登場します。
ゾーラの里近辺でのイベントをこなし、幻影カースガノンを倒すことで、
詩の伝道者であるカッシーワから、ミファーの詩を聞かされます。
その時に流れる映像で使われるBGMが「ミファーとシド」です。
100年前、厄災が降り注ぐ前に、
ゼルダ姫が自らの足で英傑となるべき人たちを説得していくのですが、
そんな折ゼルダは、ミファーがシドの修行をしているところに出くわします。
子供姿のシドがかわいい、と一時期話題にもなりましたが、
ミファーが神獣に乗る決意、そしてシドに里の未来を託すという、
涙なしには見られない名シーンの一つです。
 
まあ、DLCのムービーは全部良いんですけど(笑)
 
ミファーのテーマが、その名の通り「ミ」と「ファ」の音で構成されているのは、
BotWの音楽好きの皆さまならご存知のことと思います。
柔らかなピアノの序奏に続いて、少し悲しげに響くミファーのテーマ、
そこに優しくフルートの音色が寄り添うように演奏されます。
この時のスクリーンの映像は、もちろん神獣クリア後の、
魂だけの姿となってしまった英傑ミファーとの再会ムービーです。
けしてリンクに近づこうとしないミファーが本当に健気で、
はじめてこのシーンを見たときは、本当に切ない気持ちにさせられました。
 
 
プロデューサーの青沼さんだったか、ディレクターの藤林さんか、
どちらがおっしゃったかはちょっと忘れてしまったんですけど、
今回のBotWが「アタリマエを見直す」ことを主眼にしていて、
主要キャラに声優さんを配して「フルボイス」に近い形となっています。
(さすがに主人公リンクはほとんどセリフらしいセリフは喋りませんけど・・・)
これまで掛け声や唸り声などに声優さんが使われたケースはあったのですが、
きちんとしたセリフをしゃべったことはこれまでありませんでした。
 
「文章だけでは人を感動させたり感情を揺さぶることはむずかしい」
「村や町の人たちがちゃんとそこにいるという『生きた』演出が必要である」
 
といった主旨のことをおっしゃっているんですね。
私も最初はキャラクターが声を出してしゃべるということに少し抵抗があったと思います。
前述の通り、声優さんのお名前とかほとんど知らない人間ではあるんですが、
過剰な演技とかで名シーンが興ざめしてしまう可能性を危惧していたんです。
 
しかし。
 
昨年3月に発売日を迎え、いざゲームをプレイすると、
そんな不安や危惧は一蹴されてしまっていました。
主要キャラを演じておられる皆さんが上手いんです。
演技力の高い声優さんって本当にすごいんですね!
ゼルダが、4人の英傑が、生き生きとその世界に『生きて』いました。
まあ、英傑4人はすでに大厄災の時に命を落としてるんですけど・・・
今でも賛否両論がある話題だとは思うのですが、
少なくとも私は「キャラクターに声が入ること」に肯定的な立場をとっています。
だからこの「再会 ミファー」の映像とセリフ、そして音楽の相乗効果で、
感動が倍加して、涙がこぼれたんだろうなぁと思いました。
 
 
つづけて「ミファーとシド」の演奏です。
ここではシドのテーマの音楽がミファーのテーマと見事に融合して、
映像をますます盛り上げてる点が良いですよね。
ピアノのアルペジオをバックに木管がシドのテーマを演奏。
このシドのテーマというのも、
名前の通り「シ」と「ド」の連続音がモチーフとして使われています。
(正確にはこのメドレーだと音階が少し違うんですけど詳細は割愛します)
そしてシドのテーマが盛り上がったところで、
映像では、優雅に滝登りするミファーに背中を預けるシドが大写しされます。
そしてゼルダ姫の待つ滝の上へ、華麗に着地します。
そのタイミングでまたあのピアノの柔らかな序奏が聞こえてきました。
ミファーのテーマですね。
ミファーがシドに対して決意と覚悟を込めた言葉を投げかけます。
小さなシドのあの「キラッ☆」も映像で見られてほくそ笑むと同時に、
少し切ない気持ちになりました。
 
 
#3 再会 ダルケル
#4 豪傑 ダルケル
ゴロン族の英傑ダルケルのターンです。
「再会 ダルケル」は神獣ヴァ・ルーダニアを攻略し、
炎のカースガノンを倒した後、魂を解放されたダルケルとの再会時に流れます。
これもミファーと同様、ダルケルのテーマとなるフレーズですね。
 
金管の低音が雄々しく響く序奏に続いて、ピアノと弦楽主体で主題が奏されます。
身体はデカいけど心根はとてもやさしいダルケルらしく、
テーマの後半は彼のナイーブさを感じさせる印象があります。
切ないメロディが胸を打ちます。
 
BotWのLINEスタンプを使ってるんですけど、
ダルケルの「役立ててくれ!!」ってスタンプがすごく好きなんですよ。
使いどころに困ることもありますけど、あれ良いですよね。
このダルケルとの再会のシーンで、
「ダルケルの守り」をリンクに託すときに使われているセリフですが、
ここ本当に胸が熱くなります。
ダルケルが神獣を動かして、厄災ガノンの巣くうハイラル城へ一撃をくわえたあと、
ダルケルの子孫であるユン坊が、その神獣に向かって手を振るシーンが、
ちょっと涙腺が刺激されるんですが、コンサートでは映像流れなかったですね。
まあ、あそこは再会後のイベントなので演目とは関係ないんですけど・・・
 
「豪傑 ダルケル」は、「ミファーとシド」と同じく、
DLC「英傑たちの詩」のイベントシーンでかかるBGMです。
 
王女ゼルダのスカウト旅の途中、ダルケルと山道を歩いていると、
前方にボコブリン(敵)の集団を見つけます。
何者かに襲い掛かろうとしている様子を見つけたダルケルは、
愛用の武器「巨岩砕き」を振り回し、ボコブリンを追い払います。
王女の前で敵を追い払ったダルケルが高笑いをしているのと同時に、
ゼルダは、敵が襲い掛かろうとしていた生物、犬を見つけるんですけど、
ダルケルがそれをみて怖気づいてしまいます。
彼の唯一ともいえる弱点が「犬」だったんですね。
豪傑と呼ばれるダルケルにも、そうした弱い一面があることがわかる、
とても微笑ましい一コマです。
 
「豪傑 ダルケル」のBGMは、
ピアノと打楽器がボサノバ調のリズムを緩やかに刻み始めます。
敵を見つけ追い払うシーンでは重々しい調子に変わって、
高らかな勝利とともに、またボサノバ調のリズムが戻ってきます。
そのコミカルさが映し出された映像に色を添えます。
 
主人公リンクのことを「相棒」と呼ぶダルケル。
「再会 ダルケル」のシーンも胸が熱くなるのですが、
ダルケルのことを最初に思い出す映像の時の、
主人公を信頼しきっているダルケルの様子が本当に見てて気持ちよくて、
そのシーンを事前に見ているからこそ、
あの魂開放シーンの感動につながる気がしています。
 
私自身がダルケルのテーマ大好きだからっていうのもあるかも、ですけど。
 
 
#5 再会 ウルボザ
#6 華麗なるウルボザ
ゲルド族の英傑ウルボザのターンです。
「再会 ウルボザ」は、砂漠内で近づくものを雷撃で攻撃し続けている、
ガノンに乗っ取られてしまった神獣ヴァ・ナボリス内で、
雷のカースガノンを退け、捕らえられたウルボザの魂を解放した時に流れます。
こちらも前述の英傑たちと同様に、ウルボザのテーマとして扱われています。
 
