音楽つれづれ日記

音楽好き、飽き性、そして中庸思考。

ドラクエウインドオーケストラコンサート@ 5/4大田区民ホールアプリコ

CDではすでにドラクエVIIとVIIIの吹奏楽版は発売されているのですが、
楽譜はまだ発売されていないそうです。
つまり、今回のこの公演が生演奏初お披露目ということになります。

ということを、
今回の演奏会の指揮を担当される永峰さんが仰ってました。

他の部類に比べると吹奏楽はそれほど明るい分野というわけではないので、
どの程度今回の演奏会について書けるかわからないんですけど、
これまでのウインドオケコンと同様、いやそれ以上に感動し、
そして吹奏楽の底力を見せつけられた気もしたので、
こうして文字で記録しておこうと思い立った次第です。


ドラゴンクエスト
ウインドオーケストラコンサート
ドラゴンクエストVII、VIII」
2017年5月4日(木・祝)
13:30開場 14:00開演
大田区民ホール アプリコ

吹奏楽東京佼成ウインドオーケストラ
作曲:すぎやまこういち
吹奏楽編曲:真島俊夫
指揮:永峰大輔
(以上、敬称略)

演目
ドラゴンクエストVII より

エデンの朝
王宮のホルン
憩いの街角~パラダイス~時の眠る園~うたげの広場~憩いの街角
スフィンクス~大神殿
トゥーラの舞~復活のいのり
オルゴ・デミーラ
凱旋そしてエピローグ

intermission 15 minutes

ドラゴンクエストVIIIより

序曲
広い世界へ~大平原のマーチ
讃美歌に癒されて~修道僧の決意
城の偉容~王宮のガヴォット~城の偉容
大聖堂のある街
ドルマゲスおおぞらに戦う
空と海と大地




この東京佼成ウインドオーケストラ(以下TKWO)による、
ドラゴンクエストのコンサートなのですが、
初回の大井剛史さん(TKWO正指揮者)の指揮によるドラクエI、IIそしてIIIの演奏、
そして、同じく大井さん指揮によるIV、VそしてVIの演奏、
とTKWOの初回の演奏会には全て参加させていただいております。
逆に言うとフルオーケストラ公演はここ一年以上は全く行ってないことになります(笑)。

ドラクエの音楽、というよりもすぎやまこういちさんの紡ぐメロディが好きで、
この吹奏楽版も含めていろいろなCDを買い漁っているのは、
きっとリアルタイムでずっとこのゲームをプレイし続けているからなのでしょう。
1986年のIから今年7月に発売を予定している最新作のXIまで、
ドラゴンクエストをリアルタイムでプレイできているこの幸せ。
ま、それだけ私も年令を重ねてきた、ということなのでしょうけれども。

さて、今回のVII、VIIIです。

VIIはPS版でもリメイクの3DS版もクリア済みです。
VIIIについてはPS2版とスマホはクリアしたはずです。
3DS版は、まだクリアしてませんね~。ずっとゼルダBotWやってるせいで(笑)。


開演と同時に颯爽と登場した指揮の永峰さん。
どうやらゲーム音楽好きな方には有名な指揮者なのだそうですが、
私は今回生で永峰さんの指揮を初めて拝見させていただきました。
喋るのが苦手、と仰っていましたが、
ところどころに出てくるゲーマー魂とでもいうべきものが言葉の端々ににじみ出ていて、
ああ、この人も相当ゲーム好き、ドラクエ好きなのだな、と思ったものです(笑)。

座席は最前列でした。
クラシックやジャズ、ロックなどいろんな音楽を生で聞いている私ですが、
たぶん最前列で鑑賞するのは、数えるほどしかありません。
ゲームサウンド関連で言うと今回が初、もしくは二度目かもしれませんね。
(確か関西にいた頃に京都でドラクエの演奏会を最前列で聞いたような・・・)
なので、指揮者の表情も奏者の表情もよく見える位置でもあるのですが、
音響的には少し残念な位置、であるともいえますね。


静かに「エデンの朝」から始まります。
穏やかでありながら少し神秘的な響きのあるメロディ。
途中で曲調が明るくなるところは、朝の明るい日差しのようで、
とても心がなごむ一曲ですよね。

そしてそのまま続けて「王宮のホルン」が演奏されます。
明るいホルンのメロディから始まり、
そのメロディが転調しつつ展開していきます。
この曲、大好きなんですよね。ゲームでもよくコントローラを置いて聞いてました。

ここでようやくMCが入ります。
TKWOのドラゴンクエスト演奏会では司会という方がおられず、
指揮者がマイクを持ってMCを行うのが慣習となってる、
かどうかはわからないんですけど(笑)
いささか緊張した面持ちで永峰さんのMCが始まります。
「フィールド」という言葉を「地図」と置き換えたり、
ゲーム好きであろう一面を随所に感じるMCだったと思いますが、
このあとに演奏される曲紹介がバッサリありませんでした。
まあ、手元にセットリスト持ってるので曲順はわかるんですけどね。

次は街の音楽です。
憩いの街角は街で流れる音楽ですね。
ドラクエの街の音楽ってどの曲も本当に大好きでして、
このVIIの憩いの街角は、中でもとびきり好きなんですよ。
PS版で遊んでいた当時のことです。
CDROMで初めてのドラクエということもあって、
読み込みの遅さなどを心配していた方も多かったんですけど、
よくわからない技術ですが「データを事前に読み込む」という特殊な技で、
ROM版と遜色ない、いや、むしろROM版よりも早い画面切り替えを実現してました。
そのせいでちょくちょくエラーが起こったユーザーも多かったみたいですが。
ちなみに、私は一度も画面切り替えによる読み込みエラー起こりませんでした。
画面が突如フリーズしたことはありましたけど、一度だけ(笑)。

おっと話が大きくそれてしまいました。

街に入ると読み込みがなくすぐにこの憩いの街角が流れてくるんです。
それに最初ビックリして、何度も意味なく街を出たり入ったりしてました(笑)。
そのせいでこの曲が頭にすり込まれているんだと思います。
そこから、パラダイスへ。カジノの曲ですね。
そして時の眠る園、さらにはうたげの広場と続きます。
時の眠る園、あの神秘的な音色と不穏な響きが好きなんですよね。
演奏は少し難しそうですけども・・・

スフィンクスの音楽は、後半のリズムが本当に好きです。
金管が大活躍することもそうですが、あの特徴的なリズムが心地よいです。
この音楽が好きすぎて、意味もなくスフィンクスうろうろしてましたね。
という記憶までよみがえってきました。
大神殿はメロディはシンプルなんですが、後ろの伴奏がとても複雑なんです。
専門的な表現はここでは省きますけど、とにかくややこしいんですけど、
トータルで聴いてみると、荘厳でありながら少しやすらぎも感じるという、
稀有な響きと音色を併せ持つ名曲です。
この2曲は金管が活躍することもあり、違和感なくすんなりと聴くことが出来ました。

