不読書の年、というブログを書いたんですけど、
先日のシンガポール出張の時にようやく読書を解禁しまして。
それからいまのところ1日1冊ペースで貪り読みをしております(笑)。
それだけ活字に飢えていたんだな、と。
そのせいで少し目が疲れてます。
さて、そんな話とは全く関係ないんですけど。
仕事がら、よく公共交通機関を利用することが多いんです。
海外出張のときには飛行機に乗りますし、
国内出張などがあれば新幹線や特急電車、
残業し過ぎで疲れるとタクシー(タクチケ利用)などなど、
1日1回は必ず交通機関を利用してます。
新幹線などの座席を想像していただけるとありがたいんですが、
2つないし3つ席が横並びに連結していて、
それがずら~っと20列くらい縦に並んでいるわけですね。
新幹線だと割と長時間乗車することになるので、
背もたれを後方へ傾斜させる方が多くいらっしゃいます。
もちろんまったく倒さないで座られている方もいらっしゃいます。
私の場合、自分のうしろの座席にお客さんがいらっしゃる場合は、
起きてるときには必ず声をかけてから倒すようにしてます。
寝ている時やうしろに人がいない場合には、躊躇なく倒します。
目安としては、座っているイスの背もたれの厚さ程度ですかね。
中にはズドーンと何のためらいもなく最大まで背もたれを倒す人がいたり、
うしろの人に気づかれないように徐々に徐々に倒す人もいらっしゃいます。
テレビの情報番組などでも、
この「背もたれのセオリー」みたいなものが特集されることがありますよね。
これが正しい、なんて文言を使って番組内で正解を発表したりするんですが、
それで納得できるかというとそういうわけでもないんですよ。
私の所感を言うと、
何も言わずに背もたれを倒してくる人にはあまりいい印象を持ちません。
注意をすることも無いんですけど、少し不快な感情を抱いてしまいます。
倒し方の程度はそれほど関係はないですね。
何も言わないでスッと倒してくる行為それ自体があまり好きではないです。
逆にちゃんと声をかけてから倒してくる方には当然いい印象を持つんですが、
感情の居所具合によってはその声かけが鬱陶しいと思うこともあります。
なんとも勝手なものです(笑)。
また新幹線などの高級な列車ではなく、
通勤でいつも乗っている電車でも「背もたれのセオリー」があります。
一両編成のワンマン電車もそうですし、
都市圏でよく利用されている電車もそうなんですけど、
電車の向きに並行して端にベンチスタイルでイスが置かれてますよね。
こんな感じです。
ロングシート、って言うらしいですが詳しいことはわかりません。
で、このシートの間に出入口のドアがあるわけですけど、
そこの横に人一人が何とか立てるくらいのスペースがあるんです。
ちょうど写真で言うところの、シートの端にある手すり辺りですね。
えてして人はこういう
ロングシートががら空きの時、
自然と端に座ってしまう傾向が強いのだそうです。
心理学的に説明しているものもあるのですが長くなるので割愛します(笑)。
そして、このシートが全て埋まっている場合、
大抵の人はこのドア横のスペースへ行くことになります。
そして、そこにあるのは申し訳程度についている手すりや仕切り壁。
上半身部分はがら空きです。
そして、体重をその手すりや仕切壁へ預けることになります。
すると何が起こるのか。
そうです。
ドア横のスペースに立っている人の背中が、
シート端に座っている人の頭の上へと迫ってくるのです。
座っている人に気を遣って少し手すりからはなれて立つ人もいますけど、
大抵の人は体重を預けて、座っている人への気遣いなど全くありません。
(電車が異常に混んでいてそういう体勢にならざるをえない場合もありますけどね)
私のような座高が異様に高い人間がシートの端に座っていると、
そのドア横スペースに立っている人の背中が顔にくっつきそうになるんです。
夏場になるとその背中から発せられる熱気みたいなものが感じられて、
何とも不快この上ない感情を抱かせてくれます。
ドア横スペースに立つ人にとってはその体勢が楽なのでしょうけれど、
人によってはその体勢をさらに進化させて、
手すりに全体重を預けて身体が斜めになり、
ちょうど新幹線のリクライニングシートをMAXまで倒している人のような状況です。
「おいおい、そこまで身体を手すりにもたれさせて大丈夫かよ」
という周りの心配などお構いなく我が道を行かれているということなのでしょう。
さて、新幹線の背もたれの話へ戻ります。
もしあなたが座っているところへ、
前の人が声掛けもなくいきなり全体重をかけて背もたれを倒してきたら、
どういう気持ちになるでしょうか。
「構造上それだけ倒れるように設計されているのだから、
倒すことに何の問題もない。むしろ何が問題なのか」
と思われる人もいると思います。
ただ、人は「テリトリーに侵入されること」に対して、
大小こそあれ抵抗がある人というのがほとんどです。
マンツーマンで話す時の距離、というのを考えてみるとわかると思うんですが、
対人でお話する場合には適正な距離というものが存在します。
ただこの「適正」という言葉がかなり曲者でして。
その適正な距離が人によって大きく異なるわけなんです。
圧倒的にその距離が近い人もいれば、結構離れていても快いと思わない方もいます。
日本人というのは「どんぐりの背比べ」を重視する傾向が高く、
平均を重んじることが正しいと思う方が多い種族らしいので、
平均よりも近い距離でも遠い距離でも良い感情は持ち合わせないのだそうです。
ま、そんな根拠のない理屈はともかく。
新幹線に乗っていて、唐突に前の人が背もたれを倒すという行為が、
うしろの人のテリトリーを侵すことに直接つながるわけではありません。
むしろそんな大げさに考えない人が大半だと思います。
どちらかというと、あきらめに似た感情を抱くのかもしれませんね。
「ちょっと嫌だけど数時間我慢するだけならいいか」という感じに。
私ってどうしようもないほどの平等思想の持ち主なので、
片方が嫌な感情持ってるのにもう片方が痛痒も感じない状況ってのが、
どうにも納得できない人なんですよ。
だから憤懣やるかたない状況に陥るわけです。
その憤懣がピークになると面と向かって言ってしまうこともあります。
(それでいろいろと問題起こしたことも数知れず・・・)
何はともあれ、
背もたれを倒すときはいろいろと想像力を働かせてくれると、
私も嬉しいですし、たぶん皆も嬉しい(はず)。