最初にそれを意識したのはJUDY AND MARYの「そばかす」だと思います。
私自身ジュディマリは大好きなバンドでしたし、
それ以降もジュディマリのヴォーカルであるYUKIさんのアルバムとかシングルも
ずっと追いかけ続けているくらいに好きです。
この「そばかす」という曲、
某有名少年誌原作のアニメのOPとして使われているんですよね。
いい曲ですし大好きでもあるんですが、アニメのOPとしてはどうなのかなと。
これ以前のアニメソングというと、
タイトルを連呼したり必殺技を叫んだりといったアニソンが多かった印象ですが、
それ以降のアニメソングというと、
こうしたアーティストとのタイアップが主流になってきたような気もします。
それが良いのか悪いのかはわたしにはわかりません。
70年代、80年代のアニメを見て育った世代なので、
そうした風潮も時代の流れなのだろうなと感慨深く思うんですけど、
アニメソングという括りで語るのには少し抵抗を感じるときもあるんです。
「アニメのために書かれた曲がアニメソングです」
「曲自体かっこよければなんでも良いんじゃない?」
どちらの思いもわたしの中で同居しています。
2000年代以降のアニメも気になるものはチェックしていますが、
声優さんとかスタッフを意識してみることは無くなりました。
私がアニメにどっぷりはまっていた80年~90年代のころは、
スタッフやキャストにも興味があって、
声優さんの雑誌だったりアニメ月刊誌なども定期的に読んでたんですけど、
そういうことをしなくなった原因の一つがこの「タイアップ」なんでしょうね。
私の中でアニメのピークっていうと95年の「エヴァ(ヱヴァ)」になるんでしょうかね。
それ以降は自発的にアニメを見ることがほとんどなくなった気がします。
ガルパンとかSHIROBAKOとかAnotherとかおお振りとか、
(水島努監督の作品ばっかり書いてますが他も見てます)
おすすめされたアニメは定期的に見てるんですけど、
OPとかEDとか流れているスタッフやキャストは見なくなりました。
洋画(外画)で人気俳優さんが吹き替えをつとめることが多くなりました。
その「~さんが声優に初挑戦」みたいなキャッチコピーでさえ宣伝に利用して、
バラエティ番組などでその俳優さんが登場し、
露骨にその出演映画の宣伝することが当たり前になりました。
私はこうした傾向についてはそれほど危機感を抱いているわけではないんです。
下手くそな演技でさえ「味のある演技」と言い換え、
抑揚のない声を「個性のある声」と置き換えて、
その俳優さんの演技を称賛することについてはウザいとは思いますけど(笑)。
これもいわゆる「タイアップ」の一つですよね。
ちなみに話しておきますと、
アニメ監督の庵野秀明さんが声優をつとめられた、
あの作品での庵野さんの声には賛否あるかと思いますけど、
私は結構好きでした。あのアニメ、私の中では傑作だと思ってます。
余談はこのくらいにして。
外画の吹き替えで声優さんの仕事が減ることになります。
吹き替えの仕事が減ってしまうと今度はネット放送などで声優さんが大量投下されて、
今度はネットタレントといわれる人たちが割を食うことになります。
あまり「ゲーム実況」とか「Youtuber」とか見ない人なんですけど、
そうした人たちの居場所が声優さんにとってかわられつつあるのだそうです。
ニコニコ生放送やAbema FRESH!、LINE LIVEなどでも、
ネットタレントさんやゲーム実況者の方々の勢いは無くなって、
代わりに公式アニメ放送とか声優さんが出てくる番組に人気が集まります。
こうしたアニメやゲームとのタイアップ番組がネットで氾濫し、
私もそうしたカルト臭のするところから一線引くようになったのは、
ある種必然ともいえることなのだと思います。
今は声優さんが露出する時代になって、
ネット生放送を中心にして人気声優さんを見る機会が多くなりました。
そうした声優さんがアニメのキャラクターソングを歌うことも多くなり、
また、アニメやゲームの主題歌を歌う機会も大幅に増えました。
アニソン=声優さんが歌うものとなった気も若干するんですが、
それでもアニソン歌手と言われている方も数多く存在していて、
そうした歌手の方が「アニソン」を歌っているのも、やはり時代なんでしょうかね。
古いアニソンに涙し、新しいアニソンに狂喜乱舞する。
こういう共存がいびつな形で存在し続けているのが今の状況なのでしょう。
私は好きですよ。古いのも新しいのも。
ただ、タイアップでアニメと関係なさそうな歌を主題歌として使われると、
その主題歌は「アニソン」ではなくそのアーティストの歌なんですよね。
いくらそのアーティストの歌う曲が大好きだとしても、
それは「タイアップ」であって「アニソン」ではないと私は思います。