トゥーラの舞、そして復活の祈りですね。
あのPS版のムービーはもはや伝説とかしている感もありますが、
フラメンコのようなタンゴのような、南米を彷彿とさせるリズムとメロディは、
一度聞くとなかなか忘れられない曲だと私は思ってるんですが。
難しい曲だと思うんですがTKWOの面々は難なく演奏されている印象でした。
プロですから当然っちゃ当然なんですけども。

ここで2度めのMCが入りました。
入ったんですけど、内容がうろ覚えなんですよね(笑)。
永峰さんすいません・・・
スフィンクスの音楽、いやそれだけじゃないんですけど、
ここまでの演奏で心がほぼ腑抜けになってました。
あ、確か、せっかちでレベルをあまり上げずに先へ進んでしまうので、
オルゴデミーラにかなり苦労させられてます、いや、させられた?
と永峰さんが仰ってたのは覚えてます(笑)。

ここまでの演奏も本当にすごかったんですが、
このあとの2曲がさらにすごかった。

オルゴデミーラ。ラスボス曲です。
これまでもかなり力を入れて指揮をされていたんですが、
ここからさらに指揮が激しくなった、ような気がします。
強拍、つまり強く演奏する部分と、弱拍、弱く演奏する部分とのメリハリが、
かなり際立っていた印象でした。
今にもステージにラスボスが降臨しそうなほどの迫力と音色。
渾身の力で指揮をする永峰さんの表情が苦しそうになっているのが少し見えました。
そしてその指揮に応えるように抜群の音色を奏でるTKWOの面々も本当に素晴らしかったです。
ラスボス曲なのに、涙流してました。最前列にいたのに・・・

エンディング曲、凱旋そしてエピローグ。
力強いファンファーレから始まるこの曲は、
IIIのエンディングであるそして伝説へを彷彿とさせます。
ホルンの力強いメロディ、そしてトランペットの力強い合いの手。
木管もそれに負けない素晴らしい演奏で曲に華を添えます。
そしてファンファーレが再び鳴り、音色が静かになっていきます。
凱旋の部分が終了して、エピローグへと入りました。
エンディングのあの映像とこの静かに進むメロディがマッチしていて、
そのことを演奏中に思い出してやはり涙が止まりませんでした。
そして、消え行くように旋律が途切れ、曲は終結します。

VIIの楽曲の生演奏って、たぶん京都で行われた演奏を聞いて以来だと思うんですが、
オルゴデミーラってこんなにいい曲だったのか、
凱旋そしてエピローグってこんなに儚い曲だったのか、
吹奏楽版での演奏を通して再認識させられました。

確かMCで永峰さんも仰ってたんですが、
序曲(ロトのテーマ)で始まらない演奏会というのも面白いものです。
エデンの朝という静かな曲で演奏会の幕が上がる、いいじゃないですか。
とても緩急に富んだVIIの選曲に大満足でした。


ここで15分間の休憩を挟んで、今後はVIIIの楽曲です。


序曲です(笑)。
ようやくここで登場です。
聞き慣れた、耳に馴染むあの名曲。
IVから脈々と紡がれるファンファーレ、それに続いて流れるテーマ。
初代からずっと変わらないこのメロディを聴くとやはり安心します。
これこれ、これこそドラクエだ、と。

広い世界へ~大平原のマーチ。
VIIIのフィールド曲ですが、かなり穏やかな曲です。
それほどレンジが高くないわけですが、これも作曲者の意図するところですね。
VIIIのフィールドは広い。しかも主人公はこれまでと違ってかなり等身の高いキャラ。
そんなフィールドに勇壮な曲は合わないであろうという判断だと思うんですけど、
この曲、本当に良いですよね。
ずっとここで暮らしていたい、冒険していたいと思う、そんな曲です。
ハープのアルペジオから始まるこの曲、
劇的な展開などもほとんどなく、静かに穏やかに流れていきます。
そんな静けさに満ちた演奏が突如破られます。大平原のマーチですね。
広い世界へのマーチバージョンとも言えるんですが、
こちらは勇壮なマーチでアレンジもかなり盛り上がります。
そしてその盛り上がりのまま曲は終わります。

後半最初のMCは確かこのタイミングだったと思います。
いきなり「MCのタイミング間違えました」と告白する永峰さんがチャーミングでした(笑)。
ここで永峰さんがVIIIの楽曲の解説をされたんですが、
これはそのままここで書くのはやめておきます。
会場に来られていた方限定ということにしときましょうね。
でもとってもためになるお話でした。
教会の音楽の話とドルマゲスの音楽のお話だった、くらいはいいですかね。

あと、ここでタンバリンのお話をしなければなりません。
錬金釜で「ふしぎなタンバリン」を作ったという永峰さん。
そしてTKWOメンバーの方へ振り向いて、
「ふしぎなタンバリン、知ってます?」と聞いたんです。
誰も手をあげなかった、と仰ってましたが私は見逃しませんでした。
クラリネット奏者のお一人が恥ずかしげに手をあげているのを(笑)。
きっとドラクエVIIIをプレイされていた方なのでしょうね。
(違ってたらすいません・・・・)


ここから一気に休みなく最後まで演奏されました。
MC後最初は教会のメロディですね。
讃美歌に癒されて、は教会に入ると流れる音楽です。
原曲はパイプオルガンが主体の楽曲ですが、
吹奏楽版で聴くとまた一味違います。荘厳さは変わりませんよ、もちろん。
この曲も好きなんですが、このあとの「修道僧の決意」が素晴らしかったです。
フーガ、日本語で言うと遁走曲というんですが、
わかりやすく言うと「輪唱」ですね。カエルの歌でおなじみの。
同じメロディを出だしを遅らせて演奏して繋いでいくというものですが、
すぎやまこういちさんのフーガ、私大好きなんですよ。
IIIの王宮のロンドの後半部分やVの大魔王の中間部とかでも、
このフーガといわれる技法が使われてますね。
まあそもそも、私自身がフーガ大好きっ子なんです(笑)。
ベートーヴェンピアノソナタ第31番の最終楽章のフーガが特に・・・

あ、すいません、また話がそれてしまいました・・・

修道僧の決意の演奏素晴らしかったです。
木管が旋律を順番に紡いでいく過程もそうなんですが、
もうここのアンサンブルがたまらなく素敵でした。
言葉が見つからなくてアンサンブルという言葉で濁しちゃいましたけど。
すいません。


