音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

帰国後

昨日の夜、無事帰国しました。

なんだかんだで長いプロジェクトになってしまいましたけど、

ようやくすべての工程が終了となりました。お疲れ様でした。

期間中いろいろとお誘いいただいたのに、

こちらの都合でお断りしてしまった皆さま、申し訳ございませんでした。

 

年末まではアレンジ仕事は休養期間とさせていただきます。

とはいえ、お仕事は昔からの知り合いからの依頼限定なので、

ブログやSNS経由で依頼されてもすべてお断りしてるんですけど(笑)

 

 

前によくSNSとかで依頼を頂いたことあるんですよ。

「〇〇というゲームの曲をピアノアレンジしてください」とか、

「××というアイドルの曲をEWIで演奏したいので簡単な譜面にしてください」とか、

お声掛けいただくのは大変ありがたいんですけど、

そうした依頼に対して、当方からはお断りの連絡をしています。

「相応のお支払いをしますから!」というのもあって、

一瞬心が揺らぎましたが(笑)、ネット対応はしてないんです、すいません。

 

 

無料でゲームが出来たり電話出来たりする昨今、

こうした編曲業務に対して、対価が発生するものだ、

ということをあまりご存じない方もわりといらっしゃいます。

「ちょちょいと書くだけなんだから、タダで」

なんて言われると、そいつの家に怒鳴り込みたい衝動にかられます(笑)

頭脳労働、というと聞こえはいいですけど、

結局は五線紙に音符を書かないと対価が発生しない商売なので、

その「ちょちょいと書く」のにどのくらいのカロリーを消費するのか、

そうした想像がなかなか働きにくいお仕事であることはわかるんです。

でも、譜面をおこすというのは、

それだけで結構大変な作業ではありますし、実際苦労も多いです。

SNSなどでポンポンと自作の譜面をUPしたり、

あるいは自作の、あるいは編曲した演奏動画などを見ることもありますが、

そうした手軽に自分の作品を見せることが出来ることが、

こうした「無対価」の風潮を助長しているような気がしなくもありません。

まあ、私もそういう演奏動画を昔UPしてたりしましたけど・・・

(今はすべて削除してしまってます)

 

 

帰国のあいさつをするつもりが、いつの間にか変な論旨になってますけど、

まあ、たまにはこういうのもありかも、ということで。

 

というわけで今日からサラリーマンに戻ります。

オールクリア

オールクリア、っていうと、

水曜どうでしょう」の東北2泊3日生き地獄ツアーで、

大泉洋さんがベッドの上に正座して、

「問題なし!すっきりした。オールクリアです。ノープロブレム」

といったシーンを思い出します(笑)

(「腹を割って話そう」で有名なシーンですね)

 

 

 

そんなどうでもいい情報はさておき。

 

 

 

本日、ようやく全ての作業が終了となりました。

足掛け9か月弱にわたって行ってきたものがすべて形となると、

ちょっとさびしいような、でもやっぱりうれしいような、

そんな変な気持ちのままパソコンに向かっています。

なんなんでしょうね、この気持ち。

開放感はもちろんあるんですけど、一抹の不安もあるんですよ。

「もっとこうすればよかった」とか、

「あそこはあんな感じじゃなくてもう少し手直しできたかも」とか、

全て出来上がった後で、その建造物を壊したくなる衝動とでもいうんでしょうか。

 

とにもかくにも、無事に終わりました。

というわけで、はよ帰国準備しなければ・・・

続 フランスへ 

本日の夜に渡仏します。

 

それだけの連絡なんですけどね(笑)

 

 

思えば昨年の11月あたりからずっと3つの仕事にかかりきりで、

書いた譜面は広辞苑の分厚さほどにもなりました。

それだけの譜面をこの8か月ほどで書き上げたわけで、

「一生分の仕事を一年足らずでやり切った」感じもしますが、

もうアレンジしたくない、とは思わないんですよね、ふしぎなことに。

 

