以前このブログで「アレンジのお話」と題して、
いろいろと書かせてもらいました。
実は今、1件編曲のお仕事をしています。
お仕事というよりも、古い友人の依頼というべきでしょうか。
もちろんちゃんとしたお仕事なので報酬はいただくことにしています。
友人だから、知人同士のことだからという理由で、
無料でそういうことをやる人もいるとは思いますが、
ことお仕事ということであれば対価はもらうようにしてます。
それに見合うだけのものを作れなかったら返納しますし、
いい作品を作ることが出来れば、追加で物品をいただくこともあります。
つまり、需要と供給の関係ということですね(笑)。
ま、そんな経済論はさておき。
今やっているのはバンドアレンジです。
友人がやっているバンドなのですが、
その友人が作詞作曲をしたものをバンド全体で演奏できるように、
それぞれの譜面(スコア)を作るというのが私のお仕事です。
ドラムスであったりベースやギター、キーボードなど、
それぞれが同時に演奏をしてきちんと音楽になるようにするわけですね。
結構久々にバンドアレンジするので、少し緊張してますが、
明後日までに終わらせなければならないのに、
別の仕事の関係もあってまだ一つも手を付けてません。
いやあ、こまったこまった(笑)。
バンドサウンドをバンドたらしめているものは何なんでしょう。
ライブハウスなどに行くと大音響で鳴り響くサウンド。
私なんかはああいう雰囲気がとても好きで、
暗く狭いハウスのなかが熱狂と興奮に包まれる中、
つんざくように響くドラムスやギターの音色を聞くと、
得も言われぬ感情がわき上がってくるものです。
とはいえ私は今、音楽界からはやや距離を置いており、
音楽を提供する側から提供される側になった人間なのですが。
私も一通り音楽大学で教育を受けた人間です。
作曲科という、変人の集まりみたいなところですけどね(笑)。
常々ブログや口頭でも言っているんですけど、
音大を優秀な成績で卒業したからといって音楽の道に進めるとは限りませんし、
専門的に音楽を勉強していないからといって音楽ができない訳でもありません。
音楽界の第一線で活躍されている人の多くは、
音楽が大好きで同しようもない人たちの集まりであるような気がします。
まあ、そんな一般論はともかく。
ようやく本題に入ります(笑)。
最近ちょくちょく演歌を聴いてるんですよ。
あんまり知られていないことかもしれないんですけど、
演歌の編曲って昔も今もかなり上質なものが多いんです。
(あくまでも私見です)
他の音楽が上質ではないわけじゃなくて、
若い人があまり聞く機会のない演歌でも、いい曲がたくさんあるってことです。
作曲家としても編曲家としても尊敬している方のお一人、若草恵さん。
テレビドラマやアニメーションの音楽も数多く手掛けられてますが、
演歌の編曲でもとても素晴らしいものがあるんですよ。
演歌歌手である香西かおりさん。名曲はたくさんありますよね。
私が最初に香西さんの歌を聞いたのが「花挽歌」でした。
そこから香西かおりさんの歌は結構聞いているんですけど、
玉置浩二さんが香西かおりさんに提供した楽曲というのがあるんですね。
レコード大賞も受賞した「無言坂」、そして「すき」という歌です。
無言坂は前述の川村栄二さんのアレンジなのですが、
「すき」は若草恵さんが編曲を手掛けられています。
この曲がホント好きなんですよ。
紅白で昨年も歌唱されたと思うのですが、その前からずっと好きです。
20年位前の作品ですしね。
若草恵さんの編曲で言うと、
小泉今日子さんの「ヤマトナデシコ七変化」や、
アニメ「ロミオの青い空」の主題歌「空へ・・」なども
実は若草さんの手によるアレンジです。
美空ひばりさんの名曲「愛燦燦」もそうですね。
この曲、小椋佳さんの作詞作曲ですが、
若草さんのメリハリのあるアレンジが素晴らしくて、聞いててジーンとなります。
こうして2つの映像を見てみると、
少し共通するものがあるような気がしませんか?
何かはあえてここでは語りませんが(笑)。
演歌もたまには良いものですよ。
日本人の心だね~、なんてことは全く思わないんですが、
それでも胸に来る何かは確かにあるように感じます。