音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

Incidental Music Vol.74

「マチネの終わりに」の映画を見に行ったのは、

別の映画を見に行ったとき予告編で気になったからです。

主演が福山雅治さんと石田ゆり子さんってのも面白そうだなって思ったし、

実は原作も以前読んでいたので、どんなもんかと思ってみました。

まあ、原作ものの映画化にはよくありますけど、

もうちょっと掘り下げてほしいところもありましたが、

2時間強にしてはよくまとまっていたなぁと。

 

あ、映画の感想じゃなかったですね(笑)

 

映画「マチネの終わりに」オリジナル・サウンドトラック

映画「マチネの終わりに」オリジナル・サウンドトラック

 

 

映画を見終わったら、サントラは大体買うようにしているんですが、

今回は映画を見る前に売店で買いました。

どうやら人気のあるサントラみたいだったので。

 

主人公がギタリストという役どころもあってか、

全編がギターサウンドで彩られています。

サントラにはバッハの無伴奏チェロ組曲なんかも入ってましたね。

あ、もちろんチェロじゃなくてギターVer.ですけど。

聞き慣れた楽曲でも、楽器が変わると新鮮に聞こえます。

 

音楽を担当されたのは菅野祐悟さんです。

真っ先に思い浮かべるのは大河ドラマ軍師官兵衛」ですけど、

Gのレコンギスタ」や「PSYCHO-PASS」シリーズなどのアニメとか、

「半分、青い」や「ガリレオ」などのテレビドラマなど、

幅広く活躍されている音楽家です。私もサントラたくさん持ってます(笑)

この映画でも思いましたが、本当に引き出しがたくさんある方だなぁと。

だからこそ、今でもこうして活躍されているわけですけども。

 

ほんと、いいサントラなのでぜひ。

あ、サブスク(SpotifyAmazon Musicなど)でも聞けます。

 

編曲と品格

ブログのタイトルは大仰ですけど、内容は薄いと思います(笑)

 

 

編曲の定義ってものすごく難しいと思うんですが、

誤解を恐れずに言うと「作曲家の作ったものを装飾する」作業になります。

歌の伴奏付けはもちろんのこと、前奏や間奏、後奏などなど、

作曲家の作ったものを膨らませ、あるいは裏切りつつ、

なるだけ意に沿った、あるいは沿わないものを作る作業になります。

 

私の場合は、フルオケ(もどき)のものからアイドルソング調なものまで、

割と広範囲で編曲を施すことが多かったんですが、

作曲家が選んだ和音などを忠実に再現する場合と、

私の独断と偏見と感性で思いのままにやる場合と、

お偉い人たちの意向に沿った形で自分を殺して編み込む場合と、

いろんなパターンで編曲作業をやっております。

 

私自身はメロディメーカーというわけではないので、

(伴奏に使う旋律とかイントロとかでメロディを作ることは多いんですけど)

まずは作曲した人のメロディを最大限いかすようにします。

どういった方向性でいくのかというのは、

作り手の意向とかお金を出している方々の思惑など、いろんな要素をはらんでいます。

特に、企業やお偉いさんの思惑というのが本当にめんどくさかったので、

私がプロとして大成できなかった理由の一つなのかなと思ってます。

 

 

私の話はおいておいて・・・

 

 

ゼロから作る楽曲を編曲する場合はこんな感じなんですが、

例えばすでに商業的に浸透している音楽を編曲する場合は、

それはそれでいろいろと気をつかうことが圧倒的に多いんです。

 

SNSとかで既成曲をピアノアレンジで演奏したりRemixしたりする動画があって、

著作権的にどうなのよ、とか、

曲を作った人がそうした動画を見てどう思うか想像しているんだろうか、とか、

そういうことを考えたり考えなかったりしますが、それはさておき。

(この話はいずれちゃんと書きたいと思ってますけど)

 

 

原曲のあるものを再編曲(リアレンジ)する場合、

原曲にどれだけ寄せるべきなのか、

あるいはどれだけ原曲を裏切るべきなのか、というのがあったりします。

自分自身はジャズから音楽にどっぷり入った人間なので、

アドリブとか即興的なものに憧れに似たものを感じることが多いです。

だから、そうしたリアレンジものを聞く場合には、

どれだけ原曲を裏切ってくれるのか、というのを期待します。

と同時に、原曲にリスペクトを感じないものも中にはあるので、

そうしたものについては、アレンジの妙を楽しむと同時に、

裏切られた思いを同時に感じることがあります。

 

