音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

渡航延期のその後

 

前回こういうブログを書きました。

 

hw480401.hatenablog.com

 

今の私の状況としては、これを投稿した時よりも悪化している感じです。

私も日々業務を遂行しながら、不安に苛まれており、

眠れない日もあって、いつこの不安が消えるのかと、

いろいろなことを想像しつつ、音楽聞きながら乗り越えています。

 

まあ、眠れない時点で乗り越えきれてないんですが(笑)

 

こういう不安定な時に、他人の怒りや感情むき出しの文章を読むと、

それはそれは精神衛生上好ましからざる状態になることが必至なので、

なるだけそういうくだらない文章は見ないようにしています。

 

みんなもいろいろ不安なんでしょうね。

だからといってそれが、度を越した文章を書く免罪符にはならないんですけど。

 

自粛ムード全開で、舞台や演奏会などのエンターテインメントが次々と中止、

いつ果てるとも知れない戦いが水面下、いやすでに浮上していますが、

不満を口にしたい気持ちもわかるんです。

「王様の耳はロバの耳」の散髪屋の心境よろしく、

井戸に向かって何かを叫びたくなる気持ちもわからなくはありません。

非難や怒号をSNSで投稿したところで、本人は痛痒にも感じないでしょうし、

SNSで同じ考えを持っている人がいたところで、それは進歩とはならず、

停滞を助長してるに過ぎないように思えるんですけど、

きっとそういうことも考えず、ただ叫びたいだけなんだろうな、とも思います。

正直、批判だけして留飲を下げているだけの人たち、反吐が出るほど嫌いです。

 

 

ま、関係のない、生産性のかけらもないくだらない話はこのくらいにして。

 

 

ボストンにいる私の友人のライブですが、正式に中止となりました。

再開のめどは全く立っていないようです。

今月の私の渡航も無期延期、再来月の友人の来日も無期延期、

(彼は某アニメの聖地巡礼をするために来日する予定でした)

予定は未定となってしまいました。すごく残念です。

 

そんな彼から一通のメールが今朝届きました。

そして、メールの添付ファイルには2つの動画が。

1つは彼と彼の奥さん(私の中学時代の同級生)のメッセージでした。

メッセージの内容はここでは語りませんが、それを見ながら私は号泣しました。

そしてもう一つの動画は、彼のいつものピアノ部屋の動画、

つまりは、彼のピアノ演奏動画でした。

 

彼が弾き語りしているその曲は、

ゲーム「サクラ大戦」の中の1曲で、私が10年くらい前に精神を壊していたころ、

何度も聞いて勇気をくれた曲、「つばさ」だったんです。

(歌謡ショウVer.の「つばさ」ではなく、作曲者が弾き語りしたVer.です)

けして上手いとは言えないけれど彼の特徴のある凛とした歌声と、

私が世界一うまいと思っている彼の流麗なピアノ伴奏とがあいまって、

それはそれはすごく感動的な動画となっていました。

ボストンまで飛んでいてハグしたくなるくらいです(笑)

 

こういう時だからこそ、音楽などの力をまざまざと実感しています。

不安感が根こそぎ取り去られるわけじゃないんですけど、

それでも、ぽっかりと空いた穴に何かが補填されたような、

ほんの少し充足感が感じられるような、そんな気持ちがします。

それが錯覚であっても、今の私にはこれが必要なんです。

文句や怒号にまみれた、一部の汚い大人の言葉なんかよりもずっと有意義です。

 

だからこそ、少しでも早くこの騒動がおさまって、

日常が訪れるのを、密かにじっと待ちたいと思います。

渡航延期

来月、ボストンに渡航する予定でした。

友人が主催するジャズライブを見に行くためです。

 

彼のライブは何度も見させてもらってますが、

趣味全開のライブとなってて、いつも楽しみにしてました。

そんな彼からつい先日連絡が入りました。

「今、アメリカに来ないほうが良い」

文章としては淡泊そのものでした。淡泊すぎてイラっとしましたけど(笑)

 

日本でも政府の自粛要請を受けて、

多くのライブが中止あるいは延期となっています。

私も行こうとしていた舞台が自粛になり残念に思っているところです。

もちろん、ライブの主催やアーティストは悔しいでしょうし、

そもそも感染症がここまで蔓延する状況となってしまったこと自体が、

こうした現状を生んでいるのだと思うと、やり場のない怒りがわき上がってきます。

 