使われている楽器はオーケストラのものだけなのですが、
原曲であるウルボザのテーマの持つ異国感(エスニック)な感じが、
随所に感じられるアレンジが施されていました。
ピアノのアルペジオはほとんど変わってませんでしたね。
かなり原曲に寄せた仕上がりになっていて、
映像の魂だけの儚い存在となったウルボザの気持ちを代弁しているように感じます。
 
実はウルボザのイメージというと、豪胆な人というイメージがありまして。
それは、ゲルドの街の王宮で現族長であるルージュの依頼で
「雷鳴の兜」という神器を取り返した時に思い出す記憶の印象が強いんです。
神獣ヴァ・ナボリスのテラスのような場所で疲れてウルボザの膝枕で眠っているゼルダ
そこにリンクが現れて、ウルボザに姫の護りを託されるんです。
そのあとで「ウルボザの怒り」(雷撃範囲攻撃)を使ってゼルダを起こすんですね。
その行為がちょっと剛毅でカッコいいなぁ、と思ったんですよ。
そのイメージが強いから、あの魂開放のシーンで歯がゆい思いをしているであろうウルボザの気持ちを考えると、かなり切ない気持ちにさせられました。
ウルボザのテーマの生演奏を聴きながらそんな光景を思い出しました。
やはり、音楽には記憶中枢を刺激する何か特殊な力があるのかもしれないですね。
 
「華麗なるウルボザ」は、
なぜウルボザが王女ゼルダのことを「御ひい様」と呼ぶのかがわかります。
 
ピアノの重厚な和音に、金管の重厚な音色で奏でられるウルボザのテーマ。
映像には、イーガ団の刺客が二人登場し、姫を狙おうと構えています。
文字通り華麗な太刀さばきでその刺客を退けたウルボザ。
激しくなった演奏がまた突然途切れ、優しくテーマが奏でられます。
ウルボザが語ったのは、ゼルダ姫の母親である王妃のこと。
豪胆な人というイメージが、強くしかしそれ以上に優しい族長という印象に変わったのは、
たぶんこのDLCでの映像を見たからだと思います。
もうね、ほんとカッコいいよ、ウルボザ!
 
 
#7 再会 リーバル
#8 孤高の戦士 リーバル
最後の英傑は、リト族の英傑リーバルです。
最初はほんとに嫌いでした(笑)。
自分自身と少し似てる部分があるからそう感じたのかもしれないですけど。
主人公リンクをライバル視して皮肉を飛ばしたり、
少しでも優位に立とうとして、気取った性格を見せたりと、
序盤に思い出した限りでは、良いところ全くない状態です。
 
まあ、その印象が180度変わることにはなるんですけどね。
 
「再会 リーバル」は、これまでと同様、
リトの村を覆うように飛行して、飛んでくるリト族を撃ち落としていた、
神獣ヴァ・メドーに巣くった「風のカースガノン」を倒し、神獣を取り戻した時、
魂が解放されたリーバルが登場するところで流れるBGMです。
神獣内には5つの制御端末があり、それを起動することでメイン制御装置が作動、
それを起動させようとするとカースガノンが出現しボス戦となるのですが、
その制御端末を一つ起動するたびに皮肉を聞かされる羽目になり、
「驚いたね」だとか「先は長いね」とか言われると、解放するのやめたくなりました。
で、リーバルの魂が神獣を動かしてハイラル城に照準を合わせた後、
「リンク、君こそ僕らの要だ」と呟くように言うのを聞いて号泣してました。
リンク本人の前ではけして言わないところがまた、
彼らしいといえばらしいんですけどね。
 
「再会 リーバル」の演奏には、
先ほど登場されたアコーディオン奏者の津花さんが演奏に参加されます。
そのアコーディオンの音色でリーバルのテーマが演奏されると同時に、
もう涙を止めることが出来ませんでした。
 
ああもう、ほんとよかった・・・
 
そのあとに続くオーボエの旋律がまた良いんです。
そしてピアノソロでリトの村の音楽の最初のメロディが続いて、
ここから一気に盛り上がりを見せ、アコーディオンのソロパートが切なくテーマを終わらせます。
皮肉屋で負けん気の強いリーバルの性格とは正反対の、
繊細で優美な、だけど力強い旋律で表現する(あくまで私見ですけどw)、
というのが本当にリーバルらしいような、でもらしくないような。
でも、とっても好きな曲になりました。
 
「孤高の戦士 リーバル」は、
DLC「英傑たちの詩」で見ることのできる映像についたBGMです。
スカウト旅のゼルダが直接リト族の飛行訓練場へと赴いた時のお話です。
そこで「リーバルの猛り(リーバルトルネード)」の練習をしていたリーバル。
しかし、自ら発生させたトルネードの力に抗えずに地面へ叩きつけられます。
その一部始終をゼルダが見ていることに気づいたリーバルは、
自分の努力している姿をみられた事の腹いせなのか皮肉をたたきつけます。
「英傑として神獣の繰り手となってほしい」というゼルダの願い、
その依頼を快諾したリーバルだったんですが、
そこで再び彼はリーバルトルネードに挑みます。
華麗に上空を滑空しバクダン矢で訓練場の的を射るその姿に驚きの表情を見せるゼルダ
その表情に満足したのか、いつもの皮肉屋の表情に戻ったリーバルは、
「彼が今の技を見て自信を無くしても、責任は持たないよ」とゼルダに対して宣うのでした。
 
この「孤高の戦士 リーバル」の曲と映像が大好きでして、
最初この映像を見たときにもやっぱり感激して泣いてました。
ミファーの時にも書きましたけど、
声優さんの演技がとても素晴らしく、感動が増しているように思います。
 
リーバルが「リーバルの猛り」を成功させて、高空から局所射撃をしているときに、
オーケストラの全合奏で奏でられるリーバルのテーマがカッコよすぎて、
そのカッコいい射撃の映像と完璧な音楽のタイミングもあって、
こらえていた涙を抑えることが出来ませんでした。
 
まあ、この涙は最後の曲でさらに多く流れることになるんですけどね(笑)
 
 
#9 聖なる姫と五人の英傑
この音楽は、DLCである「英傑たちの詩」のエンディングに相当する場面です。
ハイラル城での英傑たちの叙任式と、
そのあと城の四阿(あずまや)での撮影のシーンで使われた音楽になります。
 
今回のコンサートでは、映像の後半のウツシエ撮影のところだけ演奏されました。
 
 
先に言っときます。
このウツシエを撮るシーン、めっちゃ好きです!!
最初に見た時も号泣しましたし、演奏会でもやっぱり号泣してました。
 
 
叙任式の音楽は、SFCハイラル城のBGMがベースとなっています。
ハイラル王が、王女ゼルダの仕立てた青い衣を授けられます。
ハイラルの英傑といての職務を全うすることになった5人が、
叙任式のあと、城の中庭にある四阿に集まり、
まだほとんど内包されている機能が解明されていないシーカーストーンで、
「本物と同じような絵が作れる」ことを知ったミファーが、
ゼルダにウツシエを撮ることを提案します。
 
演奏会でのこのセクションの音楽は、このミファーが提案するところから始まります。
そして、映像はゼルダと5人の英傑を撮影するシーンになります。
 
図体が大きくて画角に入らないから「かがんで」と指示されるダルケル。
少し表情が暗いと撮影者に言われ、ウルボザに優しく気遣われるゼルダ
画角から外れそうになっているのでもっと中央へ寄るよう言われるリーバル。
リンクの隣で緊張しているミファーに優しく声をかける撮影者の女性。
皆の言動を何度も見たくなるくらい大好きなシーンです。
 