続いて城の偉容~王宮のガヴォットですね。
城の偉容という曲の位置づけが、
おそらく続けて演奏される王宮のガヴォットの、
前奏あるいは序奏ということだと思うんです。違ってたらスイマセン。
ガヴォットというのはフランスの舞曲の一つですね。
思わず踊りだしたくなる曲、かどうかは私は判断しかねるところですが、
曲自体は好きですし、名曲だと思います。
ちなみに私は、この曲の繰り返しに入る直前の展開がかなり好きです。
ただ、トランペットでこの曲大変そうだよなぁ、と思いながら聞いてました。
木管も大変だと思うんですけどもね。

大聖堂のある街。
確かサヴェッラ大聖堂という名前だったと思うんですが、
このVIIIの物語のキモとなる場所の一つでもありますね。
エンディングもこの曲から始まって「空と海と大地」へとつながっていきます。
この曲も金管の特徴的なファンファーレから始まります。
このファンファーレで使われるリズムが曲中に繰り返し使われるんですが、
この話をすると長いので割愛します(笑)。
私の脳内ではこの曲の終了後に「空と海と大地」が流れてたことだけは報告します。


ドルマゲスおおぞらに戦う
主人公御一行が追いかけることになる敵、それがドルマゲスです。
ネタバレになるのでこれ以上は何も言えませんが、
このドルマゲスとの戦闘曲、かっこいいですよね。
出だしのトランペットの特徴的なメロディから、
どこへ向かうかわからない不穏さを抱えながら様々に楽曲が展開していきます。
前述のMCのところでも永峰さんがこの曲の解説をされてましたが、
ここではそのお話のことは書きません。
そしてラスボス、ラプソーンでしたね。
ラプソーンとの戦いで流れる「おおぞらに戦う」。
IIIの楽曲の中でも屈指の名曲として知られる「おおぞらをとぶ」のアレンジ曲です。
なぜIIIの楽曲のアレンジがVIIIで流れるのか。
それは実際にプレイして確かめてみてください。
あの名曲が勇壮な戦闘曲になってますから。

空と海と大地。
エンディング曲ですね。
原曲は「ピアノとオーケストラのためのエンディング」とも言える楽曲です。
ピアノが随所に登場して、流麗なメロディが紡がれていきます。
この曲も好きなんですよね。
これまで殆ど使われたことのないピアノの音色が入っていることもそうですが、
この曲、後半で「大聖堂のある街」のメロディが出てくるんですよ。
エンディングを見た方なら、ああなるほど、という演出なんですけど、
音楽でこうした演出をするというのは素晴らしいですよね。
今回の吹奏楽版ではもちろんピアノはありませんでした。
オケ版もそうですよね。確かピアノが入ってないバージョンだったはずです。
(昔、ピアノがあるバージョンが生演奏されたという噂も!?)


なんだか、今回の演奏会の感想というより、
ドラクエの感想みたいになってしまいましたね(笑)。

さて、アンコールです。


今回初演となるドラクエIXから「序曲IX」が演奏されました。
これ、予想してなかったのでびっくりです。
7月に「ドラクエIX」のウインドオーケストラコンサートが行われるとのことで、
先行公開ということみたいですね。

あ、初演というのは吹奏楽版でのドラクエIXの演奏ということです、ちなみに。

そして、永峰さんから御礼の言葉が紡がれると同時に、
早足で指揮台へと上がり、アンコール2曲めとして演奏されたのが、
ドラクエIIIのED「そして伝説へ」でした。


素晴らしい演奏会でした。
ドラクエVIIもVIIIもクリアしてから随分時間が経過していたので、
思い出すのにかなり苦労をしたんですが、
それでもTKWOのすばらしい演奏、そして永峰さんの熱のこもった指揮もあり、
とても感動してなみだなみだの演奏会となりましたことをここにご報告します。
最前列にいたのに涙流してみっともない顔で鑑賞してすいませんでした。
でも、そのくらい感動したということで許していただけるとうれしいです。
あと、余談ですが、コンマス?のフルートのかた(お名前わかりません・・・)が、
とてもきれいなフォームでフルートを演奏されていたのに見とれてたこと、
あとは、クラリネット奏者の女性の方が咳をされてたのが心配だったこと、
そしてハープ奏者のかたをずっとみていたところが多々あったこと、
なども合わせてご報告させていただきます(笑)。


指揮の永峰さん、そして東京佼成ウインドオーケストラのみなさん。
また会場スタッフのみなさん。
本当にお疲れ様でした。とても楽しく嬉しく感動した演奏会でした。




追記
後半MCのとき、指揮の永峰さんが
「オルゴデミーラの演奏でHPが削られましたが、
休憩中に回復いたしました」と言っておられました。
そのくらい全身全霊で指揮をされていたのだと思います。
あの曲で心が震えました。
きっと後半、アンコールと立て続けに演奏されて、
HPが一桁になっていると思いますので、ゆっくりとお休みください。
本当に、ほんとうにお疲れ様でした。



Jスタ音楽祭へ行ってきた

興奮冷めやらぬ状態でこのブログを書いています。

本日、ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた、
「GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT
PlayStationを彩るJAPAN Studio音楽祭 2017」です。
(タイトルが長い・・・)

PlayStationが発売されたのが1994年。
そのはじめから最近発売されたゲームまで、
SIE(旧SCE)のゲームの音楽で旅をするという感じで、
今回のコンサートは楽しむことが出来ました。
とってもよかったです。SIE最高!!!!








という文章で終わりにしたいところなんですけど(笑)。




そういうわけにもいかないので、詳しく書いていきましょう。







2017年5月3日(水・祝)
17:00開場 18:00開演
「GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT
PlayStationを彩るJAPAN Studio音楽祭 2017」
(以下、Jスタ音楽祭)
指揮:志村健一
演奏:東京室内管弦楽団
合唱:東京混声合唱団、東京少年少女合唱隊
ギター&ベース:マイネマイヌク
キーボード:Ryuta
アコーディオン:佐藤芳明
ドラム:斎藤たかし

MC:結

ゲスト
奥山佳恵ジュリエッタ柴田 名義)
原涼子
田中公平
外山圭一郎
エリック・ミヤシロ
(以上、敬称略)


プログラム

第1部 全ての物語はここから始まる

I.Q. Intelligent Qube より
オープニング・コーラス
前兆
第1の潮流
黄道
危機の訪れ

アークザラッド より
アークザラッド」のテーマ

ポポロクロイス物語 より
ピエトロの旅立ち

ワイルドアームズ より
荒野の果てへ

俺の屍を越えてゆけ より



第2部 音楽とキャラクターたちの共演

サルゲッチュ より
オープニングムービー
タイムスリップムービー
こだいのはらっぱ

勇者のくせになまいきだ。 より
すべてのはじまり
こんかいのお題
さわやかな朝のダンジョン
なまいき勇者あらわる
みごと勇者を撃退

パタポン より
パタポンの伝説
ギョロッチのテーマ
ずんじゃかホイ!~凱旋~

どこでもいっしょ より
テーマ曲(「どこでもいっしょ」オープニングバージョン)
News BGM Ver.3
news_End

LocoRoco より
ロコロコのうた

パラッパラッパー より
パラッパ登場
たまねぎ先生のカンフー・ラップ
ムースリーニ先生の教習ラップ
カエル先生の売口上ラップ
ニワトリ先生のお料理ラップ
トイレ・ラップ
クラブパーティー・ラップ