今年いっぱいは新規のお仕事はすべてお断りさせていただいているんですが、

それよりもなによりも、来週帰国後からは、

封印していたあれやこれやを楽しむことが出来るわけで、

それがほんとうにうれしいんですよ。

もともとナマケモノですし、勤勉とは程遠い生活をしていた私ですけど、

今年はいろいろな機会に恵まれて、

映画音楽をはじめとした映像音楽の編曲を手掛けることが出来ました。

自分のスキルも数段アップしたように思えますが、錯覚かもしれません(笑)

 

ともあれこれでしばらくはのんびりと過ごせそうです。

ケイデンスオブハイラルやらマリオメーカー2やら、

はたまたたまっている文庫本を読みふけったりできると思うと今から興奮します。

ちょこちょこと、知人の手掛けたアレンジを手直ししたり、

ストリングスアレンジのみやらせてもらったり、といった、

細々したお仕事は残っているのですが、無視します(嘘です)。

 

今後も五線紙から離れる生活とは無縁になりそうな気配ですが、

今年いっぱいは羽を伸ばして、ゆるりと過ごそうと思っています。

 

 

では、行ってきます!

(フライトは夜なんですけど・・・)

現代音楽を聞く その74

北欧のスウェーデンには大昔に一度だけ行ったことがあります。

デンマークノルウェーにもそのとき旅行でまわったんですけど、

その時の記憶があまり無いんですよね。

観光名所もたくさんまわったはずなんですけど・・・

 

そんなスウェーデンの作曲家の一人、

イングヴァル・リードホルムの曲を紹介したいと思います。

 


Ingvar Lidholm: Kontakion (1978)

 

いろいろと聞いてはいるんですが、

「コンタキオン(Kontakion)」が強烈に頭に残ってます。

最初に聞いたのは「弦楽のための音楽」だったと思いますが、

コンタキオンの鮮烈な音色は、当時学生だった私にとっては、

何とも言えないご馳走のように感じられたんです。

・・・人によってはなんのこっちゃって思うでしょうけど(笑)

 

私が勉強していた当時はあまり音源化されていなかった彼の音楽ですが、

今では多くの音源が発売されており、手軽に聞くことが出来ます。

音楽自体は手軽に聞けるような感じではないかもしれませんけど、

(そこは現代音楽という範疇なので、どうしても人を選びます)

気になる方は検索して音源をいろいろと聞いてみると面白いかもしれないです。

むかしがたり 5

 

hw480401.hatenablog.com

 

前回のお話はこちら。

(最初から読みたい方も上記リンクからたどれます)

 

 

今回は高校時代のお話。

 

といっても特にここで書くようなエピソードはあまりないんですけどね(笑)

 

いじめられたり、いじめたりは日常茶飯事でした。

進学校特有の空気なのかどうかはわかりませんけど、変わった人が多かった感じです。

ただ、変わった人の割合が多かったこともあって、

当人たちは、変わってるという自覚が無かったみたいです。

 

今の私の、フラットで中庸な性格を形成したのは、

この中高時代になるんだろうな、とは思っています。

中学時代から他人との接触を極力避けていましたが、

それは高校時代になってもあまり変わらなかったと思います。

私自身は変人という自覚はなかったんですが、

高校時代の学校内の空気に感化された気がしなくもありません(笑)

 

中学時代にいじめられてた連中がこぞって勉強を頑張り、

そこそこ有名な学校へ進学すると、

中学時代にたまっていた負の感情が一気にあふれ出して、

人よりも優位に立とうとする、つまりはいじめる側になろうとするわけです。

派閥争い的なものもあったとは思いますが、私はずっと「我関せず」状態。

そんな中でも共通項を持つもの同士は結託するものでして。。。

高校時代、まがりなりにも友人と呼べる人が何人か出来ました。

ジャズ好きの奴もいましたし、ゲーム好きもいました。

 

後から聞いた話によると、

N高って個性の集まる高校である、と巷では噂になってたんだそうです。

中にいる間は気づかないもんです(笑)

だから、普通の高校生みたいなことをやってる人も少なかったんだなぁ、と、

今思い起こすと気づくこともいろいろとあります。

私や友人みたいに、ゲームセンターに行くとか、

友達の家に遊びに行く、ということが当たり前なんだということを、

その当時の私は当たり前だと思っていなかった節があります。

 

