音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

結婚式の二次会で

今から10年前のことです。

私の友人(男性)が結婚するということで地元へ帰省したんです。

もちろん友人の結婚ということで二次会、三次会・・・と、

行けるとこまで付き合ってやろうという気持でいました。

 

 

ここまで書いて音楽と全く関係ないこと書いてんなって思ったそこのあなた。

 

 

そう、あなたです。

 

 

 

 

もうちょっと我慢してね(笑)。

 

 

二次会が行われたのはピアノバーみたいなところで、

カウンター席と10人位が座れる円形のソファー、

そしてその脇にはスタインウェイ、ではない某国産メーカーのピアノが。

 

新婦さんとはその日が初対面だったんですが、

前に私が音楽業界にいたことを新郎である友人から聞いたみたいで、

「何か一曲弾いてもらえませんか?」といきなり言われたんです。

 

その頃は私もピアノから離れて久しかったこともあり、

その時はやんわりと断ったつもりだったんですが、

その新婦が泣きそうな顔をし始めたので、

新郎である彼が私のところへやってきて耳元で言うわけです。

「ちょこっとだけでいいからさ、なんか弾いてくれや、頼むわ」

 

 

 

私は関西生まれの人間ですので、

今回の舞台はその地元関西で起こったことです。

なので唐突に関西弁が出てきましたが、気にしないでください(笑)。

 

 

 

渋々カウンター席から立ち上がり、ピアノの前へ。

「リクエスト、何かあります?」と軽い気持ちで私はいったんですが、

その新婦のリクエストが意表をついてました。

 

 

「私、菅野よう子さんの音楽がすごく好きなんです!!」

ナップルテールっていうゲームがすごく好きで」

「Folly Fallっていう曲が大好きなんで、それでお願いします!!」

 

 

 

そう語る新婦のニコニコした顔を私はじっと見つめていました。

よりによって菅野よう子さんの楽曲かよ・・・と、その時私は思いました。

 

 

説明すると、

ナップルテールというゲームがありまして。

セガが出した最後のハードであるDreamcastで発売されたんですが、

そのゲームの音楽を菅野よう子さんという作曲家の方が担当されているわけです。

私の中で「耳コピが最も難しい作曲家の一人」という方の、

しかも難曲である「Folly Fall」をご所望とは。

 


Napple Tale - Folly Fall (HD Quality)

 

弦楽と独特なボイスで彩られた名曲であることは私も知ってます。

が、それをピアノ1台でやれってどういうこっちゃ!!??

とその時の私は思ったんですが、

新郎の厳しい目で見られると、仕方ないか、と諦めがついたので、

おもむろに演奏をはじめました。

 

楽譜もなく私の記憶だけが頼りだったのですが、

私もこの曲「Folly Fall」という曲が大好きでしたし、

ジャズっぽく弾いた、と言えばかっこいいですけど、

結局私の拙い演奏技術をカバーするという理由で少し崩したアレンジにしたんですね。

 

そして演奏が終わると、新婦が泣きながら私のところへ来て、

深々と頭を下げて「ありがとうございます!!!」と言ってくれました。

そのうしろで新郎がドヤ顔で私を見つめてきたときは殴ってやろうかと思いましたが。

 

 

 

二度と人前で演奏はしない、と誓ったのはこの時です・・・(笑)