ダルケルが気づかわしげに視線を左右に動かす様子から優しさが感じられ、
姫の表情がこわばっている様子を知って、優しく微笑みかけるウルボザがいて、
みんなが姫様のそんな様子に視線が集中する隙に、
可愛い仕草で隣のリンクとの間隔を詰めるミファー。
ポーズに苦慮しつつ、ミファーの緊張した様子に優しい笑みを浮かべるリーバル。
そして、撮影者の合図とともにニヤリとしたダルケルが、
大きく手を広げて、前列で並んでいるみんなを強引に中央に引き寄せます。
ダルケルの仕掛けたドッキリに、
びっくりした表情を浮かべるゼルダ、リーバル、そしてリンク。
心なしかリンクと間近になれたことに驚きながらも喜んでいるように見えるミファー。
そんな皆の様子を達観したように優しく見つめるウルボザ。
してやったりという表情を浮かべ、満面の笑みのダルケル。
音楽の盛り上がりが最高潮に達したところで、あの掛け声です。
意外な撮影者が、シーカーストーンでウツシエを撮っているんですけど、
それが誰なのかこのタイミングでわかるようになっています。
 
この撮影シーン、ちょっとしたハプニングも含めてとっても泣けます。
このウツシエの中に映っている人物の半数以上がすでにこの世にいないという現実、
この叙任式後のいっときの和やかな平穏など、
もろもろの気持ちの波動みたいなものが襲い掛かってきて、
私の緩くなってしまった涙腺を大きく刺激するものだと思います。
 
ミファーがウツシエを姫にお願いするシーン。
ピアノの爽やかな和音がミファーの気持ちを代弁しているように聞こえます。
流れてくるメロディは「ゼルダ姫のテーマ」、
そして「ゼルダの伝説メインテーマ」の断片なんですよね。
続けて優しく流れてくるメロディは、
DLC内で何度となくカッシーワが奏で続けていたメインテーマ「英傑たちの詩」。
アコーディオンの音色とは違って少し硬質かもしれませんけど、
CHIAKiさんの奏でるピアノの音色は、どこまでも優しかったです。
そのあと弦楽が滑るように加わって、ピアノと一緒にメロディを盛り上げます。
一分の隙も無いメロディとその映像に、私の涙腺は崩壊していました。
 
ゲームのプレイ当時も泣きまくってましたけど、
生演奏で聞くこの調べも破壊力抜群でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
演奏も終わり、ここで前半が終了となります。
 
ここまで90分ほど、ほぼ勢いだけで文章を書いてしまいました(笑)
読みにくいと思いますが、本当にすいません。
あと、一心に書き続けているので指の疲れがひどく、
大変申し訳ありませんが、後半は分量が少なくなります。。。
 
休憩があけて、後半です。
英傑メドレーでたくさん水分を持っていかれたので多めに補給をし、
さっきまで高ぶっていた気持ちを落ち着け、開演に備えます。
 
 
 
 
 
 
 
8.夢をみる島メドレー
#1 セイレーンの楽器(まきがいのホルン)
#2 メーベの村
#3 フィールド
#4 ふしぎの森
#5 家の中
#6 タルタル山脈
#7 聖なるタマゴ 直接対決
#8 かぜのさかな(エンディングバージョン)
 
ゼルダシリーズの中でも名作と誉れ高い「夢をみる島」です。
ゲームボーイで発売された、携帯機初のゼルダシリーズとなります。
モノクロ版の方を最初にプレイして、後にでた「DX版」もやりこみました。
 
個人的に「セイレーンの楽器」から始まるメドレーに興奮です。
ホルンソロで奏でられる「かぜのさかな」の一節がさびしくホールに響きます。
 
その後、メロディが展開してたどり着くのは「メーベの村」。
主人公が流れ着いた海岸からほど近い村です。
マリンに助けられた主人公は、彼女の住む家に運ばれます。
父親のタリンと二人で住む家で自分の盾を返してもらい、剣を求めて海岸をさまよいます。
盾を使って敵を押しのけつつたどり着いた海岸の奥で主人公は剣を発見します。
入手と同時にファンファーレが鳴り、勇壮なフィールド曲が始まります。
映像と演奏とのリンクも素晴らしく、
ちゃんとファンファーレからフィールド曲へつながる構成に感動します。
ファンファーレ前にさりげなく謎解き音がかすかに聞こえてくるのも憎い演出です。
 
フィールドの曲の勇壮さが徐々に影を潜めて、
低弦のピチカートとピアノのトリルに続いて、
木管の緊迫感のあるメロディが顔をのぞかせます。
「ふしぎの森」と呼ばれる迷い度100%の森です。
最初のダンジョンである「テールのほらあな」へ入るための鍵が手に入るところですね。
この曲、フィールド曲のアレンジなんですよね。
メロディのバックで奏でられる、電話の呼び出し音のようなピアノのトリルが、
怪しさと緊張感を醸し出しています。
 
金管の「めざめのうた」のファンファーレに続いて
「家の中」はあまり演奏などでは聞けないレアな演目だと私は思っています。
原曲は2つの音色のみでエコーのような響きを演出しています。
輪唱のように優しい旋律が響く静かな音色は私を眠りの中へといざなってくれます。
この曲、何気ない曲のようですけど、大好きなんですよね。
 
そんな心地よさから一転、勇壮なリズムを刻むと、
このゲーム内でも屈指の人気曲「タルタル山脈」が始まりました。
高速のアルペジオ(分散和音)にフィールド曲のアレンジメロディが響きます。
メインテーマのアレンジって、どうしてこうすべてがカッコいいんでしょうね。
メロディ最後の二拍三連のところが大好きです。
 
セイレーンの楽器をすべて集め、聖なるタマゴへと向かうと、
そこにぽっかりと入り口が。
迷宮の奥で待っていたのは「シャドー」。悪夢が生み出した幻影です。
ビートの聞いているベースとリズムが続いて奏でられたメロディ、
これ「かぜのさかな」のアレンジなんです。
 
かぜのさかな」というと3音の上昇音階が基本となっています。
そしてそのフレーズはこのゲームのそこかしこに現れます。
このボス対決のメロディもそうですし、ゲームオーバー時にも流れます。
あとは夢の中でのメロディも、
舞台となるコホリント島の真実がわかる「南の神殿」の音楽でも登場します。
 
 
 
ここからは完全に余談になってしまうんですけど、
任天堂さんの作るゲームというのはとても丁寧、というイメージがあります。
それはゲームデザインやシステムなどでもそうなんですけど、
音楽に関してもその丁寧さは行き届いているような気がするんですね。
「フレーズ(旋律)」を大事にしている、とでも言えばいいのでしょうか。
 
例えば、「夢をみる島」と同じゲームボーイで発売された佳作RPG
「カエルのために鐘は鳴る」というのがありまして。
音楽を担当されたのは、「とたけけ」こと戸高一生さんです。
このゲーム、フレーズの使い方が巧みなんですよ。
「レ↑、ソ、ラ、レ、ミ、シ」という6音が鐘の音を表現しているんですが、
この6音のフレーズがそこかしこに登場するんです。
このゲームのフィールド曲「王子の冒険」でも、
イントロからいきなり6音が登場して、序奏の最後にも登場、
主題のメロディが一節終わったらまた登場、という具合です。
(この主題後のアレンジ、実は二重で同じフレーズが出てくる高度な技を駆使してます)
それはもう、とたけけさんのセンスのすごさに舌を巻くしかないんですが、
そうした、フレーズを丁寧に処理するというのが、
任天堂さんのサウンドチームの根っこの一つにあるのではないかなと思います。
 