第3部 PlayStationと共に広がるJAPAN Studioの世界

ICO より
prologue
impression
Castle in the Mist
heal
ICO -You were there-

ワンダと巨像 より
プロローグ~古えの地へ~
荒ぶる邂逅~巨像との戦い~
甦る力~巨像との戦い~
復活の予兆
エピローグ~残されし者たち~

人喰いの大鷲トリコ より
Overture: Lore
Forest
Sentinel II
Victorious
Finale I: Apex
Finale II: Escape
End Titles: The Last Guardian Suite
Epilogue

GRAVITY DAZE より
万有引力の発見
オルドノワ
反抗と殲滅

GRAVITY DAZE2 より
GRAVITY DAZE
アンジェ
レベル4
GRAVITY DAZE~重力的眩暈~(Ending Ver.)

アンコールあり



前半曲数少なめで、
パラッパラッパーの曲数の多さと、
第3部の濃厚さがこのセットリストから伝わってきませんか?
そうなんですよ。第一部がちょっとアレな気がしますよね。

まあいろいろと事情があったと思うのでそのへんは深く掘り下げないことにしますが。


このコンサートが開演する前にプレトークが行われました。
田中公平さんが飛び入り参加するという珍事もあり、
割とぶっちゃけトークをされていた、と思います。
なぜ「と思います」と書いたのかというとその時私はまだロビーにいたんですね(笑)。
ちょうど入場して座席についたときには公平さんがすでに暴れてました(いい意味で)

そしてメンバーが続々と登場して、いよいよ開演となります。

最初はI.Q. Intelligent Qubeからの選曲です。
いきなり「1st Stage」という声で始まったので思わずニヤリとしました。
このゲーム、私も当時相当やりこみました。
昨年の大河ドラマ真田丸」の音楽などでも知られる服部隆之さんの作曲ですね。
クラシック調の音楽が、あの無機質な世界観にあっていたと思います。
ブロックを後ろに飛ばすドンドンという音を打楽器で再現していたり、
ステージクリアのときに言われる「Perfect」という声もそのままだったので、
最初から再現度高いなぁと思いながらワクワクしていました。

2曲めはアークザラッドのテーマ。
元SQUAREの安藤まさひろさんによる楽曲です。
確か外国のオーケストラが演奏したことでも話題になりました。
原曲よりもよりゲーム寄り、というとわけわからないかもしれませんけど、
あの勇壮なテーマがよりクリアに耳に届いた印象なんですね。
ホールのせいかもしれませんし、別の理由(アレンジ?)かもしれません。
どちらにしろこの曲もワクワクしながら聞いていました。

3曲めはポポロクロイス物語からピエトロの旅立ち。
そう、あのエンディングです。歌ものです。
松たか子さんの旦那様としても知られている佐橋佳幸さんの作曲によるもの。
(って書くと佐橋さんに怒られそうですけど)
ここでゲストの奥山佳恵さん、もとい、ジュリエッタ柴田さんの登場です。
ナルシアコスチュームでの登場に客席がザワザワしてましたが、
歌い出すと、20年前にタイムスリップしたかのような歌声が。
うまいのか、微妙に音程が外れてたりもしてた気もしますが、
そのあたりも当時どおりの歌声だったのが印象的でした。
個人的な感想を言うと、伴奏とコーラス、そして奥山さんの歌声とのバランスが、
ちょっと気になったといえばなったところです。良かったんですけどね。

4曲目はワイルドアームズからOPの「荒野の果てへ」。
この曲といえば、やはり口笛。
印象的な旋律を紡いだ、なるけみちこさんの名曲中の名曲です。
口笛ミュージシャンである早川章弘さんがウエスタンの格好で登場。
カウボーイハットがお似合いでしたが、口笛もすごかった。
岩垂さんによる新たな編曲とも相まってとても心地よい演奏でした。
この曲、ほんといいよなぁ・・・

そして第1部ラストは、俺の屍を超えてゆけ、より「花」。
名曲ですよね、この曲。なぜかこのゲームと親和性があるという。
原涼子さんが艶やかなドレスで登場し、
指揮者前にデンと鎮座しているピアノへと向かいます。
寂しげなピアノ独奏とともに「花」がはじまります。
あくまで個人的な感想ですけど、
この曲ってピアノソロと小編成のオケのほうが映える気がします。
今回のような大きな編成のオケとピアノによる演奏ももちろん良かったんですが、
感動したか、と言われると返答に困ってしまいます・・・
樹原さんの歌声は相変わらずパワフルで胸にぐっと来ました。

そして、ここでMCの結さんとともに、
奥山佳恵さんと樹原涼子さんが登壇されます。
ナルシアコスチュームを事務所の経費で発注したことや、
20年前に一回こっきりでレコーディングして以来の歌唱であることなど、
観客を笑わせるツボをちゃんとご存知な奥山さん。
笑いをちゃんと取れるところがやはりプロなのでしょうね~。
そして樹原さんへのインタビュー。
俺屍ゲームデザインを担当された桝田省治さんがこの曲に惚れ込み、
樹原さんご本人に直談判してこの曲をゲームで使うことを勝ち取ったことは、
割と知られていること、だと私は思ってるんですけど違うんでしょうか(笑)。
こんなお二人を前にかなり緊張されている様子の結さんが初々しかった印象です。


そしてそのまま休憩無しで第2部へと進みます。

第2部なんですけどね・・・
あまり感想書きたくないんですよ。
ここの演奏は、どちらかというと音楽祭の「祭」の部分なんです。
つまり、演奏よりも笑いや驚きに特化したゾーンということですね。
って書くと語弊ありますけど(笑)。
演奏も良かったんですが、イベント感が少し強かったかなという感じでした。
ですがまあ、大好きなゲームがてんこ盛りだったので書いてみましょうか。

最初はサルゲッチュですね。PS中後期のタイトルでもあります。
ピポサルといわれる、頭にパトランプのついたサルを、
虫取り網のような「ゲットアミ」と呼ばれるガチャメカを使って捕獲していくゲーム。
当時ずっとやってた記憶があります。
やっていたときにはそれほど音楽を意識してなかったと思っていたんですが、
こうしてオケで音楽を聞いていると、あの頃へと記憶がさかのぼっていきます。
ちゃんとゲームの流れに沿った曲の構成になっていて、
タイムスリップのムービーのところで思わず感嘆の声をあげそうになりました(笑)。
指揮者の志村さんが二部開始時にゲットアミを持って登場し、
そのアミを指揮台に立てかけるときに倒してしまう一幕もありましたし、
ピポサルが一匹ステージに登場したりといったこともありましたが、
最後は志村さんがゲットアミで無事ピポサルを確保、というオチでした。

