知人から先日編曲の依頼を受けました。
昨日少しまじめなお話を書いてしまった理由がこの依頼です。
私自身それほど電子楽器に明るい人間ではないのですが、
今回の依頼は「流行に乗っかった音楽」でした。
歌唱するのがプロの歌い手さんではなく別業種の人であり、
それほど歌が上手いというわけではないらしいので、
その下手さ加減を少しでもアレンジでフォローできるようなもの、
というのが依頼したプロデューサーらしき人の要望でした。
フリーランスでこういう仕事をやっていると、
「やりたくない仕事」というのが必ず来ます。必ずです。
私もすでにプロという自覚がない人間ではあるので、
こういう仕事が来たら断ることもできたんでしょうけど、
日本の音楽業界も、結局は人間関係に終始するのが常ですから、
断り続けると、噂が広まって根も葉もない話が独り歩きするまでになり、
仕事を依頼されなくなってしまうことも往々にしてあります。
本業をやりながらの仕事なので、
そういう状況になっても一向にかまわないんですけど、
やっぱり欲求には抗えない性質みたいですね、私は(笑)。
歌い手さんの声の音域をいじる、なんてことは日常茶飯事です。
生放送で歌っているのと、CDなどに収録されているものと比較して、
圧倒的にCDのほうがよく聞こえるのはそういうところにも原因があります。
マイクの問題やリップノイズ(口を開閉する時に出てくる雑音)など、
ほかの理由もあるにはあるんですが。
そんなに日数もないので、明日一日都内で缶詰になって作業をやる予定です。
作業と言っても、私ともう一人でパソコンに向かいながら、
ああでもないこうでもない、と言いながらアレンジ作業するだけですけど。
信頼って大事です。昔私が培った信頼は今でもいきています。
だからこそこうして細々と仕事を頂けているんだと自画自賛してます(笑)。
ただ、その信頼はほんのささいなことで崩れてしまうものです。
私も、そして社会にいる人ならだれでも一度以上は経験していると思います。
その信頼を回復するためには、
それまで以上の努力を要するものであるということも。
だから、したくない仕事だとしても、
顧客の要望に応えつつ、自分らしくやり続けなければならない。
ほんと、依頼って厄介です(本音)。