 
・・・話がそれてしまいました。
 
ラスボス戦となるシャドーとの対決の音楽はそりゃもう興奮しました。
迫力のアンサンブルで奏でられる「かぜのさかな」アレンジでの戦闘曲、
プレイ当時、どうやってダメージを与えるのかわからず、
途中でゲームボーイ本体を投げつけそうになりながらもクリアした記憶とともに、
スクリーンに映るシャドーを見ながら手に力を入れて聞いていたように思います。
 
そしてボスを倒し、いよいよ目覚めの時を迎えます。
かぜのさかな」がヴァイオリンのソロで優しくホール内に響きわたり、
徐々にそのメロディが盛り上がっていきます。
そこからマーチ調のリズムが出現、エンディングが始まります。
この曲も二つのメロディのアレンジによる展開となっています。
「フィールド曲」と「かぜのさかな」ですね。
切ない幕切れで、この明るい曲調が胸に刺さります。
途中でかぜのさかなのメロディが跳ねるようなリズムとともに登場し、
調性がほんの少しだけ暗くなるんですが、テーマが再び協奏されて、
最後にメインテーマが壮大な曲調で演奏されて幕を閉じます。
 
エンディング映像の中で、街の人たちが消えていくところと、
空の浮かび上がるマリンの姿に涙ちょちょぎれたのは秘密です(笑)
 
 
9.ブレスオブザワイルド カッシーワメドレー
#1 カッシーワのテーマ
#2 カッシーワのテーマ(勇者の詩Ver.)
#3 英傑たちの詩(バラッド)
 
MCの嶋村さんが登場し、アコーディオン奏者の津花さんが拍手とともに舞台上へ。
インタビューが行われます。
コンサーティーナと呼ばれる少し小さめサイズのアコーディオンのことや、
津花さんの持つクロマチックアコーディオンなど楽器の違いなどの説明がありました。
MCの嶋村さん、やっぱりまだ緊張している風でしたね(笑)
 
最初に演奏されたのは「カッシーワのテーマ」。
津花さんのソロ演奏姿がとってもカッコよくて聞きほれます。
そのメロディにヴァイオリンソロが加わりメロディが進行していきます。
 
カッシーワはリト族の吟遊詩人、なのだそうです。
各地に残っている古の詩を求めて世界各地を旅しています。
その古の詩がそのままチャレンジへと直結しているんです。
確か、ほこらチャレンジが7つとミニチャレンジだったと思います。
カッシーワが旅のねぐらにしている場所に彼の日記がおいてあり、
それをチェックすることで古の詩のおおよその場所を確認できるんですよね。
結構苦労してそれらをクリアして、リトの村に行ってみると、
旅を終えたカッシーワが5人の子供たちとともに演奏してくれます。
リトの村の音楽の別バージョンってことですね。
それもとっても可愛らしくて大好きではあるんですが、
夜に訪れると、カッシーワが自分の師匠についての話をしてくれるんです。
 
カッシーワの師匠は、ハイラル王家につかえるシーカー族の宮廷詩人でした。
そんな師匠はかなわぬ恋をしてしまいます。それは王家の姫様でした。
しかし、姫様はすでに自分の側付きの近衛騎士に思いを寄せます。
そんな近衛騎士に、カッシーワの師匠である宮廷詩人は嫉妬します。
そんな中で起こったのが100年前の大厄災でした。
そうして師匠はある詩を作り上げました。
 
カッシーワはリンクにこう告げます。
「これはあなたにお聴かせしないといけない詩なのです」と。
それこそが「勇者の詩」でした・・・
 
 
「カッシーワのテーマ(勇者の詩Ver.)」は、前半はカッシーワのテーマなのですが、
歌われる歌詞が切なく王女と勇者の物語を紡ぎつづけ、
最後には「ゼルダの伝説メインテーマ」が登場してテーマがしめられます。
その歌詞の内容は、13枚目のウツシエの記憶、
リンクがガノンに憑依された無数のガーディアンを退けつつも傷つき倒れてしまった時、ガーディアンの攻撃から守ろうとして、ついにゼルダが封印の力に目覚める場面です。
 
 
カッシーワの師匠は大厄災のさなか、カカリコ村へと逃げます。
その途中、ハテノ砦のほど近くで姫様を守る近衛騎士リンクを目撃するのです。
近衛騎士をかばおうとして、巫女の力に目覚めた姫君とともに。
その後、カカリコ村について仔細をインパ様から聞いた師匠は決意します。
古の勇者の詩。これを調べていつか戻ってくる近衛騎士、いや勇者へ伝えようと。
そしてカッシーワはリンクに向けてこうお願いするのです。
「近衛騎士殿、今は亡き師匠の詩、受けていただけますか?」と。
 
この一連のイベントで私は感動しました。泣かなかったですけどね。
見ようとしてみられるイベントではないんですけど、
偶然にも私はリトの村で、この「勇者の詩」を聞くことが出来ました。
カッシーワは知っていたんですね、リンクが師匠の語った近衛騎士本人であることに。
 
演奏を聞いていて、映像とともにプレイの記憶がよみがえってきて嗚咽しそうになりました。
さすがにこの時はこらえましたけど(笑)
 
続いて演奏された「英傑たちの詩」は、前半の英傑メドレーでも登場しましたが、
あちらよりも少し規模の小さな演奏だった印象です。
弦楽合奏によるメインメロディが奏でられると、
そこからアコーディオンへとメロディが移っていきます。
最後はアコーディオンソロで静かにその演奏が閉じられます。
 
メロディの持つ力というのは偉大なもので、
津花さんの奏でるこの詩のフレーズが胸に刺さりまくりでした。
素朴なメロディなんですけど、なぜか心に響いてきたんですね。
気持ちのこもった演奏だったからなのか、
イベント全体の記憶がその音色で呼び覚まされたからなのか、
今でもその真相は全く分かりませんけど、やっぱり泣いてました・・・
 
 
10.競馬
アコーディオン奏者の津花さんが引き続きオケと一緒に演奏したのは、
時のオカリナで登場した「競馬」の曲です。
ここでなぜこの曲なのか、と疑問に思ったのは私だけではないはずです。
でも、これがとても良かった!!
 