二曲目は勇者のくせになまいきだ。(ゆうなま)からの選曲。
リコーダーや鍵盤ハーモニカなど、
小学生でやったような楽器を使って紡ぎ出される楽曲は、
どこか懐かしく、でもかなり斬新な構成だったと記憶しています。
余談ですけど、このゲームサントラを持っているんです。
そこにはこのゲーム音楽のプロデューサでもある坂本英城さんのサインが。
某イベントでもらったものですが、今でも大事にしております。
って、関係ない話してますね(笑)。

三曲目はパタポンです。PSPで発売されたアクションゲームですね。
音楽が特に印象的です。
「パタパタパタポン!!」という声とともに動き出す精鋭たち。
敵と戦いながら前へ進んでいくゲームなのですが、
リズムゲーの要素もあって、楽しかったなぁ。
今回の演奏では、東京混声合唱団の女性陣のみなさんが、
この「パタパタパタポン!!」の声を忠実に再現されていました。
東京混声合唱団のコンサートには一度行ったことがあるのですが、
その時の印象を180度変える、とてもチャーミングな声でした。
あと、ステージに登場した打楽器陣の演奏もとてもかっこよかったです!!

4曲目はどこでもいっしょ
ここで登場したのがトロとクロという二人の「ポケピ」です。
ポケピのことは詳しく書きません(笑)。
PlayStationの周辺機器の一つ「Pocket Station」というのがあって、
携帯して持ち歩くことが出来たメモリーなんですけど、
その愛くるしいキャラとあいまって、ずっとやってた記憶があります。
テーマ曲が流れてきたときは懐かしさに目頭が熱くなりました。
あと、曲目演奏後にクロが指揮台に立って指揮をしたんですよ。
ベートーヴェンの「運命」の出だしだけなんですけど、もうこれがひどくて(笑)。
そして代わって指揮台へ上がったトロが、
その運命の出だしとコーダ(最後)をきっちり指揮するというオチも、
今思い返すとなかなかシュールでしたね。

そしてこのあとです。
色とりどりのカラフルなTシャツを着た子どもたちが登場します。
ステージに立てられたマイクの前に立って歌いだしたのは、
ゲーム「LocoRoco」のテーマソング「ロコロコのうた」です。
ゲーム中でも様々なバリエーションで聞けたんですよね。
東京少年少女合唱隊による歌唱は可愛らしくて微笑ましくて。
ずっとニタニタしていたと思います(笑)。
このゲーム、結構シビアだったと私は記憶しているんですけど、
曲とのギャップがすごかったなぁ・・・でも、大好きですけどね。

第2部最後はパラッパラッパーです。
もはや伝説ともいえるリズムゲーの名作ですね。
先日PS4版がリリースされたこともあってタイムリーな選曲です。
まさかここでガッツリパラッパのラップが聴けるとは思いませんでしたが(笑)。
東京混声合唱団の選抜メンバーが5人ステージ前に並んで、
あの名曲ラップを披露したんですが、これがまあうまいのなんの。
そりゃプロだから上手いのは当たり前なんですが、
合唱団の人ってラップも英語も上手いんだなぁ、と感心しきりでした。
ちなみに、私はカンフーラップが好きです(笑)。
あ、そうそう、書き忘れてましたが、
このゲームの主人公でもあるパラッパも登場しました。ゲームから抜け出して。


ここで第2部が終了、となるところだったんですが、
ステージにいた東混のメンバー5人とパラッパ(付き添い1名付き)がまだいて、
客席に挨拶をしていたのにもかかわらず、
「ここで15分間の休憩です」というMC結さんのアナウンスが。
通常であればステージ上にいたソリストや指揮者が舞台にはけて、
演奏メンバーが退場する頃あたりにアナウンスするものなんですけど、
やはり相当時間が押していたということでしょうかね。
客席の拍手とパラッパへの拍手など音にかぶさるようにアナウンスがあったので、
こはちょっと気になりました。



と、ここまででもかなりのボリュームですね、このブログ(笑)。
もうちょっとだけお付き合いいただけたらうれしいです。



第3部はゲームデザイナーである上田文人さんの3つの作品、
そして、新機軸のアクションゲームとして人気を博している、
GRAVITY DAZEシリーズの2作品からの楽曲です。

最初はICOですね。当時私もPS2版でかなりやりこんだ作品です。
エンディング曲であるYou were thereも当然良かったんですが、
ちゃんとprologueから演奏が始まって流れに沿うように構成されているのが、
とても好感が持てました。全て好きな曲で構成されていたこともあり、
ずっと泣きそうになりながら聞いてましたね。
ICO -You were there-ですけど、
これ、少年少女合唱隊のメンバーが歌ってたんですよ。
原曲はソロなんですけど、今回はバランスも考えたのか合唱隊での歌唱でした。
そのほうが声がきちんと客席まで届いていたので良かったかなと思います。

次はワンダと巨像ですね。もうPS2版とPS3版は飽きるほどやりました(笑)。
こちらもプロローグから流れに沿うような構成です。
特に荒ぶる邂逅~甦る力の流れはワクワクしますよね。
たくさんの巨像を攻略するというのがゲームの目的の一つなのですが、
その巨像との不利な形勢から一転して主人公の有利な状況になるんです。
それを音楽でちゃんと再現されているのがすごかったなぁと。
単独で甦る力を演奏会で一度聞いたことがあるんですが、
ちゃんと荒ぶる邂逅から演奏してそこから形勢逆転という流れで聴くと、
双方の曲の良いところが表現されてるな、と。
これ以上語るとネタバレしそうなのでこのくらいで・・・

三曲目は上田文人さんの最新作「人喰いの大鷲トリコ」です。
こちらもOvertureからEpilogueまで流れに沿った形で演奏されました。
ああ、これ以上かけないなぁ。思い出すと泣きそうで。
そうなんです、私この曲聞いてるときずっと泣いてました。
鳴き声だったりライトを使った目の表現だったり、
いろいろと凝った演出で、ゲームを知らない人は置いてけぼりだった気もしますが、
知ってる人が見ると、うんうんと首を立てに振りたくなる演出です。
このくらいで勘弁してください・・・


そして演奏後に、おそらく次に演奏されるGRAVITY DAZEのインタビューのために、
MCの結さんと田中公平さん、そして外山圭一郎さんが出てくる予定だったはずなんです。

