音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

現代音楽を聞く その30

レナード・バーンスタイン

指揮者としても演奏者としても広く知られています。

彼の指揮によるマーラー交響曲は今でもバイブルとなっていますし、

音楽への姿勢という意味でも多大な影響を多くの人に与えた教育者でもありました。

 

商業作品としてミュージカル「ウェストサイド物語」などを成功させた彼ですが、

実は交響曲室内楽でも秀作を数多く残しています。

そんな作品群の中で、特に私が影響を受けたのが、

交響曲第3番「カディッシュ」でした。

 


Leonard Bernstein: 3rd Symphony - ECYO cond. Leonard Bernstein

 

交響曲と銘打たれていますが、

冒頭から語り手によるナレーションが入っていたりしています。

大規模なオーケストラ、合唱、独唱も含まれて、

楽想としても、かなり多くの技法が取り入れられた作品ですね。

 

最初にこれを聞いた時は驚いたんですけど、

それでも曲間から伝わってくる祈りのようなものが心に響いて、

曲が終わると自然に涙が流れます。

PiCOPiCT

ゲームメーカーである任天堂が、

Nintendo DSWiiで発売していたArtStyleシリーズというのがあります。

インディーズ、というと聞こえが悪いかもしれませんが、

当時の「画面のキレイ度重視」だった大作ゲームとは一線を画した、

発想と入力にこだわった面白いシリーズだったと記憶しています。

 

そんなシリーズで私がどっぷりとハマったのが、

タイトルにもある「PiCOPiCT(ピコピクト)」です。

パズルゲームなんですが、その音楽がとても凝っていたんですね。

 

このゲームの音楽を担当したのは、

チップチューン界でその名を知られるYMCKというグループです。

 

チップチューンとは

ファミコンのような8bitテイストの音色を駆使した音楽の総称です。

(当時の親が言うところの「ピコピコ音」ってやつですね)

 

このゲームのエンディングがとても好きで、

今でもちょくちょく聞いてるくらいによくできています。

歴代ファミコン名作のメドレーみたいになっているんですよね。

 

 

もう10年近く前に発売(配信)されたタイトルですけど、

今、これをプレイする環境を作るのは結構難しいです。

すでに配信も終了しているので・・・

 

ああ、またやりたくなってきた(けど、できない)。

CAN / FUTURE DAYS【プログレ古今東西16】

ジャーマンプログレバンドであるCANの傑作アルバムです。

 

Future Days

Future Days

 

 

このアルバムを聞いたのは結構前のことだと思うんですが、

最初に聞いたときの独特の浮遊感に驚いたのを憶えています。

どちらかというとサイケな印象の強いバンドなんですけど、

このアルバムに関していうとそんな色がちょっと薄まった感じを受けます。

薄まったことで「聞きやすくなった」ともいえますが、

コアなファンからすると賛否あるみたいですね。

 

彼らの3rdアルバムである「Tago Mago」を推す人も多いです。

私も好きですけどね、タゴマゴ。

 

このFUTURE DAYS、やはり聞きどころは「Bel Air」ということになるんでしょうね。

レコード盤だとB面に1曲だけ入っている大曲です。

アルバムに入っている4曲とも良いんですけど(笑)。

 


can, bel air

Count Basie and His Orchestra / April in Paris【ジャズのススメ 70】

スウィング・ジャズだと、このアルバムは名盤中の名盤ですよね。

 

April in Paris

April in Paris

 

 

いわゆるビッグバンドなんですけど、

彼らの放つスウィング感は思わず身体が揺れてしまうほどです。

聞きやすさもありますし、名曲も数多く収録されていますし、

言うことはないんですけど、私はそれほど聞いてないです(笑)。

いや、好きなんですけどね。

 

アルバム最後に収録されている「Dinner With Friends」は、

とある番組でも使われているくらいに有名ですし、大好きな曲の一つです。

 


Dinner with Friends

 

まああとはアルバムタイトルにもなっている「April in Paris」でしょうね。

私自身が4月生まれということもありますが(笑)、印象に残る曲です。

 


Count Basie - April In Paris

ボカロを聞いてみた

ボカロネタ、久々な気もしますが。。。

 

もともとボカロ(VOCALOID)には興味ありました。

不自然なイントネーションの歌い手という印象もまだまだぬぐい切れませんけど、

今の若い人たちはそれほど違和感なくボカロの歌声を聞いている気がします。

 

先日リリースされた「桜乃そら(はるのそら)」というVOCALOID

声優の井上喜久子さんの声をもとに作られたそうです。

そのボカロデモが、今月動画UPされていました。

 


【VOCALOID 桜乃そら・デモ曲】どんな言葉なら届きますか?

