音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

クラシック

現代音楽を聞く その83

ブルガリアを代表する作曲家の一人、パンチョ・ヴラディゲロフ。 一通り彼の作品は聞いているんですけど、 最初に聞いたのは「2つのブルガリア風パラフレーズ」だと思います。 現代音楽というよりも、後期ロマン派の印象の濃い曲なんですけどね。 そんな彼の…

Incidental Music Vol.76

新年を迎えて六日目。 御屠蘇気分も抜けて、今日から仕事始めという方も多いのではないでしょうか。 なんていう、全く心のこもっていない挨拶から始めるのは、 ひねくれものの私にとってはかなり面映ゆいものなんです。いや、ほんとに。 型通りのことを型通…

現代音楽を聞く その82

イタリアの作曲家、ルカ・ロンバルディの、 フルートソロ曲集「Flatus」を聞いたのは今から10年くらい前のことです。 Luca Lombardi: Musik Fur Soloflote アーティスト: Roberto Fabbriciani 出版社/メーカー: Kairos 発売日: 2018/07/20 メディア: CD この…

現代音楽を聞く その81

入野義朗さんというと、 黛敏郎さんや諸井誠さんらとともに現代音楽の旗手として、 20世紀音楽研究所なるものを組織して作曲活動をされた方です。 例にもれず、私も学生時代に入野さんの曲は聞きました。 日本人で最初に十二音技法を用いて作曲をした最初の…

現代音楽を聞く その80

フィンランドの現代音楽家といえば、 今ならカイヤ・サーリアホを挙げる人が多いと思います。 私が彼女の音楽と接したのはずいぶん昔でしたが、 近年でも作品を精力的に作り続けており、私も目が離せない作曲家の一人です。 カイヤ・サーリアホの個展 アーテ…

現代音楽を聞く 特別編

藤倉大作曲、「春と修羅」、映画「蜜蜂と遠雷」"Spring and Asura" - Dai FUJIKURA (for the movie "LISTEN TO THE UNIVERSE". 先日見てきた映画「蜜蜂と遠雷」。 その予選で使われたとされる「春と修羅」という曲。 作中では、ベテラン作曲家である菱沼忠明…

映画「蜜蜂と遠雷」の感想(ネタバレあり)

さっき観てきました、「蜜蜂と遠雷」。 原作も単行本と文庫本で二回読みましたし、 キャストもなかなか面白そうで楽しみにしていました。 本当は公開初日に行きたかったんですけど、 仕事の関係でどうしても公開当日は無理だったので、 翌日、つまり今日の仕…

現代音楽を聞く その79

ドイツの現代音楽作曲家、シュテファン・ヴォルペ。 彼の名前を知ったのは、例の如く音楽学校にいた頃です。 あの頃はずーっと現代音楽を聞いていた感じですね。 三か月とか四か月とか、ほかの音楽にかまけることなく、 その世界に耽溺していた時期です。 ノ…

現代音楽を聞く その78

ドイツの作曲家、ハンス・エーリヒ・アポステル。 たぶん、日本ではほとんど彼の楽曲は演奏される機会がないようです。 私が知らないだけで、実はコンテンポラリー界隈では演奏しているかもしれませんけど、少なくともここ数年で演奏曲目に彼の名前は無いよ…

現代音楽を聞く その77

作曲家、石井眞木さんのお名前を知ったのは、 たぶん映画音楽が最初だったと記憶しています。 石井さんの作品「ブラック・インテンションIII」を初めて聞いた時、 その映画の印象が大きく崩れていくのを感じました。 Maki Ishii - Black Intention III ピア…

現代音楽を聞く その75

フランスの現代音楽の作曲家、ブリス・ポゼ。 私が大分大人になってから聞き始めた作曲家の一人ですが、 その作風は以前紹介したイギリスの作曲家、ファーニホウを思い起こさせます。 最初に聞いたのは「チェンバロのための6つの前奏曲」だと思います。 作…

現代音楽を聞く その74

北欧のスウェーデンには大昔に一度だけ行ったことがあります。 デンマークやノルウェーにもそのとき旅行でまわったんですけど、 その時の記憶があまり無いんですよね。 観光名所もたくさんまわったはずなんですけど・・・ そんなスウェーデンの作曲家の一人…

現代音楽を聞く その73

旧ソ連で生まれ、のちにフランスへ亡命したエディソン・デニソフ。 私の中では「美」を探求した作曲家という印象ですけど、 まあ、現代音楽という範疇でのお話なので、 聴く人が聞くと「?」ってなるんだろうな、とはおもいます(笑) 室内楽や声楽曲でも佳…

現代音楽を聞く その71

アメリカの作曲家、ガンサー・シュラー。 私などはジャズミュージシャンという印象がとても強いんですけど、 独学で作曲を勉強されて、 現代音楽の分野でも様々な作品を残しています。 彼の作品は、全体的にジャズの影響が色濃く反映されているような気がし…

現代音楽を聞く その70

アメリカのオーボエ奏者として知られるロナルド・ローズマン。 彼は作曲者としても活躍していましたが、残念ながら19年前に亡くなってます。 優れたオーボエ奏者として後進の指導にもあたっていました。 彼の作品はほとんど音源化されていないのですが、 「…

