音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

Incidental Music Vol.14

作曲家の木下忠司さんが先月お亡くなりになったそうです。

102歳とご長寿だったのですが、

晩年は制作活動は全くされていなかったみたいですね。

 

木下忠司さんといえば、何はなくとも「水戸黄門」でしょうね。

主題歌「ああ人生に涙あり」は名曲中の名曲です。

 


水戸黄門第14部オープニング 里見浩太朗 伊吹吾朗

 

とはいえ、私が最初に思いついたのは実はこの曲ではなく、

アニメ「カリメロ」の主題歌「ぼくはカリメロ」の印象が強いんですよね。

 


カリメロ オープニング  『ぼくはカリメロ』

 

 

同じ作曲家の主題歌なので、

似ているところはなくはない気もしますけど(笑)。

どっちも大好きな曲です。

ちなみに「カリメロ」のエンディング「好きなのプリシラ」も名曲ですよ。

昔ばなし

未だにそうなんですけど、

専門用語にほんの少し違和感を覚える人なんですね。

 

音楽教育学という舌を噛みそうな学問をやってたこともあるんでしょうけど、

ここで記事を書く時にはなるだけ専門的な言葉は使わないようにしています。

というのもちょっとしたトラウマがありまして。

 

その昔、自己顕示欲のかたまりと化していたわたしは、

音大で勉強したネタをどこかで披露したいと考えて、

メールで知り合いにカッコつけたメールを送り続けていました。

「あそこのsus4のコードが」とか

「ここで出てくるクリシェが絶妙」だとかいった、

分かる人にはわかるような言葉を使い続けたんですね。

 

すると、メールの返信が来なくなりました・・・

 

当時の私は、

「なんで理解しようとしてくれないんだろう」と、

勘違い甚だしい怒りを相手に抱いていました。

年を重ねることで、ようやく自分のしてきた行為の無意味さが、

じわじわとわかり始めてきた次第です。

 

Twitterとかで音楽系の投稿をしている方とかで、

そうした「わかるひとにわかる」言葉をしばしば見かけるたびに、

若いよなぁ、とか、

頑張ってるよなぁ、とくすぐりを入れたくなる感情と、

伝わらない人も多くいると思うのになぁ、と残念に思う気持ちが、

渾然一体となって私の心の中を流れてきます。

 

ようするに、私はめんどくさいやつってことですね(笑)。

現代音楽を聞く その24

日本のオーケストラコンサートに行くと、

時々、細川俊夫さんの楽曲に触れる機会があります。

NHK交響楽団などの定期公演でもよく見かけますし、

日本国内外でも評価の高い彼の曲は、

私も一時のめりこむように聞いていました。

 

管弦楽曲にも秀作は多いんですけど、

私の嗜好が室内楽向きということもあって、

ヴァーティカル・タイム・スタディ」にしました。

ピアノとヴァイオリンのための楽曲ですね。

IからIIIまであるのですが、IIIを一番たくさん聞いている気がします。

好きなんでしょうね、やっぱり。

 


Toshio Hosokawa: Vertical Time Study III (1994)

 

 

MUSICエンジン第五回演奏会 UNDERTALE

このゲームとの出会いのお話をします。

2年以上前のことです。
アメリカに住む友人が今までにないくらい強くすすめてきた、
というのがこのゲームとの出会いです。

まだUNDERTALEが日本でこれほど大ブームになる以前の話です。
最初に英語版でやり始めた途端に大ハマりし、
気がつけば3周くらい一気にやった記憶があります。
その後も非公式日本語版→公式日本語版と渡り歩きました。

その後、口コミやネットでの高い評価などもあり、
日本でも多くの方に知られるタイトルとなりました。
ゲームのMOTHERシリーズや東方シリーズなどに影響された作品であり、
そのシステムや秀逸なストーリーもさることながら、
全編を彩る音楽もかなり人気が高いものとなっています。

そんな音楽をぜひ生演奏で聴いてみたい。
以前にも同作品の演奏会は、いろいろな演奏団体であったみたいなんですが、
今回初めてUNDERTALEの演奏会へ参加させて頂きました。



MUSICエンジン 第五回演奏会 UNDERTALE
2018年5月19日(土)
昼公演 開場1315 開演1400
夜公演 開場1715 開演1800
東京オペラシティ コンサートホール


演目(夜公演 Ver.)

プレコンサート
本物のヒーローとの戦い  [Battle Against a True Hero]
"NEO"の力  [Power of "NEO"]
MEGALOVANIA
スタートメニュー  [Start Menu]


M01
むかしむかし・・・  [Once Upon a Time]
いせき  [Ruins]
緊迫のとき  [Anticipation]
ENEMY APPROACHING!  [Enemy Approaching!]