しかし、ここで公平さんが動きます(笑)。

公平さんと共に登場したのは、
人喰いの大鷲トリコの音楽を担当された古川毅さんだったんです。
ステージ脇に立ったお二人、そしてポカーンとした様子のMC結さん。
マイクを持って公平さんが持ち前の関西魂で、その場を仕切りだしました。
古川さんにお客さんへのお礼を言うよう促したり、
古川さん降壇後も、マイクを持ったままコンミスに予定外のインタビューをしたりと、
MCの結さんが慌てふためく様を存分に楽しむことが出来ました。
ちなみにコンミスの女性の方も困惑されていたようですが、
公平さんの自由すぎるインタビューにも真摯に答えられてました。


とここで真面目な話をさせてください。


今から3年前に文化放送主催のとあるイベントがありました。
「アニソンメソッド」~田中公平の音楽導~と題して催されたそのイベントに、
私は気楽な気持ちで参加をしたんですね。公平さん好きだったので(笑)。
(そのイベントのことは以前ブログで書いてます→詳細はこちら
このイベントのゲストは、
当時大河ドラマ軍師官兵衛」で音楽を担当されていた作曲家の菅野祐悟さん。
持ち前のトークスキルで菅野さんもタジタジだったんですが、
そのイベントの最中に公平さんがこんなことを言ったんです。

「このメインテーマは3拍子なんです。3拍子の曲というのは管楽器で盛り上げるのがとても難しい。しかし菅野くんはうまくそれをクリアして盛り上がる曲を作った。あと、なんでこんな調性で曲を作ったんや 笑」

大河ドラマ軍師官兵衛」のメインテーマの感想です。
菅野祐悟さんが三拍子の選択をしたということ、
そしてその三拍子で素晴らしいメインテーマを作ったということ。

実はGRAVITY DAZE2のメインテーマが三拍子なんですよ。
体験版でこの曲を最初に聞いたとき、ふと思い出したのがこの言葉でした。
3年前に行われたイベントで語ったこの言葉を、
田中公平さんが覚えていたのかどうかは定かではありませんけど、
これだけ完璧な三拍子のメインテーマをGRAVITY DAZE2で作られたことにより、
自らその難しさを証明してみせた、とも取れるような気がするんですよね。
ちょっと穿ち過ぎかもしれませんけどね。


というわけでGRAVITY DAZEです。
ここでは特別演奏ゲストとして、
日本一トランペットが上手い、と公平さんが太鼓判を押す、
エリック・ミヤシロさんが加わっての演奏となります。
そのエリック・ミヤシロさんが本当にすごかったんです。

ミスなく、とはいかなかったもののやはりあの音圧はすごいなぁと思いました。
公平さんの楽曲ってやっぱり難しいのでしょうね。
生でやるにはかなり危険を伴うような気がしなくもありません(笑)。

GRAVITY DAZE2のメインテーマの話はさきほどしましたね。
ポルトガルの民謡であるファドや南米の作曲家ヒナステラのエッセンスを用いて、
それらを統合した素晴らしい三拍子のメインテーマです。
イントロのあとに続くトランペットのソロのメロディの迫力がすごかった。

アンジェはボーカル曲です。
グレゴリオ聖歌の「怒りの日(アニュス・デイ)」のエッセンスを用いて、
壮大な楽曲となっているこの曲。
そして続けて演奏された「レベル4」という曲。
この2曲には仕掛けが施されていて、
前半「Aパート」と後半「Bパート」それぞれ単独でも曲として成立しているのに、
それらを同時に演奏することによってさらに素晴らしい音楽になる、というものです。
そうとう苦心してこの曲を作られたのだろうな、と思います。

最後に演奏されたのは「GRAVITY DAZE」。
これは前作のタイトル曲として使われている曲ですが、
今回演奏されたのは続編のEDで使用されているバージョンです。
ゲームではまだ聞いてないんですけど・・・
この曲後半の弦の展開がほんとに大好きで涙ちょちょぎれました。
その後のエリック・ミヤシロさんのトランペットの咆哮がまた素晴らしくて。
たぶんGRAVITY DAZEの演奏中はほとんど泣いてたと思います(笑)。


アンコールのパラッパラッパーで、
全員が登場して、しかも客席が総立ちになって手拍子しているというのは、
なかなか近年でもあまりないコンサートだったと思います。
あ、そうそう、忘れてましたがこの時登場したのが、
よしPこと吉田修平さん(えらい人)とパラッパラッパーのプロデューサでもある松浦雅也さんです。
いきなり紹介とともに出てこられたのでこっちが驚きました(笑)。

ちなみにアンコール曲の張り出しがどこを探してもなかったので、
アンコール曲の曲名が未だに思い出せません(笑)。すいません。


というわけでかなり駆け足で感想を書き込んでみましたが、いかがだったでしょうか。


良い演奏会でした。
スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。
全部プレイ済みのゲームからの選曲ということもあって、
いろいろなネタも含めて楽しむことが出来ました。
ありがとうございました。

ぜひまたやってください!






会場ロビーに飾ってあったコントローラオブジェ




キトゥンとトロ




清志郎さん

忌野清志郎さんが亡くなられて今日で八年だそうです。

 

私の中ではRCサクセションの印象が強いんですよね。

雨上がりの夜空に、デイ・ドリーム・ビリーバーなど、

今でも語り継がれるほどの名曲がたくさんありますけど、

私が時折無性に聞きたくなるのは、

この矢野顕子さんとのコラボで歌われた「ひとつだけ」です。

 


ひとつだけ 矢野顕子×忌野清志郎

 

もともと矢野さんの楽曲は、

最初に出会ったアルバム「SUPER FOLK SONG」から、

遡ったり、もしくは時代を追うように聴き続けているくらい好きなアーティスト。

この曲「ひとつだけ」ももちろん曲の存在は知っていました。

 

忌野清志郎さんと歌われている矢野さんが、

とても嬉しそうにピアノを弾かれている姿を見ると、

この曲の真価ってこの忌野さんとのコラボで発揮されたのかもな、

と勘ぐってみたりしているんですけど。

 

もともとの曲も大好きなんですが(笑)。

 

この二人のコラボバージョンを無性に聞きたくなる理由。

私にも正確なところは分かりません。

名曲はどうやっても名曲である、とは思いませんし、

名曲を駄作にさせた人たちも腐るほどいます。

 

ただ、このコラボは涙がでるほど大好きです。

 

ただそれだけです。

 

 

 

蛇足ながら。

ライブバージョンはより一層泣けます。

 

LIKES AND DISLIKES

好き嫌いは人の常、という言葉があります。


以前にも書いたかもしれませんけど、
私、ニュースを複数の媒体で見るようにしています。
新聞や雑誌などはもちろん、ネットニュースだったりSNSだったり、
その他もろもろ、なるべくたくさんのデータを欲する人なんです。
ただ、テレビでニュースは見なくなりましたね。
(この辺の話はいろいろとめんどくさいので省きます)