たぶん原曲で使われている音色はハーモニカだと思うんです。
津花さんのインタビュー時にも話されていたことなのですが、
ハーモニカは吹き口から息を吹きかけたり吸ったりすることで、
中に並んでいるリードと呼ばれる薄い板状のものが振動することにより、
音を出す仕組みになっています。
これがアコーディオンと類似しているんですね。
アコーディオンの内部にもリードと呼ばれる薄い金属の板があります。
それを楽器の中央にある蛇腹を動かすことにより空気を送り込み、
その強弱によって音を出す仕組みとなっています。
鍵盤ハーモニカ(メロディオン、ピアニカ)も原理はほぼ同じです。
 
なので、アコーディオンもハーモニカと似たような音が出せるってことですね。
 
ちなみにこれもかなり余談ですけど、
「空気で内部構造物を振動させたり、空気を共鳴させる楽器」のことを、
楽器分類学では「気鳴楽器」と呼んでいます。
アコーディオンもハーモニカも、あとフルートやオカリナなども気鳴楽器になります。
 
 
この「競馬」という曲、実はそれほど長い曲ではないんですけど、
フィドル(ヴァイオリン)によるソロからはじまって、
アコーディオンの津花さんの超絶技巧が堪能できる素晴らしいアレンジとなっていました。
最後は、指揮の竹本さんが客席のほうを向いて、手拍子のアクション。
そして客席からも手拍子が高く鳴り響いて、それはもう何とも言えませんでした。
 
まさかこの曲で感動する日が来るとは思わなかったです・・・
 
 
11.ゼルダの伝説~ハープの調べ~
#1 大妖精の泉
#2 シークのテーマ
#3 女神の詩
 
ハープ奏者の山宮るり子さんが、嶋村さんのMCで紹介されます。
ノースリーブで菫色のロングドレスに身を包んだ山宮さん。
進行台本を手に緊張されている嶋村さんの様子に少しドキドキしながら、
山宮さんへハープという楽器の質問をされていました。
「コンサートペダルハープ」と呼ばれる大きなハープには、
下部に7つのペダルが備え付けられていて、
上半身は優雅に演奏しながら、足はペダルを踏みかえたりして忙しいので、
長いドレスを着ることで、ペダル操作の足を隠しているというエピソードは、
会場からも笑いが起こっていました。
また、スカイウォードソードゼルダが持っているハープは、
「サウルハープ」に近しいものであるという話も飛び出しました。
サウルハープは手元のレバーを操作して音程を変えるそうですけど、
ゼルダの持つハープにはレバーが付いていないようなので、
音程を変えるのは難しいのではないか、という考察も興味深かったですね。
 
 
#1 大妖精の泉
最初にこの曲が登場したのは「神々のトライフォース」でしょうか。
FCDの「ゼルダの伝説」や「リンクの冒険」では出てこなかった気がします。
妖精の泉、あるいはゲーム開始後のファイルセレクト画面の曲ですね。
 
山宮さんの流麗な手の動きが、豊潤なハープの音色を紡ぎます。
その波打つような華麗なる序奏に続いて、主題が優しく、そしてか細く響き始めます。
最初は一つだけ音色だったそのメロディが、
アルペジオ風のメロディへと変わって、音も少しずつ増えていきます。
木管の優しいメロディに寄り添うハープの音色もまた美しかったですね。
その後、合唱も加わって、でもハープの繊細な音は軽やかにホールに響きます。
 
 
舞台上のスクリーンには時のオカリナに登場する大妖精や、
風のタクトに登場する妖精の女王の映像などがダイジェストに映しだされます。
何かと評判のNINTENDO64版の大妖精ですけど、
最初に見たときは私も少し怖い印象がありました(笑)
風のタクトのトゥーンレンダリングの妖精の女王も姿見はちょっと怖かったですね。
神々のトライフォースに出てくる大妖精は2Dですけど、
私の中ではトップクラスで美しい印象です。ええ、ひいき目です(笑)
 
 
#2 シークのテーマ
シークというのは、時のオカリナに登場する謎めいたキャラクターです。
発売当時、NINTENDO64でプレイしていた頃、
なんともいけ好かないシーカー族だな、と思っていたものですが、
都合よく歌を教えてくれたり、主人公の窮地を救ってくれたり、
最後の最後で正体を明かされて、驚愕したのは本当にいい思い出です。
 
原曲と違わぬ音がホールに満ちていきます。
序奏のような、でもけして重苦しくない竪琴の声音。
淡々と紡がれていく、その切ない音色は、
懐かしいような、でも切なく悲しいようなそんな印象を与えてくれます。
ハープとオーケストラが親和性を高めて音色が盛り上がる感じは、
本当に聞いていてうっとりとするばかりでした。
 
 
ここでまた余談を挟ませてください。
 
シーク=ゼルダ、というのはすでに知られていることなので、
もうここでネタバレとして書いちゃいますけど・・・
となると、シークのテーマとゼルダ姫のテーマ、何か関連性があるのかしら、
と当時この2曲の共通項を分析しまくっていた時期があります。
さりげなくシークのテーマの中に「ゼルダ姫のテーマ」のフレーズが使われている、
というのはあまり知られていないような、実はすでに知れ渡っているような、
どっちかよくわからないんですけど、
当時それを見つけたときの嬉しさは、得も言われぬものがありました。
すでに誰かがネットで書いちゃってる可能性もありますけどね(笑)
 
そのくらいこのシークのテーマが好きだったというお話です。
 
 
#3 女神の詩
スカイウォードソードのメインテーマという位置づけの曲ですね。
というよりも、この曲に仕込まれた仕掛けの方が有名かもしれません。
作曲された任天堂の若井さんは、この秘密を話さないつもりだったみたいですね。
結局ファンがこのメロディが「ゼルダ姫のテーマ」の逆再生となっていることに気づき、
一時期騒然としたのは記憶に新しいところだと思います。
 
ゲーム本編では荘厳なオーケストラで奏でられた「女神の詩」ですが、
今回はハープが主役ということで、少しおとなしめのアレンジです。
途中からはコーラスも加わり荘厳な印象もありましたけど。
ゼルダが村の広場で片手に竪琴を持って歌っているような感じでしょうか。
終始優しいアレンジに、ニヤニヤし続けてましたので、
近くで私の顔を見ていた人がいたとしたらきっと気持ち悪がってたでしょうね(笑)
 
 
12.ブレスオブザワイルドメドレー -決戦-
#2 厄災ガノン出現
#3 発動! 英傑の力
#4 厄災ガノン戦・第一形態
#5 厄災ガノン戦・第二形態
#6 魔獣ガノン出現
#7 魔獣ガノン
#8 エピローグ
 
ハイラル城へ入城して、本丸に救う厄災ガノンと戦い、
さらに場所を移して魔獣ガノンを討伐し、ゼルダとリンクの物語の終幕まで、
それをメドレーにしたものです。まさに一大叙事詩でございました!!
 
 
と、ここでサプライズゲストが登場します。
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのディレクターをつとめられた藤林さんです。
MCの嶋村さんに紹介されて登場し、魔獣ガノン戦のコンテ、設定資料などを紹介されました。
貴重な資料や、魔獣ガノン登場のイラストなどがスクリーンに映し出され、
その最後には2014年のE3で公開されたトレーラーの一部、
「馬上から飛びあがりつつ、ガーディアンに変形する弓をひくリンク」の映像が。
するとその映像を一緒に見ていた嶋村さんから、
「リンク、かっこいい・・・」と渾身のつぶやきがもれていました。
会場はその瞬間笑いに包まれたのですが、嶋村さんのお気持ちよくわかります!
あのリンク、ホントにかっこいいですから。
 
「こうした資料を見ることで、決戦メドレーがより楽しめるのでは」
という藤林さんのお言葉もありましたが、貴重な資料もそうですけど、
ゼルダの声であんなつぶやきが聞けたことが本当にうれしかったです。
 
 
この最初の出だしが、夢をみる島の「かぜのさかな」からとられたものというのが、
どうやらファンの間ではまことしやかに言われているそうです。
そうなのかもしれないし、単なる偶然なのかもしれません。
公式で発表されているのかされていないのかはわからないんですけど、
「ま、たぶんそうなのかも」というのが私の意見です。
 
スネアの重々しいリズムについで、金管の重厚な主題が登場します。
この部分が前述の「かぜのさかな」の引用らしき部分ですね。
ピアノの煌びやかながら不穏な空気を感じさせる音が後ろで鳴り続ける中、
ゼルダの伝説メインテーマ」のフレーズが顔をのぞかせます。
 