たぶんこの高校時代に音楽好きに拍車がかかったんだろうなぁと。

ジャズやクラシックのCDでは飽き足らず、

好きなゲームの音楽CDや歌謡曲、果ては演歌なども買いあさる日々。

当然お金もすぐ底をつくので、祖父母の家に行ってバイトしてました。

今でいうと「家事手伝い」的な意味合いになるんでしょうけど、

足腰が弱っている祖父母たちの代わりに、

近所の商店街へ買い物に行ったり、後片付けしたり。

稼ぐためにやっていたことは事実ですけど、

私は昔からずっとおじいちゃんっ子でしたから、それが本当に楽しかったんです。

 

祖父はヘビースモーカーでした。

だから、近所のタバコ屋さんにいってタバコを買うのもバイトの一つだったんです。

一回行くだけでゲームセンターで数日遊べるくらいのお金をもらってました。

私に甘かった祖父とは違って祖母は厳格な性格です。

きっと私の母も祖母に似たんだろうと思います(笑)

祖父のそうした甘いところを邪険に思いながらも、

一家の長ということもあってか、口に出して不満を言うことはほとんどなかったです。

 

すでに祖父も祖母も亡くなって久しいのですが、

高校時代、と聞くと真っ先に思い出すのはこの二人のことです。

この稼ぎのおかげでいろんな音楽を聞くことが出来ましたし、

まあ結局本当に高校時代にアルバイトをすることになってしまうんですけどね。

欲しいコンポやCDを買うための資金調達が主な理由でしたけども。

 

わたしのCDのコレクションは一万枚以上になります。

家に入りきらないものは、近所にスペースを借りて保管しています。

そのコレクションの4割以上はこの高校時代に買ったものですね。

よくもまあこれだけ買ったもんだ、と当時の私をほめてやりたいくらいですが、

CDを買わずに貯金していれば、留学費用も難なく捻出できたんだろうな(笑)、

と今思い返すと、うれしいやら恥ずかしいやら・・・

 

 

本格的にアメリカへ音楽留学する準備を密かにすすめていました。

母親に知られると烈火のごとく怒ることは確実だったので、

ボストンに住む友人と秘密裏に事を進めていたわけです。

ピアノのレッスンも、当時関西では有名だった方についてしごかれてましたし、

留学に必要な英語力も、半ば独学ではありましたけど、

友人などの助力もあって少しずつ英会話力も身についていきました。

その成果は、高校時代のテストにも影響を及ぼしていたようで、

英語の成績が学年上位となったんです。母親が狂喜していました(笑)

そんな母親を裏切っているような気がして、当時はつらかったですね。

 

でも、さすがに何もかも秘密にしたままでアメリカへ行くことは出来ません。

留学するためには相応の費用が必要になります。

私自身がアルバイトをして稼ぐにしても限界がありますから、

親の助けがどうしても必要だったので、いつかはきちんと話さねば、

と思いつつずるずると日程をのばし続けて、高校二年生の終わりころになりました。

さすがにそのころになると何かを察したのか、

母親も眉間に皺の寄っている日が少し多くなっていました。

 

えい、ままよ!と冬休みのある日に、

私は「アメリカへ音楽留学したい」ということを母親に告白します。

 

 

(つづく)

 

Incidental Music Vol.66 (の続きのつづき)

 

hw480401.hatenablog.com

 

この続きです。

 

大草原の小さな家ブッシュベイビー」ですが、

主題歌についてはいろいろといわくがございます。

信憑性のある情報がないので、私も確かなことは言えないのですが、

これまでの世界名作劇場では、

「主題歌は最後まで変更しない」という不文律のようなものがありました。

それがこのブッシュベイビーで破られたわけです。

前期OP主題歌「APOLLO」は谷村新司さんの作詞作曲で、

男性ボーカル(沢靖英さん)が歌われました。

 


ブッシュベイビー OP主題歌1 『APOLLO(アポロ)』

 