「なんで、この旋律を省いてるんだろう」

「いやいや、ここで終わるんだ。編曲した人絶対リスペクトしてないよね」

といった思いを、原曲が好きな人たちが抱くことは往々にしてあると聞きます。

そうしたアレンジに嫌悪感めいたものを抱く気持ちもわかります。

ただ、そういうアレンジになってしまった裏面の事情ってのもあるんですよ。

私の中では、そうした感情的な思いと俯瞰的な思いが同時に交錯します。

 

時間と曲目だけざっくりと提示されて「あとはよろしく」という感じなのか、

それともその編曲自体、編曲者の考えを十二分に表したものなのか、

そのあたりは想像で補完するしか術が無いんですが、

モヤモヤした思いや残念な気持ちを抱く人も多いんだろうなと思うんです。

 

そうしたモヤモヤした思いを共有したい気持ちは私にもありますが、

お客さんがたくさんたむろしているところで声高に言うのは少しはばかられます。

不平不満を持つ人もいるのと同様に、演奏に感動した人も多くいらっしゃいます。

マウントを取りたいというわけでもないでしょうし、

そうした不満を少しでも早く共有したいという思いが強いんでしょうけど、

そういうのは会場を出た後で個人的にやった方が良いんだろうな、とも思いました。

 

品格、という言葉があります。

私自身大嫌いな言葉の一つではあるのですが、あえてここで使わせていただきます。

 

編曲者に品格は必要なのか、と以前聞かれたことがあります。

残念ながら、今は品格至上主義の傾向が少し強いように感じられます。

品行方正な音楽家の方が、素行の悪い音楽家よりも好まれるという傾向です。

人格破綻している品格のない人間が、天使のようなメロディを作ったとしても、

すでにレッテルを貼られてしまっている音楽家は忌み嫌われることが多いんです。

そしてあまつさえ、その忌み嫌う感情が作品にまで派生します。

 

良い音楽をつくるのだから、品格も必要であるという論調に対して、

音楽に品性は必要ではない、と常日頃から思っている私にとって、

品格という言葉それ自体が邪魔者以外の何ものでもありません。

 

かたや、鑑賞者に品格は必要か、と問われると、

それはある程度必要なのかもしれません、と今なら応えるでしょう。

心のアルバムという言葉がスマホの登場により露と消え、

全ての思い出はスマホのカメラを通して残すべきだという怨念にとらわれ、

ところ構わずシャッターを切る姿は、私から見るとかなり滑稽です。

撮影禁止とアナウンスされているところや、

あるいは撮影禁止ではないにしてもそうした行為が憚られるようなところで、

何も考えず、思い出をうつしとりたい衝動に抗うこともなく、

ただただスマホを構えて写真を撮る姿は、

品格うんぬんというよりもその人の品性を疑ってしまいます。

撮影することで満足して、SNSにその写真をUPして、

あとはスマホのメモリの肥やしになるだけなんでしょうけど・・・

 

 

おっと、また話が脱線してしまった・・・

 

 

音楽というのはとても奥が深いものです。

それは作詞、作曲だけでなく、編曲にも大いに当てはまります。

共同作業で協力しながら作品を作り上げることもありますが、

作業自体は非常に孤独なものです。めげそうになることもあります。

若い時はそうした気持ちを熱意でカバーできることもあるのでしょうが、

熱意は無尽蔵というわけではありません。ずっと上がりっぱなしではないんです。

それに気づいたのは、私がすでにフリーランスに両足を浸しきった頃ですけど(笑)

品格も品性も乏しい私ではありますが、

それでもこうして細々と音楽活動を続けていられるのは、

やっぱり人脈と信頼なのだろうな、と改めて思います。

 

なんだか脈絡のない薄っぺらいブログになりましたが、

言いたいこと、書きたいことは書けたので、これでよしとします。

 

 

 

Cecil Taylor Unit / Akisakila【ジャズのススメ 124】

セシル・テイラーのことは以前書いた記憶はないんですが、もし書いてたらすいません。

前回の「ジャズのススメ」を書いてた時に、頭の中で鳴っていたのはこのアルバムだったんですよ。理由はよくわかりませんけど。

 

hw480401.hatenablog.com

↑前回のやつです

 

彼のピアノはエキセントリックで難解という意見があるみたいですけど、

技術と知識に裏打ちされたそのピアノは、やっぱりすごみがあります。

よく聞いてるのはこのアルバムじゃなく「Solo」の方なんですけど(笑)

 

Akisakila - Cecil Taylor Unit In Japan -

Akisakila - Cecil Taylor Unit In Japan -

 

 

今ならAmazon Prime会員であれば、Prime Musicで全曲聞くことが出来ます。

前衛的で敬遠されがちなアルバムかもしれませんけど、

するめのように、噛めば噛むほど味が出る、そんな一枚だと私は思ってます。

ブラスぷらす Op.15

ロジャー・ニクソンといえば、私などは最初室内楽作品から入ったので、

未だに吹奏楽の人という印象は持ちえないんですけど、

それでもかなりの吹奏楽曲を手掛けているのも事実なので、

やはりこちらで紹介するべきだろうと思いました。

 