ゲーム内ではリアルタイムで音色が移り変わり、
外にいるときは荘厳な響きから「ゼルダの伝説メインテーマ」、
内部にいるときはオルガンメインの響きから「ゼルダ姫のテーマ」となります。
そしてさらによく聞いてみると、「ガノンのテーマ」も聞こえてきます。
 
厄災ガノンを100年間封じ続けているゼルダの想いと、
記憶を取り戻しながら一刻も早く我が主を救おうと乗り込んできたリンクの勇気、
そして、完全体となるべく力を蓄えている厄災ガノンの悪知恵が、
このハイラル城で渾然一体となっているのを音で表現しているように見えます。
早く本丸へたどり着きたいのに、
二の丸や三の丸にいる強敵ライネルの刃に沈んだことを思い出しつつ(笑)、
ついに本丸へとたどり着いたリンクが見たものは・・・
 
 
#2 厄災ガノン出現
本丸の天井には人間の臓器のようなものが胎動を続けています。
そこにゼルダの悲痛な叫びが重なり、
咆哮と攻撃を重ねながら、リンクの眼前に厄災ガノンが姿を現します。
 
全合奏と合唱のハーモニーが本当に素晴らしかったのですが、
煽るように同じフレーズを何度も重ねる弦楽に、
さらに盛り上がる合唱が加わり、その興奮は最高潮へと達します。
そこにはよく聞くとやはりまた「ガノンのテーマ」が聞こえてきます。
 
なんなんでしょうね、この「負けられない戦い」という空気。
はじまりの大地でハイラル王に託された思いだったり、
4人の英傑にそれぞれ託された希望だったり、
100年間ずっと封印の力を行使しながら待ち続けているゼルダの切なる思いだったり、
そうした感情がないまぜになって、感情移入してしまうんでしょうね、きっと。
普段キャラクターに思い入れを持たないことで良く知られる私ですが、
この最終決戦では「負けへんで~」という気持ちにさせてくれました。
それは、ここまでのストーリーテリングの妙によることはもちろんのこと、
この最高潮に興奮させてくれるラスボスの登場シーンの影響もあるんだと思いました。
 
 
#3 発動! 英傑の力
対峙するリンクと厄災ガノンですが、
四神獣を解放した場合、ここで映像が入ることになります。
4人の英傑と神獣が、厄災ガノンに「おみまい」するシーンです。
この「おみまい」によって、厄災ガノンの体力が半減します。
 
この合唱と演奏は反則級だと私は思っています。
英傑の想いが結集して、ハイラル城上空で4つの力が一つとなり、
そこから厄災ガノンへと降り注いていくシーンは、
この音楽と見事に融合して、素晴らしい演出となってます。
私もここで涙をこらえることが出来ませんでした。
前述のゼルダの悲痛な声もあって、負けられない戦いの演出として、
本当によくできているなぁ、と今は冷静に分析してますけども。
 
同じフレーズを繰り返し使う、というとミニマルな感じを想像しますけど、
どちらかというとホルスト作「惑星」の「火星」に近い印象ですかね。
こういうのをオスティナート(執拗音型)っていうんですけど、
高揚感みたいなものを曲につけたいときに使われる手法の一つですね。
この曲ではオケのアンサンブルと合唱によるオスティナートとなっており、
途中で転調をすることにより、さらにその効果を上げています。
 
また、ここで四人の英傑のセリフがカッコいいやら嬉しいやらで、
興奮度、ボルテージがどんどん上がってくる感じです。
そりゃ泣きます・・・
 
 
#4 厄災ガノン戦・第一形態
#5 厄災ガノン戦・第二形態
四神獣を解放するために戦った、四体のカースガノンというのがいるんですけど、
厄災ガノン戦では、その四体の攻撃形態をMIXした形でリンクに襲い掛かります。
先ほどお話しした通り、興奮度はMAXとなっておりますので、
冷静な状態で最初は戦えなかったわけですけど(笑)
 
第一形態も第二形態も、曲の構成はほぼ同じです。
(細かく聞くと少し違うんでしょうけども)
第二形態の場合だと曲の速度が少し早くなっていますね。
オケによる上昇音階のアンサンブル、そしてガノンのテーマがここでも出てきます。
全合奏で奏でられる旋律がカッコよくて興奮しっぱなしでした。
 
最初に厄災ガノンと戦うときには冷静ではなかったので、
曲の詳細まで聞く余裕はほとんどなく、気が付いたら倒していた感じでしたけど、
2回目以降はその荘厳な響きに身をゆだねるだけの余裕が出ていました。
第二形態となると、灼熱の鎧をまとったように真っ赤な姿となり、
攻撃形態もちょっと変化して、ガノンは主人公へと向かってきます。
 
最初プレイしたときは神獣解放しないままハイラル城に向かったんですけど、
その時、厄災ガノン戦でどうやるのかまったくわからず、
レーザーをもろにくらいつづけ(パリィ成功率3割くらいでした・・・)、
回復アイテムを消費しまくって倒したので、
この音楽を聞いているとその苦戦した記憶がよみがえり、嫌な汗かいてました(笑)
 
 
#6 魔獣ガノン出現
厄災ガノンを屠った後、場所をハイラルの大地へ移し、
瘴気をまとった魔獣ガノンがその体躯を露わにします。
と同時にゼルダの声が響き、光の弓矢を授かり、最終戦へ挑むことになります。
この一連の流れがムービーで映し出されるんですが、
そこで流れる音楽もまた大変素晴らしい構成となっております。
 
魔獣ガノンが出現するところはガノンのテーマがメイン、
そして光が出現し、それが光の弓矢となってリンクの目の前へと降りてくるところは、
ゼルダ姫のテーマから、BotWのメインテーマ後半のアレンジとなっています。
 
ゼルダ姫のテーマ(ゼルダ」→「メインテーマ後半(リンク)
 
つまりはゼルダからリンクにすべてを託していることを音楽で表現しているんです。
その構成に、決戦前に涙腺緩みっぱなしでした・・・
 
全合奏で奏でられるガノンのテーマ、
そのあとに現れるピアノの音色が奏でるゼルダ姫のテーマ、
そして、そこに緩やかに続けてメインテーマの後半部分のフレーズ。
 
その曲が終わった余韻が、そのあとに訪れる魔獣との死闘をも予感させます。
 
 
#7 魔獣ガノン
終戦です。
ゼルダガノンを抑え込んでいる間に出現する光る場所に、
馬上から光の弓矢で射ることでダメージを与えるというものです。
 
激しい低音の一定のリズムが続き、ピアノのトリッキーなメロディが重なります。
その独特のリズムとメロディがひとしきり続いたのち、
弦楽がメインテーマ後半を奏でるのですが、
その後ろではピアノがジャズのアドリブのように激しく強い音を奏で続けます。
すると、オーボエが今度はメインテーマの前半部分を演奏します。
そこでピアノの激しい音色が少し穏やかになるんですけど、
そこで弾いているのは「襲歩」のピアノなんですよね。
馬上戦闘がメインとなっているのでこうしたギミックも入ってるわけです。
そうしてメインテーマ前半部分のアレンジが終わるやいなや、
ガノンのテーマが大きく前にせり出してきます。
 