ボストン行きは春すぎあたりまで延期することになりそうです。

ライブも中止になり、いつ再開できるのかは本人もめどが立ってないようですが、

状況が落ち着いたら絶対やる、と言ってました。

そう話す彼の口調は、電話を通して聞いてもかなり悔しそうだったんです。

 

たとえば、災害などによる中止ならばまだしも、

感染症による中止というのはあまり例のない事態です。

こうなった状況に、何かしら責任を問いたい気持ちもわかりますし、

私も同じ思いではあるのですが、それだけでは建設的ではないようにも思います。

ただただ糾弾や怒号したところで、起こってしまったことは改善されません。

 

感染を防ぐにはどうすればよいのか、

あるいは罹患したらどういう対処をすればよいのか。

情報が錯綜、というよりも暴走気味となっている現状で、

いかにして取捨選択をしていくか、個々の判断が問われます。

このままの状態が維持されて収束していくのか、

爆発的に拡大して収束まで数週間あるいは数か月かかるのか、

専門家でさえ意見が分かれているのに、

素人である私などがどうこう思ったところで何も変わりません(笑)

 

 

エルヴィス・プレスリーの歌の中で「Love Me Tender」という名曲があります。

 

Love Me Tender

Love Me Sweet

Never Let Me Go

 

この有名なフレーズで始まるラブソングです。

 

優しく愛して

甘く愛して

僕を離さないで

 

意訳するとこういう意味なんですけど、

いきなりなぜこの歌の話をしたのかというと、

前述のジャズライブで彼が弾く予定だったものだったからです。

 

大昔、私がまだボストンにある音楽院に通っていた頃、

ほんのお遊びのつもりでジャズピアノアレンジしたものを、

ピアニストの彼がすごく気に入ってくれて、

四半世紀以上が経った今でも大事なレパートリーの一つになってるんです。

さすがに当時よりはスキルも上がっているので、

「Love me Tenderを編曲しなおそうか?」って言ってみたんですけど、

彼はこう即答しました。

「僕はこのアレンジが大好きだから、このままでいいよ」

 

その演奏を来月聴けるはずだったのに、と思うと、

やっぱりやり場のない怒りがふつふつとわきあがります。

でも、改めて歌詞を見て気づいたんですよ。

Tenderという単語がとても心に響いてきました。

 

 

この歌の意訳では「優しく」という意味合いですが、

「やわらかい」という意味も含まれています。

ステーキなどで使われている「テンダーロイン(Tenderloin)」も、

柔らかな部分のお肉(ヒレ)を指すんですけど、

それが派生して「弱い」という意味合いも併せ持ってます。

 

 

SNSなどを垣間見ると、弱い人って多いですよね。

弱いから怖がるし、怖がるからこそ声高に何かを叫びたくなる。

一部の人が何を叫んだところで、原状回復するわけでもありません。

だったらもう少し「Tender」になってみても良いんじゃないかな、と思います。

 

 

我ながら、上手いことオチたと思ってますけど、

見る人が見たらサムいんだろうな、と(笑)

ブラスぷらす Op.19

 

2018年11月に普門館に行きました。

私自身は、このブログで何度も申し上げております通り、吹奏楽に明け暮れた学生時代ではありませんでしたので、「普門館」という名称を聞いても感慨はありません。

もちろん、普門館が「全日本吹奏楽コンクール」の決勝の舞台であることは以前から存じていましたし、それに向けて練習を繰り広げていることも知っています。

 

じゃあ、なんで普門館の最後を見届けに行ったのか。

未だに何故行ったのか、私自身も実は把握しかねています。

カッコよく言うなら「呼ばれたから」かもしれませんね。

 

制限時間はありましたが、実際に普門館の舞台に立つこともできました。

 

 

この場所に立つと、得も言われぬ感情にとらわれます。

たくさんの熱気ある吹奏楽の音色をずっと浴び続けてきた会場だからこそ、

その熱気の残滓のようなものがここから垣間見えるような気さえします。

 

多くの人が自分の楽器を持って舞台に上がられていました。

そして、ごく自然に「宝島」の演奏が始まったんです。

 

 

