楽曲分析、という言葉があります。
文字通り「曲を分析する」という意味合いです。
かっこよくアナリーゼ(Analyze)と呼ぶこともあります。
私はアナリーゼ派です(笑)。
じゃ、具体的に何をするのかと言われると、
これもまたひとことで説明するのが難しいところなのですが、
まあ、曲の構造を深く掘り下げること、ということですかね。
譜面さえあれば演奏技術はともかく誰でもその曲に触れることができます。
譜面の記載通りに弾くことも重要な要素の一つといえるわけですが、
たとえば「ここの和音ってどういう理屈で付いているんだろう」とか、
「こっちのメロディとそっちのメロディ、全然違うものが同時に鳴っているのに心地よく聞こえてくるのは何故なんだろう」とか、
そういったことを音楽のルールに則って解読する作業全般を指します。
アナリーゼをしなくても音楽は楽しめます。
そういう風に音楽が作られているから当たり前ではあるんですが、
より深くその曲を理解したい、知識を深めたいという欲求を満たしたり、
または演奏する上で注意するべきことを見つけたり、
アナリーゼをすることで楽曲への理解がより深まるんです。
ただ、昨今の音楽家の方々はあまりこういうことをしないのだそうです。
アナリーゼには少なくとも音楽理論の基礎的な知識が必要ですし、
さらに深く分析をするのであれば、もっと実践的な知識が必要となります。
そうしたことをしなくても曲を作ったり演奏することが出来るからこそ、
自分の分野以外の音楽に対してそれほど興味を持たなくなるわけです。
プロの音楽家と言われる人たちでも、
アナリーゼを積極的に実践している人はそれほど多くないのだそうです。
統計をとったわけではないのでその真偽はわかりませんけど。
以前、別のブログでも書いたと思うんですけど、
音楽を楽しむのに理屈も理論も必要はないです。
ただ音の波に揺られている、それだけで音楽はちゃんと応えてくれます。
なので、このブログを読まれている方の大半は、
アナリーゼなんてことをしなくても問題はないはずなんです。
ただまあ、音楽を提供している側の方々は、
(一部の天才を除いて)アナリーゼってやるべきだと思うんですよね。
その曲の化学構造や分子構造みたいな細かいことを発見して、
その作曲家の意図や癖などを紐解いていくことで、
自分の音楽活動の糧となっていくことは確実なわけですから。
・・・確実かどうかは定かではないですね(笑)。