 

この「どんな言葉なら届きますか?」という歌、

作詞:畑亜貴

作曲:田中公平

という豪華作家陣によって、このボカロのために作られたものだそうです。

 

ボカロというと「4つ打ち」。

早いリズムと、腹の底に響いてくる等間隔で打ち出されるバスドラムの音色、

というのが定番中の定番ともいわれていますが、

このデモ曲はこれまでのボカロ曲とは一線を画しています。

曲調がスローなバラードで、しかもデュエット。

オーケストラ調の伴奏にあわせてボカロが歌うという仕様です。

 

曲自体のクオリティも畑さん、公平さんの最強タッグなので文句なし。

聞いてて涙出そうになりました。

 

でも、まあ、

生の歌声でこれを聞いてみたいとも思ってるんですけどね(笑)。

 

Incidental Music Vol.19

北野武監督の映画、好きなんです。

監督デビュー作からずっと彼の作品を見続けています。

全部が全部好きってわけじゃないんですけど(笑)。

「あの夏いちばん静かな海」「ソナチネ」「Kids Return」「菊次郎の夏」などでタッグを組んでいた久石譲さんが北野映画の音楽担当だったころが懐かしいです。

その後、池辺晋一郎さんや梶浦由記さんなどが単発で担当されたんですが、

それ以降はずっと鈴木慶一さんが音楽を担当されています。

(「座頭市」も鈴木さんの音楽なんですけど)

 

 

座頭市」のサントラに入っている「Festivo」は、

映画のタップダンスシーンの音楽ですけど、当時は衝撃でしたね。

時代劇にタップダンスって、と私も思ってました。

 


Zatoichi [2003] (OST) - Festivo /11

 

座頭市」のサントラは本当にお勧めなのでぜひ聞いていただきたいです。

 

 

鈴木慶一さんといえば、ゲーム好きな方なら「MOTHER」が思い浮かぶでしょうし、

私のような少し古い人間だとムーンライダーズを思い起こします。

 

ムーンライダーズといえば、

PSの「クラッシュバンディクー」のCM音楽でも有名な岡田徹さんや、

数多くの日本映画の音楽やアレンジをされたかしぶち哲郎さんなど、

著名な方が所属されていたグループです。

 

ムーンライダーズ名義でサントラ参加している、

今敏監督のアニメ映画「東京ゴッドファーザーズ」。

そのエンディングで流れる「No.9」がいいんですよね。

文字通り、第九の喜びの歌のアレンジです。

 


Tokyo Godfathers OST - N°9 [Ending Song]

 

レゲエアレンジというのも驚きですけどね(笑)。

昔の私なら「原曲破壊だ!」なんていって敬遠していたでしょうけど。

ムーンライダーズのセンスがすばらしいです。

現代音楽を聞く その29

今までこのシリーズで語らねばと思ってて、

ずっと避けていた作曲家がいます。

 

矢代秋雄(やしろあきお)さんです。

 

私の中で彼の音楽に占める割合はけして小さくありません。

だからこそ、安易な紹介にするのがためらわれて、

今まで紹介していなかった、とも言えます。

 

音大で出会った彼の作品「交響曲」を聞いた時、

背中に電流が走ったような感覚にとらわれたことを思い出します。

 


Akio Yashiro - Symphony (1958)

 

この曲の楽譜を見せてもらう機会が学生時代にあったんですけど、

その精密で隙のない楽譜に圧倒されました。

 

私が学生時代に愛用していた、矢代さんの和声学の教本は今でも大事にとってあります。