吹奏楽でいう「宝島」といえば、

もともとはT-SQUARE(当時はTHE SQUARE)の楽曲を、

作編曲家の真島俊夫さんが吹奏楽用にリアレンジしたものです。

 


和泉宏隆 / 宝島 (指揮:真島 俊夫)

 

 

普門館閉館前に、自然に始まったその「宝島」の演奏は、

楽器の絶対数も少なく、けして上手とは言えないものだったかもしれませんが、

舞台上で聞くその音色を聞いて涙を流している人が多くいらっしゃいました。

私もやっぱり泣いてしまってました。

 

終始明るい楽曲なのに、聞いていると泣いてしまうのはなぜなんだろう、

昔から原曲も含めてたくさん聞いてきたはずなのに、

と思ってずっと悩んでいたんですけど、

普門館で聞いたその「宝島」を聞いてその理由の一つが分かったんです。

 

それは演奏者の曲への愛情を感じることが出来たからなんです。

 

常日頃から「演奏に愛情なんていらない」「愛情よりも技術」と思ってましたが、

音楽っていうのは技術だけではないんだな、ということを、

その演奏を聴いてまざまざと自分のつたなさを恥じ入った次第です。

 

今聞いてみると、やはり名編曲だなと思います。

編曲をされた真島さんは4年前に他界されてしまったんですけど、

彼の紡いできた楽曲、編曲されたものは未だに演奏され続けています。

音楽って、思いも大事な要素なんだな、と改めて思いました。

現代音楽を聞く その84

大澤壽人さんといえば、指揮者としてのイメージが強いんです。

 

私が学生時代を過ごしたボストンにある楽団、

ボストン交響楽団を日本人で初めて指揮をしたのが大澤さんです。

また「魔法使いの弟子」で知られるフランスの作曲家ポール・デュカスに作曲で師事した唯一の日本人としてもその名が知られています。

ただ、彼の楽曲ってほとんど演奏されてません。

世に知られていないってのもあるんでしょうけど、何とも惜しい気がします。

生まれが私と同じ兵庫県神戸市っていうのも親近感をおぼえます。

 

最初に彼の曲に触れたのは2000年代以降のことです。

それまでほとんど日の目を見ることのなかった彼の楽曲が、

少しずつ世間で知られるようになり、

数は少ないながらも演奏会も開かれたようです。

 

「トランペット協奏曲 イ短調」はそんな彼の作品の中でも、

ジャジーな印象が強くてよく聞いています。

 

osawa-project.org

 

かなり難しい楽曲だと思います。

でも、ぜひともこれ、生で聞いてみたいんです。

どこかでやってくれませんかね・・・(笑)

新たなる

※このブログを読まれる前に

 

今回のブログ、「新たなる」ですが、大仰なタイトルをつけてはいますけど、

内容はPS4用ソフト「新サクラ大戦」のネタバレ感想みたいな感じです。

なので、ゲームに興味のない方、

あるいは、ゲームに興味はあるが「新サクラ大戦」を最後までプレイしていない方、

さらに、「新サクラ大戦」をプレイしていない方には不向きの内容となっております。

ゲームのネタバレは全開ですが、音楽のネタバレはなるだけしない方向です(笑)

それでも読みたいという方のみ、この先をお読みいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発売日当日に限定版を購入した「新サクラ大戦」ですが、

20分とか30分程度ずつ進めて、発売から2か月ほどでようやくクリアしました。

大半の方からすると「求めていたサクラ大戦とは違う」と思ったでしょうけど、

私もクリアするまではそう思ってました。

 

システム面やら戦闘シーンの何とも言えない操作感やら、

エンディングの外国製作感あふれるコマ送りアニメーションやら、

いろいろと不安要素が形となってあらわれたことに妙に納得してしまいました。

こういう言い方をするとよくないんでしょうけど、

田中公平さんの音楽が無ければ、途中で投げてたと思います。

 

シナリオ監修をされたイシイジロウさんのストーリーは、

思ってたよりはよかったですけど、見せ方が「うーん」という感じです。

結局回収されていない伏線もありましたし。

(そのあたりは続編を想定しているとは思いますが)

 

久方ぶりのIP復活に沸いたこの作品ですけど、

想定よりもかなり予算が少なかったのか、それとも無駄遣いが多かったのか、

そのあたりは想像するしかないんでしょうけれど・・・

 

