作曲家の田中公平さんが発起人(製作総指揮)となり、
「アニソンのWe are the Worldのような曲を作りたい」ということから、
いろんなところにお声掛けして実現した歌、なのだそうです。
堀江美都子さんや水木一郎さん、ささきいさおさんや串田アキラさんなど、
古いアニソンファンならず知っている有名な歌手さんから、
今放送しているアニメなどに出演されている有名な声優さんなど、
総勢・・・何人くらいいるんでしょう(笑)。
とにかくたくさんの人が参加されています。
個人的には「君をのせて」や「となりのトトロ」などのジブリ映画の主題歌で有名な井上あずみさんが参加されているのが驚きであり嬉しかったです。
残念ながら2000年以降のアニメは声優さんを意識して見たことがないので、
ほとんどの声優さんの名前はわからずじまいで申し訳ないです。
V.A. / アニメ100周年記念・アニバーサリーソング 「翼を持つ者 ~Not an angel Just a dreamer~」MV(60秒Ver)
このMVは「翼を持つ者~Not an angel Just a dreamer~」の大サビ部分を抜粋したものです。曲のラスト部分ってことですね。
編曲は公平さん自らが手掛けられています。
このMVの部分もそうですし、曲全体の構成もそうですが、
色濃く公平さんオーラが行き届いた「アニソン」になっていると思いました。
劇伴、という言葉があります。
劇画伴奏の略ですが、アニメやゲームなどの映像についている音楽の総称です。
ここ最近の公平さんの劇伴というのが、
やや技巧的というかかゆいところまで手が届きすぎているというか、
聴いててわくわくするんだけど、ほんの少しの違和感をおぼえる、
まさに「技巧的に過ぎる」曲が多いような印象を持っています。
全部チェックしているわけではないのであくまで個人的な感想ですが。
今回のこのアニバーサリーソングも、
そうした印象を少なからず持ったのも事実です。
いや、とてもいい曲ですし大好きではあるんですよ。
このMVで収録されている大サビ部分なんて聴いてて涙出ましたし。
この大サビ、
男声部の「wow wow~」というコーラスと、
女声部の「la la la~」というコーラスが融合して、
そのコーラスが2回繰り返された後に、
曲の冒頭部分で登場したメロディ、歌詞と重ねるという、
まあ、そりゃ泣いちゃいますよね的な技巧が施されています。
1番と2番っていう言い方が正しいのかは分かりませんが、
(1番と2番でメロディが全く違うので)
おそらくは1番を上松さんが、2番を公平さんが作曲されたと思うんですけど、
そのそれぞれのサビのメロディが全く違うんですが、
コード進行がほとんど同じなんですね。
サビの最後は同じメロディになってるんですけど、
そこに至るまでにメロディの経緯が違うんですよ。
で、その2番の歌唱の後にその1番と2番のサビが融合するわけです。
ただの1番と2番を同時に歌うっていうことではなくて、
それぞれのエッセンスを凝縮したメロディが展開されるんです。
(って文章で書いても分かりにくいと思うのでぜひCD買ってください!)
こういう作り方って実は公平さん、前々からやってます。
例えばOVA「トップをねらえ!」のCDBOX「響綜覧」の1曲、
「交響詩ガンバスター」の中でも似たような技法が使われてます。
日高のり子さんの歌唱部分のうしろで、さり気なく「ノリコのテーマ」が流れます。
つまりは、歌唱部のメロディが裏メロになってるわけですね。
最初は気づかないんですけど、徐々にそうした仕掛けを明かしていく構成になっていて、
最初にこれを聴いたときは鳥肌がたったのを覚えています。
また、公平さんが音楽を担当されたゲーム「Gravity Daze2」でも、
複数の曲でそうした仕掛けがあります。
最初にA部を演奏、次にB部を演奏、Bの演奏が終わると、
そのAとBを同時に演奏するわけです。
A単独でもB単独でも曲として成立しているのに、
それらが同時に演奏されることでさらに壮大な曲になるという仕掛け。
さすがにここまでくると技巧的すぎやしないか、とも思えてくるのですけど。
公平さんが音楽を手掛けられたCDドラマシリーズ「スターピンキーQ」。
その主題歌でもかなりの技巧が注がれているのですが、
それをわからないように潜ませるのがとても上手かったんですよね~。
おっと、関係ない話が長くなってしまいましたね・・・
公平さんのファンからすると、少し嫌な感じの文章を書いてしまいましたが、
この曲、ずっとヘビロテしてます。そのくらい好きです。
音楽的知識とか偏見みたいなものが時折邪魔をしてしまいますけど、
そういう思いを抱えながらも、いい曲だと本当に思えます。
やっぱり、私は田中公平さんの曲が大好きなんでしょうね。