編曲は佐孝康夫さん。

あまりなじみのないお名前かもしれませんが、

CM音楽では知らない人はいないともいわれる音楽家のお一人です。

谷村新司さんの「三都物語」(昨日、今日、あ~す~♪)の編曲や、

武田鉄矢さんの「少年期」(ドラえもんの映画主題歌)の作曲などが有名ですかね。

 

で、「APOLLO」ですが賛否両論がありました。

世界名作劇場らしからぬ荘厳な曲調と男性ボーカルというのが、

冒険しすぎじゃないかという意見があったようです。

直接的な原因はわからずじまいですが、結局主題歌が変更されます。

主役のジャッキー役の声優、岡本麻弥さんの歌う「微笑でプロローグ」がそれです。

 


ブッシュベイビー OP主題歌2 『微笑でプロローグ』

 

作曲は岸正之さん。

私としては、南野陽子さんの「話しかけたかった」の作曲の方です。

80年~90年代の歌謡曲、というイメージですね。

そして編曲は信田かずおさん。

前回ご紹介した、私のあしながおじさんのOPとEDの編曲も実は信田さんです。

謡曲、アニソンだけではなく、

CMや映画などでも活躍されている大ベテランの編曲家のお一人です。

私も随分分析させていただきました。

 

どっちが好き、あるいは嫌いという話はしたくはないのですが、

個人的にはどちらもよい歌だと思います。

世界名作劇場としてどちらがあっているかという意見については、

私はどちらにも与する気はありません。

 

フジテレビ系列の地上波では「家なき子レミ」で終了した世界名作劇場ですが、

BSフジでおよそ10年ぶりに復活します。

レ・ミゼラブル 少女コゼット」

ポルフィの長い旅

こんにちはアン~Before Green Gables」

以上3作が放送され、2009年をもって完全にシリーズは終了となった模様です。

 

この3つ、どれも好きなんですけど、

主題歌で一つあげるとすると「ポルフィの長い旅」ですかね。

 

 

作曲編曲を担当したのは多田彰文さん。

多田さんというと、私は音楽制作会社イマジンの人というイメージです。

厳密にいうと、田中公平さんの楽曲のアレンジャーという印象が強いです。

なので、多田さんの作曲したこの主題歌がとても強烈に残りました。

アレンジャーとしての印象が強い人が作曲をすると、

少しもやっとした曲が多い感じを受けることが多いんですよ。

アレンジはすごくいいのに、曲が残念といえばいいんでしょうか。

 

この「ポルフィの長い旅」という(タイトルと同名)曲は、

多田さんのアレンジャーとしての力量を十二分に感じるとともに、

印象的なサビのメロディと少し異国の調べを思わせる編曲で、

とても良い曲となっているように私は思いました。

 

なぜこのアニメを地上波で放送しなかったのか(笑)

いろいろな大人の事情はあるんでしょうけど・・・

 

日曜の夜に世界名作劇場を放送しなくなって久しいですが、

出来ればこの素晴らしいアニメシリーズを復刻してほしいところです。

アニメ供給過多が叫ばれる昨今、

良質なアニメを作り続けることに難しい時代となった現代ですが、

それでも世界には埋もれた原作がごまんとありますから、

いつかどこかで見られる日が来ることを祈りつつ、

私は「世界名作劇場の主題歌集」を日々聞き続けようと思います。

 

ご報告

今手掛けているアレンジのお仕事が佳境を迎えております。

そのため、ブログの更新がしばらく滞ることになりそうです。

 

そして、来週末(7/12~15)に再度渡仏する予定となっています。

それをもって、昨年末からずっと続いていた作業がようやく終わります。

いやぁ、長かった・・・

これで来月の下旬からは思いっきり遊びまくれます(笑)

いろいろと我慢していたあれやこれやを楽しみたいと思ってます。

 

今後、来月中ごろまでこのブログは不定期更新となります。

時間があれば更新するつもりではいますが、

明日以降、再来週あたりまでは書けない日が多くなりそうです。

記事を楽しみにしている方には申し訳ないです。

 

 

毎日更新って、やっぱり大変です・・・

今の仕事が終わっても不定期更新になってしまったらごめんなさい。