で、彼というと「Fiesta del Pacifico(太平洋の祭り)」になるんでしょうか。

日本でも結構演奏されているようですし、知名度は高いと思います。

 

Fiesta del Pacifico

Fiesta del Pacifico

  • アーティスト: University of North Texas Wind Ensemble
  • 出版社/メーカー: Mark Records
  • 発売日: 2019/08/09
  • メディア: MP3 ダウンロード
  • この商品を含むブログを見る
 

 

この曲も変拍子がそこかしこに出てきます。

パーカッションもとても活躍する名曲ですね。リズムが重要な曲なので。

ラテン的なノリが曲全体を支配しつつ、

どことなくユーモラスな印象もぬぐい切れない、そんな一曲です。

現代音楽を聞く その80

フィンランドの現代音楽家といえば、

今ならカイヤ・サーリアホを挙げる人が多いと思います。

私が彼女の音楽と接したのはずいぶん昔でしたが、

近年でも作品を精力的に作り続けており、私も目が離せない作曲家の一人です。

 

カイヤ・サーリアホの個展

カイヤ・サーリアホの個展

 

 

彼女の作品で最初に聞いたのは「光の弧(Lichtbogen)」だったはずです。

彼女の作品では、フルートを巧みに使った曲が多いんですけど、

電子楽器とフルート、あるいはピアノや弦楽とのコラボレーションは、

独特の緊迫感をあおりながらも、どこか繊細で優美な印象も受けます。

 

「眩惑(Verblendungen)」「花弁(Petals)」「静物画(Stilleben)」など、

このアルバムには多種な音楽が収録されています。

まあ、最近はあまり聞いてなかったんですけど(笑)

 

日本でも演奏される機会が割とあるみたいなので、

一度は生で聞いてみたいものです。

ゴレンラク

このブログでは主に音楽関連のお話をさせていただいております。

読んでいる方も多くなり、コメントもちょくちょく頂くようになりました。

嬉しいです。ありがとうございます。

 

で、私のもう一つのブログ「ヒロユキの世迷い言」ですが、

前にもご報告させていただいた通り、

こちらは以前別名義でコンサートやライブなどの感想、

もしくは日々思うことなどを徒然なるままに書いていたものを、

順次移行している状況となっております。

 

この世迷い言ブログですが、ブログの説明文にもあります通り、

「ちょっと辛口」テイストなブログになっています。

 

以前であれば、鑑賞させていただいたコンサートなどの感想については、

なるだけ良いところをすくい上げて、

悪いところはなるだけ控えめにして書いていたんです。

ただ、私自身の性格として「音楽に対して嘘はつけない」ので、

ここ何か月か書いたブログについては、忖度なく書いているつもりです。

 

ハッシュタグなどでコンサートの感想をつぶさに見てみると、

同調圧力的なものを感じることが多くなりました。

同調圧力というのは、少数派が多数意見に合わせさせられることを指します。

「合わせる」のではなく「合わせさせられる」んです。

同調圧力って日本人の間では割と暗黙的に浸透している印象があって、

そういうのを見ると、私のようなひねくれ者は反発したくなるんですけど(笑)

 

でまあ、先日行われた某コンサートの感想をブログに書いたんですが、

そのコメントで、私の人格さえ否定するようなものが届きました。

私のブログは「コメント承認制」なので承認しないと非公開のままなんですが、

匿名であることを良いことに、自分の意見を押し付けてこようとしてきます。

「なぜいい気持ちでコンサートを聞いたのに嫌な気分にさせるんだ」

「性格が歪んでいるからこういう文章を書くんだ」

といったことがかなりの文字数で羅列されていました。

 

hiro0401.hatenablog.com

なんとなく、このブログに書いたことを思い浮かべてしまいました。

 

 

 

こういうことが起こるのであれば、感想ブログなんて書きたくなくなりますよね。

まあ、これからも書くんですけど(笑)

 

上述した通り、私は音楽に嘘はつきたくありません。

普段は嘘ばっかりついているので(笑)、そこは曲げたくないんですよ。

だから正直に、真摯に感想を書いているつもりです。

奏者側でもそうした礼賛ばかりの意見だけじゃなくて、こうした正直な感想も求めているんじゃないか、と勝手に想像したりしてます。

 

 

でまあ、「ゴレンラク」というタイトルを付けたので一つご報告します。

 

こちらのブログではずっと一つのジャンルをテーマにして、

私のお気に入りの曲を紹介し続けています。

ジャズ、劇伴、吹奏楽、そして現代音楽。

で、その音源をYoutubeなどから引っ張ってきています。

その方がわかりやすいと思っていたんですけど、

内心ではずっと忸怩たる思いを抱いていたのも事実です。

 

