日記めいたブログをあまり書いてなかったので、
今やってることを書きながら思うところを書いてみようかなと思います。
アレンジのお仕事は定期的にやってます。
ジャズ方面がやや多いんですけどね。
室内楽とかフルオケ譜面もやれるんですけど、
そうした機会は実のところそれほど多くありません。
思うところがあって、サブカル系の仕事は全く受けてないんですよね。
そうした需要も確かにあるにはあるんですけど、
やる気がない、というか、やる気が出ない感じになってます。
このブログを始めた頃に比べると、
アニメやゲームの音楽に対する拒否反応は幾分和らいだ感じです。
最初期のブログを読んでみると、
「ゲーム音楽」という言葉さえ拒否反応があって、
「ゲームの付随音楽」って言い換えてた時期もありました(笑)
それだけトラウマ的な経験をしたっていうことでもあるわけですけどね。
ただ、サブカル系楽曲のアレンジの仕事をしたくないのはそれだけが理由ではないんです。
自分でアレンジをしてしまうと、そこに違和感が発生するんですよね。
自分が理想として思っている音色との乖離がひどい、という感じです。
それはもちろん自分自身のスキル不足という理由もあるんでしょうけれど(笑)
編曲のお仕事で100%満足したことってただの一度もありません。
プロとしてやっていた時期も、
今のようにフリーランスでやっている時も、
「これで何も手を加えるところはない。余は満足じゃ」
なんて思ったことは全くないんですよ。
手抜きしてるわけじゃあないんですよ、念のため・・・
アニメの楽曲やゲームの楽曲をアレンジしたことはもちろんあります。
フルオケだったりバンドだったりジャズ調だったり、
その形式は様々ですが、やったことはあるんです。
その時にも感じたことなんですが、
なかなか「原曲をこえる」ことって難しいなと実感したんです。
ゲームの音楽だと特に顕著なんですけど、
「原曲を愛する」人がとても多いんですね。
調性も原曲通り、アレンジも原曲に沿ったものでないと受け付けない、
という人が意外と多いことに気づかされます。
私はジャズ上がりの人間なので、そうした「原曲厨」とは距離を置く人間です。
ジャズも、ある種の形式に縛られている部分もあるにはあるんですが、
アドリブなど、与えられた範囲内で自由にできるスポットみたいなものがあって、
自分の技量やセンスをいかんなく発揮できるところもあるんです。
そうしたことに慣れてしまっている自分としては、
全てに寄り添わなければならないアレンジを強いられることに、
ちょっとした違和感、あるいは拒絶を感じてしまうことがあります。
もちろん私自身もゲーム音楽には浅からぬ愛情を持っていますし、
私的感情を優先してしまう自分がちょっと許せないところも実はあったりします。
要するに「好きだから嫌い」という矛盾した感情を持ってるわけです。
より正確に言うと、
「ゲーム音楽の原曲は好きだけど、自分でアレンジしたものは嫌い」って感じです。
嫌い、というと大仰かもしれませんけど・・・
ま、いろいろと複雑な事情を胸奥に抱えている状況なので、
そういうわだかまりが解けるまではそういう仕事はしないんでしょう。
それが数年後なのか、一生続くのか、未だにわかりませんけど。
この業界の酸いも甘いも知る身としては、
あまり深くかかわらない距離を保ちつつ、
精神衛生上好ましからざる事態は避けたいな、と思ってるんですけど、
そう簡単にいかないことも頭の中ではわかっているので、
たぶんしばらくは「冷戦状態」が続くことになるんでしょうね。