M02
ホーム  [Home]
ケツイ  [Determination]
心の痛み  [Heartache]
おちてきた子  [Fallen Down]

M03
サンズ  [sans.]
ニャハハ!  [Nyeh Heh Heh!]
雪景色  [Snowy]
スノーフルのまち  [Snowdin Town]
いらっしゃいませ  [Shop]
Bonetrousle

M04
DATE START!  [Dating Start!]
DATE DANGER!  [Dating Tense!]
DATE FIGHT!  [Dating Fight!]
もしかして・・・  [Premonition]

M05
アンダイン  [Undyne]
ウォーターフェル  [Waterfall]
逃げろ!  [Run!]
やすらぎの水辺  [Quiet Water]
思い出  [Memory]
ぬあああああ!  [NGAHHH!!]
彼女がピアノを弾いている  [She's Playing Piano]
正義の槍  [Spear of Justice]


Intermission(幕間曲)
みすぼらしい家  [Pathetic House]
まったり  [Chill]


M06
アルフィー  [Alphys]
イッツ・ショータイム! [It's Showtime!]
メタル・クラッシャー  [Metal Crusher]
スパイダーダンス  [Spider Dance]
ああ!運命の人よ!  [Oh! One True Love]
ああ!とらわれの恋人よ!  [Oh! Dungeon]

M07
コア  [CORE]
華麗なる死闘  [Death by Glamour]
愛するファンのみんなへ  [For the Fans]

M08
UNDERTALE  [Undertale]

M09
Bergentruckung
アズゴア  [ASGORE]
最高の悪夢  [Your Best Nightmare]
フィナーレ  [Finale]
ひとつのエンディング  [An Ending]

M10
真実  [Here We Are]
アマルガム  [Amalgam]

M11
小さな衝撃  [Small Shock]
おちてきた子(リプライズ)  [Fallen Down(Reprise)]
あきらめないで  [Don't Give Up]

M12
夢と希望  [Hopes and Dreams]
SAVE the World
彼のテーマ  [His Theme]

M13
再会  [Reunited]
自由  [Respite]
全員、集合!  [Bring it in, Guys!]
これでホントにサヨナラ  [Last Goodbye]


アンコール
強敵たち  [Stronger Monsters]
はじまりの前  [Before the Story]



今回私が参加したのは夜公演でした。

どうやら昼公演とはプレコンサートやアンコールが違うみたいです。
昼公演ではアンコールで流れていたらしいのですが、
夜公演のプレコンサートでいきなりMEGALOVANIAとか流れてきて、
心の中で叫び声をあげてました(笑)。
2公演続けて見た方だと、その構成にニヤリとしたのでしょうね。

あと、パンフレットの後ろの方にあるリストを見て、
夜長オケの中村さんがオーケストレーションで参加されているのを見て、
ああ、なるほどな、と思う部分と、えー!と驚く部分の両方がないまぜになりました。
どの程度まで中村さんが楽曲に関わられたのかは定かではありませんが、
聴いてて気持ちよかったのは確かです。

前回の第四回の演奏会のときよりもかなりオケの人数が増えてました。
前はコントラバス一人だったのに対して今回は6人も・・・
ホールが大きいことや、楽曲の編成等の理由によるものなのでしょうか。
そのへんの意図は私にははかりかねますけど。


プレコンサートが終わって、本編がはじまり、
M01からほぼストーリーに沿って演奏されていきます。
私はサンズという骸骨のキャラクターが好きなんですが、
編曲者、もしくは楽曲の選曲構成をされた方は、
アンダインが好きなのかな、とちょこっと思ったりしました。


原曲は割と8ビットテイストのある曲が多いんですよね。
あと、いろんなテーマ曲がそこかしこにアレンジされて登場します。
ゲーム序盤に登場するフラウィの曲(Your Best Friend)が、
とある戦闘曲でアレンジされて出てきたりします。

こうしたフレーズの使い方が、
作曲家の浜渦正志さんの手掛けられたサガフロンティア2のそれを彷彿とさせます。
少ないフレーズでゲーム楽曲を作成、構成するという点で、
サガフロ2はかなり抜き出ている稀有な作品ではあるのですが、
このUNDERTALEにも同じようなニオイを私は感じました。
オープンニングの曲(Once Upon a Time)もそこここに出てきますし。


思い入れのある曲はとても多いんですが、
前半で言うと「Heartache」「Snowdin Town」「Spear of Justice」あたりでしょうか。
もちろんどれもこれもアレンジも含めて素晴らしかったですし、
演奏もクオリティの高いものだったと思います。

