日本のピアニストって手を出しにくいんですよ。
私自身も生粋の日本人だから、というわけではないんでしょうけれど、
何かこう「禁忌に触れる」ような心持になることがあるんです。
大仰かもしれないですけど、そのくらい日本人のジャズは聞いてないはずです。
このアルバムに出会ったのは偶然からでした。
ボストンに住む友人のさらに友人が、関西でジャズ喫茶らしき店をやっていて、
今どきジャズ喫茶なんて流行らんだろう、なんて思いつつ、
その方と連絡を取り始めたのんですよ。
私も同じ関西の血が流れているからなのか、意気投合して、
いろいろとおススメのジャズアルバムを紹介しあうようになったんですが、
その時に話題に上ったのが渋谷毅さんのことでした。
私のような映画音楽好きからすると「嫌われ松子の一生」とか、
「告白」あたりの音楽を想起してしまうんですけど。
渋谷さんはジャズピアニストであると同時に、
古くから歌謡曲の作編曲や映像音楽の分野で活躍されています。
「famous composers」は今から10年ほど前の公演の録音なのですが、
奇をてらわない純粋な音楽、といった趣きで、聞いてて心地よいです。
良いアルバムを紹介していただけて良かったです。