この楽曲構成の妙が本当にすごいですよね。
先ほどの「魔獣ガノン出現」では、
ゼルダ姫のテーマメインテーマ後半(リンク表現部分)という順番だったのが、
今度はその逆になっているんです。つまり、
メインテーマ後半(リンク)からメロディが始まって、
そのメロディがメインテーマ前半部(ゼルダ表現部分)へとつながっていくんです。
(メインテーマの構成を逆にした形ってことですね)
それはまさに、
「リンクが魔獣ガノンに挑むことで、
長年にわたり力を行使しガノンを封印し続けたゼルダに応えようとしている」
という図式です。
ゲームプレイ中にその構想意図に気づいた瞬間、鳥肌が止まりませんでした。
 
総じて私はメインテーマのアレンジものに弱いことがよくわかりました(笑)
 
そしてこの曲は、ピアノがずっと大活躍でした。
CHIAKiさんも相当な覚悟をもってこの曲に臨まれたように思います。
いや、まあ、BotWは全編ピアノが大活躍でしたけど(笑)
あの荒ぶるピアノを演奏、ホントにお疲れさまでした。
CHIAKiさんのピアノのおかげで、この曲の魅力が引き出されたように思います。
 
 
曲は転調をしてさらに盛り上がっていきます。
この辺りになるとガノンのテーマは影を潜めています。
だんだんとリンクの優勢となってきたことを表現してるのですね。
 
そして魔獣ガノンの体力が残り少なくなると、魔獣ガノンの頭上に中枢部が露出します。
その段階になると曲がピアノ主体に戻ってきます。
木管で奏でられるその旋律は「メインテーマの終わりの部分」のアレンジ。
ピアノが魔獣ガノン戦の序奏のごときリズムをずっと刻み続けるのですが、
そんなリズムとともに聞こえてくるのは「ゼルダ姫のテーマ」の断片です。
ピアノが強拍で奏でるそのテーマは、
ゼルダの悲願ともいえるガノン討伐への強い思いを感じさせます。
 
光の弓矢でその中枢部を射るときに、ゼルダの声が強く届くあの演出もあって、
魔獣ガノンにとどめを刺すシーンは号泣ものでした。
もちろん今回の生演奏でも泣きまくりです・・・
 
 
#8 エピローグ
ゼルダとリンクの思い出のウツシエ。
合計12枚(+α)のウツシエが撮られた場所を広大な世界から探し出すと、
そのコンプリートのご褒美として、スタッフクレジットとエンディング後、
ゼルダとリンクのその後が描かれた短いエピローグを見ることが出来ます。
 
舞台上のスクリーンにはそのエピローグの映像が流れ始めます。
その映像にあわせて演奏が始まります。
最初はピアノの柔らかな和音とともにうっすらと聞こえてくるのはフルートの音色。
ゼルダの伝説メインテーマ」ですね。
そのメロディは繰り返されると合唱や弦楽が加わりさらに豪華な音色になります。
木管とピアノが和やかに、でもほんの少し暗いメロディを奏でたかと思うと、
映像のゼルダがこちらを振りむき、笑顔を見せると、
全合奏+合唱が奏でだすのは初代ゼルダの伝説のタイトルの序奏部分です。
荘厳で明るく奏でられるその序奏は、
映像がどんどん俯瞰となっていくスピードにあわせるようにさらに盛り上がり、
絶滅危惧種といわれた「姫しずか」の群生する映像とともに華々しく終了します。
 
まさに決戦メドレーを締めくくるにふさわしい映像と演奏でした。
指揮の竹本さんも映像と演奏をあわせるのはとても大変だったでしょうけど、
シンクロ具合が素晴らしくて、大きく拍手してしまいました。
 
 
13.ゼルダの伝説メインテーマ
#1 タイトル
#2 地上
#3 タイトル
#4 表の地上
(#1と2は「ゼルダの伝説」、#3と4は「神々のトライフォース」)
 
MCの嶋村さんが登場し、いくぶん緊張の取れた表情で、
プログラムに書かれた最後の演目を紹介します。
こちらの演目は30周年コンサートの時にも演奏されました。
初代ゼルダと神トラの曲をメドレーにしています。
が、嶋村さんから曲紹介があったときに、
「今回はスペシャルアレンジによる演奏」ということが語られました。
今回のスペシャル奏者の3人が再び登場し、
オケと一緒にメインテーマを演奏するんです。
 
静かにゆったりとした低い弦楽の序奏は初代ゼルダのタイトル曲のアレンジです。
ただ違うのは、それがアコーディオンとハープの伴奏にあわせて、
オカリナがタイトル曲を演奏している、というところですね。
オカリナからアコーディオンへとメロディが引き継がれ、
その旋律が徐々に盛り上がりながらその音色を大きくしていきます。
3人による演奏が終わると、静かに序奏がオーケストラによって奏でられます。
全合奏によるそのメロディが展開されていくと、突如軽妙な音色が。
「謎解き音」ですね。
そして合唱も加わって序奏が再び華々しく演奏されると、メインテーマが始まります。
スネアの少し重々しいリズムにあわせてトランペットがテーマを雄々しく演奏します。
そのメロディは合唱へと引き継がれていきます。
そしてメインテーマが静かに終わろうとすると、調性が変わり、
ハープが流麗な響きを奏で、映像には「神々のトライフォース」のタイトル画面が。
神々のトライフォースのタイトル曲ですね。
そして金管のファンファーレとともにメインテーマが重厚にホールにこだまします。
「表の地上」です。全合奏で奏でられるテンポあるメインテーマは良い!!
そしてメインテーマが終わると再度初代ゼルダのタイトル曲の序奏が、
さらにゆったりとしたテンポで演奏されます。
 
先ほどのBotWの「エピローグ」と同じ曲ではあるんですが、その表情は全く違います。
まあ、編曲者が違うからというのも理由の一つではあるんでしょうけど(笑)、
やはり、オカリナやハープ、そしてアコーディオンという楽器が加わり、
音色の厚みが増したことがその理由として挙げられるのだと思います。
オケの全合奏の音色に埋もれてしまいそうになってましたけど、
うしろの方の席に座っていた私の耳にもお三人の音色はちゃんと聞こえてました。
 
 
 
 
アンコール
 
舞台左手前にいる第一ヴァイオリンの皆さまが退出され、
その奥に鎮座しているピアノの全景が見えるようになると同時に、
MCの嶋村さんが再び登場し、ここで二人目のスペシャルゲストが紹介されました。
スクリーンに映ったのは、「企画制作本部 上席統括」とともに、
ゼルダの伝説の音楽の生みの親といわれる近藤浩治さんの文字でした。
大きな拍手で迎えられ登場した近藤さんは飄々とした印象でしたが、
さすがに緊張されているようにも見受けられました。
 
前回のオーケストラコンサートと同様に、
近藤さんの生演奏がここでアンコールとして披露されます。
近藤さんが自ら曲紹介をするときに客席から笑いが起こったのには理由があります。
 
#1 タイトル
#2 コッコのミニゲームミニゲーム
#3 町長の会議室(町長の家会議室)
#4 ゼルダの伝説メインテーマ
 
近藤浩治さんの手により紡がれた、時のオカリナのタイトル曲は、
オーケストラで聞くそれとはまた違って、大きく胸を打つものでした。
作曲者自身の演奏というスペシャル感もあって感動すらおぼえます。
 
あと余談ですけど、時のオカリナの「タイトル」、
最初に出てくるオカリナの旋律の出だしが、
初代ゼルダで登場する笛の音のメロディになってるんですよね。
スーパーマリオ3でも登場した笛も同じフレーズになってます)
当時(20年前)64本体にソフトをさして電源を入れたときに、
ワクワクしながらタイトル画面に見入ってそのことに気づいた時、
なんだかわからなかったですけど「うわ~っ!」ってなりました。
 