現代音楽を聞く その69

本日午後、無事に帰国しました。 体調は特に悪いというわけじゃないんですけど、 かなり眠いうえに、おなかがすきました・・・(笑) 今日くらいはブログ更新しなくてもよかったんですけど、 やらないと気持ち悪いので、こうして書き始めてます。 エンドレ・…

現代音楽を聞く その68

ハンガリーの作曲家というと、バルトークやコダーイを想像する方も多いでしょう。 ピアニストも多数輩出していて、音楽的側面の強い国でもあります。 アンタル・ドラティもまたハンガリーの誇る音楽家の一人です。 指揮でもその名を知られていますが、作品も…

現代音楽を聞く その66

スペインの作曲家、カルロス・スリナッチ。 舞踏音楽の分野では知らない人はいないとも言われますが、 本邦ではそれほど知られた作曲家ではないような気がします。 「リトモ・ホンド」や「シンフォニエッタ・フラメンカ」など、 思わず踊りたくなるような楽…

現代音楽を聞く その65

ケネス・フックスはアメリカの現代音楽作曲家です。 今も精力的に活動を続けています。 何のきっかけで彼の曲を聞き始めたのかは定かではないですが、 管弦楽、吹奏楽、あるいは室内楽の楽曲が主となっています。 学生時代に聞いたのか、もう少し大人になっ…

現代音楽を聞く その64

キャサリン・フーバーというアメリカの女性作曲家のことは、 留学していたころに作品に触れていました。 名フルーティストでもあった彼女は、 フルートにまつわる楽曲を数多く残しています。 もちろんそれ以外にも秀作はたくさんあるんですけどね・・・ 残念…

現代音楽を聞く その63

現代音楽を主に聞いていたのは学生時代という話は、 このブログでもかなりの回数書いてきているとは思いますが、 実は最近のもちゃんと聞いています。 アメリカの現代音楽の作曲家、ポール・モラヴェックの作品も、 10年くらい前に聞いて、その音に刺激を受…

フーガの技法

今年のはじめあたりからずっと、 慣れないフルオーケストラの譜面を書き続けていたこともあって、 フルオーケストラではない曲を聞きたくなりました。 フーガというのは、輪唱の高度なバージョンともいえる音楽技法です。 1つのメロディが提示されて、そのメ…

現代音楽を聞く その62

アンドレ・ブクレシュリエフといえばフランスの作曲家、 と思っていたのですが、どうやら生まれはブルガリアだったみたいです。 ずっとフランスの作曲家と勘違いしていました・・・ 彼の功績というとやはり書籍になるのでしょうか。 特に作曲家論に関する書…

現代音楽を聞く その61

ロシアの作曲家、アラム・ハチャトゥリアンはよく知られています。 「剣の舞」が最も有名なのでしょうね。 彼の若かりし頃に作った「ピアノ協奏曲」もお気に入りなので、 是非一度生で聞いてみたいところです。 ですが、今日はハチャトゥリアンじゃないんで…

Master Class

Christian De Luca: J.S. Bach's Italian Concerto | Juilliard Sir András Schiff Piano Master Class 古今東西、バッハ弾きと呼ばれる人は数多くいらっしゃいます。 アンドラーシュ・シフという稀代のピアニストもその一人。 彼の演奏するバッハを何度も生…

飾り付け

この楽譜は、楽聖ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15、 その第一楽章の提示部の終結部近くのものです。 一番上の2段はピアノ、その下の4段は弦楽の楽譜、 5段目からはすべての楽器の全合奏部で、 上からフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴ…

現代音楽を聞く その54

ノルウェーの作曲家と聞くと、 大半の方がグリーグの名前を挙げられると思います。 そのくらい有名ですし、 「ペールギュント」や「抒情小曲集」あるいは「ピアノ協奏曲」は、 音楽の教科書にも載っているくらいに有名です。 ハラール・セーヴェルというノル…

Incidental Music Vol.44

80年代初頭のお話です。 土曜の夜8時といえば、ドリフターズの「8時だョ!全員集合」でした。 練りに練られたコントと歌で構成された一時間はとっても面白かったんです。 そんな土曜8時にフジテレビが放送を開始したのが、 「オレたちひょうきん族」という…

現代音楽を聞く その47

Henryk Mikołaj Górecki - Totus Tuus 朝目覚めてふとこの曲が頭に舞い降りてきたので、 ポーランドの作曲家、ヘンリク・グレツキのことを書きます。 グレツキの合唱曲「Totus Tuus」。 意味としては「私のすべてをあなたに捧げます」という意味のラテン語で…

現代音楽を聞く その45 

メキシコの作曲家、マヌエル・ポンセ。 日本ではほとんどなじみのない作曲家の一人ですね。 彼の作品を日本で聞いたことはありません。 最初に彼の作品で聞いたのは「ピアノ協奏曲」だったと思うんですけど、 そのあとに聞いた「ギター協奏曲(南の協奏曲)…