「新たなる」というのは今回の新サクラ大戦のエンディング曲です。

アニメーションはアレでしたけど、楽曲は本当に素晴らしかった。

いろいろな音楽的な仕掛けが施されていますし、

(このあたりはネタバレするのも野暮なので詳しくは書きませんけど)

「ああ、これを聞きたかったんです」と涙流しながらエンディング見てました。

相変わらず歌うのは大変そうな楽曲でしたけどね・・・

 

 

サクラ大戦の楽曲、本当に良かったです。

キャラソンやOP、EDももちろんよかったんですが、

なによりゲーム内のBGMが本当に素晴らしかったと思います。

田中公平さん、相当力を入れて書いたんだろうなぁ、と。

 

キャラソンでいうとどれもこれも大好きなんですが、

びっくりだったのは、そんな新サクラ大戦のキャラソンの一つの編曲を、

「オクトパストラベラー」などで知られる西木康智さんが担当されてるんですよ。

意外なキャラソンでアレンジされてるので驚きました。

※このキャラソンの詳しいお話は公平さんのブログをどうぞ。

 

 

限定版についていた「歴代歌謡集」もとてもよかったです。

サクラ大戦の楽曲も聞けますし、

なにより歴代シリーズの名曲を聞けたのは嬉しかったです。

今聞きなおしてみると、

サクラ大戦Vの「輝く星座」や「ここはパラダイス」など、

当時はあまり聞かなかったものを改めて聞いてハマってしまいました。

 

 

というわけで、クリアした興奮の勢いで書いてみましたけど、

こういう趣味全開なことを、わたしはたまに書きます(笑)

Incidental Music Vol.77

今年のNHK大河ドラマ麒麟がくる」、毎週楽しみに見てます。

放映前にひと悶着ありましたけど(笑)

 

今回「麒麟がくる」の音楽を担当しているのがジョン・グラムさんです。

お名前は以前から存じ上げていましたが、

どちらかというと作曲よりも編曲の分野で活躍されている方です。

楽曲のオーケストレーションとかやってるんですよ。

だから今度の大河ドラマで音楽担当になると聞いた時、ちょっとワクワクしてました。

 

大河ドラマで海外の作曲家が音楽を担当した例でいうと、

有名なのはエンニオ・モリコーネの「武蔵」が有名ですかね。

たしか2003年だったと思いますけど、評価はかなり悪かったみたいですね。

私は好きでずっと見てたんですけど・・・

 

NHKの公式Youtubeチャンネルで「麒麟がくる」のオープニングが見られるんですが、

ジョン・グラムさんはこの音楽を作るにあたって、

これまでの大河ドラマの音楽をかなり研究されたんだそうです。

サウンドとしては少しアメリカ映画っぽい印象もありますが、

勇壮なメインテーマにあのオープニング映像がマッチしていると思います。

 

 

参考:「麒麟がくる」オープニング映像

https://www.youtube.com/watch?v=UckZsPuG-ZY

 

Joe Zawinul / Money in the Pocket【ジャズのススメ 127】

ジャズピアノが突然聞きたくなりました。

Bill EvansArt Tatum、あるいはThelonious Monkなど、

ジャズピアニストの名前はいくらでもあげられるんですが(笑)、

ふと頭の中に浮かんできたのが、ジョー・ザヴィヌルでした。

 

Money in the Pocket by Joe Zawinul

Money in the Pocket by Joe Zawinul

  • アーティスト:Joe Zawinul
  • 出版社/メーカー: Japan
  • メディア: CD
 

 

ジョー・ザヴィヌルといえば、ウェザーレポートという印象が強いですよね。

 

あ、ウェザーリポートというのは、

サクソフォン奏者のウェイン・ショーターと共同で作ったバンドの名称ですね。

エレクトリックジャズの草分け的存在ともいわれますが、

この話をし始めると長くなるので、また次の機会に譲りましょう(笑)

 

「75」とか「Zawinul」といったアルバムも有名ですけど、

個人的な感想でいうと、

彼の初期に属するこの「Money in the Pocket」が妙に惹かれるんですよ。

エレクトリックな印象が強い彼ですが、

このアルバムでは粗削りながらもアコースティックな音色が楽しめます。

 

やっぱり古い音色が好みのようですね、わたしは・・・(笑)