巧妙な見出しを使って読者を引きつけるメディアもあります。
そういう書き方するとそりゃ食いつくよなあ、って。
ネットのデマ拡散などもそうした「食いつき」を良くするために、
あえて書かないところは書かなくて、強調するところはよりデフォルメするんですね。
だから、見出しだけ見てもその内容の真偽がわからなくて、
その内容をきちんと知らないと真相や事実にたどり着かないことがあります。
なので、私はそうしたソースを複数見るようにして、
より信憑性の高い、というと大げさですが、
物事を複数の視点から見る、ということを習慣づけています。

「中庸」ってのが私の特徴のひとつですし(笑)。



ただ、そういう人って意外と少ないということに気付かされます。

ソースを配信する側としてはより精度の高いものを発信しようとする場合と、
食いつきのみを重視して誇張したものを発信する場合があります。
商売なのでそうした使い分けも必要であることは承知してるんですが、
そればっかりのところも少なくないこともあって、信頼度は急降下です。
なので、ネットの掲示板やアフィリエイトブログなどで、
悪意のある記事の切り取り方などを見ると情けない気持ちになります。
同じ人間でも、金が絡むとこうも汚くなるものかと思います。

私が同じ立場だったら、という話はしません。
可能性がゼロ、というわけではないわけですからね。
金が絡むと人も変わるということは私も散々見せられてきましたし。
そういう人たちを「クズ」というレッテルを貼ってこき下ろすのは簡単です。
実際私もそう思ったことは一度や二度ではありませんし、
そういうサイトを自分から積極的に見ようとも思いません。
ただ、嫌いなものをたたく、という行為それ自体を正当化されることが、
どうにも理解しがたい心持ちになる時があるんです。
回りくどい言い方ですけど(笑)。


先に例をあげたアフィリエイトブログのことで言うと、
確かに悪意しかないであろう記事を見て、それに反論があるのは当然です。
その逆にそうした悪意に乗っかって同調している方々も多くいらっしゃいます。
様々な意見があること事態が普通であるわけなんですけど、
反論がある人が論理をカサにきて、自分とは違う意見の持ち主を攻撃したり、
果てはその攻撃力を増幅するために仲間を募ったり、
といったことが平然と行われていることが私には理解できません。
「なんでわからないんだよ」というのが常套句になっていて、
自分と違う意見を持っている人を、人非人の如く扱って、
まさにそうしている自分自身が人非人になっていることに全く気づいていないんですよ。

それって考えてみるとものすごく怖いことじゃないのかな、と。


SNSが普及したことで、「一億総評論家」とも言える時代が来ました。
先に上げた切り取られた記事などをそのまま鵜呑みにしてしまって、
汚染された意見を垂れ流し、それがヘドロとなって渦巻いて、
端から見たら近寄ることさえ禁忌ではないかとも思える状態が日常となってます。
そうした日常が当たり前になりつつあって、
「嫌い」という感情がそのまま攻撃力になってしまっている感さえあります。

好き嫌いは人の常です。
万物それぞれに好きと嫌いが同居しています。
ただ、そのアタリマエのことを実は理解していない人というのが、
この日本の中でも数多く存在しているということを知らなければなりません。

SNSの投稿で読んだんですけど、
物事の良し悪しと好き嫌いは別物なんですよね。
でも「好き→良い」「嫌い→悪い」という方程式が普通に横行しているんです。
仲間意識とでも言えば良いんでしょうか、
これが好きな人に悪い人はいない、であったり、
これを好きな人なんて悪い人に決まっている、であったり、
そうした決めつけが普通に行われています。
決めつけ、というと断定的ですかね。「その人にとっての真実」にしときます。


と、ここで「事実」と「真実」の違いを詳しく書いてみようと思ったんですが、
かなり哲学的な話にもなりますし、
書いててもつまらないことは自明なのでまた別の機会に・・・


SNSを通じて、自分と同調してくれる人を見つけやすくなりました。
そうしてできた集合体ってそれほど結束力はないはずなんですけど、
好きや嫌いが共通しているもの同士ということもあって、
意見の統一感が、人工的ながらも結束力を強く感じます。
私はそういった人工的な統一感というのがちょっと苦手な人間なので、
遠巻きにそういう集まり同士を眺めていることが前はよくあったんですけど、
近頃はそういう統一感に触れないようにしようと思って、
SNS自体をあまり見なくなりましたし、なるべくそこに触れないようにしてます。

じゃ、何故今回このようなブログを書いたのか。

なんでなんでしょうね(笑)。

前述の「好き→良い」「嫌い→悪い」方程式について、
すごく同意できる点があったこともあるんでしょうけど、
これをそのまま鵜呑みにしていないってこともあるんでしょうね。
どうしても人は錯覚をしてしまう生き物ですし、
恋愛感情であれ仲間意識であれ、共通項が多いと人は嬉しくなるものです。
これを好きな人なら大丈夫、という安心感も得られますから。
そういう感情も、中庸な私は一応頭では理解できます。
と同時にそういう安心感の危うさも同時に感じるんです。

このあたりの論理展開がまさにヒネクレモノなところなんですけども(笑)。


余計なことを考えずに、
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、それでいいじゃないですか、
という思いも私の中ではあります。
そして多分こういう考え方が一番健全的であろうこともわかります。
そういう意味で言うと、私は健全的に生きられないんでしょうね。
正否双方の意見をくんで、水平思考していくという私の悪癖は、
きっとこれからもずっと変わらないんだろうなあ、と思いつつ、
それでも馬が合う人との意見交換を楽しんだり、
馬が合わない人ともやっぱり意見交換して楽しんだりするんでしょう。
「どっちつかず」「中途半端」というレッテルを貼られながら・・・

DUKE PEARSON / TENDER FEELIN'S【ジャズのススメ 29】

前々回のジャズのススメ27で紹介したドナルド・バードの「FUEGO」。

このアルバムのことを書いた時に、

デューク・ピアソンのピアノが大好きなんですよね、って書きました。

じゃ書けよ、と思われた方もいらっしゃると思ったので書きます(笑)。

 

Tender Feelin's

Tender Feelin's

 

 

アルバム最初の「Bluebird of Happiness」からグイっとひきつけられます。

個性がないと揶揄されることも多い彼の演奏ですけど、

私は彼の演奏から安心感を得られます。

ずっと聞いていられること、それが彼の特徴であり、

私が大好きである理由のひとつなんです。

 

というか、個性ありまくりじゃねーか、ってホントは思ってます(笑)。

 

アルバムの流れに身を任せることを強くススメますが、

お気に入りでいうと「I Love You」かなぁ、やっぱり。


Duke Pearson - I love You

 