なので、今後はお気に入りの音楽について、

アルバムや公式であげられている動画は引き続き使わせていただきますが、

Youtubeなどで上がっている非公式なものについては使用しないことにしました。

決断が遅いというご指摘もあるかと思いますが、

やっぱりずーっとモヤモヤし続けていたので・・・

 

Youtubeニコニコ動画、あるいはTwitterなどのSNSで、

アイコンを好きなアーティストやキャラにしていたり、

非公式で歌謡曲や劇伴を演奏してUPしている人たちを見てて、

モヤモヤした感じをずっと持っていたんです。

そうしたところにも同調圧力みたいなものを感じました。

「みんなやってるんだから、私もいいよね」みたいな。

 

自分の好きな楽曲を演奏してみたいという気持ちはわかるんですが、

それを内々ではなく公にしているのはどうなんだろうと。

「だったらあなたのブログで紹介している動画はどうなのよ」と言われると二の句が継げないわけでして・・・

なので、非公式なものは使わないことに決めました。

これまでにUPしているブログについても、少し整理し始めようと思ってます。

 

というご連絡でした。

Incidental Music Vol.73

以前、Bloggerでずっと書いていたブログを、現在お引越し作業中なんです。

Bloggerって特殊なブログ形式になっていて、

そのままブログを移行するのは結構骨が折れるんですけど、

写真のリンクとかまだ全然手が付けられない状態になっておりまして。

 

まあ、そんな言い訳はともかくとして。

 

土曜日に映画を見てきました。

冴えない彼女の育てかたFine」というアニメ映画でして。

以前からこのブログでも申し上げている通り、

私自身は能動的に漫画とかアニメを見なくなった人間なので、

きっと私は「オタク」ではないんだろうな、と思ってるんですけど、

そんな自分のことはともかくとして、

会社のアニメ大好きな同僚に誘われて、冴えカノの映画を見てきたんです。

 

hiro0401.hatenablog.com


そのあたりの顛末はこちらの現在引っ越し作業中のブログ、

「ヒロユキの世迷い言」にてご覧いただけると幸いです。

 

余談ですけど、このリンク先のブログで書いている同僚の言動を見ると、

冴えカノの安芸倫也ばりのオタクだなぁ、としみじみと思います。

この同僚のパソコンの上にはよくわからないフィギュアがいっぱい飾ってありますし、

卓上カレンダーは萌えキャラがたくさん描かれているものですし、

休憩中にはスマホで音楽リズムゲームに興じていますし、

なんといいますか、「ぶれてないなぁ」という印象しかありません。

気持ち悪い、と思っていた時期も確かにあったんですが、

慣れというのは恐ろしいものです(笑)

 

 

さて、本題です。

 

 

この冴えカノの映画なんですが、音楽もとても心地よかったんです。

それはテレビシリーズでも同じように感じていたんですが、

アニメの中での「歌」の使い方が非常に上手いと思ったんですね。

1期の第3話での重要なシーンで使われている「M♭」、

そして同じく第9話でかかっている「Blooming Lily」、

2期でかかる「ETERNAL♭」や「DOUBLE RAINBOW DREAMS」など、

印象的なシーンにはグッとくる歌がBGMとして使われます。

 

 

上記の知識はすべて同僚の受け売りで、しかもこのCDも貸してくれました。

結局借りっぱなしはよくないと思って、先日Amazonで購入しちゃいましたけど(笑)

 

あ、公式に試聴動画があるので貼っておきます。


冴えない彼女の育てかた Character Song Collection 試聴動画 │ 6.28 ON SALE

 

最近の声優さんって歌も上手くないとだめなんだなぁと、

このアルバムを聞いて思ったり思わなかったりしています。

といっても昔の声優さんならともかく、

今回の冴えカノについては誰一人顔と名前が一致しない状態なので、

そのあたりは多分にご容赦いただけるとありがたいです・・・

 

 

で、映画のお話です。

冴えない彼女の育てかたFine」ですが、

こちらもやはり重要なシーンで「歌」が流れてきます。

まあ、初っ端ライブシーンから始まりますし。

「DREAM TEAM TRIANGLE」や「ULTIMATE♭」など、

重要なシーンではヒロインの歌う曲が流れてきます。

映画のパンフレットで豪華版というのがあるんですが、

そちらを購入すると、これらの劇中歌CDがついてくるのでお得だそうです。

(この辺りも同僚の受け売りですけど・・・)

 

しばらくは、冴えカノのサントラやソングコレクションを、

ループして聞きまくる日々が続きそうです(笑)