後半では「Undertale」「Don't Give Up」「SAVE the World」あたりは大好きです。
Hopes and Dreams、His ThemeやLast Goodbyeあたりは涙出まくってましたけど(笑)。


演奏というと、
大きな編成のオケではあるのですが、楽曲の特性上、
ピアノソロや室内楽の響きがそこかしこに散りばめられています。
中でもピアノの方はほぼ出ずっぱり弾きっぱなしということもあり、
演奏ご苦労様でした、とねぎらいの言葉をかけたいくらいでした。
あと、ドラムス、パーカッションの方も大変だっただろうな、とか、
それを言うと弦楽の皆さんもご苦労がお有りだったろうとか、
いやいや、金管木管も・・・と話がつきません。

演奏のペースメーカーでもあるドラムスの方はかなり神経使ってたかもしれないですね。
指揮者不在での演奏でもあったので、
ペースメーカーがズレてしまうと演奏全体にも影響が出ます。
途中何度かドラムスとズレてしまったところもありましたね。
昔とったなんとやら、とはよく言ったものですが、
前職の影響なのか、そうしたところには耳がよく働いてしまいます(笑)。

個人的にシンセの音色がいいアクセントになってたと思います。
原曲に近い音色が登場することで、観客側もハッとしてましたからね。
あと、砂嵐の音もシンセの方が両手を使って担当されてました。
あの動きが可愛らしくてついついそこばっかり見てしまった私がいます。
すいません・・・


いつものブログなら、
ちゃんと曲順に合わせて詳細な感想を書くんですけど、
今回はこういう形で書かせて頂きました。
きっと別の誰かがちゃんとした詳細な感想を書いてくださるでしょうから。


演奏された皆様、スタッフの皆様、
本当にお疲れさまでした。
夜公演前のあの行列を見たときにうんざりしてしまったのは事実ですが、
テキパキと行列を処理されているスタッフを見て、大変だなと思いました。
なので、公演開始前には物販で買い物ができなかったのですが、
休憩中に運良く早めに列に並んでお目当てのCDを購入できました。


あとでゆっくりと聴かせていただきます。

また機会があればMUSICエンジンさんの公演におじゃまさせていただきます。
本当に素晴らしい演奏をありがとうございました。




Coleman Hawkins / Night Hawk【ジャズのススメ 64】

コールマン・ホーキンス

ジャズテナーサックス奏者です。有名な人です。

彼のアルバム「body & soul」もとても好きなんですけど、

今回はこちらのアルバムで。

 

Night Hawk

Night Hawk

 

 

特に言うことはありません。大好きな音色です。

彼のアルバムはほとんど持ってますけど、どれも好きです。

 

なんだか、いろいろな感想はあるんですけど、

何を書いてもこの演奏の前だと陳腐になってしまうような気がして。

ピアノのトミー・フラナガンがいい仕事してます。そこも良いです。

とにかく、いいです。

 


Coleman Hawkins - Night Hawk - Englewood Cliffs, NJ., December 30, 1960

Gloria

Gloria in excelsis Deo

という文章で始まるのがグローリアと呼ばれるものです。

「栄光」とも訳されるこの言葉ですが、

音楽分野でも数多くの作曲家がミサ曲の一つとして、

または単独で音楽作品を作っています。

 

フランスの作曲家、プーランク

彼もまた「Gloria」を作曲した一人です。

 


Poulenc - Gloria

 

聖書の一節を引用した歌詞に、

少しプーランクらしい洒脱な音色が若干抑え気味な気がするのは、

私だけではないと思いたいところですが、

それでもやはり全体を通して聞くと神々しく聞こえてくるから不思議なものです。

 

以前この曲を生で聞いたときは感動で打ち震えたものです。

ベルリオーズのテ・デウムとあわせて拝聴したのは結構前のことなんですけど(笑)。

 

こういう音楽も無性に聴きたくなる、そんなお年頃です。

 

Gentle Giant / Acquiring The Taste【プログレ古今東西14】

 

Acquiring the Taste

Acquiring the Taste

 

 

名作との誉れ高いGentle Giantの4thアルバム「オクトパス」にしようと思ったんですけど、最初に聞いたこのアルバムにしました。

70年代初頭というと数多くのプログレバンドが活躍した時代です。

そんな中で同時期にデビューしてあまり人気のないバンド、

それがこのGentle Giantでした。

かくいう私も出会ったのは2000年代に入ってからなので新参者です(笑)。

 

これぞプログレというサウンド、理論に裏打ちされた構成など、

聞くものをひきつけてやまないものを私は感じるんですけど、

日本ではやっぱりそれほど知られていないようですね。

 

良い曲多いんですけどね。

 


GENTLE GIANT Acquiring The Taste 01 Pantagruel's Nativity