私の中ではビル・エヴァンス・トリオと並ぶ、トリオアルバムの名作です。

結婚式の二次会で

今から10年前のことです。

私の友人(男性)が結婚するということで地元へ帰省したんです。

もちろん友人の結婚ということで二次会、三次会・・・と、

行けるとこまで付き合ってやろうという気持でいました。

 

 

ここまで書いて音楽と全く関係ないこと書いてんなって思ったそこのあなた。

 

 

そう、あなたです。

 

 

 

 

もうちょっと我慢してね(笑)。

 

 

二次会が行われたのはピアノバーみたいなところで、

カウンター席と10人位が座れる円形のソファー、

そしてその脇にはスタインウェイ、ではない某国産メーカーのピアノが。

 

新婦さんとはその日が初対面だったんですが、

前に私が音楽業界にいたことを新郎である友人から聞いたみたいで、

「何か一曲弾いてもらえませんか?」といきなり言われたんです。

 

その頃は私もピアノから離れて久しかったこともあり、

その時はやんわりと断ったつもりだったんですが、

その新婦が泣きそうな顔をし始めたので、

新郎である彼が私のところへやってきて耳元で言うわけです。

「ちょこっとだけでいいからさ、なんか弾いてくれや、頼むわ」

 

 

 

私は関西生まれの人間ですので、

今回の舞台はその地元関西で起こったことです。

なので唐突に関西弁が出てきましたが、気にしないでください(笑)。

 

 

 

渋々カウンター席から立ち上がり、ピアノの前へ。

「リクエスト、何かあります?」と軽い気持ちで私はいったんですが、

その新婦のリクエストが意表をついてました。

 

 

「私、菅野よう子さんの音楽がすごく好きなんです!!」

ナップルテールっていうゲームがすごく好きで」

「Folly Fallっていう曲が大好きなんで、それでお願いします!!」

 

 

 

そう語る新婦のニコニコした顔を私はじっと見つめていました。

よりによって菅野よう子さんの楽曲かよ・・・と、その時私は思いました。

 

 

説明すると、

ナップルテールというゲームがありまして。

セガが出した最後のハードであるDreamcastで発売されたんですが、

そのゲームの音楽を菅野よう子さんという作曲家の方が担当されているわけです。

私の中で「耳コピが最も難しい作曲家の一人」という方の、

しかも難曲である「Folly Fall」をご所望とは。

 


Napple Tale - Folly Fall (HD Quality)

 

弦楽と独特なボイスで彩られた名曲であることは私も知ってます。

が、それをピアノ1台でやれってどういうこっちゃ!!??

とその時の私は思ったんですが、

新郎の厳しい目で見られると、仕方ないか、と諦めがついたので、

おもむろに演奏をはじめました。

 

楽譜もなく私の記憶だけが頼りだったのですが、

私もこの曲「Folly Fall」という曲が大好きでしたし、

ジャズっぽく弾いた、と言えばかっこいいですけど、

結局私の拙い演奏技術をカバーするという理由で少し崩したアレンジにしたんですね。

 

そして演奏が終わると、新婦が泣きながら私のところへ来て、

深々と頭を下げて「ありがとうございます!!!」と言ってくれました。

そのうしろで新郎がドヤ顔で私を見つめてきたときは殴ってやろうかと思いましたが。

 

 

 

二度と人前で演奏はしない、と誓ったのはこの時です・・・(笑)

SOUND LIKE

Google翻訳でこれを入れると「~のように聞こえる」という言葉で出てきました。LIKEが「~のように」、SOUNDは「聞こえる、聴く」ってことですかね。

 

Youtubeニコニコ動画などのサイトで不正にUPされているサントラの音楽だったり、ゲームから引っこ抜いた音楽だったりを聴くことができます。私も利用したことがない、というと嘘になります。ただ、なるべくそうして聴いたものについてはちゃんと後から買ってますし、製作者へ還元しようという意識がどうしても働いてしまいます。もともと音楽業界にいた人間ですからね。

でそうした動画サイトで音楽を聞くこともあるんですが、そのコメント等を見ているとよく目にするのがこの「sound like」という言葉なんですよ。「あ、この曲、~に似てる」ってことですね。私、この言葉があまり好きではないんですよ。語彙力のなさをそうした似ているコメントでカバーしているんでしょうけど、全然カバーできてないですよね。むしろアホさ加減をさらしているような気がします。

例えばクラシックの音楽、ショスタコーヴィチストラヴィンスキーなどの現代作曲家の音楽を聴いていると「これなんかドラクエのあの音楽にそっくり」っていうコメントをするアホがいます。すぎやまこういちさんが様々な音楽に影響を受けていて、ロシア音楽もまたそのひとつであることは知られてます。ドラクエよりも前に作られた音楽をドラクエと比較するというアホなことを平気でコメントしているのを見てると、虫酸が走るんですよ。そこしか比較対象がないのであればしょうがないんですけど。数多くの音楽を聴いているとショスタコーヴィチストラヴィンスキーの独自性であったりパロディであったりというものもわかるとは思うんですけど、一般的にクラシック音楽を統計的に、あるいは分析を加えながら聞く人ってそれほどいないんだなってことを再認識させられます。

1月~3月クールで唯一見ていたアニメ「鬼平」というのがあるんですけど、このOPがとてもかっちょいいんですよ。私の敬愛する田中公平さんの手によるOP曲。確かに聴いてみると「COWBOY BEBOP」のOP「TANK!」との類似性ってのもあるっちゃあるんでしょうけど、それって無粋じゃないかと私なんかは思っちゃうんですよね。鬼平には鬼平の、ビバップにはビバップの音楽の良いところ悪いところはかならずあるわけで。それを単に「似ている」という一言で片付けてしまうのはどうなんでしょうね。率直な感想という人もいるのでしょうけれど、それは感想ではなく比較です。

とはいえ、製作者も狙って似せて作ることがもちろんあるわけなので、一概にそうした感想を否定するのもどうかとは私も思います。ただ、そういうコメントしか書けないアホもちょくちょくいるんですよ。アホはどこまで行ってもアホってことですかね。

「~風」というオーダーを、私も編曲者時代に受けたことは一度や二度ではありません。一応当時はプロを自認していたのでそうしたオーダーを毛嫌いすること無く精一杯アレンジをしていた記憶があります。内心はともかく(笑)。こういう感想を書かれるようにこちらから仕向けているという意識もあったので、その葛藤で少し心を痛めていた時期もありました。すぐに「ま、いっか」ってなりましたけど。

 

「~に似てる」「~のパクリ」とコメント書いたりする前に、もう少し音楽勉強したほうが良いかもしれませんね、その手の方々は。自分の不勉強をわざわざ自分から申告してるようなもんですよ。気をつけましょう。