そして続く曲なんですけど。
なぜこの2曲を選ばれたのか判断に迷うところではあります。
なにせ「コッコのミニゲーム」と「町長の会議室」ですから(笑)
 
このミニゲームの音色がピアノで奏で始めると会場の一部から笑いが起こりましたが、
真摯な近藤さんの表情もあってすぐに笑いはおさまりました。
ムジュラの仮面の「町長の会議室」も明るい曲調ではないんですけど、
その少しコミカルな響きがピアノによく映えているように感じました。
 
と、ここでふと気づいたんです。
ゼルダの伝説小品組曲、というのが30周年記念コンサートで演奏されました。
そこで演奏されたうちの2曲に、
コッコのミニゲームと町長の会議室が入っていて、続けて演奏されたんです。
どこかで聞いた曲順だよなぁ、と近藤さんの演奏中は気が付かなかったんですが、
帰り際に思い出して、電車の中で「ああ!!」と叫びそうになりました(笑)
 
そしてピアノソロで奏でられるメインテーマです。
さっきフルオケで聞いたばかりのメインテーマですけど、
ピアノで語られるとまた一味も二味も違った印象を投げかけてくれます。
 
近藤さんの短いピアノメドレー、素晴らしかったです。
ずっと前のめりになった聞いてたような気がします・・・
 
 
#5 Nintendo Switch Presentation 2017 Trailer BGM
映像にあわせて生演奏するという形です。
こちらもシンクロ具合が本当に見事でございました。
まさかこの曲がアンコールで登場すると予想できたでしょうか。
私は全く予想してませんでした。なのでうれしかったです。
 
このトレーラーが公開されたのは2017年1月13日。
任天堂が発売する新ハード「Nintendo Switch」のプレゼンテーションが行われた日です。
本体の発売日や価格などが発表されたわけですけど、
その中でゼルダの新作がいつ発売されるのか、私も気になっていました。
そしてそのプレゼンテーションの場で最後に公開された新作ゼルダのトレーラー、
そのBGMがアンコールの曲目として演奏された、というわけです。
 
このアンコールに関してはもう何も言うことはないです。
発売前に何度も見た映像と音楽でしたけど、生演奏の破壊力は抜群でしたし、
BotWをクリアした後で改めてみるといろいろな仕掛けがあることに気づいたり、
ものすごく編集に気を使ってトレーラーを作っていることもわかって、
演奏会で流れたあの映像を見ながら、やっぱり泣いてました。
 
 
 
 
総括です。
 
・演奏会で泣いちゃうこと
今回の演奏会、ほぼ泣いててすいません・・・(笑)
ゼルダシリーズって泣ける演出が多いとは思うんですけど、
私自身の年齢的なものも加味されて、ゲームしながら涙を流すことが多くなりました。
自分でも「泣きすぎじゃね?」とは思ってて、頭でもわかってるんですけど。
お見苦しいところをお見せしてしまって申し訳ないです。
 
・演奏者、出演者の皆さんのこと
今回、演奏を担当された東京フィルハーモニー管弦楽団の皆さまなんですけど、
序盤の演奏で、音が飛んでることが幾度かありました。
木管の音が急に高音で「ぴーーぃっ!」って鳴ったり、金管が音を外してしまったり、
コンサートの先行きが一瞬不安になってしまったんですけど、
その不安な演奏も序盤のみで、途中からは素晴らしい演奏をされていました。
やはりプロの演奏団体だな、と思いました。本当にお疲れ様でした。
 
独奏楽器を担当された4名の皆さまですが、素晴らしい音色を聞かせていただきました。
ありがとうございました。
オカリナのメドレー、カッシーワメドレー、ハープの調べ、
それぞれにテクニックを駆使されて気持ちよく聞くことが出来ました。
前半、後半と縦横無尽に活躍したピアノですが、
難曲目白押しなこのプログラムの中で、安定した演奏を披露されていました。
特に魔獣ガノン戦での、あの跳ねるようなフレーズは演奏大変だったでしょうけど、
オケの音色に埋もれることなく、ゼルダらしさが存分に出ていたと思います。

(特にBotW関連の演奏は本当に素晴らしかったです!)

 
指揮の竹本さんですが、淡々と指揮をされているように見えて、
その踊るような指揮ぶりを見ながら、安心感を終始感じていました。
激しい曲の時には険しい表情で全身全霊タクトを振り、
優しい曲の時にはその表情さえも優しげにみえました。
(ほとんど後ろ姿だったので、表情は脳内妄想で補完するしかないんですけど・・・)
特に後半のプログラムは息をもつかせぬ展開が多くて、
体力的にもきつかったとは思うのですが、
最後まで手綱を緩めることなく牽引力を発揮されていました。本当にお疲れ様でした。
 
MCの嶋村さん、とても初々しいMCだったと思います。
アニメは自分からは率先してみない人なので、
声優さんのお名前と顔がほとんど一致しないというオジサンではありますが、
富野由悠季監督作品にも出られていることをネットで調べて(笑)、
ああ、あの役の人か!?と嬉しくなりました。
緊張されて段取りが少し狂ったところもあったかもしれませんが、
そのドキドキ感が伝わってきて、こちらも応援したくなりました。
あと3回の公演も頑張ってください!
 
・今回の感想ブログについて
今回のゼルダコンサート2018の感想ブログは、
最初にお話しした通り、11月の初演について書かせていただいてます。
そして今回のブログは小ネタを多めに仕込ませてもらいました。
 
ゼルダシリーズは、サテラビュー配信のものや、
ゲーム&ウォッチ版なども含めてすべてプレイしています。
そんなゼルダというゲームへの愛情だけでここまで書いちゃいました・・・
感想だけであればこれだけたくさんの文章となることはなかったんですけど、
個人的には今年一番泣いたコンサートであったこともあってか、
「コンサート感想の集大成」みたいなものを書きたいと思ったんですね。
だから意図的にバックボーンのお話とか余談とか多めに挟んでいます。
そのせいでネタバレ無Verのおよそ30倍以上、
文字数にすると、およそ45,000字ほどの分量となってしまいました(笑)
公演終了後から4時間ほどかけてここまで書いたのは、
コンサートの熱を保ったまま文章化したいと考えたからです。
あとはやはり「ゼルダというゲームへの愛情」ですね。
 
どうだったでしょうか。
私が今日コンサートで感じた思いや考えやその他もろもろの感情を、
読んでいただいた皆様に届けることが出来たでしょうか。
ひとりよがりな文章で「ドン引き」されているでしょうか。
どちらでも構いません。
読んでいただいただけでとてもうれしいです。
 
 
ふと気づくと日付も変わり11月23日となりました。
ゼルダの伝説スカイウォードソードの発売7周年ですね。おめでとうございます!
って、これ投稿するのは12月14日の最終公演後なので、
すでに過ぎているうえ、スマブラSPも発売済みという状況なんですよね。
私もこれ投稿しているころは・・・仕事してますね(笑)
 
今年はいろいろなことがありました。
入院したっていうが一番の自分的ニュースなんですけど、
音楽面ではこのゼルダコンサートが今年印象に残ったものの一つとなりました。
全4公演というのは、ファンからするとまだまだ少ない気がしなくもないですが、
それでも開催してくれたことは感謝の一言に尽きます。
 
このプロジェクトの関わった皆さま、本当にありがとうございました。